任天堂、「KYOTO CMEX 2009 Nintendoゲームイベント」開催
会場限定のデータ配信や、発売前のゲーム試遊などを実施


10月3日~4日 開催

会場:東映京都撮影所

入場料:無料


 任天堂株式会社は10月3日と4日の2日間、KYOTO Cross Media Experience(CMEX)実行委員会主催のもと、「KYOTO CMEX 2009 Nintendoゲームイベント」を東映京都撮影所の第1スタジオで開催した。

 このイベントは京都の産学連携のもと、マンガ、アニメ、ゲーム、映画などのコンテンツを展開する複合イベント「KYOTO Cross Media Experience 2009」の一環として行なわれたもの。新作のゲーム試遊のほか、会場限定の「とっておきピカチュウ」プレゼントや、ステージイベントなどが行なわれた。

 初日となった3日には、入場開始前から200人ほどの行列ができた。開場後も入場制限が行なわれたために、入場待ちは最大で2時間までにもなった。あまりゲーム系のイベントに登場しない任天堂による単独のイベントということもあり、幅広い層の多くのゲームファンが詰め掛けた。


入場を待つ長蛇の列会場内にはマリオが



■ Nintendo VIDEO GAME HISTORY

 入口すぐのところには、「Nintendo VIDEO GAME HISTORY」と題し、これまで任天堂がリリースしてきたハードやソフトが、ずらりとショーケース内に展示された。ファミコンやゲームボーイからニンテンドーDSiまでそろったハードのほか、「ファミリーコンピュータ ロボット」などの懐かしい周辺機器も見られた。海外仕様のソフトの展示もあり、なかには日本で未発売のタイトルも。

 ショーケースを覗く親子が新旧のゲーム談議に花を咲かせている様子が印象的だった。任天堂のハードやソフトが世代を超えて愛されているとともに、親子の交流にもひと役買う様子が垣間見られた。


懐かしのゲームから最新機種まで並ぶ、任天堂の歴史を現わした貴重な展示



■ 「とっておきピカチュウ」データ配信

 DS用「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」に、通常のプレイでは覚えないわざ「とっておき」を覚えている「ピカチュウ」がデータ配信された。今回のイベント限定の貴重なポケモンということもあり、多くの人がこのデータ配信を目当てに会場に訪れていた。会場の外にも無線を飛ばし、入場待ちしている行列からでも「とっておきピカチュウ」を受け取れたため、受信を終えると入場せずに帰る人もいたようだ。

 さらに「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」に同梱されている本作専用の歩数計「ポケウォーカー」用の特別なコース「きいろのもり」もデータ配信された。「きいろのもり」は、たくさんのピカチュウが住む、ピカチュウだらけの森。これも通常は手に入らないが、今回のイベントだけでなく、9月18日から11月10日までの期間限定で、ニンテンドーWi-Fiコネクションでも受け取れる。


今回のイベントの目玉ともいえる「とっておきピカチュウ」の配信。開場と同時に大混雑する盛況ぶり
「きいろのもり」の配信にも多くの人が集まった。「ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー」の人気の高さが伺える



■ Wii「マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック」の試遊

 11月5日発売予定のWii用スポーツゲーム「マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック」を先行体験できた。本作を遊べる機会は今回のイベントが初めてだっただけに、会場の中でも特に人気が高かった。

 前作「マリオ&ソニック AT 北京オリンピック」は、Wii用、DS用を合わせて全世界で1,000万本以上を出荷したヒット作。今作は2010年にカナダのバンクーバーで開催される冬季オリンピックを舞台に、「マリオ」や「ソニック」たちが、スキーやスケートをはじめ、「ボブスレー」、「モーグル」、「アイスホッケー」、「ジャンプラージヒル」など冬季オリンピックならではの競技にチャレンジする。

 フェスティバルモードでは、実際の冬季オリンピックと同じように開会式から閉会式までの17日間に、全ての競技をプレイして総合優勝を目指す。フェスティバルモードのみに登場するライバルキャラクターもいるという。またアイテムやスペシャル技を駆使して特別なステージで競える「ドリームスキークロス」、「ドリーム雪合戦」など、ドリーム競技も11種目も収録されている。新キャラクターは「ドンキーコング」、「クッパJr.」、「シルバー」、「メタルソニック」の4人だ。

 今回の試遊では20種類のキャラクター、16種類の競技を選択して体験できた。16競技のうち10競技が「バランスWiiボード」に対応しており、独自の操作方法でゲームを楽しめた。例えば「モーグル」はバランスWiiボード上で重心を動かしてトリックを決められ、簡単に爽快なプレイができるのが魅力だ。

 「フィギュアスケート」はバランスWiiボードに対応していないが、画面の指示に合わせてWiiリモコンを振ったり回したりすることで、美しいスピンやジャンプなどの演技ができた。1人でも楽しめるほか、4人までの複数人でのプレイも可能。競争だけでなく、種目によっては協力プレイができるため、家族や友人とワイワイ楽しめるのも魅力のひとつ。


体験プレイの列はバランスWiiボードの使用・不使用で分かれていたが、どちらも大人気。60分以上の待ち時間が発生していた



■ DS「マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック」の体験版配信

 11月19日に発売予定のDS用「マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック」では、体験版をダウンロードできるコーナーを設置。こちらも本作の体験版が遊べたのは今回のイベントが初となる。

 体験版は「大回転」と「ボブスレー」の2種類の競技が用意された。どちらか一方しかダウンロードできないため、片方をダウンロードしてしばらく遊んでから、もうひとつの競技をダウンロードしに列に並び直す人も多かった。


1本のゲームを2つの体験版に分けて配信。もちろん両方遊んでいく人が多かった



■ 会場限定「DSi限定フォトフレーム」の配信

新選組の衣裳を着た「マリオ」と舞妓風の「ピーチ姫」という京都らしいデザイン。フレーム下には“KYOTO Cross Media Experience 2009”の文字が

 DSi本体を持って来場すると、オリジナルデザインの会場限定フォトフレームを受け取れた。京都ならではの珍しい姿をしたマリオとピーチ姫のイラストで、入場ゲートにも使用されていたもの。会場内にいたマリオを限定フレームで撮影をする子供の姿も見られた。




■ 「ポケモン☆サンデー」ステージ

 会場内のステージでは、TV番組「ポケモン☆サンデー」でおなじみの出演者が登場する、KBS京都プレゼンツ「ポケモン☆サンデー」ステージが、各日11時と13時の2回開催された。3日はルカリオ部長と所長のヤミラミ、4日はゴルゴ所長とレッド博士がステージに登場。ステージ観覧者から選ばれた子供たちのポケモンバトルをにぎやかに楽しく応援した。

 「ポケモン☆サンデー」ステージ以外にも、Wii用「マリオ&ソニック AT バンクーバーオリンピック」や「Wii Sports Resort」などの対戦ステージイベントも開催。各回ともステージ前には多くの人が集まっていた。


「ルカリオ」部長と所長の「ヤミラミ」がステージに登場すると大きな拍手が巻き起こる
ステージ上ではポケモンバトルが繰り広げられる。用意されたポケモンで戦うというルールだった



 来場者は親子連れが多く、和やかで活気のある雰囲気の中、世代や年齢を超えて皆がゲームを楽しんでいた。大人も子供も関係なく、来場者のほとんどが手にDSを持っていて、任天堂の持つパワーを目の当たりにした。

 首都圏での開催ではなく、しかも京都の中でも中心地から離れているにも関わらず、多くの人が訪れたことにも驚かされた。任天堂の地元でありながら、これまで京都で今回のようなイベントが行なわれたことはあまり記憶にない。京都に長く住む筆者にとっては「うれしい」という言葉に尽きる。京都という街がマンガ、アニメ、ゲーム、映画などのコンテンツ産業を強化するためにも、任天堂の存在が欠かせないということをあらためて実感させられた。


活気ある会場風景出口付近の壁には、オリジナルのマリオのイラストが


(C)2009 Nintendo

(2009年 10月 5日)

[Reported by 山科明之進/南奈実]