SCEJ、「プレイステーション」戦略発表会で新型PS3発表
「機動戦士ガンダム戦記」同梱BOXは38,359円で同時発売


8月19日 開催

【新型「プレイステーション 3」(CECH-2000A)】

9月3日 発売

価格:29,980円

【機動戦士ガンダム戦記 GUNDAM 30th ANNIVERSARY BOX】

9月3日 発売

価格:38,359円


SCEJプレジデントのショーン・レーデン氏

 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントは、8月19日、日本国内におけるプレイステーションプラットフォームに関する戦略発表会を開催した。ドイツで開催中の「gamescom」での発表を受けてのもので、国内での新型プレイステーション 3(CECH-2000A)の発売日は9月3日、価格は29,980円と発表された。

 プレゼンテーションに立ったのはSCEJプレジデントのショーン・レーデン氏。「今日が年末商戦の始まりです。プレイステーションは変わり続ける。11月にはPSPgoもあり、年末商戦に新しいハード、新しいソフト、新しい施策で臨みます」と挨拶した。なお、ソフトのラインナップに関しては、9月に開催される東京ゲームショウ2009にて発表されるという。



■ 薄さと低価格がインパクト大の新型PS3。PS2を思い出させるカラーで展開

新型PS3(CECH-2000A)。カラーはチャコール・ブラック

 新型PS3は、主要半導体から電源ブロック、冷却機構に至るまで本体各部を徹底的に見直し、新たに設計・生産することにより、初期モデル(HDD 60GBモデル)を基準に、体積・厚さ・重さともに約3分の2の薄型・軽量化を実現。

 従来モデル(CECHL00シリーズ)の約325×98×274mm(幅×高さ×奥行)から約290×65×290mm(幅×高さ×奥行)と、幅で35mm、高さで33mm減り、奥行は16mm増えている。初代(CECHA00/B00)は約5kgだった重量は、約3.2kgになっている(従来モデルは4.4kg)。CELLプロセッサも45nm世代に進み、消費電力も初期モデルの約3分の2、HDD80GBのCECHL00シリーズの約280Wから約250Wに削減。同時に、ファンノイズを低減し静粛性をより高めているという。会場に展示されていた本体を実際に触ってみた限り、従来型の縦長から正方形へというイメージの違いに加え、薄型化されたことで相当スリムになった印象だ。実際に持ってみると軽くなったことが実感できる。

 また、標準搭載のHDDも80GBから120GBへと増量。新型PS3では、BDディスクドライブ下部、正面から見た場合右下のカバー内部に収められており、裏面にあるふたを開くことで、カバーを固定しているビスにアクセスでき、これを外せば、容易に交換ができるようになっているようだ(このふたにシールによる封印がされる可能性はある)。また、新型の特徴としては、冷却用のスリットが本体横から消え、背面、そして裏面サイドに残るのみになったこと。新設計による筐体と、各種半導体の進化により、廃熱を押さえているということだろう。

 本体色はチャコール・ブラック。この色は、プレイステーション 2を思い起こさせるもので、本体表面は梨地処理が施されていることもあり、より一層PS2を思い出す。PSロゴはかなり小型化され、ロゴの回転機構はオミットされている。さらに、背面にあった主電源スイッチがなくなり、ACケーブルをコンセントに接続すると、即スタンバイ状態となるという。スイッチ類の変化としては、POWERスイッチとディスクイジェクトスイッチが静電容量感知式タッチセンサーだったものが、プッシュ式のものに改められている。

 USB端子が2、10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T対応のEthernet端子が1、IEEE 802.11 b/gに対応した無線LAN通信機能、Bluetooth 2.0(EDR)、HDMI出力、AVマルチ出力、光デジタル出力が各1と変わりない。BDドライブもBD 2倍速、DVD8倍速、CD24倍速と変化はない。同梱物もワイヤレスコントローラ(DUALSHOCK3)、電源ケーブル、AVケーブル、USBケーブルが各1と変わりない。価格はCHCHLシリーズの80GB版の39,980円から29,980円と1万円下がっている。

 そのほか、従来機では可能だった「他のシステムのインストール」機能が削除。ソニー株式会社の液晶テレビ「ブラビア」と連動する「ブラビアリンク」にも対応し、HDMIケーブルでブラビアと接続した場合、テレビに付属しているマルチリモコンでPS3のXMBを操作できるほか、テレビの電源を切るとPS3の電源も自動オフになる「システムスタンバイ」機能が利用できる。


タッチパネルだった電源/リセットスイッチと、ディスクイジェクトスイッチがプッシュ式に変化。プレイステーションロゴも小型化し、回転機構はオミット主電源スイッチが省略された背面。薄くなったことがよくわかる

会場で展示されていた縦置き用のスタンド(CECH-ZS1)をセットした新型PS3
縦置き用のスタンド(CECH-ZS1)は別売で価格は2,000円


■ 「機動戦士ガンダム戦記」同梱BOXも同日発売

「機動戦士ガンダム戦記 GUNDAM 30th ANNIVERSARY BOX」

 9月3日には、株式会社バンダイナムコゲームスより発売される「機動戦士ガンダム戦記」との同梱BOX「機動戦士ガンダム戦記 GUNDAM 30th ANNIVERSARY BOX」も発売される。同ソフトに加え、同作の初回生産特典「機動戦士ガンダム戦記 アバンタイトル」視聴用プロダクトコードはもちろん付属するほか、さらに、追加モビルスーツとして、「FA-78-3 フルアーマーガンダム7号機」と「RX-81AS アサルトアーマー」のダウンロード用プロダクトコードが付属する。価格は38,359円。

 この2機のMSのダウンロードコードに関しては、通常製品版を購入するユーザーはどうなるのか? という疑問がわいてくると思われるが、詳しくは今後の情報をお待ちいただきたい。



■ XMBのデザインをリニューアルしたPS3システムソフトウェア バージョン3.00も9月1日より配信

PS3システムソフトウェア バージョン3.00の実機によるデモンストレーションが行なわれた。項目選択すると拡大

 9月1日より、PS3のシステムソフトウェアがバージョン3.00にアップデートされる(新型PS3は初期状態がこのバージョンとなる)。このシステムソフトウェアは旧来のPS3にも適用される。

 見た目の特徴としては、クロスメディアバー(XMB)のデザインが改められ、各項目のアイコンを選択することにより、その中の項目表示が横並びになるなどの違いがある。また、PlayStation Networkのお勧めコンテンツや最近遊んだゲームの情報などがひとめで確認できる「What’s New」画面が表示される。これにより、項目がゲームや動画はもとより、WebだろうがPlayStation Storeだろうが、よく使うものはコンテンツの種類を問わずまとめて表示されることになり、アクセスしやすくなることは間違いないだろう。ショーン氏によれば、プレイしているソフトのDLコンテンツが配信されたときなども、その項目が優先的に並ぶようになることになるようだ。

 また、XMBのバックグラウンドにさらに効果が加えられる(デモ時には花びらのようなものが舞っていた)。


PSNの配下に「What’s New」の項目が追加に。ニュース、よく使うコンテンツといったものが横並びで表示されるようになる。以前の「インフォメーションボード」の後継的な要素が見える
PS Storeの表示レイアウトも変更になった
【スクリーンショット】

■ 「こころは、もっと動く」……「playface」キャンペーン

SCEJシニア・バイスプレジデントの金 勲氏
撮影キャラバンで使用される機材

 プレゼンテーションの最後は、SCEJシニア・バイスプレジデントの金 勲氏によって、「こころは、もっと動く」と題されたブランドメッセージが語られた。「日本にはエキサイティングが足りない」、「PlayStationはそんな閉鎖的な現実と無力感を直すことができる」、「よりビビッドで豊かな感情体験を積極的に楽しむことをプレイステーションは肯定する」といったキーワードが次々と提示された。そして、ゲームをプレイしている表情を撮影し、それを編集したものをWeb上に掲載するキャンペーン「playface」を紹介。現在、実際にタレントやクリエイターを始めとした多数の「playface」が、すでに特設サイト上にも公開されているほか、新型PS3のTVCMにもこのさまざまな表情が登場する。

 さらに、9月3日から「playfaceダービー」が開催される。11月24日までの期間中、東京、大阪で撮影キャラバンが実施される。撮影された顔を集め、人気投票でナンバー1を競うダービーマッチで、ランキング上位者に配布されるポイントの総計は1千万円分。1位は250万円分、2位は100万円分、3位(2名)は50万円分のポイントがプレゼントされるという(プレゼントされたポイントは1ポイント=1円としてPSN上で利用できるようになる予定)。キャラバンで使用される機材は、複数のHD対応ビデオカメラがぐるっとプレーヤーの周りを取り囲むというもので、9月3日~6日のお台場・メディアージュを皮切りにTGSなどでも撮影が行なわれる。もちろん、自前で撮影しても応募は可能だ。


プレイ中の表情を登録し、人気が出ればプレゼントがもらえるという仕組みだが、シャイだといわれる日本のプレーヤーにどれだけ浸透するのか、興味深いキャンペーンが行なわれる

(C)Sony Computer Entertainment Inc. All rights reserved.

「機動戦士ガンダム戦記 GUNDAM 30th ANNIVERSARY BOX」
(C)創通・サンライズ

(2009年 8月 19日)

[Reported by 佐伯憲司]