「東京おもちゃショー2009」開幕
より高度に進化するトイが続々登場


開催期間:7月16日~19日 (一般公開日は18日と19日のみ)

会場:東京ビッグサイト


スクウェア・エニックスも出展していた。今回は主に「ドラゴンクエスト」関連商品の展示が目立っていた。一般公開日は展示内容を変え物販コーナーにするという

 最新の玩具がズラリと並ぶ展示会「東京おもちゃショー2009」が7月16日に開幕した。16日と17日は商談会で関係者しか入場することはできないが、18日と19日は一般来場者も無料で楽しむことができる。会場は東京ビッグサイト。

 トレンドとしては昨年以上に食育系の玩具が増えており、ブームとなっている。また食育、調理系玩具にはどのブースには多くのバイヤーが群がっており、一般市場でも大きな支持を得ていると言えるだろう。そんな中でも今年の傾向は「より手軽に」といったキーワードがあるようだ。電子レンジを使い手軽に短時間でパンを焼くといった玩具が見受けられ、また人気を集めていた。このほかではバンダイブースで展示されていた「餃子メーカー くるりんパオ!」などが人気が高かった。親と子で楽しみながらお手伝いに繋がりコミュニケーションも撮れるといいとこずくめということだろうか。

 このほかでは、大人を対象としたホビー系の商品に強いタカラトミーの約半分ほどがそういったコーナー展開となっており、バイヤーの興味をひく商品が多いことからもブースの混雑具合もかなりのものだった。今年もアイディア一発勝負の奇抜な商品が並んでおり、本当に楽しめる内容だ。

 個人的には度肝を抜くような新しい商品は見受けられなかったよう感じたが、面白いラジコン関係の商品などが目に付いた。注目度も高く、弊誌男性読者が楽しめそうな商品を中心にご紹介することとする。


【食育系玩具がますます盛んに】

バンダイの調理玩具「餃子メーカー くるりんパオ!」。餃子を作るのは楽しいが餡がはみ出してしまいがち。それを手軽に作ってしまおうという商品タカラトミーの電子レンジなどを使用して短時間で簡単にパンを作ってしまおうという「すばやく作れる! ぱぱっとパン屋さん」同じくタカラトミーから発売される「生キャラメルポット プラス」



■ 最新の「チョロQ」はアクションからレースまでたっぷり遊べる

 タカラトミーによれば「チョロQ」が早くも30周年ということで、今年は新商品が登場した。それが「チョロQ HYBRID!」。元はゼンマイ式で、最近では「Q STEER」など赤外線コントロールカーが人気を集めていたが、それぞれ別物だった。

 しかし今回発表された「チョロQ HYBRID!」は、ゼンマイタイプのチョロQとリモコンタイプのチョロQのシャーシを共通化し、それぞれ交換可能とした。また、リモコンタイプは従来商品より5倍のパワーを持ち、例えばウイリーさせくるくる回してみると言ったアクロバティックなアクションがこれまで以上に楽しめる。会場でも勢いよくクルクルと回るといったデモを行なっていた。これらのアクションをダッシュボタンとハンドルなどの少ないボタンで実現できる。

 このアクロバティックな動きは1つの売りで、例えばウイリーさせ直立させて定位置に尽かせる競技など、テクニックを競い合うことができる。また、踊るようにクルクル回転させるような運転も可能。

 さらに別途コースも販売されることが決定しており、チョロQにガイドピンを付けてサーキットを走らせればスロットカーのような楽しみ方もできる。360度一回転させたりアクションサーキットもラインナップに用意されているので、昔スロットカーで遊んでいた人が、またそのテクニックを生かせる時が来たとも言えるかもしれない。


【チョロQ HYBRID!】

リモコンタイプ「ランボルギーニ カウンタックLP400」リモコンタイプ「日産 フェアレディZ」リモコンタイプ「Honda インサイト」
11月に発売となる所ジョージモデル「ポンコチック ポンイチ」。所ジョージさんがデザインしたオリジナルカーのチョロQ版。レトロな感じでイイ感じに仕上がっている。2,415円で11月発売予定チョロQのリモコンタイプ1台と、ウィリー走行など各種アクションを実現するためのパーツを多数同梱したキット「チョロQ アクションプレイセット」。アクション派はぜひとも欲しいところ。10月に3,675円で発売予定これまでの「チョロQ」の5倍のパワーを持つと言い、会場のデモ走行でも見ていると、目にもとまらぬ速さで勢いよくクルクルと回っていた
赤外線コントローラーの上部分に付いているのがダッシュボタンで、このボタンをうまく使うことでパワフルな遊びを実現することができるスロットカーのような楽しみ方が可能となる「チョロQ ミニサーキット」。チョロQにガイドピンを付けて走行させる。コースはジョイント式で拡張可能。2,625円で10月発売予定「ミニサーキット」の拡張版とも言える「チョロQ DXアクションサーキット」。10月に6,825円で発売される予定



 「チョロQ」以外にも多くのラジコンが出展されていた。1月に発表されて以来、静岡のホビーショーなどでも大きな人気を集めていた「技MIX 1/700 地上航行模型 戦艦大和」が今回も人気だった。その作り込みのすさまじさが人気の秘密だが、現在もその動きに磨きをかけているのだという。タカラトミーによれば「止めようと思ってもすぐに止まらないし、操作性は悪い」という。しかしそれは「6万トンの船を操舵している」感覚を再現するためのこだわりなんだとか。実際にその動きを見ると納得のいくものがある。

 さらに年末頃には「技MIX 地上航行模型シリーズCX 可動ユニット」も発売する予定だという。これは船艦の下の部分で走行させる駆動部だけを分離して発売すると言うこと。この可動ユニットの上に自分の好きな戦艦をプラモデルなどで作成しセットすれば自由に動かすことができると言うことだ。情景ストラクチャーも用意されるようで、どんどん奥深い世界観を構築することができそうだ。

 このほかにもCCPなどのメーカーから興味深いラジコンが展示されていたので、取り上げていく。

【技MIX 1/700 地上航行模型 戦艦大和】

9月末発売予定と言うことで完成度が上がってきた「戦艦大和」。しかしまだ動きなどの調整を行なっているという。担当者によれば「6万トンの船を操作している感覚を出したいのでこだわっている」という。操作性はむしろ悪いがそれ故リアルに感じることができるという可動コントローラーユニット。砲塔を稼働させたり音を発したりすることができる。ちなみに中央の「回線」とあるところはバンドの設定をするところ。このディップスイッチを設定することでバンドを切り替え、複数の戦艦を同時に操作することができる充電器。これで充電することができるが、台座を別途購入しセットすれば戦艦を飾ったまま充電することも可能となる
弊誌でも紹介したCCPの「ミッションキャリアー S.W.A.T.」。キャリアのリアパネルがオープンしヘリが登場し発信させることができる。これらの操作を付属のプロポのスイッチを切り替えるだけでできてしまうところが素晴らしい。ただ、残念ながら格納は手動となる。かなりの大きさでそれだけで迫力だが8,379円とこのクラスのラジコンとしては手軽に入手できそう
同じくCCPの「G-バウンド」。水たまりだろうがバンバン走っていくという、キャンプ地などで遊ぶにはもってこいのラジコン。跳ねてジャンプしても大概は壊れない。操作可能距離は屋外約10m。13,440円で今秋発売予定ロボットを飛ばすというヘリコプターなどとは違った操作感を楽しめる「スカイアーマー」。デザインが細かく凝っている4,179円で7月発売予定
より手軽にヘリコプターを操作できるようにと、タイヨー(写真左、写真中央)とCCP(写真右)からジャイロセンサー付のインドアヘリラジコンが登場した。カメラの手ぶれ補正の手法と同じジャイロセンサーを使用。安定した飛行が楽しめる
ラジコンではないが、少し面白いアイテム「エアロスパイダーレーザー」。「エアロスパイダー」は壁や天井でも張り付いて走る車ですでに発売中だが、ファンを使い真空を作ることで張り付くというギミックはそのままに、赤外線に反応して追いかけるというギミックを追加。工夫次第ではレースなども楽しめそう。もちろんバンドなどはないため赤外線を当てれば誰のレーザーでも追いかけてしまうが、その習性を逆手に取り邪魔したり自分のだけうまく進めたりといった遊び方は可能だろう



■ 本当にドラえもんと会話しているみたい!「Myドラえもん」

音声認識を使わずに、イントネーションなどでユーザーの興味を判定し会話の流れを作るという技術を使いまるで会話しているかのような雰囲気を作り上げることに成功している

 小さいながらも最新の技術を集積したドラえもんが展示されている。商品名は「Myドラえもん」。手のひらに載るかどうかといったサイズだが、話しかければきちんと会話が成り立つ。これは音声認識で会話の意味を考えているのではなく、ユーザーの声のイントネーションなどからユーザーが話の内容に興味を持っているかどうかなどを総合的に判断し、話題を変えたり繋げたり会話を構築していく仕組みとなっている。

 会場でも担当者とのデモで見事な会話を披露していた。もちろん声は水田わさびさんの声を収録している。ちなみにセリフの内容はアニメや漫画に出てきたセリフを中心に構成していると言うことで、逆に言えばファンにとっては自分がアニメの中の登場人物になったかのような錯覚を憶えるかもしれない。おしゃべりは1,300ワード以上収録。

 さらに目にペーパー液晶が使用されており、10種類のグラフィックスで細かく、且つ綺麗に目の動きを表現している。目は口ほどにものを言う……と言うこともあって、その細やかさにはちょっとした感動を覚えるだろう。

 このほかにも様々な機能を搭載していることから、お値段31,500円と若干高くなっている。9月3日発売予定。


会場には「Myドラえもん」の仕組みがわかるよう透明なモデルや、目に使用されているペーパー液晶だけ独立してデモを行なっている
「Myドラえもん」の様々なギミックを紹介したボード。小さなボディに最新技術が惜しげもなく使用されている



■ 進化し続ける「ポケモン図鑑」

 9月にシリーズ最新作「ポケットモンスター ハートゴールド」と「同 ソウルシルバー」が発売となる。それに合わせる形で最新のポケモン図鑑「NEWポケモン図鑑(仮)」が発売となる。同社によれば成りきりグッズとしてゲームユーザーから絶大な人気を得ているのだとか。

 今回はデジタルタッチパネルを採用しておりこれまで以上に直感的な操作を実現している。さらに493匹のデータを収めるなど多くの情報を収録している。例えば1画面で収まらない解説文でもタッチペンで画面をスライドさせることで読むことができるなど、大きな進歩を遂げている。

 ミニゲームも「バランスゲーム」、「めいろ」、「タイムアタック」の3種類を収録。さらにアドベンチャーモードも搭載している。


【NEWポケモン図鑑(仮)】

9月に発売となる「ポケットモンスター ハートゴールド」と「同 ソウルシルバー」に合わせる形で、最新の「ポケモン図鑑」が発売となる。タッチペンを使用し、これまで以上に多彩な検索が可能となっている。もちろんルギアやホウオウ、さらにはアルセウスなども収録されており、なんと493匹のデータが収められている。ミニゲームなども収められており、ただの成りきりグッズではない出来となっている。11月に5,250円で発売予定。ボディカラーが赤とピンクの2種類が発売される



■ その他に目にも面白いトイが目白押し

 上記以外にも様々なアイディアを持ったトイが発表されていたので、順次紹介していく。


【ムービングフォト】

写真を3枚撮影しパラパラアニメのように再生することができるツール。200万画素のデジタルカメラで内蔵メモリが1GBのほか、1GBのSDカードまでセット可能。顔だけを切り抜いたりする機能も搭載し、収録されたおもしろフレームを組み合わせることで“動くプリクラ”のような楽しみ方が可能。実際にワイワイみんなで撮影して作っていると楽しめそう。アニメを作成するレンダリング時間は20秒くらい。本体で遊んでいる時点ではJPEGで記録し独自方式でアニメさせているが、外部に出力する時はアニメーションGIFに変換されPCなどでも楽しめるという

【エレメントハンター】

NHK教育で放送されている「エレメントハンター」のトイ。元素を捕まえるというのが面白い。80種類の元素をそれぞれ収めたプレパラートを本体に読み込んで戦う。元素の特徴を憶えておき、登場した敵に対して有利な元素を読み込むのが勝負のコツのようだ。遊ぶながら猛烈に科学の勉強となるところが興味深い。4人まで赤外線通信で遊ぶことができる。対戦だけでなく協力プレイも用意されている

【家あげ花火】

「家あげ花火」と書いて「うちあげはなび」と読む、家庭用プラネタリウム「HomeStar」の流れをくむ商品。本体に花火の絵がプリントされたフィルムをセットすると自動的に効果を付けながらまるで本物の花火のように天井や壁に再生してくれる。大玉以外に周りに小さな花火の再生レンズもセットされており、そちらも個別に花火をセットできる。本体セットにはなにもプリントされていないフィルムも用意されており、サインペンで花火を自作することもできる(写真右下)

【なぞるおえかき ピカッとかけた!】

なぞることで絵が描けスッとバーをなぞることでクリアされ、何度も絵を掛ける子供用の玩具があるが、その最新版とも言える「なぞるおえかき ピカッとかけた!」。基本的にはペンや指で盤面をなぞると絵が描ける。新しいところとしては透き通っているため、したに絵を置くと透き通って見えるためなぞって絵を描くことができる。さらにライトが仕込んでありレバーをずらすことで黄色、緑、赤のライトで照らし出すことができ、見た目に美しい。ボードの上にあるボタンを強く押すと描いた絵をクリアでき、また一から新しい絵を描くことができる

【クロックマン】

血液型によって性格が違うという、よくしゃべる時計。たとえばO型ならおおざっぱで「おおよそ14時をお知らせします」といった風に時刻を教えてくれるという。このほかにも「ふぁー疲れた疲れた」とか「話し相手になって上げてもいいよー」とかおしゃべりなんだとか。目はクルクルと切り替わるようになっており、表情も豊かタカラトミーアーツの「逆さまマスタージャパン」。音声を録音すると逆回転で再生してくれる。例えば「んとふ」と言ったところで逆回転して再生しても「ふとん」と聞こえない。ということでこのツールを使えば逆回転させることでいろいろな楽しみ方ができる。頭の体操などアイディア次第では色々楽しめそう

【島田秀平のテノヒラライト】

お笑い芸人でありながら的確な手相判断で多くのファンを持つ島田秀平とのタイアップ商品。タカラトミーアーツから11月に各100円で発売予定。基本的にはライトだが、手のひらに当てると手相の線が浮かび上がって見え、だれでも手相神弾が可能となる。「オモシロ人間編」や「盛り上がる夜編」などシチュエーション別に8種類が用意されているバンダイから発売される歩数計「天下統一」。これまでにも「ヤマト」など発売されてきたシリーズの最新作。今回は武将をテーマに歴史を再現するというもの。例えば合戦できちんと毎日歩いていれば歴史上では負けた戦いでも勝てるかもしれないという、ある意味歴史のIFを楽しめる。武将は織田信長、武田信玄、上杉謙信の3んひんから選択可能。グラフィックスは平田弘史氏を起用し、小さい液晶ながらもその迫力をきちんと再現している

(2009年 7月 16日)

[Reported by 船津稔]