SCEJ、SFド硬派FPS「KILLZONE 2」先行体験レポート
圧倒的に不利な状況を、己の腕と銃弾で突破する興奮!

4月23日 発売予定

価格:6,980円

CEROレーティング:D(17歳以上)


 株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCEJ)は、4月23日、PS3用FPS(ファーストパーソンシューティング)「KILLZONE 2」を発売する。価格は6,980円。日本語版は声優による日本語吹き替え、日本語字幕も表示できるフルローカライズで発売される。3月12日からは序盤のステージの一部を体験できる体験版がPlayStation Storeで配信されている。

 「KILLZONE 2」の開発はオランダのGuerrilla Games。前作に当たる「KILLZONE」は日本ではセガから2005年10月にPS2版が発売されている。前作、今作とも海外では高い評価を受けており、「KILLZONE 2」は日本のFPSファンも注目している。4月中旬にはマルチプレイの体験版も配信される予定だ。

 本作のテーマは惑星間戦争である。プレーヤーは惑星間同盟ISAの軍の精鋭部隊の一人だ。ISA軍は惑星間同盟を離脱した惑星ヘルガーンへ降下し、惑星上に展開する敵軍ヘルガストと激しい戦闘に突入する。過酷な戦いを印象づける演出と、歯ごたえのある難易度がプレーヤーを戦場に引きずり込むことになるという。その戦場の“表現”に注目したいタイトルだ。今回、発売前にステージ1をプレイすることができた。スクリーンショットと共に、ゲームの要素を紹介したい。



■ 狡猾で、数の勝る敵がプレーヤーを追いつめる。逆境だからこそ燃える“漢(おとこ)”のFPS

ISA軍の精鋭部隊「アルファチーム」。右から2番目が主人公のセブだ

 「KILLZONE 2」のキャンペーンモードでは、プレーヤーはISA軍の精鋭部隊「アルファチーム」の一員であるセブとなり、惑星ヘルガーンへ降下していく。「すぐに片付くミッション」と言われていた戦場で見たものは、絶体絶命の圧倒的不利な状況だった。

 本作の第1のセールスポイントがグラフィックスの美しさである。嵐のような銃弾と、味方を追いつめるヘルガスト、広がる敵陣地、右往左往する味方……絵画的な美しさではなく、迫ってくるような迫力のある戦場風景の細かさに注目である。銃弾を食らったときの敵の吹っ飛び方、爆発物を撃ち抜いたときの飛び散り方といった、物理エンジンを用いた演出もチェックして欲しい。

 敵兵のAIは狡猾である。壁に隠れ攻撃をうかがう、連携して回り込む、こちらの手榴弾をかわす、などなど敵との戦いは頭を使うことになる。味方の他の兵士を狙っているところに打ち込む、爆発物を利用する、一気に距離を詰め、至近距離から銃弾を浴びせるというように状況にあわせて戦う必要があるだろう。グラフィックス、演出、そして敵のAIが戦いのリアリズムを増してくれる。

 敵地へ攻め込むアルファチームだが、実際の状況は危機また危機の連続である。敵兵は全体的に数が多く、効率的に追いつめようと襲いかかってくる。さらにロケット砲などの重火器や、戦車を繰り出すなどしてプレーヤー達に猛攻撃を加えてくる。ISA軍は様々な状況で危機的状況に陥る、その状況を打開できるかはプレーヤーの活躍にかかっているのだ。

 本作のユニークなポイントは「軍隊っぽさ、男臭さ」というところだ。アルファチームの仲間の会話は乱暴で、短く、軍隊ならではの雰囲気が良く出ている。戦場では普通の会話も大声で叫び、追いつめられた状況では悪態をついたりする。スマートさではなく、タフネスさを前面に出した彼らの会話は本作に独特のテイストを加えている。主人公のセブには小西克幸さん、チームの仲間には土田大さん、三宅健太さん、中村浩太郎さんといった声優を起用している。彼らの戦場の会話に注目して欲しい。


惑星の上空から一気に降下。軽口をたたき合っていたのもつかの間、地獄のような戦場に飛び込むことになる
ヘルガーンの兵士達は赤い光を放つゴーグルをしている。SFならではのユニークな兵器の登場も楽しみだ


■ 序盤からピンチが連続する混乱の戦場、独特の緊張感と、突破したときの爽快感が楽しい

敵は隠れて機会を待ったり、連携したりと手強い。彼らをどう倒していくかが本作の楽しさだ
撃たれた敵のリアルなのけぞり方、やられ方にも注目したい

 今回は、最初のステージを重点的にプレイしてみた。「KILLZONE 2」ではプレーヤーは基本的にメインウェポンとサブウェポン、そして手榴弾しか携行できない。ロケットランチャーが必要なときは手にしたアサルトライフルを一端捨てなくては使用できない。戦車が迫っているときに、ライフルを捨ててロケットランチャーを構えるなど状況に応じた武器の活用が重要になってくる。

 サブマシンガンやアサルトライフルは反動が大きく、敵を撃ち倒すためにはただ連射しているだけではダメだ。時には戦い方を変えてみるなど工夫が必要な、歯ごたえのあるバランスの作品である。時には敵の砲台を奪ったり、味方の戦車に乗り込んで戦うこともある。乗り物や使用するウェポンも多彩なものが登場しそうである。

 ステージ1でプレーヤーであるセブは仲間とともに、高々度からジェットのついた乗り物で一気に降下する。仲間の乗り物が破壊され、セブの乗り物は姿勢を崩しながら着陸、しかしいきなり敵の集中砲火を浴びその場で釘付けにされる。状況を打破するには落ちているロケットランチャーで橋の上にいる敵を撃ち抜くしかない。何とか敵を倒したセブはそのまま仲間とともに本隊を通すための水門を開ける任務に。もちろん水門を開ける装置の前には多数の敵が待ちかまえている。

 水門を開けて仲間が入って来られても不利は変わらない。建物に設置された機銃が本隊に容赦なく弾丸を浴びせている。味方のピンチにセブと相棒は機銃の設置された建物に突入する。侵入者を察知した敵は次々と襲いかかってくる。本隊に合流しようとしたセブの前に立ちはだかるのは巨大な戦車。さらに敵兵達も多数襲いかかってくる。序盤のステージにもかかわらず、常にピンチの過酷な戦場を体験できた。

 今回、序盤を触ってみて感じたことは、かなり歯ごたえのあるゲームだな、というとことだ。マシンガンは反動が大きいため当たりにくいし、敵は目まぐるしく場所を移動し、容赦なく銃弾を撃ち込んでくる。まごまごしていると撃ち倒されてしまう。一方、プレイした範囲では相棒と一緒に行動することが多かったが、こちらをフォローしてくれるような動きをして心強かった。敵、味方共にAIは優秀なようだ。だからこそ、相棒がドアを開けるための作業をするときに守る、というシチュエーションでは1人で多数の敵を相手にせねばならず、きつかった。

 ピンチに次ぐピンチ、というテンションの高さは「KILLZONE 2」ならではの面白さだと感じた。敵は常に数に勝り、本隊を足止めする。その中での戦いは、常に緊張感があった。特に戦車に追いかけられたときは「どうすればいいんだ」という気持ちになった。何度も倒されてしまったが、繰り返すことで突破口が見えてきて戦いもスマートになる。この逆境をはね除ける感覚はとても気持ちが良い。

 SFというとスマートな世界という先入観を持っていたが、本作の戦場は全く違う。怒号と悲鳴と罵声が飛び交う、混乱の戦場という本作の雰囲気は独特で、だからこそ魅力的に感じた。圧倒的に不利な状況に立たされ、兵士達の戸惑いと怒りが混じった短い会話が交わされる。そしてその現状を打破するアイデアが提示され、主人公はそれを実現させるために飛び込んでいく。泥臭いが、プロフェッショナルな兵士としての “闘志”が伝わってくるシナリオが面白い。この戦場の雰囲気はぜひ多くのユーザーに体験して欲しい。今回、ステージ1をプレイしてから配信されている体験版をプレイしてみたが、体験版は少し短すぎるかなと感じた。ステージ1だけでかなり起伏があるゲームなのに、体験版はそのほんの一部しかプレイできないのが残念だ。

 一方、今回体験できなかったが、オンラインでは最大32人の対戦が可能だ。プレーヤーはISAとヘルガーンにわかれて戦うことになる。オンライン対戦を体験できる体験版も近日PlayStation Storeで配信予定だ。対戦には様々なルールが用意されるという。また、対戦ではプレーヤーは6つの兵種から1つを選ぶことができる。現在公開されているのが一定の条件で透明になれる「偵察兵」と、周辺一帯を自動的に攻撃する飛行マシンを呼ぶことができる「戦術兵」の2つだ。この他にどんな兵種、どんな対戦ルールがあるのか楽しみである。

 PS3独占の本格FPSとしてファンから注目の高い「KILLZONE 2」。過酷な戦場を再現したキャンペーンモード、32人の対戦が楽しめるオンラインモードと、ともに硬派で歯ごたえのある戦いが楽しめそうだ。日本語吹き替えならではの声優達の熱演にも期待したい。現在、PlayStation Storeでは本作のデモムービーと、キャンペーンモードの体験版が配信されている。まずはこちらをプレイしてみてはどうだろうか。


戦場ならではの乱暴な会話。怒号や悪態も飛び交い、戦場の厳しさを感じさせる本作では一定時間で体力が回復する。撃たれた場合は物陰でしゃがみ込むのも手だ仲間を起きあがらせることも。一定時間で救助できなければ仲間は死んでしまう
連射すると集弾率は落ちる。いかに敵に効率よく当てるかPS3のコントローラーを傾かせてハンドルを回すロケットランチャーは強力だが弾数が少なく、状況に応じた使い方をしなくてはならない
機銃を奪って戦ったり、襲いかかる多数の敵を相手にしたり、戦車に乗ったり……演出の多彩さも期待したい
真ん中がオンラインで使用できる偵察兵、右が戦術兵。32人の対戦も早く体験してみたい

KILLZONE 2 (C) Sony Computer Entertainment Europe.
Published by Sony Computer Entertainment Inc. Developed by Guerrilla.

(2009年 4月 10日)

[Reported by 勝田哲也]