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マウスコンピューター、新型水冷ゲーミングノートPCなど春の新モデルを発表

ミドルモデルからハイエンドモデルまで高コスパモデルが充実

 マウスコンピューターは4月20日、東京本社でプレス向けの発表会を行ない、2023年の施策とゲーミングPCやクリエイターPC、モニターなどの新製品を発表した。今後登場する新製品については、無償保証が従来の1年から3年に延長され、命名規則も一新されることが明らかにされたほか、同社が昨年発売した水冷/空冷両対応のゲーミングノートPCの後継機などが発表された。発表会で明らかになったことをレポートする。

30周年を記念して、製品の無償保証を1年から3年に延長

 発表会ではまず、マーケティング本部 製品部 部長の小林俊一氏が、マウスコンピューターの特徴について次のように語った。「マウスコンピューターは、国内生産にこだわった高い品質が自慢であり、コンシューマーPCからゲーミングPC、クリエイターPC、ビジネスPC、液晶モニターまで、それぞれに応じたブランドを展開している。ゲーミングPCのブランドは「G-Tune」、クリエイターPCのブランドは「DAIV」である。また、24時間365日の電話サポートと、72時間以内の修理完了を目指す、サポート体制にも注力している。さらに、今回30周年を記念して、2023年4月11日以降に発売される新製品(ただし、ワークステーション・サーバーは対象外)は、製品の無償保証期間が従来の1年間から3年間へと延長した。また、同じ4月11日以降に発売される新製品から送料も無料となる」

 また、4月11日以降に発売される製品については製品名の付け方を一新し、一目でスペックが分かるようになった。製品ジャンルによって多少ルールが異なるが、基本的に1桁目がセグメント、2桁目が画面サイズなどの識別子、3桁目がCPUメーカー、4桁目がCPUランク、5桁目がGPU、6,7桁目がGPUランクとなっている。

 PCの保証期間は1年が一般的であり、有償オプションで3年保証が付けられるメーカーもあるが、無償で3年保証が付いてくるというのは、ユーザーにとっては非常にありがたい。マウスコンピューターの英断といえるだろう。

【マウスコンピューターの新施策】
マウスコンピューターは、「国内生産」「豊富な商品ラインアップ」「安心のサポート体制」にこだわっている
ニーズごとに5つのブランドを展開している
30周年を記念して4月11日以降に発売される新製品は、3年無償保証が付き、送料無料になる
製品名も刷新。製品名を見ただけで、主要スペックが分かるようになる
こちらはDAIVブランドのノートPCの製品名の付け方

GeForce RTX 4070搭載ゲーミングデスクトップPCやクリエイターデスクトップPCが登場

 ゲーミングデスクトップPCとクリエイターデスクトップPCの新製品として、NVIDIAから4月13日に発売されたばかりのミドルレンジ向けGPU「GeForce RTX 4070」を搭載した、ゲーミングデスクトップPC「G-Tune DG-I7G70」とクリエイターデスクトップPC「DAIV FX-I7G70」が発売される。前者の発売日は4月19日、後者は4月26日で、価格は前者が32万9,800円、後者が35万9,980円である。GeForce RTX 4070は、現時点で発売されているデスクトップPC向けのGeForce RTX 40シリーズの中では最も下位に属するが、前世代のハイエンドモデルGeForce RTX 3080と同程度の性能を持っており、4Kゲームも快適に遊べるパフォーマンスを誇る。

 また、4月20日にCPUにXeon W-2400を搭載したクリエイター向けワークステーションを発売する。BTOの選択肢も豊富に用意されており、CPUやGPU、メモリなどを自由に選べる。さらに、現行のG-Tuneのケースはブラックのみだが、7月にホワイトバージョンが追加予定である。ホワイトバージョンでは、ケースファンLEDの色も青色になる。

【ゲーミングデスクトップPCとクリエイターデスクトップPCの新製品】
GeForce RTX 4070搭載のゲーミングPC「G-Tune DG-I7G70」とクリエイターPC「DAIV FX-I7G70」
ゲーミングPC「G-Tune DG-I7G70」
クリエイターPC「DAIV FX-I7G70」
Xeon X-2400を搭載したクリエイター向けワークステーション。エントリー構成からハイエンド構成まで幅広いラインアップが揃っている
Xeon X-2400を搭載したクリエイター向けワークステーション
7月発売予定の「G-Tune」ミニタワーホワイトバージョン。従来のブラックバージョンに追加され、BTOで選べるようになる。また、ケースファンLEDの色もホワイトバージョンでは青色になる

オプションで水冷BOXを追加できるゲーミングノートPCとクリエイターノートPCが登場

 今回発表された製品の中でも、特に興味深い製品が16型ゲーミングノートPC「G-Tune H6-I9G80BK-A」である。本製品は、Core i9-13900HXとGeForce RTX 4080 Laptopを搭載したハイエンドモデル。通常は空冷だが、オプションの水冷BOXを接続することで冷却性能を向上させ、より快適なプレイを実現する。マウスコンピューターは、2022年7月に同社初の水冷/空冷両対応ノートPC「G-Tune H5-LC」を発売しており、「G-Tune H6-I9G80BK-A」はその後継として位置づけられる。マウスコンピューター以外のメーカーは、ほとんど水冷/空冷両対応ノートPCを販売しておらず、かなりユニークな製品だ。発売は4月20日で、価格は43万9,800円である。水冷BOXを接続しても、ピーク性能が大きく上がるわけではないが、高負荷時に冷却が追いつかず、性能が低下することを防げるため、フレームレートが大きく落ち込むことがなくなる。また、メインストリーム向けの16型ゲーミングノートPCの新製品「G-Tune P6-I7G60BK-A」も4月24日発売される。こちらは、Core i7-13700HとGeForce RTX 4060 Laptopを搭載し、予価24万9,800円とコストパフォーマンスが高い。

 さらに、5月17日には14型ゲーミングノートPCの新製品「G-Tune E4-I7G60DB-B」が発売される予定である。CPUとして1世代前のCore i7-12650Hを搭載することで、GeForce RTX 4060 Laptopを搭載しながら20万9,800円と手頃な価格を実現しており、初めてゲーミングノートPCを買う人や3D性能が必要となる学生や新社会人におすすめだ。

 クリエイターノートPCでも、オプションの水冷BOXを接続可能な新製品「DAIV N6-I9G90BK-A」が4月20日に発売される。Core i9-13900HXとGeForce RTX 4090 Laptopを搭載したフラッグシップモデルで、価格は54万9,800円。sRGB100%のWQXGA液晶を搭載し、色が重要なデザイン用途にも対応できる。また、オプションの水冷BOXを接続することで、冷却性能が向上。長時間にわたる作業でも高いパフォーマンスを維持できる。

 また、同じく4月20日には、14型クリエイターノートPCの新製品「DAIV S4-I7G60CB-B」も発売される。Core i7-13700HとGeForce RTX 4060 Laptopを搭載し、厚さ22mm、重さ約1.78kgという薄型軽量ボディを実現。現場に持ち歩いて使うことが多い、建築設計などの用途にも向いている。

【ゲーミングノートPCとクリエイターノートPCの新製品】
16型ゲーミングノートPCの新製品「G-Tune H6-I9G80BK-A」。Core i9-13900HXとGeForce RTX 4080 Laptopを搭載したハイエンドモデル。オプションの水冷BOXを接続することで冷却性能を向上させ、より快適なプレイを実現する。発売は4月20日
16型ゲーミングノートPCの新製品「G-Tune H6-I9G80BK-A」。右にあるのがオプションの水冷BOX
「G-Tune H6-I9G80BK-A」のベンチ結果。旧製品に比べてCINEBENCH R23は約50.7%向上、3DMark TimeSpyは約65.7%も向上している。水冷と空冷のスコアの差は2~3%程度
水冷と空冷でのスコア差はそれほど大きくはないが、水冷BOXを接続することで、フレームレートの大きな落ち込みを防ぐことができ、より快適なプレイが楽しめる
メインストリーム向けの16型ゲーミングノートPCの新製品「G-Tune P6-I7G60BK-A」。4月24日発売予定で、予価24万9,800円とコストパフォーマンスが高い
ゲーミングノートPCの新製品「G-Tune P6-I7G60BK-A」
14型ゲーミングノートPCの新製品「G-Tune E4-I7G60DB-B」。5月17日発売予定で、20万9,800円と手頃な価格を実現。初めてゲーミングノートPCを買う人や理工学部系大学生におすすめ
16型クリエイターノートPCの新製品「DAIV N6-I9G90BK-A」。Core i9-13900HXとGeForce RTX 4090 Laptopを搭載したフラッグシップモデル。sRGB100%のWQXGA液晶を搭載。オプションの水冷BOXを接続することで、冷却性能が向上。長時間にわたる作業でも高いパフォーマンスを維持できる
16型クリエイターノートPCの新製品「DAIV N6-I9G90BK-A」。右にあるのがオプションの水冷BOX
「DAIV N6-I9G90BK-A」のベンチ結果。旧製品に比べてV-Rayは約118%向上し、Autodesk ReCapは12分18秒作業時間が短縮した。データ規模が大きくなるほど水冷が有利になる
14型クリエイターノートPCの新製品「DAIV S4-I7G60CB-B」。Core i7-13700HとGeForce RTX 4060 Laptopを搭載

ウルトラワイドモニターや165Hz対応ゲーミングモニターも

 マウスコンピューターは、2008年にiiyamaを買収しており、iiyamaブランドのモニターも発売している。モニターの新製品としては、USB Type-C対応の23.8型ビジネス向けモニター「XUB2492HSN-B5」と27型ビジネス向けモニター「XUB27922QSN-B5」を5月下旬に発売予定である。前者の市場想定価格は2万8,930円、後者の市場想定価格は3万8,940円である。LANポートも備えており、ノートPCとUSB Type-Cケーブルで繋ぐだけで、ネットワークに接続できるのでテレワークなどにも便利だ。

 また、34型ウルトラワイドモニター「XUB3493WQSU-B5」が3月に発売されている。解像度は3,440×1,440ドットで、一度に表示できる情報量はフルHD液晶約2.4枚分となる。

 ゲーミングモニターのブランド「G-MASTER」からは、23.8型ゲーミングモニター「GB2470HSU-B5」と27型ゲーミングモニター「GB2770HSU-B5」が3月に発売されている。リフレッシュレートはどちらも165Hz対応で、FAST IPS液晶を採用し、オーバードライブにより0.8msの高速応答を実現。解像度はともにフルHDである。

【ビジネス向けモニターとゲーミングモニターの新製品】
Type-C対応の23.8型ビジネス向けモニター「XUB2492HSN-B5」と27型ビジネス向けモニター「XUB27922QSN-B5」。発売は5月下旬予定。LANポートも備えており、ノートPCとUSB-Type-Cケーブルで繋ぐだけで、ネットワークにも接続できる
23.8型ビジネス向けモニター「XUB2492HSN-B5」
27型ビジネス向けモニター「XUB27922QSN-B5」
34型ウルトラワイドモニター「XUB3493WQSU-B5」。解像度は3,440×1,440ドットで、一度にフルHD液晶約2.4枚分の表示が可能
34型ウルトラワイドモニター「XUB3493WQSU-B5」
165Hz対応の23.8型ゲーミングモニター「GB2470HSU-B5」と27型ゲーミングモニター「GB2770HSU-B5」。FAST IPS液晶を採用し、オーバードライブにより0.8msの高速応答を実現(なお、このスライドにはGB2770HSU-B5の解像度が2,560×1,440ドットと書かれているが、1,920×1,080ドットが正しい)
23.8型ゲーミングモニター「GB2470HSU-B5」
27型ゲーミングモニター「GB2770HSU-B5」

今後さらにゲーミングPC/クリエイターPCに注力

 マウスコンピューターは、低価格を武器にシェアを伸ばしてきたPCメーカーだが、最近は高性能なゲーミングPCやクリエイターPCに注力しており、ユーザーからも高く評価されている。今回のプレゼンもゲーミングPC/クリエイターPCが中心であり、マウスコンピューターが、今後さらにゲーミングPC/クリエイターPCに力を入れていきたいという意気込みがよく伝わる発表会であった。

 今回発表された製品の中では、水冷BOXを接続できるハイエンドモデル「G-Tune H6-I9G80BK-A」はもちろん注目株だが、14型ゲーミングノートPC「G-Tune E4-I7G60DB-B」も、ゲームはもちろん動画配信などにも向いたコストパフォーマンスの高い製品として魅力的だ。