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次世代MSXプロジェクト第1弾「MSX0」のクラファンがついに開始!

29,999円より。「ザナック MSX版」、「麻雀(アスキー)」を収録

 ホビーパソコンMSXの生みの親 西和彦氏が主導する次世代MSXプロジェクトの第1弾「MSX0」のクラウドファンディングが2023年1月15日、大手クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」でスタートした。支援額は29,999円からで、プロジェクトEGGの1ヶ月利用券も付属する。目標金額は5,999万8000円だ。ただし、All-in方式で実施されるため、目標金額に満たない場合もプロジェクトは実行され、リターンも必ず届く。

「MSX0」クラウドファンディングサイト

【西和彦氏】

支援額は29,999円から、プロジェクトEGGの利用券も付属

 MSX0については、本誌で度々取り上げてきたので、詳しくはそちらを見ていただきたいが、簡単に言うと、MSX2+互換のIoT向けプロダクトである。

 クラウドファンディングのタイトルは、「MSX0 Stackで伝説の8ビットMSXパソコンが甦り、IoT用コンピュータに」であり、プロダクトそのものは「MSX0 Stack」と呼ばれる。締め切りは3月31日で、支援者へのリターン(製品の送付)は2023年7月からとなる。以前、西氏はTwitterで、リターンは4月20日からの予定と明らかにしていたが、中国での部品調達が難しくなり、製造リードタイムが2~3ヶ月かかるため、7月以降に変更された。入手できるのが少し延びたのは残念だが、この種のハードウェアクラウドファンディングとしては、これでも締め切りからリターンまでが短い方だ。

 支援額のメニューは、PLAN AからPLAN Gまで7種類用意されている。PLAN Aは基本セットで、支援額は29,999円となる。PLAN Aに含まれるリターンは以下の通りだ。

【基本モジュール】
M5Stack Core2(底筐体、電池、マイク、IMU無し)
M5 Faces II V1.1ボトムベース(600mAh電池付き)
M5Stack Faces用QWERTYパネル
M5Stack Faces用ゲームパッドパネル
FaceII充電ベース
M5 Stack電池モジュール
USB typeC to typeAケーブル1本
FaceII V1.1用ストラップ
シール1枚、固定用六角ネジ6本と六角レンチ1本
個装箱

【ソフトウェア】
MSX-BASICインタープリタ
MSX-BASICコンパイラ
MSX-DOS
MSX-C
MSX-Cライブラリ
MSXエミュレータ

【Groveセンサー】
センサーキット(10個)

【ゲーム】
ザナック MSX版(D4エンタープライズ)
麻雀(アスキー)
株式会社D4エンタープライズ プロジェクトEGGの利用券(登録月無料)

【おまけ】
ストラップ
シール

 基本モジュールは、MSX0 Stackの基本的なハードウェア関連のパーツで、以前の記事で解説したものとほぼ同じだが、M5Stack電池モジュールは前回の記事には出ていないので、説明する。M5Stack電池モジュールは、Facesのボトムベースを使わずに、M5Stack Core2に直接合体させて使うためのモジュールで、キーボードやジョイパッドが不要なIoT用途で使う際に便利だ。

【M5Stack電池モジュール】
全てのプランに付属するM5Stack電池モジュール。M5Stack Core2の底面に合体して使う電池モジュールで、500mAhのリチウムポリマーバッテリーが内蔵されている

Groveセンサーが10個付属

 これまでの記事では明らかになっていなかった重要なポイントとして、Groveセンサーが挙げられる。これは、MSX0がIoT向けプロダクトであるという方向性を示すものとなる。Groveとは、seeed studioが開発しているセンサーやアクチュエーター(モーターのように動力となるパーツ)の規格である。Groveに対応しているセンサーやアクチュエーターは数百種類もあり、さまざまな用途に対応できる。基本セットのPLAN Aには、音センサーや光センサー、温度&湿度センサー、3軸加速度センサー、気圧センサーといった基本的なセンサーのほか、LEDやブザー、有機ELパネル、ボタンなども付属しており、MSX0 Stackに接続して、センサー情報を読み取ったり、LEDを点灯させることもできる。

【PLAN Aに含まれる10個のGroveセンサー】
音センサーや光センサー、温度&湿度センサー、3軸加速度センサー、気圧センサーのほか、LEDやブザー、有機ELパネル、ボタンなども付属する
MSX0 Stackには、Groveセンサーを接続するためのGrove拡張ポートが用意されている

付属ゲームは「ザナック MSX版」と「麻雀」。さらに追加も?

 GAME Watch読者の関心が高いであろう付属ゲームだが、コンパイルの「ザナック MSX版」とアスキーの「麻雀」の2本は確定で、さらに追加タイトルも予定されているようだ。また、D4エンタープライズの「プロジェクトEGG」の利用券も付属するとのことで、プロジェクトEGGで公開されているMSX/MSX2/MSX2+タイトルのうちいくつかがプレイできるようだ(利用にはクレジットカードが必須、利用可能なタイトルは選定中)。

 さらにオリジナルストラップやシールといったおまけもついてくる。

オプションプランではセンサーやLTEモジュールなどの追加が可能

 前述したように、今回のクラウドファンディングでは、基本セットのPLAN Aのほか、PLAN BからPLAN Gまで6種類のオプションプランが用意されている。各プランの構成は以下の通りだ。

PLAN B(39,000円):PLAN A+MSX0 Stack core2 MSX開発キット
PLAN C(34,000円):PLAN Aに付属するGroveセンサーを20個に変更
PLAN D(42,000円):PLAN Aに付属するGroveセンサーを40個に変更
PLAN E(45,000円):PLAN A+LTE通信モジュール(センスウェイ製)
PLAN F(40,000円):PLAN A+LoRaWAN通信モジュール(センスウェイ製)
PLAN G(40,000円):PLAN A+PoEモジュール

 どのプランでも基本セットのPLAN Aのパーツは全て含まれており、追加モジュールやセンサーが付属することになる。LTE通信モジュールは、携帯電話通信網を利用してインターネットにアクセスするためのモジュールで、LoRaWAN通信モジュールはIoT向けの省電力長距離通信規格「LoRaWAN」を利用するためのモジュールである。また、PoEモジュールは、イーサネット(有線LAN)経由でネットワークに接続するだけでなく、電力供給も可能にするモジュールだ。

 センサーでいろいろ遊んだり、何か作ってみたいと思っている人は、PLAN CやPLAN Dが、インターネットに接続して本格的なIoT機器を作ってみたいという人には、PLAN EやPLAN F、PLAN Gがオススメだ。

【PLAN Cには20個、PLAN Dには40個のGroveセンサーが付属】
PLAN Cには20個のGroveセンサーが、PLAN Dには40個のGroveセンサーが付属するため、いろんな実験が可能だ

 リターンが少し先になった分、付属ソフトウェアの完成度の向上はもちろん、付属ゲームの追加なども期待できそうだ。