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15年めの原点回帰、「アサシン クリード ミラージュ」の内容詳報
最盛期のバグダッドを舞台にアサシンバシムが暗躍
2022年9月11日 05:00
- 【アサシン クリード ミラージュ】
- 2023年発売予定
ユービーアイソフトは、「アサシン クリード」シリーズ15周年記念作として、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series S/X/Xbox One/PC用アクションRPG「Assassin's Creed Mirage(アサシン クリード ミラージュ)」を発表した。発売は2023年。
中世エルサレムを主な舞台に、アサシン教団とテンプル騎士団の戦いを描く「アサシン クリード」発売から15年。15周年を記念して原点回帰した最新作「アサシン クリード ミラージュ(以下、ミラージュ)」が2023年に発売される。
「ミラージュ」のメインロケーションとなるのは、現代イラクの首都でもある古都バグダッド。エルサレムと同じ中東地域にある世界最大の都市を舞台にしているのも、原点回帰の意味合いがある。第1作と同じく、暗殺をプレイの主軸に据え、ステルスで近づき、暗殺して逃げるという初期のプレイスタイルを楽しむことができるというのは、初期作ファンにとっては期待する部分だ。
さらに「ミラージュ」にはこれまでのシリーズが積み上げてきた「アサシン クリード」ユニバースの要素が随所にちりばめられている。主人公は「アサシン クリード ヴァルハラ」に登場したマスターアサシン、バシム・イブン・イスハーク。「ミラージュ」ではバシムがマスターアサシンになるまでの物語が描かれる。
このレポートでは、発表された各要素をまとめて紹介したい。
リニアなストーリーで没入感を重視
「ミラージュ」の物語は、「ヴァルハラ」の20年前となる861年に始まる。バシムは悲劇的な過去を持つ街の泥棒として登場し、その後、数奇な運命に導かれ、正義と答えを求めて古代結社「隠れしもの」に加わることになる。
これまでの数作はオープンワールドのゲームだったが、「ミラージュ」は第1作と同じくストーリードリブンのゲームとなっており、反抗的な青年だったバシムが、幼馴染や、師匠、政治的な指導者など多くの人と出会う中で、運命に翻弄されながらマスターアサシンへと成長していくという物語が、起承転結がはっきりしたリニアな構成で濃密に展開していく。
「隠れしもの」内での地位が上がると、外見も変化していく。初期のアートワークでは、街の盗賊時代、初心者アサシンの時代、マスターアサシンの時代で外見が変化していく様子を見ることができる。
舞台は9世紀、世界の中心地だったバグダッド
主要な舞台となる9世紀のバグダッドは、この当時世界最大の都市だった。アッバース朝のカリフが、イベリア半島から中央アジアまで、世界の大部分を支配していたイスラム黄金時代の最盛期で、バグダッドには世界中から様々な文化や宗教の人々が集まり、知識、芸術、イノベーション、科学、商業そして政治の中心地として隆盛を極めている。
プレーヤーは活気にあふれた濃密な都市で、プレーヤーの一挙一動に反応する群衆にまぎれながら探索することができる。そして、工業都市カルクや緑豊かな庭園のラウンドシティなど4つの個性的な地区の秘密を解き明かしていく。
アッバース朝は1258年にモンゴル帝国によって滅ぼされ、バグダッドも破壊されてしまう。そのためゲームの開発にあたり、史料をもとに調査と研究を重ね、アッバース朝の首都だったサーマッラーなど同時代の他の都市からのインスピレーションも得つつ、往時の壮健な風景が再構築されたのだそうだ。
アサシンたちの拠点アラムートも登場
史実でもアサシン教団が拠点にしたという伝説が残るアラムート砦が、「隠れしもの」たちの本拠地として初めてゲーム内に登場する。「隠れしもの」は「アサシン クリード オリジンズ」の主人公バエクとアヤによって設立された古代組織で、「ミラージュ」の時点では、テンプル騎士団の母体でもある「古き結社」に対抗する、強力な組織となっている。
「アサシン クリード オデッセイ」と前作「アサシン クリード ヴァルハラ」でも重要な役割を担ってきた組織であり、その神秘的な教義と儀式の一端は、「ミラージュ」のアナウンストレーラー内でも、バシムがヒドゥンブレードを使うために薬指を切り落とすシーンとして見ることができる。
バシムのメンターとなる女性Roshanはゲームの主要な登場人物の1人で、「隠れしもの」の組織で中心的な役割を果たす存在。彼女は以前はペルシャの奴隷だったが、現在は50代で強力なマスターアサシンとなっている。英語版の声優は、エミー賞女優のショーレ・アグダシュルーさんが担当している。
ターゲットを探し、暗殺し、離脱する
ゲームのプレイスタイルは、ここ数作のアクションバトルではなく、初期作のようなステルスとパルクール、暗殺がフォーカスされたものになる。
とくにステルス要素には重点が置かれており、ターゲットを特定し、狩り、その場から姿を消すという初期の暗殺スタイルがプレイの核をなしている。ターゲットを検出する仕組みは作り直され、より細かく改善されている。また、煙幕や吹矢など、ステルスを助けてくれるアイテムも登場する。
バシムはシリーズ史上最も機敏で手数の多いアサシンの1人。本作からの新たな能力として、時間をスローダウンさせて、超高速で複数のターゲットを一度に暗殺することができるアビリティを使うことができる。
今作では、エンキドゥという名のカタシロワシと親密な関係を持っている。プレーヤーは上空からフィールドを見渡したい時に、このワシを使い、ターゲットや資源にタグをつけることができる。敵に見つからずに忍び込むためにはワシの使いどころが重要になる。
ステルス潜入が主要な要素となる今作では、今まで以上にワシの存在が重要だが、新要素として、ワシを撃ち落とす特別な射手が登場する。プレーヤーは先に射手を討伐するか、それともワシの支援なしでミッションに挑むかを決める必要がある。
パルクールにはコーナースイングのような新アクションが追加されている。また、新要素として大きな間隙や障害物を飛び越える棒高跳びのアクションも登場する。パルクール自体のスピードも速くなっており、混雑した都市を機敏に駆け抜けることができる。町のデザインもパルクールに適したものになっており、屋根の上を走ったり、ジャンプしたり、隠れたりする機会は多い。
ゲーム内の暗殺はすべて「ブラックボックスミッション」というミッションになっており、ここで次のターゲットの情報を得ることができる。暗殺のアクションは本作のために新たに作成されている。いずれもバシムのイメージに会う素早く直線的でスピーディな表現が使われている。
暗殺のための新たなツールも登場する。トラップを仕掛けたり、敵の足場を崩したりといった環境を使う要素も新たに追加される。
15年目の原点回帰に期待
まだアナウンストーレーラーが発表された段階で、実際のゲームプレイなど不明な点も多いが、話を聞いている限り「アサシン クリード」というタイトルに、古参のファンが求めている要素がかなり盛り込まれているように感じられた。
ここ数作はアクションバトルの要素が強く、アサシンという名称が形骸化していると感じているファンも多かったはずだ。原点回帰をするにあたり、15年間の積み重ねがどう生かされているのか、今後の情報公開を楽しみに待ちたい。