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イオンモール宮崎にて「『ぷよぷよファイナルズ SEASON1』開催記念大会」が開催
一般枠のすし選手が昨日のシーズンファイナルDelta選手を追い詰める!
2019年4月21日 18:19
- 4月21日開催
- 会場:イオンモール宮崎
セガゲームスは4月21日、アクションパズルゲーム「ぷよぷよeスポーツ」において、オフライン大会「『ぷよぷよファイナルズ SEASON1』開催記念大会」をイオンモール宮崎にて開催した。決勝は昨日フェニックス・シーガイア・リゾートにおいて実施されたシーズンファイナル「ぷよぷよファイナルズ SEASON1」にも出場した飛車ちゅう選手とlive選手の1戦となり、2先2セット先取マッチに勝利し、SEASON2初優勝を達成した。優勝した飛車ちゅう選手にはランキングポイントが10ポイント、live選手には5ポイントがおくられた。
「『ぷよぷよファイナルズ SEASON1』開催記念大会」はその名の通り、「ぷよぷよファイナルズ SEASON1」の宮崎での開催を記念して実施されたオフライン大会で、いわゆる「プレイヤーランキングポイント対象大会」。
「ぷよぷよeスポーツ」はすでに4月1日よりSEASON2がスタートしており、セガゲームス主催の公式大会としてプロライセンスを保有する選手のみが出場できる賞金付きの「ぷよぷよチャンピオンシップ」、プロへの登竜門となる賞金無しのアマチュア大会「ぷよぷよカップ」があり、その下のランクとして前述の「プレイヤーランキングポイント対象大会」が存在する。
「プレイヤーランキングポイント対象大会」は、条件を満たせばコミュニティや個人でも開催可能で、ランキングポイントを稼ぐための貴重な場として、アマチュアのみならず、プロ選手も積極的に参加している。今回実施された「『ぷよぷよファイナルズ SEASON1』開催記念大会」はセガゲームス主催のプレイヤーランキングポイント対象大会で、昨日のシーズンファイナルに出場したプロ選手8名すべてと、JTBの観戦ツアーに参加していたプロ選手5名の計13名が参加するという非常に豪華な顔ぶれが揃った。
一方肝心の一般参加者は、ランキングポイント対象大会とはいえ、あまりにレベルが高すぎるため、遠慮した人が多いのか、わずかに9名に留まり、大会開催の最小単位の16を少し超える22人での大会となった。
会場となったのは、フェニックス・シーガイア・リゾートのすぐ隣にあるイオンモール宮崎。イオンとは「全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI」の地方予選会場として提携しており、その縁で実施される運びとなった。
今回行なわれた「プレイヤーランキングポイント対象大会」は、コミュニティサイドで主催できることから地方開催も多いため、地方在住のまったく未知のプレーヤーによる“大物食い”がひとつの注目点となる。
シードを獲得した選手も含めて2回戦までにすべての選手が登場したが、3回戦まで勝ち上がったのは8名が全員プロ選手という、プロの壁の厚さを実感させる順当すぎる結果となった。その中で唯一気を吐いたのが、博多から参戦したという九州勢のすし選手。2回戦であたったDelta選手に対して、1セットを取る金星をあげた。
Delta選手は既報の通り、昨日行なわれた「ぷよぷよファイナルズ SEASON1」で優勝し、初代チャンピオンに輝いた選手。Delta選手は、昨日の緊張から解放された部分もあるのか、中盤の攻めはほぼ放棄し、後攻めからの大連鎖のカウンターという横綱相撲にこだわっていた印象があるが、現日本チャンピオンのDelta選手から2本も取ったのは素晴らしい。
試合後すし選手は、顔をほころばせて「本当に優勝した気分。1年間は自慢する」と語った。アマチュア選手ながらSEASON2に向けて準備しているということで、今後、「ぷよぷよカップ」で結果を出してプロ選手になるかもしれない。
そして本大会で台風の目となったのは、昨日の「ぷよぷよファイナルズ SEASON1」では、実況解説者として活躍したくまちょむ選手。名前が挙がる度に“「ぷよぷよ」界のレジェンドプレーヤー”として持ち上げられる存在だが、3回戦であたったDelta選手を先手必勝で相手がテンポを掴む前に撃破し、現役選手として一線級の実力も備えていることを示した。
準決勝の抱負を問われ、昨日までの解説者としての柔和な表情から一変し、険しい表情で「SEASON2に向けてしっかり準備してきた」と、勝つ気でこの場に上がっていることをアピール。
3回戦から解説席に座ったfron選手は、1回戦でくまちょむ選手と戦って敗れた戦いを振り返り、「くまちょむ選手の攻めってどうしようもない」と最大級の表現で、現役のレジェンドを褒め称え、「上級者は相手の画面を見てどう攻めてくるかわかっているが、(くまちょむ選手は)速すぎてどうしようもない。fron積みでは対処しきれない」と格上であることを認めた。
筆者が見ていて感じたくまちょむ選手の強さは、ぷよの全体像を把握する能力の高さだ。「ぷよぷよeスポーツ」では、攻め方のひとつとして「全消し」というものがある。すべてのぷよを盤面から消し去ると「全消し」となり、6×5の30個のおじゃまぷよを相手に振らせることができる。くまちょむ選手は、この「全消し」を序盤や先打ちの後ではなく、中盤以降、場合によっては後半にも確定で決めるのだ。この30個の差は、中盤だと勝負を決める一手になりうるし、ファースト、セカンドの連携の応酬の後でもボディーブローのように効いてくる。くまちょむ選手は、同じくレジェンド級のキャリアを持つlive選手に準決勝で敗れ、惜しくも決勝進出とはならなかったが、その競技の名解説者が、トップランクの実力を持つというところが非常にユニークだ。
さて、混戦模様のトーナメントを抜け出したのは、飛車ちゅう選手とlive選手。飛車ちゅう選手は、「ぷよぷよ」の基礎の基礎である“階段積み”にこだわる“定型王”。大してlive選手は、そのキャリアの長さを活かして変幻自在の戦法を得意とする。
決勝戦を観戦して感じたのは、階段積みの魅力だ。階段積みは、縦に3つずつ組んでいくため、柔軟性に欠ける一方で、2段分のおじゃまぷよに耐えられるため、1連鎖、2連鎖、全消しによる奇襲を食らっても対処しやすい。「ぷよぷよ」は改めて「階段積みに始まり、階段積みに終わるゲーム」といえるのではないか、そんなことを感じた決勝戦だった。
ところで、本日より本格スタートしたといえる「ぷよぷよeスポーツ SEASON2」(正式名称は「『ぷよぷよ』ランキングプロ選抜大会 2019年度シーズン(SEASON 2)」)だが、昨日完結したSEASON1ともっとも大きな変更点は、「ぷよぷよ」でもっとも格の高い大会「ぷよぷよチャンピオンシップ」で活躍した選手が、シーズンファイナルに出場しやすくなるところだ。
具体的には、現行のランキングポイントとは別に、「ぷよぷよチャンピオンシップ」のみで獲得できる「チャンピオンシップポイント」を新設し、「チャンピオンシップポイント」による出場枠を3つ確保する。従来のランキングポイントによる出場枠は7から5に減り、「ぷよぷよチャンピオンシップ」で優勝しているものの、ランキングポイントが足りないためシーズンファイナルに出場できないということをなくしていく。
シーズンファイナルに出場するためには、「ぷよぷよチャンピオンシップ」で結果を残すか、「ぷよぷよカップ」と「プレイヤーランキングポイント対象大会」でランキングポイントを溜めるか、2通りの方法が用意されることになる。「ぷよぷよカップ」は従来の東京大会に加えて大阪大会も開催される予定で、「プレイヤーランキングポイント対象大会」もSEASON1は50大会ほどだったが、SEASON2では100大会以上の開催を目指していくという。ますます盛り上がっていく「ぷよぷよeスポーツ」。今年はどのようなドラマ、新たなスターが誕生するのか楽しみだ。
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