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【セガフェス】せがた三四郎が復活! 最後はあの歌を全員で合唱
「セガサターン25周年大感謝祭ステージ」はアツかった
2019年3月30日 23:08
セガホールディングスは、3月30日と31日にベルサール秋葉原にてグループ横断のファンフェス「セガフェス2019」を開催している。開催時間は10時より19時までで、入場は無料(30日は18時まで)。
「セガフェス2019」初日の最後のステージは「セガサターン25周年大感謝祭ステージ」を開催。当時を知るゲストとして、セガホールディングス代表取締役社長COOの岡村秀樹氏、トムス・エンタテインメント常務取締役の竹崎忠氏、元週刊ファミ通編集長の加藤克明氏、元ゲーマガ編集長の梅田浩二氏がかつての思い出を語ったほか、特別ゲストとしてテレビCMに「せがた三四郎」として登場した藤岡弘、さんが登場した。
岡村氏は25年を振り返り、「セガサターンは業界に足跡を残した。そういう意味では提携なき同盟という、時代を競合メーカーと共に盛り上げていったという意味では、これ以降、全世代にゲームが身近になった1番最初の時期だったと思う。ファンの皆さんに応援いただいてやれたプロジェクトだった。これからもセガのソフトで楽しんでいただきたい」とコメント。
竹崎氏は「セガのハードが好きだったので、ハードから撤退したのは残念だった。しかし『メガドライブミニ』を作ることなって、スタッフがアツく盛り上がっている。『メガドライブミニ』も応援してほしい。『メガドライブ』が大好きで28歳の時にセガに入って、そこからみんなと一緒に仕事をしてきた。これらの人と25周年を祝えてよかった」と語った。
セガサターンを語る際には不可欠の藤岡弘、さんが満を持して登場
前半のトークセッションが終了した後は、いよいよ藤岡弘、さんが登場。当時のせがた三四郎のまま、柔道着のいでたちだ。
どうしてせがた三四郎になったのかという経緯を聞かれて藤岡さんは「博報堂の山田さんが来て、私にCMの絵コンテを見せたんです。顔を見ると私にそっくりで。『あなたしか考えていない。やってほしい』と。こんなオファーを受けたのは人生で初めてでした。真剣さにグッと引きつけられて好奇心が湧いて。俺の生き様をたたきつけられると思ってOKした」と話した。
ところでせがた三四郎のCMは全部で19本作られている。中には子供を投げたりしたこともあったのだが、「気になったのはそこでね」と藤岡さん。「俺がそこをやっていいのかと。ただオヤジには厳しくだいぶやられていたけど、真剣に愛を持ってやればわかってくれるのでは、と。賭けですね。やるしかないと。ただ真剣にやらないと。いい加減にやったらダメだと、(父との記憶のある)小さい頃を思い出して親心でやりました」(藤岡さん)。
ここからは当時のCMを振り返りながらのトークに。大きなセガサターンを背負って道を走るシーンでは、40キロもあるセガサターンを背負って砂利道を走って上がったのだそうだ。「まさか木製だとは思わなくてね。軽い発泡スチロールか何かだろうと思っていたら裏切られて。でもやるしかない。一発本番。真剣勝負。重いだけじゃなくて、はだしだった。石粒が足の裏に刺さって痛かったけど、やめたらもう1度やらなきゃいけない。顔がしかめっ面になっているのは本当でね。リアルに真剣だった」(藤岡さん)。コントローラーを殴るシーンでは本気で叩いたため、コントローラーは壊れてしまった上、藤岡さんの拳も血まみれになってしまったのだとか。
「ボンバーマン」のCMでは、採石場で爆破シーンを収録した。「これもやられました。爆破するのが1発しかないんですよ。平常心を保つために鍛えていたので覚悟はあったが、これほどひどい爆発だとは思わなかったですね。背中を爆風がふわっと過ぎていきました」と藤岡さん。「小さい頃から慣れてはいたけど、これにはやられた。スタッフも大変だったでしょうね。まさかあんなに爆発するとは思っていなかったのでは。見る方は楽しいけどやる方は大変なんです」(藤岡さん)。
冬季オリンピックに向けて発売された「ウインターヒート」のCMではスピードスケート選手と競争した。「現場行ったら氷そのものでね。これを走るのかと。はだしといったって走れない。これも一発勝負。何もかも真剣にならざるを得ないように追い詰められる。最後にストーブの前で足の裏を温めているのもリアルでね。嘘じゃない。凍えちゃって感覚がないんですよ。本当にバランスを取りながら走るのは大変。足を前に出してスベる前に次の足を出さないといけないし。スケーターと勝負してそれより速く走らなきゃならない。体験してやってみたら。ひっくり返るから」と収録の裏話を語る藤岡さん。
「初めての挑戦だったけど、2回目をやったら転んでたかも。でも2回目はない。これしかない。真剣にやらなきゃと思って挑戦していました。スタッフが真剣に準備しているので、それを見たらこっちも失敗できない。スタッフが信じてくれてるんですよ。せがた三四郎ならやるなと。でももう2度と経験したくない(笑)」(藤岡さん)。
次はバッティングセンターでのシーンに。「これは奇想天外な発想に笑いましてね。本当に笑ったんですよ。そうかこうやってみんなを楽しませるのかと。俺も楽しまなきゃと思って楽しんだその日を思い出して笑いますね。いつ見ても笑える」(藤岡さん)。
そして話題は最終回のCMに。次世代機の「ドリームキャスト」の開発会議を狙う異星人からのミサイルを防ぎ、地球の外に向かっていって華々しく散る、というものだ。
「思い出すね。あのときグッとこみ上げてくるものがあった。最後の一発勝負の撮影で本当に涙が出てきて。一緒に楽しみながら真剣に取り組んできたスタッフとの仕事がここで終わる。長い間共に真剣に取り組んできたなと思って見てるとこみ上げてきてね。スタッフが黙々と手を抜かないでやっていたし」(藤岡さん)。
ジャンプするシーンは3メーター以上あった高さから飛び降りたのだという。「命がけで真剣にやろうと。それでやったね」と藤岡さん。
「本番でやってきて、スタッフの気持ちに劣らず、スタントをやってやろうと思っていい映像を作った。真剣勝負で。人生真剣に生きろ、と飛び降りた。これほど感動した仕事にはなかなか巡り会えない。素晴らしいスタッフ。みんな1人1人が希有な才能を持っていて、盛り上げていって。そこに夢とロマンがあった。人生は1回こっきり。1秒に真剣に生きていく。何事においても真剣に燃えて生き抜け、挑戦しろ、試練に立ち向かえというメッセージが込められている。せがた三四郎を演じて、俳優をやってきてよかったなと思った瞬間だった」(藤岡さん)。
最後に、藤岡さんにとってせがた三四郎はどういう存在だったか、何を伝えたかったのかを問われて「人生は一回こっきり。アンコールもリハーサルもない。もう1分後には歴史になる。一瞬一瞬に命をかけて真剣に熱く燃えて生きる。これが人生だと教えられた。それを体現したのがせがた三四郎。このメッセージを若者に伝えられたのは光栄なこと。その心の持ち方や生き様は変わっていない。時を大事にしながら時を刻む。時を失うなと。多くの教訓はいまだに、当時の子供たちには残っているのではないか。これを作った当時のスタッフの皆さんはやっぱり素晴らしい。この国の未来に貢献したと思っている。1つのメッセージで若者の心は動く。それを作られたスタッフの皆さん、クライアント、その誇りを大事にしてほしい。それくらい皆さんを尊敬しています」と語った。
そして最後は光吉猛修氏も登壇し、来場者と「せがた三四郎のテーマ」を熱唱してイベントを終えた。