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【セガフェス】コンセプトは“メガドライブの時代を再現する”こと!
細かなこだわりも語られた「メガドライブ ミニ こぼれ話」レポート
2019年3月30日 20:29
セガホールディングスが3月30日と31日にベルサール秋葉原にて開催中のグループ横断ファンフェス「セガフェス2019」。こちらの配信ステージにて行なわれた「メガドライブ ミニ こぼれ話」の模様をお伝えしよう。
このステージの直前には、セガホールディングス代表取締役会長CEOの里見治紀氏より「メガドライブ ミニ」の発売日や収録ラインナップの一部が公開されたが、その直後に行なわれたこのステージでは、セガゲームスの宮崎浩幸氏と奥成洋輔氏による詳細やこぼれ話が語られた。
※里見治紀氏による「メガドライブ ミニ」発売日、ラインナップ発表の様子はこちら
まずは宮崎氏より昨年の発売予定から延期したことについてお詫びの言葉が語られた。昨年の発表に対する反響の大きさや世界中からの要望を受け、当時のプロジェクト予定は1度白紙に戻し、要望に応えられる内容に中身を全てやりなおしたそうだ。
そうして本日ついにお披露目となった発売日や開発中の実機。いよいよこのステージでもその本体を披露というところで、奥成氏が取り出したのは……予想を裏切るでっかいメガドライブ! というかメガドライブ本体だった。ちなみにこちらは奥成氏が1988年に横浜の高島屋で購入したという、思い出の詰まった私物とのことだ。
そんなメガドライブ実機のサプライズ登場に続いて、宮崎氏からついに本物の「メガドライブ ミニ」のパッケージが登場! そこから、いわゆる“開封の儀”が行なわれた。
「メガドライブ ミニ」は、メガドライブの特徴と言える電源スイッチ、リセットボタン、イヤフォンのボリューム端子のスライダーも可動パーツで再現。その手触りも本物に近くなるようこだわったそうだ。ただ、イヤフォン端子は形状のみを再現した飾りで、ボリュームスライダーも同様に飾りのパーツになっているそうだ。
さらに、カートリッジを差し込むフタの開閉ギミックも再現!このフタの開閉ギミックを入れると製造コストが上がるということで難色を示されたそうだが、奥成氏はこだわるべきポイントとして、開閉ギミックの搭載を決めたそうだ。ただ、サイズが全然違うこともあって、メガドライブのソフトを差し込むことはできない。
背面も忠実に再現しているほか、右側面にある拡張スロットのフタまでも再現していてフタを取り外すこともできる(中身の基板まではさすがにないそうだ)。
「メガドライブ ミニ」にはオリジナル版と同じサイズで接続端子がUSBになっている6Bコントローラーが付属するが、同梱コントローラーが1個の「メガドライブ ミニ」と、2個同梱の「メガドライブ ミニW」が用意される。
このパッケージのデザインは、コントローラー1個版は1988年のメガドライブ発売初期のパッケージデザインを再現。コントローラー2個の「メガドライブ ミニW」では、本体写真が斜めにレイアウトされている比較的メジャーなパッケージをモチーフにしているそうだ。
続いては収録ソフトについて。本日は収録タイトル数が40タイトルになることと、そのうちの10タイトルが発表された。発表されたタイトルは以下の通り。
【収録タイトル】
タイトル名 | 発売時期 | メーカー名 |
---|---|---|
スペースハリアーII | 1988年10月 | セガ |
レッスルボール | 1991年2月 | ナムコ |
レンタヒーロー | 1991年9月 | セガ |
シャイニング・フォース ~神々の遺産~ | 1992年3月 | セガ |
ソニック・ザ・ヘッジホッグ2 | 1992年11月 | セガ |
ガンスターヒーローズ | 1993年9月 | セガ |
VAMPIRE KILLER(バンパイアキラー) | 1994年3月 | KONAMI |
ぷよぷよ通 | 1994年12月 | コンパイル |
コミックスゾーン | 1995年9月 | セガ |
魔導物語 I | 1996年3月 | コンパイル |
※発売順。発売時期メーカー名はメガドライブ版発売時のもの。
収録ソフトの開発は、「SEGA AGES」シリーズなどセガ作品の復刻も数多く手がけるエムツーが担当する。
「メガドライブ ミニ」ではメニュー画面でオリジナルのBGMが流れるのだが、こちらを作曲されたのはゲームミュージックコンポーザーの古代祐三氏とのこと。
また、本日公開された「メガドライブ ミニ」のPVでナレーションを担当しているのは、オリジナルのメガドライブのCMでナレーションを担当していた、いとうせいこう氏が担当している。当時のプロモーションに至るまで、こだわって再現しているというわけだ。
続いては収録タイトルについて。
先月には「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズ、「ぷよぷよ」シリーズ、「シャイニングフォース」シリーズから初代と2作品目のどちらを収録して欲しいかユーザー投票を募る「国民投票」を行なっていたが、このときに「収録するのは、シリーズタイトルからは1作品」というルールで選んでいることをユーザーの皆さんに伝えたところ、「そんなことを言わずに両方収録して欲しい!」と、お叱りの声が多数寄せられたそうだ。ただ、開発期間としても収録できるタイトル数は40が限度なところがあり、そこに人気タイトルのシリーズ作品を多数入れるとなると、そのぶん他のタイトルを削るほかなくなるということで、こうした選択となったそうだ。
国民投票の結果は、「ソニック・ザ・ヘッジホッグ」シリーズと「ぷよぷよ」シリーズはどちらも2作品目。「シャイニングフォース」シリーズは初代が収録されることに決定した。投票数はTwitterと公式サイトの数を合わせると、最も多かった「ぷよぷよ通」は約1万3千票にもなり、こちらもかなりの反響となったという。
「メガドライブ ミニ」の収録タイトルは“メガドライブの時代を再現する”というコンセプトが念頭にあり、その上で、いろいろなジャンルのタイトルを収録するという選び方をしているという。それを踏まえつつ、本日公開された10本の収録タイトルについて順にこぼれ話を交えつつ紹介された。
・「VAMPIRE KILLER(バンパイアキラー)」
KONAMIの「VAMPIRE KILLER(バンパイアキラー)」はそれ単体も貴重なタイトルだが、「メガドライブ ミニ」は複数言語に対応していて、言語設定を変えれば収録ゲームのバージョンも海外のものに変わるという。そのため、「VAMPIRE KILLER(バンパイアキラー)」では、北米版の「Castlevania: Bloodlinesや欧州版の「Castlevania: The New Generation」も収録しているそうだ。
1タイトル分でカウントしてはいるが、実際は海外版で3タイトル分を収録していて、動作チェックも3タイトル分の労力がかかっているという。もちろん、他のタイトルも海外版が存在するものに関しては同じように収録しているそうだ(ただし、「レッスルボール」だけは諸事情により日本版のみとなるとのこと)。
・「レッスルボール」
「レッスルボール」は当時のメガドライブユーザーならよく知る人も多いだろうというところや、スポーツジャンルのタイトルのひとつとしてチョイスしたという。
・「ガンスターヒーローズ」
トレジャーの初作品である「ガンスターヒーローズ」は、その人気の高さ、当時のゲーム開発者に衝撃を与えたスピード感やプレイ感から、メガドライブの時代を彩った1本として収録を決定したという。
・「コミックスゾーン」
「コミックスゾーン」は、セガが発売したメガドライブタイトルの“最後から2番目”のタイトル。非常にクオリティが高く、アクションの滑らかさやローカライズの丁寧さなど目を見張るものがあるが、当時は出荷数が非常に少なかった。今回の「メガドライブ ミニ」でより多くの人に知ってもらいたいタイトルとのことだ。
・「レンタヒーロー」
「レンタヒーロー」はRPG枠として収録されたが、RPG枠は入れたくなるタイトルが多く激戦だったそうだ。「レンタヒーロー」にはオートリーという街が登場するのだが、こちらは旧セガ社屋が長年あった大鳥居をモチーフにしたもの。今年にセガ本社は大崎に移転したが、それまでの大鳥居のセガというところを感じられるタイトルという意味でも、「レンタヒーロー」を収録したいという気持ちがあったそうだ。
なお、「レンタヒーロー」の入魂のオープニング映像は、ゲーム中だと1回しか見られないので、奥成氏としては「メガドライブ ミニ」のセーブ機能でいつでもオープニング鑑賞できるセーブデータを1個作るのをオススメしたいとのこと。
・「スペースハリアーII」
「スペースハリアーII」は、セガのアーケードゲームを家庭で遊べるというメガドライブの魅力を語るのに最適ということで収録したという。また、日本のメガドライブ本体と同時発売タイトルのひとつであり、“メガドライブの時代を再現する”というコンセプトにも適したタイトルというわけだ。
・「魔道物語1」
「魔道物語1」は、最後に発売されたメガドライブソフト。本体同時発売だった「スペースハリアーII」とは対極にあるタイトルということで、こちらもメガドライブの時代を語る上で外せないということで収録を決めたということだ。
収録される40タイトル中の残り30タイトルについては、今後順次公開していくということで、次は4月18日に公開予定とのことだ。
また、「メガドライブ ミニ」および「メガドライブ ミニW」の予約については、各販売店にて、週明けには受付が開始されるのではということなので、確実に手に入れたりという方は予約情報も見逃さずにチェック頂きたい。
「メガドライブ ミニ」を試遊!コントローラーのMODEボタンで専用メニューが呼び出せるなど遊びやすい工夫も
セガフェスの会場では、「メガドライブ ミニ」の実機を試遊できるコーナーも設けられている。10台が用意され、10分間のプレイが可能だ。早速こちらの試遊をさせて頂いた。
まずは本体に目が行くところだが、「メガドライブ ミニ」本体の小ささにかわいらしさを感じつつも、細かなところまでしっかりとオリジナルが再現されていて、メガドライブの重厚感も味わえる。
一方で、コントローラーはミニではなくオリジナルと同じサイズが採用されていて、ゲームプレイを重視している。ファイティング6Bパッドが採用されているところには、まだ明かされていない収録タイトルにいろいろと期待したくなるところだ。
6Bコントローラーの丸い方向キーの素材感や入力の感触、さらには各ボタンの押下感は、オリジナル版のファイティングパッド6Bを思い出させる感触と思えた。パッドの右上にはオリジナル版にもあった「MODE」ボタンが搭載されているが、ゲームプレイ中にこの「MODE」ボタンを押せば、「メガドライブ ミニ」のオリジナルメニューを呼び出せる。メニューの画面では、セーブやロード、メインメニューへ戻るなどの項目があった。
メニュー画面は「メガドライブ ミニ」本体のリセットボタンを押すことでも呼び出せるが、手元のパッド側ですぐに呼び出せるのは嬉しいところ。
タイトルセレクト画面には、収録タイトルのパッケージ画像が並んでいたが、試遊できるのがまだこの日に明かされた10タイトルに限られていることもあり、製品とは異なる可能性もあるだろう。ただ、古代祐三氏が手がけたというメインメニューBGMは聞くことができた。
タイトルを選ぶと、そのタイトルの発売日や紹介文が表示されるようになっている。そこからさらに決定すれば、数秒でゲームが起動する。
プレイの手触りはというと、操作スポンスもよく、サウンドの再現においてもしっかりとしたものに感じられた。さすがに短い試遊時間のなかで触った限りという話にはなってしまうのだが、奥成氏や開発を手がけるエムツーは遅延や再現度にもこだわってきたので、そうしたプレイの手触りにも期待していきたいところだ。