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BlizzCon 2018が開幕、創業者Mike Morhaime氏から「WoW」J. Allen Brack氏に政権交代

注目の「Overwatch World Cup」は3連覇を目指す韓国が快勝スタート

11月2日、3日開催

会場:Anaheim Convention Center

 Blizzardタイトルを一堂に集めた同社最大規模のファンフェスティバル「BlizzCon 2018」が米国時間の11月2日より、今年もAnaheim Convention Centerを会場に開幕した。会期は明日11月3日まで。

【開始前から盛り上がるBlizzardコミュニティ】
オープニングセレモニーの開始は11時だが、早朝から熱心なファンが列を作る。その熱意には毎回驚かされる

 毎年恒例のオープニングセレモニーでは、既報の通り、往年のリアルタイムストラテジーファンには堪らない「Warcraft III」のリマスター版「Warcraft III Reforged」(参考記事)をはじめ、「Diablo」シリーズ初のモバイル展開となる「Diablo Immortal(ディアブロ イモータル)」(参考記事)など複数の新規タイトルが発表され、そのほか「ハースストーン」は新拡張パック「天下一ヴドゥ祭」(参考記事)、「オーバーウォッチ」は新ヒーロー“アッシュ”を披露する(参考記事)など新発表が相次いだ。

ギッシリ埋まった客席

 印象的だったのは、創業者の1人であり、今年10月まで27年に渡って社長を務めたMike Morhaime氏と、新たに社長に就任した「World of Warcraft」のエグゼクティブプロデューサーを務めたJ. Allen Brack氏が、BlizzConオープニングセレモニーの冒頭で、キーノートスピーチのバトンを渡すセレモニーが行なわれたことだ。

 BlizzardファンのMike Morhaime氏に対するリスペクトは、半ば神格化に近いものがある。新社長のJ. Allen Brack氏は、Blizzardがもっとも重きを置くコミュニティに対して、円滑なトップ交代を認めて貰うために、あらかじめ客席前方数百席に複数のカラーで構成された紙を置き、Morhaime氏からBrack氏が紹介され、2人が壇上に居並ぶタイミングで、合図と共に紙を目の前に掲げ、これまでの感謝を伝えるメッセージをMorhaime氏に示すという演出を行なった。Morhaime氏は今後もアドバイザーとしてBlizzardに関わり続ける予定だが、トップとしての役割はこれで終えたことになる。

前社長としてスピーチするMike Morhaime氏
コミュニティを活用したサプライズ。いかにもBlizzardらしいやり方といえる

 新たにキーノートスピーチの役割を担ったBrack氏は、例年は「World of Warcraft」の“ドン”として同作の新規コンテンツのアナウンスを担当していたが、今回からはBlizzardの“ドン”として登場。やや緊張の面持ちで語り始め、Brack氏が入社して10数年にわたるMorhaime氏の取り組みを称えつつ、その最大のものが“Blizzardコミュニティ”だとし、「それは君たちだよ!」と数万人の観客に繰り返し呼びかけ拍手喝采を浴びた。Brack氏は、Morhaime氏が育ててきたコミュニティを大事にする姿勢を継承し、BlizzConのようなコミュニティを支援する場を大事にしつつ、Blizzardの価値の源泉である優れたゲームコンテンツを育てていく姿勢を改めて明確にした。BlizzardおよびBlizzConは今後も変わらず成長を続いていくことが確信できた瞬間だった。

新社長のJ. Allen Brack氏

 その後、Brack氏より発表された内容は予想の範囲内だった。Blizzardは、近年「Diablo III」や「Starcraft」のリマスター化を行なっており、残るタイトルとして「Warcraft」シリーズのリマスターも確実視されていたからだ。今回リマスター化される「Warcraft III」は、リアルタイムストラテジーの金字塔と言える傑作であり、現在世界中で人気を集める「League of Legends」や「Dota2」の源流とも言えるタイトルだ。当時はカプコンから発売されたが、今回はまだわからない。PC版のみということもあり、「Heroes of The Storm」や「Starcraft II」のようにBattle.netから遊べるものの、英語版のみということも考えられる。続報を待ちたいところだ。

オープニングセレモニーの直後、さっそくBattle.netに登録されていた「Warcraft III Reforged」。日本語化されるかどうかはわからない

 その一方で、期待されていた「Diablo IV」の発表は今年も持ち越しとなった。Nintendo Switch版「Diablo III」が8月発表、12月発売という微妙なタイミングで動いているため、買い控えを避けるためあえて見送ったか、あるいは今回発表された「Diablo Immortal」への注目を最大限にするためなのか真相は闇の中だが、発表を見送ったことによるコミュニティの反応は冷ややかだった。やはり、「Diablo」ファンは、PCでガッツリ新作を遊びたいんだな、ということを強く感じた。

 ただ、スマートデバイスでのゲームプレイに抵抗感のない日本を含むアジア地域では、「Diablo Immortal」はウケると思う。サービス開始時期、ビジネスモデル、パブリッシャーなどすべて未定だが、すでに日本展開も予定されており、「Diablo」を遊んだことのない世代、初代「Diablo」や「Diablo II: Lord of Destruction」(参考記事)を遊びまくった往年のゲームファンに刺さるタイトルとして、日本展開も期待されるところだ。

オープニングセレモニーの最後にサプライズ発表された「Diablo Immortal」

 さて、オープニングセレモニーの後は、各ステージでの開発者セッションやタイトルごとのeスポーツイベント、新規コンテンツの先行試遊がスタートする。我々メディアは、初日は開発者インタビューや新規コンテンツの試遊であまり会場を回る時間が取れないのだが、広大な会場を歩き回り、ファン達の大歓声を聞いたり、試遊に熱中する姿を見るのは楽しい時間のひとつだ。

 毎年もっとも大きな盛り上がりを見せる「オーバーウォッチ」の国別対抗戦「Overwatch World Cup」は初日準々決勝4試合が行なわれ、4試合目だけ観戦できたが、大会3連覇を目指す韓国が圧倒的な強さでオーストラリアを3:0で破り、順当に準決勝にコマを進めていた。明日はもう少し丁寧に会場をまわり、eスポーツ関連のレポートもお届けできればと考えているのでお楽しみに。

【会場の様子】