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あのマーベラスがアーケードリズムゲームに参戦!最新マシン「WACCA」体験レポート

日本を代表するハードコアテクノレーベル「HARDCORE TANO*C」との共同開発!

10月4日 発売予定

 マーベラスがアーケード向けの新作リズムゲームを開発中だ。個人的にはマーベラス×アーケードというイメージはあまりなかったので意外だったが、これまでにも「ポケモンガオーレ」や「戦え!ドラゴンクエスト スキャンバトラーズ」という製品を送り出している。

 これらの製品はカジュアル向けの作品だが、マーベラスが現在開発中の新製品は「初のアーケード向けリズムゲーム」という新しいジャンルへのチャレンジングな作品だ。今回は事前にプレイすることができたので、レポートをお届けする。

ハードコアテクノレーベル「HARDCORE TANO*C」との共同開発!

 アーケード向けに展開されている音楽ゲームは数多く、それぞれがオリジナリティを持って世間に送り出されている。

 本作の1番のオリジナリティは日本を代表するハードコアテクノレーベル「HARDCORE TANO*C」との共同開発作品ということだ。「HARDCORE TANO*C」といえば数多くのDJが所属しており、彼らが日本のテクノのハードコアシーンを牽引していると言っても過言ではないレーベルだ。国内外問わずDJ、ライブ活動を積極的に行なっているほか、他アーティストやリズムゲームへの楽曲提供など精力的に活動している。その活動から日本の音楽ゲームファンはもちろん、日本のハードコアテクノファンには知らぬものは居ないと言い切れるほど存在感の高いレーベルである。

 そしてマーベラスが今回世に送り出す新作リズムゲーム「WACCA」はそんな彼らとの“共同開発”作品となっている。わざわざ強調したのだが、彼らの楽曲は様々なゲームに提供されているので、楽曲をゲームで楽しむことはできる。だが本製品は企画立案を含めて開発元とガッチリとタッグを組んで開発にあたったマシンだという。楽曲の提供だけではなく、譜面のレベルデザインまで関わっているそうで、ここまでタッグを組んで開発した作品はゲーム業界では初ではないだろうか。

 収録楽曲や参加アーティストのすべてはまだ明かせないとのことだったが現時点では同レーベルに所属する「REDALiCE」、「t+pazolite」、「DJ Genki」、「P*Light」、「Massive New Krew」、「USAO」といったハードコアテクノファンにはたまらないメンバーの書き下ろし楽曲が収録されているという。

 ちなみに「ハードコア」という文字からもわかる通り彼らの楽曲はスピードがかなり早い。つまり必然的にゲームが難しくなるのでは? と質問をぶつけてみたところ、1つの楽曲でも難易度はわかれており、低難易度はカジュアルに、高難易度はハードコアに楽しめるようになっているという。また今後はマーベラスらしい強みということで彼らの楽曲以外にも2.5次元ミュージカルの楽曲や、その他のジャンルの楽曲も収録を予定しているという。

「WACCA」は「HARDCORE TANO*C」とガッツリとコラボしている
【HARDCORE TANO*C】
REDALiCE
t+pazolite
USAO
P*Light
Massive New Krew
DJ Genki

直感的にプレイできる操作感、視界360度を埋め尽くすほどの迫力、気分を盛り上げる演出

 それではマシンやスペックについても紹介していこう。

 外観は巨大な円型のディスプレイの周囲360度をタッチパネルが覆っているスタイルだ。ビジュアルについてはその名の通り「輪っか」状になっている。

 操作面はディスプレイ中央から外周部に向かってノーツ(操作するタイミングを表示するもの)が流れてくるので、それらをタッチしたり押しっぱなしでホールドしていくという操作だ。この辺りはこれまでのリズムゲームや、スマートフォン向けのリズムゲームでもお馴染みの操作なので直感的にプレイできる。ユニークなノーツとしては左右へのスライドや、タッチパネルの手前・奥にスナップするというものがあり、初見では少し戸惑ってしまったが、慣れてきたらこれらがプレイの幅を広げてくれそうだ。

ゲーム機ビジュアル
ノーツの一例。それぞれタイミングよくホールド(押しっぱなし)にするもの、奥へのスナップ、左へのスライドすることで反応する

 実際にプレイした感想だが、何よりも驚いたのがその没入感だ。後ろからプレイしているのを見ていただけだと感じくいが、モニターとの距離、そして周りをタッチパネルで覆われているお蔭で圧倒的な迫力、圧倒的な没入感を感じられた。筆者もスマートフォンやアーケード、さらにVRまで様々な音楽ゲームをプレイしてきたが、本機の没入感はこれらの中でもトップクラスだ。さすがに360度全方位をカバーするVRの音楽ゲームには敵わないが、体感としてはトップクラスの没入感があった。

 そしてシンプルな操作感がまた良い。その没入感からほぼ画面に食い入るような状況になるので、細かいボタン操作などを求められてもかなり厳しいのだ。本作は前面がすべてタッチパネルなので、「この辺りにノーツが流れてきているので、こういった操作を……」といったような細かいことを考える必要がなく、体が直感的に反応するレベルでパッパッパッとタッチできる。音楽ゲームは音楽にあわせて体を動かす、という人間の本能を刺激して快感を得るゲームなので、このシンプルな操作は非常にありがたい。

 さらにシンプルな操作感のメリットは「音楽ゲーム初心者でも直感的に遊べる」ということだ。音楽ゲーム、特にアーケード向けの音楽ゲームとなると、コアにプレイしているプレーヤーを満足させるために進化を続けた結果、初心者にはハードルが高い機種があるのも事実だ。もちろんチュートリアルの充実などで初心者もプレイできるように工夫されているが、初見でいきなりプレイできるほど簡単ではないタイトルもある。

 そして進化を遂げすぎた音楽ゲームのもう1つの欠点がプレーヤーの練度だ。筆者もゲーセンに足を運び音楽ゲームをプレイすることがあるが、超絶巧みなテクニックを披露する熟練プレーヤーの列に並び、彼らの視線を受けながら簡単な曲をプレイするのは正直恥ずかしさを感じる。意識しすぎだと言われればそれまでだが、気になるものはしょうがない。

 本作はこの部分も意識しているそうで、プレイしているのを後ろから見ても、ゲーム画面が見えづらくなっており後ろからの視線をそれほど気にせずプレイできるのだという。後ろから見ている人も決して退屈ではなく、タッチパネルやLEDの派手な演出はギャラリーにとっても楽しいし、アピールできる点でもある。後ろからの視線を気にせず、後ろにもアピールできるというのはこれまでのアーケード音楽ゲームを研究した結果だろう。

 さらに初心者にありがたい点としてゲームプレイ中の成績が悪くても途中でゲームオーバーになることもなく、ゲーム機に設定されている曲数をすべてプレイできるという。この点も初心者には大変ありがたい要素だ。

 また音響面でもこだわっているそうで、通常のスピーカーに加え、ゲーム機下部にウーファーを搭載している。今回のテストプレイは会議室で行なわれたため、さすがに性能をフルに感じられるレベルの音量ではプレイできなかったが、そのポテンシャルの一部は感じることができた。特にロケテストでプレイできる「HARDCORE TANO*C」のヘビーな重低音との相性はかなり良いだろう。もちろんヘッドフォン端子も用意されているので、その点は安心していただきたい。

横からだとわかりにくいが、正面に立つと視界のほとんどがモニターとタッチパネルに包まれる
真後ろから見ると画面はほぼ見えないが、派手なLEDと音楽が楽しめる

 プレイしていて感じたのは本作が「カジュアルにも楽しめるし、ヘビーにも楽しめる」ということだ。現時点で用意されている難易度をすべてプレイしたのだが、直感的な操作感、後ろからの視線を気にすることなくプレイできる点ではカジュアルに、難易度が高い楽曲では360度を覆うタッチパネルを使ったテクニカルな操作や、素早い反応などが求められる点はヘビーにも楽しめる。

 特に最近はスマートフォン向けの音楽ゲームが多く配信されているが、直感的な操作という意味ではかなり近い。「ゲームセンターの迫力がある音楽ゲームには興味があるけど難しそうなのでちょっと……」というプレーヤーにはぜひプレイしてみて欲しい。大きく体を動かす操作と、迫力のある音響によりアーケード機でしか体験できない快感が楽しめるはずだ。

 そして公式サイトでも案内されているが10月19日より東京、大阪、岡山、愛知の4カ所で順次ロケテストが開催される予定だ。詳細については公式サイトの案内ページをチェックして頂きたい。

 ハードコアテクノファンはもちろん、音楽ゲームファン、そしてこれから音楽ゲームを初めてプレイするというユーザーまで幅広く受け入れられる懐の広い作品になっている。ぜひロケテストに足を運んでそのポテンシャルを体験してほしい。