ニュース

開発者が語る「Days Gone」のディテール。フリーカーの巣、野盗との戦い、様々な武器や成長要素

9月20日~23日 開催

会場:幕張メッセ

 画面内を覆い尽くすほどのフリーカー(ゾンビ)の群れ……TGS会場のプレイステーションブースにも試遊台が出展された「Days Gone」。期間中開発者によるプレゼンテーションが行なわれた。

 登壇者はSCE Bend StudioのStudio Directorを務めるChris Reese氏、Creative DirectorのJohn Garvin氏、Game DirectorのJeff Ross氏。今回は「Days Gone」のオープンワールドとしてのより明確な姿、ゲームのディテールが明らかになった。

 プレゼンテーションではGarvin氏がコントローラーを握り、Reese氏が説明をするという形で進行した。「今回はこの世界がいかに危険か、しかし注意深く行動すればうまく生き残れるかを解説していきたいと思います」というReese氏の言葉でスタートした。

右から、SCE Bend StudioのStudio Directorを務めるChris Reese氏、Game DirectorのJeff Ross氏、Creative DirectorのJohn Garvin氏

1匹のフリーカーが呼び寄せる津波のような大集団

 デモプレイでは、主人公・ディーコンが、相棒のブーザーと通信をしているシーンから始まる。ブーザーは負傷しておりセーフハウスにいる。ディーコンはそちらに向かおうとするが、間にはフリーカーのネスト(巣)が多数ある危険地帯があり、ファストトラベルができないという状況だという。ディーコンはネストを破壊すべく危険地帯に足を踏み入れる。

 フリーカーはなぜか人間が元いた場所に集まる傾向がある。建物の中にネストを作り、そこを中心に活動するのだ。ネストは家や工場に作られることが多い。複数の建物がある場所にはいくつものネストがある可能性がある。危険地帯には5つ以上のネストがある。ネストを破壊するとフリーカーはいなくなる。

 ディーコンはバイクでフィールドを移動する。世界は荒廃しており、道路は所々が陥没、放棄された車もあり高速の移動は危険だ。さらにバイクはフィールド攻略でも重要な意味を持つ。バイクはディーコンが倒されたときの復活場所であり、今回のような危険地帯での探索はどこにバイクを置くかが重要になるという。バイクはニトロブーストで一時的な加速が可能で、アップグレードすると弾薬も多く積める、補給の拠点としての意味も持つ。

 危険地帯の広場となっている場所にディーコンはバイクを止める。そこには何体かの子供タイプのフリーカー「ニュート」がいる。ニュートは力が弱いため積極的には襲ってこない。しかしディーコンの体力が少ないときには襲いかかってくる。屋根の上から飛びかかってくるなど、こちらの死角から襲いかかってくることがある。また、突然オオカミから襲われることもある。フリーカーに対して容赦のないディーコンの戦い方も注目ポイントの1つだ。

ネストのある危険地帯に向かう

 Reese氏は「Days Gone」の有効なポイントとして「高所からの偵察」を挙げた。屋根の上など高さがあって比較的安全なため、周りを見渡すことができる。双眼鏡を使い、フリーカーの位置や建物、車両など情報を収集していく。

 本作では車のトランクから様々なものが入手できるが、特に警察の車両は貴重な弾薬が入手できる。レッカー車は予備の燃料タンクを積んでいるので、バイクの燃料を補給できる。「Days Gone」ではバイクはかけがえのない相棒だ。同じバイクを所持し続け、修理しながら使っていく。フリーカーに襲われるとバイクが損傷してしまう。修理部品の入手も重要な生存戦略だ。

 燃料タンクは武器としても有効だ。フリーカーのネストはまるで鳥の巣のように植物などをまとめた形になっており、廃屋の中に作られている。ここにタンクを投げ入れ、銃で撃ち抜けば爆発しネストを焼くことができる。しかしこれで終わりではない。ネストを攻撃されたフリーカーがこちらに向かって飛び出してくるのだ。Garvin氏はあらかじめ廃屋の入り口に地雷を仕掛けていた。これに引っかかった数体のフリーカーが巻き込まれ爆散、残った2体のフリーカーを刃のついたバットで仕留めた。1つのネストを破壊したディーコンは次のネストに向かう。

 いつの間にか日が陰っている。「Days Gone」は24時間のサイクルがあり、日が沈むとフリーカーは強力になる。その代わり倒せばたくさんの経験値が得られるという。夜のネスト破壊はとても危険な行動だ。「Days Gone」は基本的にはステルス行動が推奨される。フリーカーの感知能力は高くはないが、こちらを感知すると仲間を世に寄せる。Garvin氏は敵を仕留め損ねてしまった。

 声を上げるフリーカー、そうすると周りの建物という建物からフリーカーが這い出し、ディーコンを追い始めた。画面の至る所からこちらに走ってくるフリーカー、その数は50体近くいるだろうか。「これが“エスカレーション”です」とReese氏は解説する。Garvin氏はディーコンをダッシュさせバイクに飛び乗らせた。バイクでフリーカーを弾き飛ばしながら脱出していく、フリーカーの攻撃にバイクの損傷度はみるみる高くなっていく。それでも何とか逃げられた……と思ったら、ドンドン追いかけてくるのだ!

油断するとフリーカーにあっという間に取り囲まれる

 ディーコンはバイクを必死に走らせる。ボロボロのバイクは派手な黒煙を噴き上げ今にも止まりそうだ。しかし何とかセーフハウスへ逃げ込める。セーフハウスは高いフェンスに囲まれた場所で、フリーカーをシャットアウトできるのだが、フリーカーはフェンスを取り囲み声を上げ続けている。セーフハウスのフェンスはフリーカー対策がされており、侵入できないとのこと。

 セーフハウスのある場所はフェンス内の中央にあるタワーのような建物。上階では傷を負ったブーザーにも出会える。セーフハウスには「ベッド」と「ガンロッカー」が必ずあるという。ガンロッカーには商人から買った武器を入れておくことができ、ミッションなどに合わせて装備を変えることができる。ベッドは睡眠し、体力が回復できる。ディーコンは朝までベッドに横になる。朝になるとフェンスを取り囲んでいたフリーカーは諦めていなくなっている。ディーコンは再びネストの破壊するため、バイクで出発する。

フリーカーの巣を焼き払え! 生存者もまた危険な敵に

 一夜明け、フリーカーもいなくなり、ディーコンはネストの集まる機能の場所に向かう……だが、木から伸びる1本の赤いレーザー。それがデーコンに当たったとき銃声が聞こえ、ディーコンは転倒する。そして倒れたディーコンに道の脇から“野盗”が襲いかかってくる。

 「Days Gone」の世界では昼はフリーカーの動きは夜に比べると弱いが、代わりに野盗に襲われる確率が高くなるとのこと。フィールドには野盗の拠点もあり、これを倒しておかないと、野盗との遭遇確率が上がるという。この危険をGarvin氏は慌てずに乗り切った。迫ってくる野盗を銃と近接武器で打ち倒し、狙撃してきた敵も撃ち倒す。そしてバイクに戻り、ネストの場所へ向かった。

敵はフリーカーだけでない。野盗に襲われることも

 ネストの場所に戻りフリーカーを倒しつつ進むディーコン。近接武器には耐久力があり、使っていると壊れるとのこと。武器を交換しつつ、フリーカーを倒していく。Garvin氏はフィールドに落ちていたトラバサミの罠も活用し、ネストを破壊した。

 ここからがクライマックスだ。大きな工場の中には3つのネストがある。複数のネストがある場合は、危険度が増す。昼間はフリーカーはネストに引っ込んでいるか姿はない。ディーコンは時限爆弾を奥のネストに設置し、ゆっくりと戻り、入り口にトラップも仕掛ける。そしてアサルトライフで向かってくるフリーカーを倒した。

 残りは工場の2階にあるネスト。ディーコンはクロスボウを手にする。おもむろに近くの若木を引き抜き素材を入手、炎を発するクロスボウボルトを制作する。ボルトは様々なタイプが作れるという。燃えるボルトでネストとフリーカーを攻撃するディーコン。見事この地域のネストを一掃した。

ネストを攻撃するとフリーカーが襲いかかってくる

 ネストを破壊するとリザルト画面が表示された。これは他のキャンプでディーコンが「この地域のネストを一掃して欲しい」というミッションを受けており、それを完了したためだ。報酬としては依頼を受けたキャンプの信頼度が上がり、クレジットを入手できた。クレジットは武器などの購入/アップグレードに使う。

 ボーナス経験値も手に入った。ディーコンは経験値を得てレベルアップするとスキルポイントを入手できる。スキルには「近接戦闘」、「遠距離戦闘」、「サバイバルスキル」の3つのカテゴリーがあり、様々なスキルを入手できるとのこと。こうしてディーコンはより強力な存在へと成長していくのだ。

 ネストを一掃するとファストトラベルが使用できる。ファストトラベルは「バイクが近くにあること」、「バイクに充分な燃料があること」、「間にネストなど危険なものがないこと」が条件となる。ファストトラベルを使おうとバイクに戻るディーコンだが、野盗がバイクを盗もうとしている! 後ろから忍び寄り、夜盗を倒すディーコン。しかしさらに野盗が来る。ネストがなくなったため、ここを拠点にしようとしているのだ。このようにディーコンの行動で、フィールドの状況が変化するという。

 野盗に備えるディーコンだが、野盗は別な方向に銃を撃ち始める。双眼鏡で状況を見ると身体の大きな、巨大なフリーカーと戦っている。巨大フリーカー「ブレーカー」と野盗との戦いが始まる。争う2つの勢力を置いて、ディーコンはセーフハウスへと戻った。

ディーコンの行動で、フィールドの状況は変化していく

 ここからは質疑応答となった。ディーコンが解放したところに来るのは野盗など、ディーコンの敵だという。友好的な人々は高いフェンスに囲まれたキャンプを作っており、こういった危険な場所を拠点には選ばない。キャンプ以外は無法で危険な場所なのだ。

 フリーカーの圧倒的な群れは、今回は大体200体、出展された体験版で300体とのこと。最大で500体の群れがいて、それらが波のように襲いかかってくる。フリーカーの挙動は本当に苦労したとRoss氏は語った。大量のフリーカーで“流れ”をどう表現するかが大変だった。流れを作るには“集団意識”といったものが必要で、これをどう発動させるかは大きなテーマだったとのこと。周りの環境でも流れは変わる。地形に対する動きも注目して欲しいとのことだ。

 敵から逃げる場合は地形も大事だ。特に広いところから狭くなる地形になると渋滞が起こり、フリーカーの足は遅くなる。有利な地形を考え、うまく逃げることで大量のフリーカーを相手にすることもできるという。フリーカーはプレーヤーに向かってとにかく一直線で向かってくる。これを利用し、対処するのも重要だという。

 野盗を倒すとリソースが入手できるが、フリーカーは役に立つものを持っていない。しかしフリーカーの“耳”を集めることで、キャンプで賞金を入手できるという。また、フリーカーの巣では“フリーカーのエキス”が入手できる。これをボルトに塗り込み敵を刺せば、敵は凶暴化し同士討ちを始めるとのことだ。フリーカーの生態はゲームが進むごとに明らかになるとのことだ。

 フリーカーは「新たな生命体」として、考証も行なっている。あるウィルスが原因となっており、ウィルスに感染した大半は死んでしまうが、生き残った人間がフリーカーになる。フリーカーは24時間の生活サイクルを持っており、夜に活発になる。餌場、水飲み場、寝床などもきちんと持っており、生物として説得力を持たせている。ちなみにウィルスは狼にも感染する。フリーカーとなった狼はバイクにすら追いついてしまうという。

 最後にユーザーへのメッセージとしてReese氏は、「『Days Gone』は本当にたくさんお要素が詰まっていますが、まだほんの一部しか紹介できていません。これからも情報を出していきたいですし、触ってもらって感想を聞きたいと思います」と語った。

 プレイへの期待がとても高まるプレゼンテーションだった。殺伐とした世界で生きぬくという感覚を味わってみたいし、海のように押し寄せるフリーカーにどう対処するか、そういったゲーム性も楽しみだ。今回の試遊バージョンなどは体験版として出すのも良いのではないだろうか。今後の情報にも期待したい。