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極限状態のオープンワールドの世界がプレーヤーに襲いかかる!「Days Gone」プレビュー

2人のキーマンに直撃インタビューを実施。感情を揺さぶられるストーリーに注目

6月12日~14日開催

会場:Los Angeles Convention Center

 2016年のE3で初お披露目された「Days Gone」。大量のフリーカーと呼ばれる感染者(いわゆるゾンビのようなもの)に襲われるシーンを公開し、本作のテーマが「喪失と希望」ということが明らかにされた。当初は2016年内の発売を目指していたが、それは実現せず2017年へ。

 2017年のE3でもお披露目され、そこでは天候や時間、プレーヤーの戦略などにフィーチャーした発表が行なわれ、改めてゲーム性の幅広さをアピールした。

 そして今年のE3会期直前の6月8日に日本国内での発売日が2019年2月22日に決まり、いよいよ発売に向けて仕上がってきたところだろうというところで、今回はついに会場でデモ版をプレイすることができた。

 詳細なプレイ内容は改めて記載させていただくが、一言で言うとストーリーモードの一部と大量のフリーカーを殲滅させるという内容で、2016年、2017年の発表にあったような内容ではなく、正直なところ戸惑ってしまった。

 そこで誰かスタッフの方に話を聞きたいと考えていたところ、ブースに本作のシニアプロデューサーのDarren Yager氏、そしてローカライズプロデューサーの浦野圭氏がいらっしゃったので不躾ながらも突撃インタビューを依頼したところ快諾いただき、両氏から改めて本作について興味深い話を聞くことができた。本稿では「Days Gone」の狙いや魅力について紹介したい。

【Days Gone - E3 2018 This World Comes For You | PS4】

クラフトで武器を作り、ギミックを使って大量のフリーカーを倒せ!

 2016年のE3では大量のフリーカーにワラワラと襲われる様子が、そして2017年のE3ではプレーヤーの“戦略”にフィーチャーしたデモが公開された。そして発売を間近にした今年2018年に試遊台でプレイできたのは、ストーリーモードの一部と、大量のフリーカーを殲滅させるといったデモ版がプレイできた。

 今回体験できたストーリーモードの内容は、モーテルやガソリンスタンドなどが並ぶ道沿いのエリアを探検していくというものだ。ゾンビものの作品(本作では正確にはゾンビではないが、他のタイトルと比較する際はわかりやすいように一部こういった表現を使用させていただく)ではテッパンのバットの他に、ナイフやショットガン、ハンドガンなどを持っている状態でスタートした。

 ストーリーモードの部分についてはオーソドックスなゾンビものアクションゲームといったイメージだった。銃声などの音を出すと付近にいるフリーカー達が集まってきてボコボコにされたり、落ちてるアイテムを組み合わせて新たなアイテムを作ったり、と“ゾンビゲームあるある”のような要素ががたくさんあった。そしてバイクを探すというミッションなのだが、バイクを見つけるとカットシーンに移行し、バイクに乗り込み移動する。

 その先は数十体以上だろうか、かなり多くのフリーカー達が蠢いているエリアで、すべてのフリーカーを倒すのが目的となっていた。エリア内には衝撃を与えると爆発するタンクローリーや、ドラム缶、破壊すると丸太の束が転がってくるオブジェクトなど、“こういったオブジェクトを使ってフリーカーを倒していく”というメッセージがいかにも伝わってくるようなエリアだった。

 デモ版ということもあると思われるが、武器や弾薬はたっぷりと用意されており、クラフトで爆弾や火炎瓶を作ることもできた。これだけの物資があればフリーカー達を殲滅させるのは余裕だろうと思い、適当に火炎瓶を集団に投げたところまったく殲滅できずにボコボコにされてゲームオーバー。コンティニューして距離を取りながら銃を撃ってみたがフリーカー達が走ってくるスピードの方が早く、やはりボコボコにされてゲームオーバー。何度か繰り返してみたがまったくクリアできる気がしなかったのでギブアップしてしまった。

 といった具合で正直なところここまでのデモプレイだと、これまでのE3やトレーラームービーで公開されていた“「Days Gone」らしさ”が伝わってこず、「他のゾンビゲーとの差別が難しいな」と感じてしまったのだ。

 そこでその場にいたスタッフに本作ならではの魅力を聞いてみようとしたところ、なんとそこにいたのは本作のシニアプロデューサーのDarren Yager氏とローカライズプロデューサーの浦野圭氏だったのだ! こんなチャンスを逃すことはできないと、早速その場でインタビューを実施させていただいた。

オープンワールドの世界の全てが敵。その極限の状況で紡がれるストーリーを楽しんでほしい

「Days Gone」シニアプロデューサーのDarren Yager氏
「Days Gone」ローカライズプロデューサーの浦野圭氏

――まずは改めて本作の概要を教えてください。

Darren氏:ジャンルとしてはオーブンワールドのサバイバルスリラーになります。パンデミックが発生してから2年後が舞台で、殆どの人間社会が崩壊している状況の中、主人公の「ディーコン・セントジョン」と相棒の「ブーザー」という2人がどうやって生き残っていくかということを描くゲームです。

――主人公たちやフリーカーズ以外にも生きている人間はいるのでしょうか?

Darren氏:パンデミックが起きて良い人間も悪い人間も、様々な人間が極限状態の中でみんなで集合して暮らしています。ですが主人公たちはあえてバイクで旅に出ているという状況です。

――主人公とバイクで旅に出ているというお話でしたが、彼らはどういった理由で旅に出ているのでしょうか。

Darren氏:ストーリーのネタバレを含むので詳しくはお話できないのですが、主人公達は元々バイカーで2人で共に旅をしています。ちなみに2人は以前は軍に所属していました。

――本作ならではのゲームシステムの魅力について教えてください。

Darren氏:まずは広大なオープンワールドということがあげられます。広さの規模は他のタイトルよりかなり広いエリアがゲームの舞台になっているのではないでしょうか。そしてその広さをとこのビジュアルの美しさを両立させているのが魅力です。ゲームプレイという面では体験していただいたようにたくさんのフリーカーズが襲ってくる緊迫感、カオス感という事があげられますね。

浦野氏:他にもまだ言えないことがあるのですが、アメリカでは「This World Comes For You」というキャッチコピーを使用しています。日本語で言うと「世界があなたを襲う」といったニュアンスでしょうか。フリーカーもそうですし、生きている人間、動物など、オープンワールドの中に存在するありとあらゆるものが全部危険という状況です。

――最大でどのくらいの数のフリーカーズが出現するのでしょうか。

浦野氏:多いときは300体、シーンによって異なりますが500体以上出現するミッションもあります。ですので全てのフリーカーズを倒すというのは現実的ではないのでなので、オープンワールドという環境を生かして逃げ道を考えたり、地形などを有利に使えるかというのを考えるのがポイントになります。

――ちなみに先程デモ版をプレイさせていただいたのですが、難しすぎたように感じたのですが。

浦野氏:実はまだ3~4人しかクリアしてないのです。あのエリアは本来であればゲームの後半に登場するエリアで難易度が高いところになっています。そこに到達する時期であればキャラクターも強くなっているし、プレーヤーも操作に慣れている状況なのですが、今回は大量のフリーカーを相手に立ち回るというのを体験していただきたくてこういった内容になっています。ただ、ゲーム全体の難易度やバランスは現在もチューニング中です。
――デモ版でもいくつかのギミックは確認できましたが、他にユニークなギミックなどはあるんのでしょうか。

Darren氏:エリアによって罠や使えるギミックは異なりますし、地形を使用する方法もあります。例えば行き止まりの部分や狭い箇所にフリーカーズを誘導して、そこに爆発物を投げ込む、といったことができます。

――昨年のE3でフリーカーズを使った戦略のようなデモを見せていただいたのですが、そういった要素は重要視されていないのでしょうか。

浦野氏:確かにそういった要素はあり、1つのウリではあります。ただあくまでもストーリーがメインで、メインミッションを進める中でどういう風にフリーカー達を有利に使っていくか、というのが本作の最も注目してほしいポイントになります。

Darren氏:1番のポイントはこのゲームの仕組みがどういった形で影響を与えるかです。例えばフリーカーや、敵対する人間、動物など様々なものが登場します。それらは敵対していてますので、例えば誘導して戦わせ、戦力を削るなどオープンワールドを生かした戦い方ができるでしょうね。

 また戦略といえば、昼夜の概念もあり、それらによって敵のタイプが異なってきます。例えば夜になるとフリーカーは目がよく見えるようになったり、音に敏感になったりします。つまり慎重に行動する必要があるということです。他にもロケーションによっては天候が異なっている部分もあり、例えば雪が積もっているエリアであったり、大雨が降っているエリア、霧に覆われているエリアなど、オープンワールドの世界の中に様々なロケーションが設置されています。

――本作の最も注目してほしいポイントはどこになるのでしょうか。

Darren氏:1番見てほしいのは主人公達のストーリーを見ていただきたいです。サイドクエストもあり、それらは少し本筋と離れることもあるのですが、感情を揺さぶられるシーンがたくさんあると思います。

――エンディングは複数あるのでしょうか?

Darren氏:基本的にエンディングは1種類です。ただサイドクエストなどではミッションの達成条件によってカットシーンの内容に変化が起こる可能性はあります。

 とにかくストーリーを楽しんでほしいというのはDarren氏、浦野氏の両氏から強くアピールがあった点だ。その上で「世界が主人公に襲いかかる」という点が本作を表すキーポイントになるのは間違いないだろう。ありきたりなゾンビアクションではなく、オープンワールドで、お互いがお互いに影響を与え合うという仕組みができている中、主人公たちは極限の世界でどう生き残っていくのか、どのような物語が紡がれていくのか?

 発売日は2019年2月22日で8カ月以上先の予定になるが、両氏のインタビューを通して発売が待ちきれないほどの期待感を感じた作品だ。