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PS4「コール オブ デューティ ワールドウォーII」プロ対抗戦で、ついに首位交代!!

全勝のRush GamingにDetnatioN Gamingが肉迫!

6月23日 開催

 品川にあるソニー・インタラクティブエンターテインメント本社内の特設会場において、6月23日に「コール オブ デューティ ワールドウォーII プロ対抗戦」の第3回大会が開催された。これはJeSU(日本eスポーツ連合)によってプロ認定を受けた6つのチームが全5回に渡り各2戦ずつを戦い、優勝を決めるというもの。

 この日は第5節と第6節にあたる計6試合が行なわれた。リーグ戦も折り返し地点に入り、いよいよ順位争いの緊迫感が増してきている。はたして試合はどんな結果を迎えたのか?

今回も会場となったのは、東京・品川にあるソニー・インタラクティブエンタテインメント本社の一室。2節が連続で行なわれるため、選手たちにとっては体力的にもけっこうきつい1日となる

全勝のRush GamingにDetnatioN Gamingが肉迫

 ここまで2回、計4節を終了している今大会。まずはここまでの成績を振り返っておく。

PlaceTeamPoint
1Rush Gaming12
2DetnatioN Gaming11
3CYCLOPS athlete gaming7
4Libalent Vertex7
5SCARZ6
6SunSister3

 今大会では3ゲーム先取制が採られているので勝者には3点、敗者もフルセットまで持ち込めば2点の勝ち点を取得することが可能であることがひとつキーになっている。つまり、首位のRush Gamingが12点ということは、ここまで4勝無敗。そして2位のDetnatioN Gamingは3勝1敗ながら負けた試合も2点を獲得し、ダメージを最小限に抑えているわけだ。

 開幕戦では0点で終わる試合がない緊迫した展開であったが、回を重ねることでスコアの差が顕著に出てきた。後半戦への折り返しを迎え、下位のチームはいかに勝ち点を伸ばすかが重要な課題。SunSisterが少し沈んだ状態となってはいるが、個別のゲームを見ると惜しいところまで肉薄しつつも勝利に結びつかない試合も多い。これは他のチームにも言えることであり、何かのきっかけで順位が大きく変動する可能性はとても高いと言えるだろう。

 なお、詳しいルールについては「コール オブ デューティ ワールドウォーII プロ対抗戦」特設サイトを参照していただきたい。

配信前の試合では波乱の展開が!

 計5回に渡って開催されるリーグ戦では毎回2節が行なわれ、後半の1節にあたる3試合が動画でリアルタイムに配信される。当日正午過ぎから行なわれた第5節の3試合は、以下のような結果となった。

【第5節第1試合:Libalent Vertex 対 Rush Gaming】

Libalent VertexRush Gaming
ゲーム1HARDPOINT25084
ゲーム2SEARCH & DESTROY65
ゲーム3CAPTURE THE FLAG90
ゲーム4HARDPOINT--
ゲーム5SEARCH & DESTROY--
RESULT30

【第5節第2試合:SCARZ 対 SunSister】

SCARZSunSister
ゲーム1HARDPOINT250144
ゲーム2SEARCH & DESTROY64
ゲーム3CAPTURE THE FLAG90
ゲーム4HARDPOINT--
ゲーム5SEARCH & DESTROY--
RESULT30

【第5節第3試合:CYCLOPS athlete gaming 対 DetonatioN Gaming】

CYCLOPS athlete gamingDetonatioN Gaming
ゲーム1HARDPOINT175250
ゲーム2SEARCH & DESTROY36
ゲーム3CAPTURE THE FLAG06
ゲーム4HARDPOINT--
ゲーム5SEARCH & DESTROY--
RESULT03

 なんと3試合とも結果だけ見れば3-0のワンサイドゲーム。Libalent Vertex、SCARZ、DetonatioN Gamingの3チームがそれぞれ3点を獲得し、残り3チームは0点に終わってしまった。

 なかでも注目は第1試合だ。これまで無敗を誇っていたRush Gamingが1ポイントも取れずに終わるという大波乱に、各チームの関係者だけでなく取材にあたっていた我々メディアの人間も騒然。特に第1ゲームのHARDPOINT戦ではトリプルスコアに近い圧倒的な得点差。第3ゲームのCAPTURE THE FLAGでも9-0という大差でLibalent VertexがRushを下した。

 Rush Gamingはマップ内での各所への展開、さらには個々の撃ち合いにおいてもつねに後手を踏んでいる状態だった。チームとしてのLibalent Vertexの成長が著しいことは傍目にも明白ではあったが、何よりLibalent Vertex側の展開と連携が、ことごとくRush Gamingの上を行き、相性がうまくハマってしまった感が強かった。

メイン会場との隣室で行なわれた第5節のLibalent Vertex対Rush Gaming。今まで無敗を誇っていたRush GamingがLibalent Vertexに敗れるという波乱の展開。

 実はこのプロ対抗戦に参加している6チームのうち、DetonatioN GamingとRush Gaming、そしてSCARZの3チームは、6月15日から18日にわたってカリフォルニア州アナハイムで開催された「Call of Duty World League(以下、CWL)」に出場し、帰国したばかり。もしかするとRush Gamingは体調面でまだ疲れが残っていたのかもしれない。

第6節第1試合:DetonatioN Gaming 対 SunSister

SunSisterの健闘が要所で光るも……

 DetonatioN GamingはここまでRush Gamingとあたった開幕の第1節を2-3と惜しくも落としたのみ。前述のCWLアナハイムへの出場がいい刺激となっていいたようで、前節でもCYCLOPS athlete gamingを圧倒して3-0で終え、ついに単独首位に。対するSunSisterはここまで勝ち点3を得てはいるものの、未だ勝利がない状態だ。また、今回はSunSisterはチームリーダーのMacomb選手が体調不良とのことで、bigfoot選手が加わることとなった。このメンバー交代がはたしてどう戦果に影響するかがひとつの見どころとなった。

盤石の強さを見せるDetonatioN Gamingの4人。奥から順に、GaIiard(ガリアード)選手、GenGar AX(ゲンガーエーエックス)選手、AIiceWonderIand(アリス)選手、xAxSy(アクシー)選手。

 第1ゲームはHardpoint戦。マップは定番化している「SAINT MARIE DU MONT」だ。スタートダッシュを決めたのはSunSister。リスポーン位置の有利も手伝い、スコアを先行するが、やはりそこは首位を走るDetonatioN Gaming。徐々に体勢を立て直すと、一気に逆転。その後は有利に試合を進めていく。ところが、SunSisterも負けてはいない。両チームのスコアが200を超える辺りからは優勢にゲームを進め、勝利まであと8ポイントという242までスコアを伸ばすも、そこから意地の反撃を見せたDetonatioN Gamingが逆転。そのまま試合を決めてしまった。

あと8ポイント、というところで足踏みするSunSister。DetonatioN Gamingの果敢な反撃によって、勝利はSunSisterのもとからするりと逃げていった。

 続く第2ゲームはマップ「LONDON DOCKS」でのSearch & Destroy。ラウンド開始直後におけるAIiceWonderIand選手のスナイパーライフルが見事に決まり、着実に数的優位を作るDetonatioN Gaming優勢の展開。終わってみれば6-1、4人中3人が7キルを記録したDetonatioN Gamingの一方的な勝利となった。特にGenGar AX選手は7/2という驚異的なキル/デス数を記録していた。

 第3ゲームはマップ「ARDENNES FOREST」でのCapture the Flag。このゲームではDetonatioN GamingのxAxSy選手とAIiceWonderIand選手の2人が鬼神の活躍。怒濤の勢いでキル数を稼ぎ、それが結果的にSunSisterの連携を阻む。終わってみれば、xAxSy選手は25/12、AIiceWonderIand選手は28/13というキル/デス数。SunSisterは4人のトータルでも54キルに止まり、スコアも8-1と、まさに圧倒的大差でDetonatioN Gamingが3ゲーム連取を決め、勝利を確定させた。

 不意のメンバー交代にも関わらずSunSisterも健闘を見せたものの、それ以上にDetonatioN Gamingの総合力と勢いは圧倒的であった。

【第6節第1試合:DetonatioN Gaming 対 SunSister】

DetonatioN GamingSunSister
ゲーム1HARDPOINT250242
ゲーム2SEARCH & DESTROY61
ゲーム3CAPTURE THEFLAG81
ゲーム4HARDPOINT--
ゲーム5SEARCH & DESTROY--
RESULT30
惜しいところでゲームを落とし、ここまで勝利をものにできていないSunSister。奥からChip(チップ)選手、bigfoot(ビッグフット)選手、Kitty(キティー)選手、Gorou(ゴロウ)選手

第6節第2試合:CYCLOPS athlete gaming 対 Rush Gaming

Capture the Flag戦こそ敵を封殺するも、Rush Gamingがまさかの大敗!

 第2回終了時点で無敗を誇るも前節でLibalent Vertexを相手に0-3でまさかの敗北をしたRush Gaming。CYCLOPS athlete gamingも前節ではDetonatioN Gamingに0-3で破れている。両者ともにそこからどう立ち直るかが、この試合の見どころだ。

 第1ゲームのHardpoint戦では、マップ「ARDENNES FOREST」が舞台となった。序盤の展開を握ったのは、CYCLOPS athlete gaming。Rush Gamingの気勢を削ぐように拠点をうまく制圧していく。Rush Gamingもなんとか追いつくが、逆転して引き離すだけの勢いはなく、ほぼ互角のまま、拠点が一巡。その後も一進一退の攻防が続き、先にスコアが200に到達したのはRush Gamingであった。その時点でCYCLOPS athlete gamingは184。そこからはRush GamingはGreedZz選手、CYCLOPS athlete gamingはTimGUCHI選手が他を圧倒する連続キルを重ね、戦いはヒートアップ! しかしRush Gamingはチームとしてキル数を増やしていくものの、拠点制圧ができず、スコアが伸びない。最終的には4人同時に拠点を攻めるCYCLOPS athlete gamingが相手のお株を奪うラッシュを決め、217-250と一気に試合を終わらせた。

前回までの首位を3-1で退けたCYCLOPS athlete gaming。奥から順に、powapowatan(ポワポワタン)選手、x123da(エックスイチニーサンダー)選手、HqBRa(ハブラ)選手、TimGUCHI(チムグチ)選手

 先行されてしまったRush Gamingは、なんとか勢いを取り戻したいところ。第2ゲームのマップは同じ「ARDENNES FOREST」を用いてのSearch & Destroy戦だ。

 ラウンド1はGreedZz選手の爆弾設置が成功し、続くラウンド2はCYCLOPS athlete gamingのニューフェイス、x123da選手が設置した爆弾をNgt選手が解除、ラウンド3ではWinRed選手の3連続キルが炸裂、そしてラウンド4ではHqBRa選手が爆弾を設置するも、Nami選手が3キルを稼いだ上で爆弾も解除、と、Rush Gamingが立て続けに4本を先取! ついに本領発揮か、と思われたのだが……。なんとここからCYCLOPS athlete gamingが怒濤の反撃に出る。TimGUCHI選手が要所要所でマルチキルを見せ、さらにラウンド9ではx123da選手がひとりで敵4人全員を倒すミラクルな展開で、6ラウンドを連続で奪取し、大逆転してしまう。

 2本先取され、もう後がないRush Gamingは第3ゲーム、マップ「FLAK TOWER」でのCapture the Flag戦に賭ける。第2ゲームのショックからしっかり立ち直った様子のRush Gamingは実に見事な連係を見せて前半を0-4で相手を完封。後半も順調にフラッグ奪取を重ねて最終的に0-8とCYCLOPS athlete gamingに一矢を報いた。

 スコアはまだ2-1。Rush Gamingに後がない状況には変わらない。第4ゲームはマップ「LONDON DOCKS」でのHardpoint戦。開始直後は一進一退の攻防だったものの、次第にCYCLOPS athlete gamingの数的優位をきちんと確保して戦うチームとしての動きが勝り、Rush Gamingを引き離していく。が、ここからRush Gamingも意地を見せ、なんと先にスコア240へと到達! しかし反撃もここまで。最終的には250-242と押し切られる形で第4ゲームを落としてしまった。

CWLアナハイム出場の余波からなのか? 不調にあえいだRush Gaming。奥から順にNgt(ナガト)選手、Nami(ナミ)選手、WinRed(ウィンレッド)選手、GreedZz(グリード)選手

 終わってみれば第5節終了時には5位だったCYCLOPS athlete gamingを相手に、Rush Gamingが3-1と大敗。今回は2節を通じて1ポイントしか勝ち点を加算することができずに終わる結果となった。

【第6節第2試合:CYCLOPS athlete gaming 対 Rush Gaming】

CYCLOPS athlete gamingRush Gaming
ゲーム1HARDPOINT250217
ゲーム2SEARCH & DESTROY64
ゲーム3CAPTURE THEFLAG08
ゲーム4HARDPOINT250242
ゲーム5SEARCH & DESTROY--
RESULT31

第6節第3試合:Libalent Vertex 対 SCARZ

躍進するLibalent Vertexが、SCARZを粉砕!

 前節で王者Rush Gamingを零封したLibalent Vertexと、CWLアナハイムでもCapture the Flag戦では無類の強さを誇ったという古豪SCARZの対戦。第1ゲームのHardpoint戦におけるマップは「GIBRALTAR」だ。

 時間とともに、Nicochaaaaaaaann選手、さらにInaba UR選手が驚異的なキル数を重ね、ゲームをリードしていく展開。SCARZも必死に追いすがるのだが、Libalent Vertexはときに現在の拠点をあえて捨て、次、あるいはその次の拠点での体勢を固めるという先手を打ち、これが相手にスコアを与えてもより多くのスコアを的確に重ねていくことにつながった。最終的に250-214というスコアで、まずはLibalent Vertexが先制。

Capture the Flag戦には絶大な自信を見せていたSCARZだったが……。奥からLeisia(レイシア)選手、Ponty(ポンティ)選手、Panther(パンサー)選手、Hunt(ハント)選手

 第2ゲームのSearch & Destroy戦では、今大会では初登場となるマップ「VALKYRIE」が舞台。このマップはSCARZの希望によるものだそうで、はたしてLibalent Vertexがどれほど習熟しているのかが焦点となった。が、蓋を開けてみれば、Libalent VertexがSCARZを圧倒。6-2でゲームをものにした。Libalent Vertexのいったん引いて回り込む、といった個の局面での撃ち合いで強さが光る展開だった。

 第3ゲームのCapture the Flag戦は、前述のようにSCARZが絶大な自信を持つお家芸とも言えるゲーム形式。マップは「ARDENNES FOREST」だ。両者ともに無理に攻めず前線を確保するためのせめぎ合いを重ねる、慎重な展開。しかし数的優位が確保できたと判断したときの攻めはどちらも鋭く、取って取られてのシーソーゲームとなり、スコアは2-2のまま、延長ラウンドへと突入した。

 延長ラウンドでは、どちらかが先に1本を取った時点で前半が終了となる。その1本を取ったのはSCARZで、所要時間は3分3秒。SCARZとしては後半戦として戦う3分3秒間を耐え忍ぶか、先にフラッグを奪取すれば勝利となる。一方、それより短い時間でLibalent Vertexがフラッグを奪取できれば、逆にLibalent Vertexの逆転勝利となるのだ。

 後半戦開始早々、それまでとは違う素早い侵攻を見せるLibalent Vertexが、SCARZの4人を封殺し、その隙にE3NCOUNT選手が旗を奪取! リスポーンしたSCARZが全員で必死にE3NCOUNT選手の帰還を防ごうとするも、Libalent Vertexの巧みなフォローでそれを退け、速攻に成功し、劇的な勝利となった。

 最終的なスコアは3-0。SCARZとしては頼みのCapture the Flag戦もものにすることができず、悔しい敗戦となってしまった。

【第6節第3試合:Libalent Vertex 対 SCARZ】

Libalent VertexSCARZ
ゲーム1HARDPOINT250214
ゲーム2SEARCH & DESTROY62
ゲーム3CAPTURE THEFLAG43
ゲーム4HARDPOINT--
ゲーム5SEARCH & DESTROY--
RESULT30

これぞリーグ戦ならではのおもしろさ! 予断を許さぬ展開、目玉はどのチームに?

 第3回の2節を終えた時点での順位は以下の通り。

【第3回 順位/ポイント】

チーム名順位ポイント備考
DetonatioN Gaming117-
Libalent Vertex213同率
Rush Gaming213同率
CYCLOPS athlete gaming410-
SCARZ59-
SunSister63-

 前述の順位表と見比べていただければ、大きく順位が入れ替わる波乱の展開となったことが一目でわかるだろう。

 第3回の2節を終了して目立ったのは、DetonatioN Gamingの安定した強さと、Libalent Vertexの著しい成長だ。どちらも連勝で6点を重ね、前者は単独1位、そしてLibalent Vertexは、前回まで首位に立っていたRush Gamingと並ぶ同率2位へと躍り上がった。さらにいえば、CYCLOPS athlete gamingも着実にチームとしての戦闘力が向上し、第4回以降の順位争いはますます混沌としそうな予感がする。

 CWLアナハイムへ出場した3チームはそれぞれ海外と日本のレベル差を感じて帰ってきたという。しかし、こうしてプロ対抗戦を通じ、程度の違いこそあれ、6チームとも着実に成長を遂げているのは見ている側にもはっきりとわかる。さらに3チームがアナハイムで体感してきた世界におけるトッププロの強さがフィードバックされるとなれば、国内リーグはより一層の成長を遂げるに違いない。

 全5回のリーグ戦を終えた後には東京ゲームショウ2018の会場で、上位2チームによってグランドファイナルが行なわれる予定だ。現時点ではDetonatioN Gamingが一歩抜きんでてはいるが、その点差はたったの“4”。まだまだ安泰とは言えない。長期間に渡って行なわれるリーグ戦ならではのおもしろさが味わえる、そんな大会になってきた。次回、第4回の開催は7月21日。今からその日が楽しみだ。