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「コール オブ デューティ ワールドウォーII プロ対抗戦」が開幕!

決勝の地は「東京ゲームショウ2018」! プロチーム6団体が激突!!

対抗戦日程

第1回: 4月21日 17時~

第2回: 5月19日 17時~

第3回: 6月23日 17時~

第4回: 7月21日 17時~

第5回: 8月18日 17時~

決勝:東京ゲームショウ2018 9月20日~23日

会場となったのは、ソニー・インタラクティブエンタテインメント本社の一室。配信用機材とステージセットの豪華さに賞金総額1,000万円を投資するなど大会の規模の大きさが反映されている

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)によるPS4用FPS「コール オブ デューティ ワールドウォーII」のプロ対抗戦が開幕した。JeSUによって認定を受けたプロチーム6団体が参戦し、リーグ戦形式で争われるこの対抗戦では、約半年に渡って試合が行なわれる予定。その記念すべき第1回が、4月21日に品川のソニー・インタラクティブエンタテインメント社内において開催された。

 「コール オブ デューティ ワールドウォーII」のプロ対抗戦というと、2月の「闘会議 2018」で行なわれた大会が記憶に新しい。その大会に出場したのは、CYCLOPS athlete gaming、DetonatioN Gaming、Rush Gaming、SCARZという4チーム。今回は新たに認定を受けたLibalent Vertex、SunSisterの2チームが加わった。

 まずはざっと大会ルールをまとめておこう。

「コール オブ デューティ ワールドウォーII プロ対抗戦」ルール概要

【大会形式】
・6チームによるリーグ戦を2周

・各試合は3ゲーム先取制。ただし敗者側も勝利したゲーム数をポイントとして獲得。

・各試合のゲームルールは以下の通り。

ルールポイント
1Hardpoint250ポイント先取
2Search & Destroy6ポイント先取
3Capture the Flag制限時間内の得点が多い側の勝利
4Hardpoint250ポイント先取
5Search & Destroy6ポイント先取

・累計ポイントによる成績で上位2チームは「東京ゲームショウ 2018」の会場で実施されるグランドファイナルに進出。

・1位には賞金800万円、トロフィー、金メダルが、2位には賞金200万円と銀メダルが授与される。

・ゲームモードはESPORTSモードを使用。

 6チームによるリーグ戦を2周とは、つまり同じ組み合わせで2回を戦うという意味で、サッカーなどでいうところの「全10節」をかけて順位を争いうわけだ。3ポイント先取なので各試合とも最大5ゲームを戦うことになり、接戦になれば勝ち点として2ポイントを獲得できるという点、そして3つのゲームルールが混在している点が順位争いに影響しそうではある。

 ちなみに「コール オブ デューティ ワールドウォーII」は未だにアップデートが頻繁に行なわれているタイトルだ。これについても規定があり、試合開催日の5日前、日本時間13時時点のバージョンを使用するとのこと。実際に4月上旬にリリースされた大型アップデートによって、体力に関係なく走り続けられる“無限スプリント”と呼ばれる変更などが加えられたばかりで、各チームともこの新ルールへの対応が迫られた。

試合は全5回の開催 決勝の地は「東京ゲームショウ 2018」

 試合は4月より月1回ずつ、全5回が予定されていて、1回につき2節6試合を消化していくことになる。各回とも3試合がYouTube、Twitchで配信され、4月21日は17時から開催された第2節にあたる3試合が配信され、その模様は現在、YouTubeで視聴が可能だ。

 配信されていない開幕第1節となる3試合の結果は、以下の通り。

・SunSister 対 Libalent Vertex

SunSisterLibalent Vertex
Hardpoint250127
Search & Destroy36
Capture the Flag34
Hardpoint194250
Search & Destroy--
結果13

・CYCLOPS athlete gaming 対 SCARZ

CYCLOPS athlete gamingSCARZ
Hardpoint250193
Search & Destroy64
Capture the Flag34
Hardpoint122250
Search & Destroy65
結果32

・DetonatioN Gaming 対 Rush Gaming

DetonatioN GamingRush Gaming
Hardpoint230250
Search & Destroy64
Capture the Flag16
Hardpoint250175
Search & Destroy46
結果23

【結果】

順位チーム勝ち点
1CYCLOPS athlete gaming3
2Libalent Vertex3
3Rush Gaming3
4DetonatioN Gaming2
5SCARZ2
6SunSister1

 「闘会議 2018」の大会において優勝を果たし、6月に行なわれる公式世界大会「Call of Duty World League(CWL)Anaheim」への出場権を獲得したRUSH Gamingが順当に勝ち点3をゲット。また、今回参加からの参戦となった2チームについてはLibalent Vertexが3点を得たのに対し、SunSisterは1点のみに終わり、明暗を分けた状態だ。とはいえまだ1/10を終えたばかりなうえ、勝ち点0に終わったチームがないところからも、今後の展開はまだまだ読むことは不可能と言える。

惜しくも前節を落としたDetonatioN GamingがCYCLOPS athlete gamingを圧倒

 筆者は17時直前に会場へ入り、第2節1試合目から取材を開始した。第1節で勝利し、勝ち点3を得ているCYCLOPS athlete gamingに対するのは、敗れはしたものの「闘会議 2018」での優勝チーム、Rush Gamingを相手に勝ち点2を得る接戦を演じたDetonatioN Gamingの試合だ。

 第1ゲームはマップ「SAINT MARIE DU MONT」でのHardpoint戦。開始直後からCYCLOPS athlete gamingが先行しつつ、拠点の奪い合いによるシーソーゲームの展開。しかし次第にキル数を伸ばしていったDetonatioN GamingがHardpoint制圧でも順調にスコアを重ね、逆転! 特に圧巻だったのはGenGar AX選手のトリプルキル、さらにGaIiard選手の味方を含めた4キルを奪ったシーン。そこからDetonatioN Gaming優勢の流れが決定的となり、終わってみれば132対250と100点以上の大差をつけてDetonatioN Gamingの勝利となった。

 マップ「LONDON DOCKS」を舞台にした続く第2ゲームのSearch & Destroy。powapowatan選手の複数キルなどといった奮戦も見られたが、煙越しの狙撃などAIiceWonderIand選手のスナイパーライフルが要所で冴え、キル数で上回るDetonatioN Gamingが優勢に進め、3-6でDetonatioN Gamingの勝利! なんと終了時にはxAxSy選手のキル/デス数は10/3に達していた。

CYCLOPS athlete gamingの出場選手。奥から順に、Szealot(エスゼアロット)選手、powapowatan(ポワポワタン)選手、HqBRa(ハブラ)選手、TimGUCHI(チムグチ)選手

 2ゲームを取られて後がなくなったCYCLOPS athlete gaming。第3ゲームはマップ「ARDENNES FOREST」でのCapture the Flagだ。敵陣から自陣へと旗を持ち帰るこのゲーム形式では旗を持ち帰るルートの確保など、チームワークがより重視される。個々の撃ち合い、さらには戦術的な連携でここまでの2ゲームで一歩上を行っていた感のあるDetonatioN Gamingが一気に勝利を決めるかと思われたが、なんと前半をCYCLOPS athlete gamingが2-0と優勢で終える展開だった。

 キル/デス数を見ると、TimGUCHI選手が11/6、powapowatan選手が12/6と突出。後半に入ってDetonatioN Gamingがようやくキャプチャーを1回成功させるも、TimGUCHI選手の勢いは衰えることなく、DetonatioN Gamingによる反撃の目を潰していく。最後は後がなくなったDetonatioN Gamingが繰り出した苦肉の策とも言える空爆でなんと味方が死んでしまうという痛恨の展開! 2-1のままゲームは終了となり、CYCLOPS athlete gamingが一矢を報いることに成功した。自らキャプチャーを1回成功させたうえ、キル/デス数では24/16という数字を残したTimGUCHI選手の鬼神のごとき活躍が光るゲームだった。

 とはいえCYCLOPS athlete gamingに後がない状況は変わらない。第4ゲームのマップは再び「LONDON DOCKS」に。しかし今回のゲーム形式はHardpoint。第1ゲーム同様、やはりこの形式ではDetonatioN Gamingが強い。Szealot選手の4連続キルなど撃ち合いではCYCLOPS athlete gamingも奮戦を見せるのだが、Hardpointの確保を着実に重ねたDetonatioN Gamingが次第に圧倒し、終わってみれば250-103という第1ゲーム以上の大差で勝利。第4ゲームにて勝敗に決着をつけた。

・CYCLOPS athlete gaming 対 DetonatioN Gaming

CYCLOPS athlete gamingDetonatioN Gaming
Hardpoint132250
Search & Destroy36
Capture the Flag21
Hardpoint103250
結果13
DetonatioN Gamingの4人。奥から順に、xAxSy(アクシー)選手、AIiceWonderIand(アリス)選手、GenGar AX(ゲンガーエーエックス)選手、GaIiard(ガリアード)選手

勝ち点3同士の対決を制したのは、Rush Gaming!

 「闘会議 2018」の大会を制した優勝候補筆頭であるRush Gamingと、新規参戦のSunSisterを抑えたLibalent Vertexという、ともに第1節で勝ち点3を得たチームの対戦となった第2節第2試合。これで勝利した側の暫定1位が確定する大事な試合だ。

 第1ゲームはマップ「GIBRALTAR」でのHardpoint戦。リスポーン地点が主戦場から遠いというクセのあるマップだ。連合軍としてゲームをスタートしたLibalent Vertexがスコアで先行する形がしばらく続いたが、先を読んだ布陣を敷くRush Gamingが次第に盛り返すという展開。

 しかもNgt選手、GreedZz選手の活躍が光るRush Gamingはスコアを逆転してからはLibalent Vertexの反撃を許さず、143-250というスコアでそのままゲームを決してしまった。終了時のキル/デス数はNgt選手が27/18、なんとGreedZz選手に到っては35/20という驚異的な数字だった。

優勝候補の一角、Rush Gaming。奥から順にNgt(ナガト)選手、Nami(ナミ)選手、WinRed(ウィンレッド)選手、GreedZz(グリード)選手

 第2ゲームはマップ「LONDON DOCKS」でのSearch & Destroy戦。1ゲーム目を落としたLibalent VertexのNicochaaaaaaaann選手が、好調なGreedZz選手を含む3キルをする活躍で1セットを先制するものの、続くゲームは勢いを取り戻したRush Gamingが2本続けて奪取。ところが2カ所ある拠点の一方に戦力を集中させるなどのLibalent Vertexの大胆な戦略が炸裂! 6-3でゲームを押し切り、スコアを1対1のイーブンへと押し戻してしまった。

 続く第3ゲームもマップは同じ「LONDON DOCKS」。ただしゲームルールはCapture the Flagだ。この条件では不利と言われる枢軸軍側のRush Gamingだったが、Ngt選手、GreedZz選手がマップ中央の要所でキルを重ね、前半を1-3という有利なスコアで折り返した。後半になってもRush Gamingの勢いは衰えない。終わってみればNgt選手の22キル11デスという驚異的な活躍もあり、2-6と大差でゲームをものにした。

 マップ「ARDENNES FOREST」でのHardpoint戦。撃ち合いではほぼ互角でありながら、マップ内でのポジショニングで圧倒するRush GamingはLibalent Vertexに拠点を踏ませない! Ngt選手の9連続キル、GreedZz選手の約2分40秒に渡る拠点制圧など圧巻の活躍で95-250と大差で勝利。これでトータルスコア1-3とし、Rush Gamingが2戦連続の勝ち点3を得ることとなった。

・Libalent Vertex 対 Rush Gaming

Libalent VertexRush Gaming
Hardpoint143250
Search & Destroy63
Capture the Flag26
Hardpoint95250
結果13
勝ち点3同士でRush Gamingと激突したLibalent Vertex。奥から順に、Nicochaaaaaaaann(ニコチャン)選手、Inaba-UR(イナバユーアール)、CoroKanTok(コロカントク)選手、E3NCOUNT(エンカウント)選手

古豪対新規参戦チームの第3試合、勝利したのは?

 本作に対応したチームとしては長い歴史を誇るSCARZに対するのは、今大会で新たに加わったSunSisterだ。

 第1ゲームのHardpoint戦は、マップ「LONDON DOCKS」が舞台。開幕直後にMr.Chip選手による5連続キルによって、枢軸軍のSunSisterが好調な滑り出しを見せる。ところが、直後にSCARZのAllyGP選手がすかさず5連続キル。以降、この2選手を軸に両チームとも抜きつ抜かれつの試合が一進一退の攻防となった。特にMr.Chip選手の活躍は凄まじく、若干ではあるが、SunSister有利な展開が続く。

 ところが、SunSisterのスコアが150点を過ぎた頃から、SCARZの巻き返しがはじまった。そしてSCARZのスコアが246点へ到達したときから、このゲームのクライマックスが訪れる。

 あと4点を取ればSCARZの勝利が決してしまうこの時点でSunSisterのスコアは200点。ここからSunSisterの怒濤の追い上げがはじまったのだ! SCARZに1点も取らせないままスコアを重ね、なんと244点に到達。そのまま大逆転に到るかと思われたものの、しかし反撃もここまで。最後は、AllyGP選手が拠点を守り切り、250-244という僅差でSCARZがこのゲームに勝利した。

 まさに激闘と表現するに相応しい第1ゲームを終え、第2ゲームはマップ「ARDENNES FOREST」でのSearch & Destroy戦。SunSisterが連合軍、SCARZが枢軸軍としてスタートしたゲームは、Hardpoint戦中盤から勢いの出てきたLeisia選手の3キルでSCARZが先制したものの、その後はお互い譲らず2-3。SunSisterが1本上回った時点でハーフタイムを迎える。

 後半戦1本目を取ったのは、SCARZ。これで3-3となりまたもや接戦にもつれ込むかと思われたが、敵がジャンプして一瞬見えたその頭をMr.Chip選手がスナイパーライフルで狙撃するなどのスーパープレイが炸裂!! 勢いを得たSunSisterが押し切り、3-6でSearch & Destroy戦をものにした。

接戦に次ぐ接戦をものにした古豪、SCARZ。奥からHunt(ハント)選手、Panther(パンサー)選手、AllyGP(グッピー)選手、Leisia(レイシア)選手

 1-1のイーブンで迎えた第3ゲームのCapture the Flag。マップは「FLAK TOWER」だ。今までのように接戦が続くと思われたものの、なんと開始30秒余りで連合軍側のSCARZがキャプチャーに成功。ところがここから膠着状態に入り、スコアがなかなか動かない時間帯が続く。続くラウンドではSunSisterが取り返し、これで1-1のイーブン。ここからまた膠着状態がはじまるが、徐々にSCARZの連携がハマリだし、2-1、そして終了10秒前に勝敗を決定づける3本目を取り、SCARZがこのゲームで勝利した。

 2-1と後がないSunSisterだったが、同じゲーム形式第1ゲームでの接戦、そして第2ゲームを取ったことを考えればまだまだ勝敗はわからない。第4ゲームは「SAINT MARIE DU MONT」でのHardpoint戦。連合軍がSCARZ、枢軸軍がSunSisterだ。やはり、と言うべきか、序盤は一進一退、数点を取り合う展開が続く。しかし、両チームのスコアが100点を過ぎた頃からSCARZの拠点制圧が決まりはじめ、一気に50点以上を連続ゲットし、点差を広げることに成功した。

 そんななか、場内が沸いたのは、拠点の近くを守っていたSCARZのLeisia選手が決めた4連続キル。なんと4キルめを銃把で殴って決めたのだ! 1度開いた点差がなかなか縮まらないまま、先に200点に到達したのはSCARZだった。その時点でのSunSisterのスコアは126。しかし、しかし、これで終わらないのがSunSisterだ。219-146というスコアからSCARZにまったく点を取らせず219-220と逆転、そのままスコアを伸ばすことに成功してしまう。第1ゲームに続くまさかの逆転劇。

 今度こそSunSisterがHardpoint戦を制するのか?と思われたが、しかし。やはり地力で勝るSCARZが怒濤の追い上げを見せ、250-236でSunSisterを僅差でかわし、勝ち点3をゲット。この日行われた3試合のラストを飾るSCARZ対SunSisterは、トータルスコア3-1でSCARZがSunSisterを退けた。

・SCARZ 対 SunSister

SCARZSunSister
Hardpoint250244
Search & Destroy36
Capture the Flag31
Hardpoint250236
結果13
新規参戦と感じさせない気迫の猛追でSCARZを苦しめたSunSister。奥からMacomb(マコンブ)選手、SamuNiena(サム)選手、Mr.Chip(チップ)選手、Kitty(キティー)選手

第1回終了時点での首位はRush Gaming!

 この日に行なわれた試合を見学していたのは、運営側、出場チーム、報道など、関係者だけだったのだが、3試合めの会場内の盛り上がりはクローズドな会場とは思えない大変なものだった。

この日、もっとも会場が沸いた瞬間。第4ゲームの「SAINT MARIE DU MONT」におけるHardpoint戦で、勝利が目前まで迫っていたSunSisterにSCARZが追いついた! このままSCARZはスコアを重ね、このゲームを制するのだった

 第2節の3試合を終えた最終のスコアは、以下の通り。

順位チーム勝ち点
1Rush Gaming6
2DetonatioN Gaming5
3SCARZ5
4CYCLOPS athlete gaming4
5Libalent Vertex4
6SunSister2

 SunSisterが首位に4ポイント差と出遅れた感があるように見えるが、第3試合でSCARZを接戦に次ぐ接戦で苦しめたことからもわかるように、6チームの実力はかなり伯仲しているようだ。第2回の試合開催日は5月19日。今回の試合を踏まえた上での他チーム対策、練度の向上を図る時間的余裕は十二分にある。「闘会議 2018」の大会で優勝し、現状で首位に立つRush Gamingと言えど、安泰とは言えないだろう。

 昨年以降、急激にその数を増しているeスポーツの大会だが、こうして長期間に渡って開催されるリーグ戦は、まだまだ貴重な存在と言える。長期戦ならではの戦術、戦略なども見られる可能性もあり、好ゲーム連発だった今回の3試合同様、今後のゲームもきっと視聴者を楽しませてくれるはず。前述のように、5月開催の第2回でもうち1節、3試合は配信が予定されているので、ぜひそちらをチェックしてもらいたい。たとえ「コール オブ デューティ ワールドウォーII」を知らずとも楽しめる、まさにプロ同士の戦いが見られるはずだ。

激戦を終え、試合を振り返るSCARZのリーダー、Hunt選手。左は実況のk4sen(カセン)氏、右は解説を務めた岸大河氏。