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Red Bull Gaming Sphere Tokyo、各種ゲーミングイベントの舞台として始動!

ウメハラ選手をはじめ"ゲームをとりまくありとあらゆるひとたち"による座談会も

2月2日 開催

 レッドブル・ジャパンは、ゲーミングスペース「Red Bull Gaming Sphere Tokyo」のローンチイベントを2月2日に開催した。

 Red Bull Gaming Sphere Tokyoは東京・中野に新設された、レッドブルが手がけるアジア初の常設型ゲーミングイベントスペース。ゲーミングイベントスペースというだけあってもちろんゲームに必要な機材や電源、ネットワークを完備しており、ローンチイベントではこの「Red Bull Gaming Sphere Tokyo」をどのように運用していくのかが紹介されたほか、ゲームをプレイする「プレーヤー」をはじめゲームを開発する「ディベロッパー」など、様々な視点でゲームに携わる各代表者4名を招いた座談会が行なわれた。

【会場の模様】
グルーブシンク代表取締役の松井 悠氏

 ローンチイベントの司会を務める傍ら、第1部で施設、及び今後の開催イベントの紹介を行なったグルーブシンク代表取締役の松井 悠氏によれば、Red Bull Gaming Sphere Tokyoは今後プレーヤーのみならず、ゲームを作るディベロッパー、それを広めるパブリッシャー、そしてゲームを観戦して楽しむオーディエンスなど、ゲームを取り巻くありとあらゆる人達のための施設として機能していくという。

 レッドブルはこれまでにも「Red Bull 5G」や「Red bull Gaming U」や「Red Bull Tower of Pride」などのイベントを主催してきているほか、様々なゲーミングイベントにも関わってきており、直近では「EVO Japan 2018」のステージでレッドブルを飲む出場選手達の姿が記憶に新しい。そうしたゲームに対する取り組みの一貫として、レッドブルは「Red Bull Gaming Sphere Tokyo」を舞台にした新たな賞金制大会「Red Bull Monday Night Streaks」を開催することを明かした。

 「Red Bull Monday Night Streaks」は1年間に渡って行なわれるイベントで、参加者はSNSなどで募られる。"Streaks"の名が表す通り勝ち抜き戦の形式を取っており、対戦者は毎週SNS上の投票で選ばれ、前週の勝者と激突するという仕組みだ。ゲームタイトルは現在募集中とのことだが、試合実施→挑戦者募集→投票→挑戦者決定→告知→試合実施……といったサイクルを複数タイトルで進行し、毎週月曜日の夜に異なったタイトルの対戦を全試合オンラインで配信する。「Red Bull Gaming Sphere Tokyo」の理念通り、ゲームを提供する側とゲームプレーヤー、そしてオーディエンスを巻き込んだ仕掛けと言えるだろう。イベントの詳細については後日公式ホームページにて明かされるとのことだ。

 ちなみに賞金は99,999円で、勝者に即日現金手渡し。松井氏は「いろんな法令に優しい金額」とコメントしており、会場には業界関係者が集っていただけあり、これには思わず笑いが漏れた。

Red Bull Monday Night Streaksの進行イメージ。毎週異なったタイトルで試合が行なわれる予定だ
賞金のスライドが出た瞬間業界関係者に笑いが広がった
ライアットゲームズの斎藤亮介氏

 また、「League of Legends」のプロリーグ「LJL」は今年2018年から会場をRed Bull Gaming Sphere Tokyoに移し、全試合を観戦ができるようになることが告知されている。登壇したライアットゲームズの斎藤亮介氏はその意図について、2017年の幕張メッセイベントホールで行なわれたサマーシーズンの決勝戦に触れつつ、大会場では伝わらない、選手たちが声を出し合って熱く戦う姿をより身近に感じて欲しかったからだと説明した。

 決勝戦には筆者も取材に行ったが、現地では大会場ならではの観客の歓声、会場の一体感、ひいては日本におけるeスポーツの盛り上がりといったものを肌で感じることができたのだが、確かに氏の指摘通り選手が試合を行なうステージは観客席から遠く、肉眼もしくはモニターでその姿は確認できるものの試合中の声などはとても聞こえる状態にはなかった。「賛否両論はあるかもしれない」と自認しながらも会場を小規模なものに移し、プロの試合を間近で見せようというライアットゲームズの取り組みはどのような成果を産むのだろうか。2月9日の「LJL 2018」初戦の模様が気になるところである。

 続いて登壇したEcho Fox所属のチョコブランカ選手は、自身が代表を務めるゲーミングチーム「Project Gaming Girls(P2G)」の新メンバーの発表、及び日清食品の「とんがらし麺」のスポンサードを受けてP2Gのゲーミングイベントを全国各地で実施することを発表した。

 会場に駆けつけた日清食品マーケティング部第6グループブランドマネージャーの柳井秀政氏はこの協賛について、日清食品がこれまで取り組んできたスポーツやeスポーツへの支援を下地に、「年齢、性別、国籍を超えて公平に競い合える」eスポーツに取り組むP2Gの理念に共感したものだと語った。

Echo Fox所属のチョコブランカ選手
新メンバー兎味ペロリナさん、mocoさん
P2G「とんがらし麺」の新ユニフォームもお披露目
日清食品マーケティング部第6グループブランドマネージャーの柳井秀政氏。首には大量のとうがらしを模したアクセサリー
なぜとんがらし麺が会場に……?という疑問がここで解けることとなった

「夢のゲームシーンをつくるために」。ゲームにそれぞれの立場で携わる4名による座談会

 続く第2部ではディベロッパー代表としてよむネコ代表取締役の新 清士氏、パブリッシャー代表として斎藤氏、プレーヤー代表としてウメハラ選手、プラットフォーム代表としてTwitch Japanの中村鮎葉氏の4名による座談会が行なわれた。

 テーマは「夢のゲームシーンをつくるために」で、4者4様の立場より様々な意見が交わされていた。ひとくちにゲーム業界と言ってもそれぞれの担う役割は異なっており、夢とその実現に対するその取り組み方は様々だ。

 新氏は開発中の「Project BK(仮)」についてユーザーのフィードバックを積極的に取り入れる取り組みを行なっていることや、全国規模で取り組んだイベントでの経験をもとに、様々な人が参加する「多様性」こそが夢のゲームシーンの実現に不可欠だとした。斎藤氏もゲームとゲームを取り巻く環境を良くしていくには、今まさにこの場に集っているような、ゲームを中心として立場の垣根を超えた相互協力が重要であると述べた。

 一方ウメハラ氏は「今がまさに夢」だという。現在のゲームシーンはかつて想像もしなかったような盛り上がりを見せており、ゲームのプロとして活動できていることがまさに夢のようだという。ただ、ゲームはプレイする人の年齢や性別、国籍といった属性を問わないという良さがあるが、「お金のない国ではまた別の問題がある」と指摘。そこが解決されればより多くの人がゲームを楽しめるようになるのではないかと語った。中村氏も「Twitchは10年前には考えつかないサービス」、「このサービスが実現できている今がまさに理想系に近い」と語りつつ、遠距離通信による遅延などを例に上げ、現状を更に発展させるにはより技術的なブレイクスルーが必要だと述べた。

 座談会を聞いていて、ゲームメディアとしてもこれからゲーム文化の発展のためにいったい何ができるのか、と考えさせられるような非常に有意義な時間であったように思う。

 そうしたゲームに関わる全ての人に向けて設立されたRed Bull Gaming Sphere Tokyo。ここは今後、語られた夢を実現する場となるのだろうか、動向に注目したい。

左から松井氏、よむネコ代表取締役の新 清士氏、斎藤氏、ウメハラ選手、Twitch Japanの中村鮎葉氏

【お詫びと訂正】初出時、企業名の記述に誤りがありました。正しくは「グルーブシンク」、「日清食品」です。関係者の方々にお詫びさせていただくとともに、訂正させていただきます。