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2017年を締めくくる特大eスポーツイベント「RIZeST GAMER'S BASE」が開催

「Logicool G CUP」にケイン・コスギ登場。生“パーフェクトボディ”披露で「LoL」に勝利

12月31日、1月1日開催

会場:ベルサール高田馬場

 RIZeSTは12月31日、eスポーツイベント「RIZeST GAMER'S BASE」をベルサール高田馬場で開催した。イベントは年明けカウントダウンも含めて夜通し、1月1日17時まで行なわれる。入場は無料。有料のPC席は完売済み。本稿では、メインイベントである「Logicool G CUP」と、その後に行なわれたケイン・コスギさんのエキシビションマッチの模様をお届けしたい。

 「RIZeST GAMER'S BASE(RGB)」は、e-Sports SQUARE AKIHABARAの運営をはじめ、様々なeスポーツイベントの企画、運営を手がけるRIZeSTが立ち上げた新たなeスポーツイベント。eスポーツ大会と、LANパーティーをミックスさせたような構成で、メインイベントには、本イベントのメインスポンサーであるロジクール主催の「Logicool G CUP」をホストし、そのほか、国内の「PUBG」コミュニティにはすっかりお馴染みのDONCUP、e-Sports SQUARE AKIHABARAを拠点とした対戦会FIGHTER'S CROSSOVERのRGB出張版、そしてスペシャルゲストであるケイン・コスギさんの「League of Legends」スペシャルマッチ、シンイチロォ氏などによる複数のコミュニティイベントなど、多数のイベントが実施される。

【ベルサール高田馬場】
初開催となるeスポーツイベント「RIZeST GAMER'S BASE」
日清食品が協賛し、どん兵衛が食べ放題
こちらがステージエリア
こちらはゲーミングエリア

 LANパーティーゾーンには、120台のPCが並べられ、使用権を購入したユーザーが自由にゲームをインストールして遊ぶことができる。VIPゾーンと通常ゾーン、権利未購入の人でも遊べるフリーゾーンの3つのゾーンに分かれており、ハイグレードになるほど、PCのスペックが高かったり、イスがゲーミングチェアになったりなどの違いがある。

 海外のLANパーティーでは、BYOC(Bring Your Own PC)スタイルが一般的だが、RGBは年越しの開催ということもあり、やや割高とはなってしまうものの、設置済みのPCをレンタルする形で、手軽にLANパーティーが楽しめるスタイルを採用している。

 参加者がプレイしているゲームは実に様々だったが、トレンドを反映する形で「PUBG」が大半を占め、そのほか「オーバーウォッチ」、「ハースストーン」、「LoL」などが目に付いた。なかにはひたすらTwitchによるゲーム配信を観戦しているユーザーや、会場からゲーム配信を行なうユーザーもいて、LANパーティーらしいかなりフリーダムな雰囲気だった。

 驚いたのは、初回の開催にもかかわらず、機材やネットワーク周りのトラブルはなく、円滑な運営ができていたことだ。“大きなハコ”を借りてのLANパーティーイベントは、やってみないと程度がわからないというところがあり、様々なトラブルが付き物だ。スタッフに話を聞いてみると、LANパーティーエリアの運営は、12月15日に実施されたばかりのC4 LANの運営チームがヘルプに入っているということで、C4 LANの運営ノウハウがRGBにも活かすことで、円滑な運営を実現していた。

【ゲーマーエリア】
VIPエリア。イスがゲーミングシート
フリーエリアは誰でも利用できる
手前のPS4エリアでは、「ストリートファイターV」の予選大会が開かれていた
今回出展にもっとも力が入っていたプロチームSCARZ。DONCUPでも大活躍していた
海外のオフィシャルグッズを輸入販売しているInfolens
ソフマップも大晦日ギリギリまで営業していた
こちらは仮眠も取れる休憩エリア
フードエリアではスナックやドリンクを購入できる

【ステージエリア】
かなりゆったりとしたステージエリア
後方には寝ながら観戦ができるこたつエリアも用意されている
ゲーミングチェアDXRACERブース
GALLERIA miniもアピールされていた

 さて、最初のビッグイベントとなった「Logicool G CUP」は、国内のeスポーツイベントの中でも、歴史と伝統を備えたイベントで、今回で3回目。1回目は2015年9月の東京ゲームショウ、2回目は2016年11月の渋谷ヒカリエ、そして3回目が今回のベルサール高田馬場となる。

 ベルサール高田馬場は、秋葉原のど真ん中にあるベルサール秋葉原と比べると、立地的に人通りがあるエリアではないため、一見さんを呼びにくいという弱点はあるものの、会場規模はベルサール秋葉原よりも遙かに大きく、オーナーもeスポーツイベントの開催に協力的なことから、今後ベルサール高田馬場がeスポーツの新たな発信基地となる可能性がある。

【出演者】
MCは岸大河氏と堀内華央理氏
ロジクールの塩谷一生氏
スペシャルゲストのケイン・コスギさん。存在感が凄い
「LoL」の実況解説でお馴染みのeyes氏も参戦

 「Logicool G CUP」に話を戻すと、プロへの登竜門として、対象をアマチュア限定としているところが大きな特徴で、今回は実況解説もアマチュアへ門戸を開き、日本の「LoL」大会では、鉄板コンビとなっているeyes、Revolの両名ではなく、メジャー大会への実況経験のないキャスターが担当した。種目は例年同様「LoL」で、個人戦と団体戦の決勝戦がそれぞれ行なわれた。個人戦はBO5、団体戦はBO3。

 「Logicool G CUP」の魅力は、アマチュア大会として、プロ選手ばかりが出場する「LJL」と比較すると、個人技では光る選手も存在するものの、チークワークではまだ未熟なところが残り、通常のオンライン対戦の延長線上で楽しめるところだ。一方、プロチームのスカウトも参加し、気になる選手は直接声を掛け、来シーズンからプロ選手として活躍するということも少なくない。

 個人戦、団体戦共に、大晦日にも関わらず多くの観客が訪れ、個人戦は、Arumik選手が3:1で、亜城木夢叶選手を破って優勝し、団体戦は「Logicool G CUP」のために設立されたという山が2:0で、Quintet Tonixを破り、初出場、初優勝を決めた。山は、本大会を持ってチームを解散するということで、このアッサリした感じもアマチュアチームらしい。優勝、準優勝したチームには、それぞれ100万円と50万円のロジクールゲーミングデバイス引換権が贈られた。

【個人戦】

【団体戦】

 大会実行委員長のロジクール塩谷氏は、来年もオフラインで「Logicool G CUP」を実施することを約束。秋から冬にかけての定番eスポーツイベントとして、日本のeスポーツシーンを盛り上げていく考えだ。塩谷氏は、「Logicool G CUPはプロの層を厚くするためのアマチュア大会です。今回の経験を糧にプロになって欲しい。また来年もやりたいと考えているので応援をよろしくお願いします」と挨拶した。

【個人戦表彰式】
優勝したArumik選手は、「チーム戦では勝てないが、そんな僕でも個人戦なら勝てる。優勝できて良かった」とコメント

【団体戦表彰式】
優勝コメントによると、バンピックで、相手が得意なチャンピオンをあえてバンせず、そのカウンターを当てたという

 ちなみに「Logicool G CUP」にスペシャルゲストとして招かれていたケイン・コスギさんは、「LOL」の世界大会「Worlds 2017」も中国まで観戦に行くぐらいの「LoL」の大ファンだという。もともとゲーマーで、きっかけは友人からの誘いということだが、現在はシルバーランクでまだゴールドまで行けないものの、筋肉トレーニング時間より「LoL」のプレイ時間の方が長いことがあるぐらい「LoL」を遊び込んでいるという。

 プレイスタイルは、ADC(レンジ系のチャンピオン)専門で、離れた位置からスキルショットを的確に当てるスタイルを好む。ポジションはミッドかトップで、ジャングルは好まない。筋肉番付などを見ても判るように、かなりの負けず嫌いで、勝てるまでやるという。好きな選手は韓国のトッププレーヤーであるFAKER選手。Twitchの配信をよく見ているという。

 好きなゲーミングデバイスはロジクールで、ゲーミングマウスはG502を愛用。G502を使い続けている理由はウェイト調整ができるためで、ウェイトを全部入れてもっとも重い“筋トレ状態”でプレイしているということで、これには会場から笑いが起こった。

 「Logicool G CUP」終了後に行なわれたエキシビションマッチでは、ストリーマーの石井プロと2戦、一般来場者3名と1戦ずつ計5戦を実施した。試合前に抱負を聞かれ、石井プロが前日に4時間ぐらい練習して「相当仕上がっている」と答えると、コスギさんは、“持ちネタ”である完璧な発音による「パーフェクトボディ」を披露し、会場を沸かせた。

 しかし、試合が始まると、そのうまさに、来場者全員が驚かされることになった。ステージモニターは常にコスギさんの画面が映し出され、絶えずコスギさんのプレイを観戦することができた。軌跡を描くようにマウスを連打するスタイルで、常に距離を取りながら的確にスキルを当て、敵のラッシュは綺麗に回避しながら、粘り勝ちを決めていた。プレイスタイルはADCだが、毎戦チャンピオンを変えており、キャラクター対策もバッチリで、明らかに遊び込んでいる。後半は余裕が出てきたのか、出会い頭にティーモのエモーションを繰り出したり、ジンのカーテンコールでトドメを刺そうとして全部外したりなど、魅せるプレイも繰り出し、場内を沸かせていた。

 コスギさんは、4勝1敗の見事な成績に「筋肉番付より緊張しました。楽しかったです」と笑顔で応じた。「LoL」コミュニティに新たなヒーローの誕生と言えそうだ。

【ケイン・コスギさん】
自慢の筋肉でマウスやキーボードを壊すのではないかというお決まりの煽りにもめげず4勝1敗で、その実力を見せつけたケイン・コスギさん。プレイスタイルは非常に繊細だ

【DONCUP】
ゲーマーエリアで大盛り上がりしていた「DONCUP」。しょぼすけ氏自身が実況解説を担当し、4戦して2勝したSCARZの勝利となった