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【特別企画】「World of Tanks Console」の魅力をディープに語り尽くす!
2017年7月17日 07:00
PC版を凌ぐPS4 Pro版の美しいビジュアル表現。天候、季節、昼夜、その表現の豊かさに注目!
レビューでも触れたが、コンソール版の魅力は、その表情豊かなグラフィックスだ。
コンソール版には、PC版に導入されていた季節の要素を強化する形で新たに天候と昼夜の概念が取り入れられている。さすがに戦っていたら昼から夜になったり、雨が降ってきたりということはないが、同じマップで夏期、冬期、雨、雪、夜といった具合にバリエーションが用意されているため、同じマップでも風景がガラリと変わり、ビジュアル的な演出だけでなく、冬季マップでは川が凍結したり、嵐や砂嵐、吹雪では視界が遮られ視認範囲が半分以下まで狭まるなど戦術的にも大きな変化が生まれるのが最大の特徴と言える。
筆者はこの表情豊かなグラフィックスにすっかり魅せられてしまったひとりだ。もともとグラフィックスエンジンはPC版とは異なり、コンソール版用にフルスクラッチで開発されたものが採用されている。3年前のコンソール版サービス開始当初は、まさに「WoT」ライト版といった印象だったが、Xbox One/PS4版でPC版相当までHD化が図られ、グラフィックス的にはPC版に追いつき、そしてPS4 Pro版でPC版を追い抜いた。
もちろん、コンソール版は30fps固定だし、グラフィックスオプションもないのでカスタマイズもできない。また、戦車の被撃破時の爆発や、排気表現などエフェクト周りについてはPC版のほうが上だし、軽戦車や駆逐戦車が潜む茂みの量もPC版の方が多い。だから全面的にというわけではないが、一部のビジュアル表現はコンソール版が上回っている。
さらにE3 2017では、Xbox One Xへの対応が発表(参考記事)され、トゥルー4Kでのゲームプレイが楽しめることが明らかになるなど、コンソール版のビジュアル表現については進化が止まらない。ぜひ注目して欲しいポイントだ。
それでは以下具体的に見ていきたい。最も多いマップパターンはPC版と同様、夏期(日中)のシチュエーションだが、同じ昼でもPC版と比較してライティングがクッキリしており、色とりどりの草木や、眩しい陽光を含めた美しい空の表現により、同じマップでも受ける印象はかなり違うはずだ。これが雨になるとどんよりとした雨雲が空を覆い、一気に薄暗くなり、陰鬱な雰囲気でのバトルになる。戦車を叩きつける雨は、ファインダーに当たった雨が水滴となって上から下へ流れ、わずかに視界を遮り、スナイパーモードではさらに雨が鉄を叩く音が加わり、敵の到来を待つ射撃手の気分が味わえる。
夏期の変化バージョンとして「夕方」というものもある。中国をモチーフにした「珠江」や、「太平洋の島」、「セイクリッドヴァレー」、「レッドシャイア」などが代表的だが、「急がないと夜になるな」と焦る気持ちが生まれてくると同時に、マップ全体を強い夕日が差し込む幻想的な光景は、息を呑むほど美しい。このほか、「漁師の港」のように、夕日に雨のようにレアなシチュエーションもあり、バトル以外の部分でプレーヤーを楽しませてくれる。
そして忘れてはならないのは夜戦だ。月明かりや街灯、破壊されて遺棄された炎上し続ける車両などわずかな明かりを頼りに行軍し、真っ暗闇の中、射撃戦を繰り広げる。月明かりにシルエットを浮かばせた戦車の姿は非常にセクシーで、これに雨が加わるとさらに雰囲気が増す。夜戦はまだ限られた戦場にしか適用されていないが、中にはヒメルズドルフやプロクホロフカのようなPC版でも有名なマップも夜戦に対応しており、お気に入りのシチュエーションだ。
それから冬季マップでは一面雪景色になり、川や水路が凍り、新たな侵入ルートとして使えるようになる。逆に冬季から通常マップに変わると元どおりの川や水路に戻るが、マップデザインそのものは同じなので、たまにそれを忘れてそのまま川に突っ込み開始数十秒で“帰らぬ戦車”となる笑い話のようなことも稀に起こる。
筆者お気に入りは降雪だ。しんしんと雪が降り積もり、戦車が雪をけたたましく巻き上げながら一斉に行軍して行く姿はとてもカッコイイ。降雪がさらに悪化して吹雪となると、ビジュアル的にも数十メートルしか視界が効かなくなり、通常では起こりえないような遭遇戦や超接近戦が繰り広げられる。この吹雪は、冬期マップの悪天候バージョンだが、このような視界に影響が出る悪天候は、通常戦(夏期)では雷雨、砂漠戦では砂嵐、 太平洋の島嶼戦では台風という形でそれぞれに用意されており、「来たか!」と燃えること請け合いだ。
これらの悪天候は、軽戦車は最大の武器である視界が遮られて性能が上手く発揮できず、逆に高いHPと硬い装甲で接近戦に強みを持つ重戦車が活躍しやすいマップと言えるが、実はスポットした敵は通常の天候と同じように数百メートル先からもシルエット表示されるため、いわゆる“走り偵察”のうまい軽戦車乗りがいると一方的な戦いになったりする。悪天候マップは、単にビジュアルが劇的に変化するだけでなく、ゲーム性も大幅に変わるため、ぜひPC版、モバイル版ユーザーにも体験してもらいたい要素だ。