【特別企画】
「軌跡」シリーズ20周年記念! 「界の軌跡」発売前に、全「軌跡」シリーズのあらすじを一気に振り返る
2024年9月25日 00:00
- 【英雄伝説 界の軌跡 -Farewell, O Zemuria-】
- 9月26日 発売
- 価格:
- 通常版 8,800円
- Limited Edition 11,550円
日本ファルコムが9月26日に発売するプレイステーション 5/プレイステーション 4用RPG「英雄伝説 界の軌跡 -Farewell, O Zemuria-」(以下、「界の軌跡」)。
「界の軌跡」は、「英雄伝説」シリーズ第10作、同シリーズ第3期「軌跡」シリーズ第5作となる作品で、「軌跡」シリーズの20周年記念タイトルとなる。
そんな「界の軌跡」の発売を目前に控え、いま一度「軌跡」シリーズを「空の軌跡」から「黎の軌跡II」までざっと振り返りたい。
なお、本稿は主にストーリーを振り返る内容となっており、 【ネタバレが満載】 であるため、くれぐれもご注意いただきたい。また、登場人物はあまりに膨大な数に及ぶため、物語中の重要人物にしか触れていないのだが、そこはご容赦願いたい。
さらに注意書きとして、本稿では10作品以上のあらすじを取り扱うため、記事が 【非常に長い】 。できるだけコンパクトにまとめているが、覚悟して読んでいただければ幸いだ。
「英雄伝説 空の軌跡FC(ファーストチャプター)」:2004年6月24日発売
記念すべき1作目となる「英雄伝説 空の軌跡FC」。舞台となるのは、架空の世界であるゼムリア大陸の中のリベール王国という小さな国。リベールは1000年以上の歴史を誇る小国で、ゼムリア大陸南部に位置し、北のエレボニア帝国と東のカルバード共和国という2つの大国と国境を接している。小国ながら豊富な七耀石資源と高い導力器(オーブメント)技術を持っており、帝国とも共和国とも対等な関係を築いている。
ゼムリア大陸の人々の生活は、導力器と呼ばれる機械仕掛けのユニット技術によって支えられている。50年前、導力学者エプスタインは古代の遺物アーティファクトの機構を解明し、大量生産が可能で様々な分野にも応用できる汎用導力器を開発。エプスタイン博士の弟子であるラッセル博士は、リベール王国にオーブメント技術をもたらした。以降、リベール王国はオーブメント開発の最先端の場となっている。
また、「軌跡」シリーズには「民間人の安全と地域の平和を守る」という「遊撃士(ブレイサー)」が存在し、それを束ねる「遊撃士協会(ブレイサーギルド)」はゼムリア大陸の各国に支部がある。
「空の軌跡FC」の主人公であるエステル・ブライトは、冒頭で準遊撃士となる。準遊撃士とは、ようは見習い遊撃士のこと。そこから修行を積み重ねることによって正遊撃士へと昇格するのである。ちなみに遊撃士にはA級からG級までランクがあるが、非公式にはS級遊撃士が存在し、S級は大陸全土にたった4人しかいない。
エステルと共に育ったブライト家の養子ヨシュア・ブライトも、物語の冒頭で準遊撃士となり、エステルと行動を共にする。
「空の軌跡FC」はエステルとヨシュアが準遊撃士として活躍し、各地で様々な出会いを果たし、そしてヨシュアに隠された謎が明かされるまでの物語となっている。仲間になるのは、先輩の遊撃士シェラザード、吟遊詩人のオリビエ、有名な導力学者A・ラッセル博士の孫娘ティータ、遊撃士のアガット、ジェニス王立学園の女学生クローゼ、A級遊撃士のジン。
「空の軌跡FC」では、城の地下にある、「輝く環(オーリーオール)」という秘宝を手に入れようとしているリシャール大佐の企み(クーデター)を暴くまでが主なメインストーリーとなる。
ヨシュアとリベール各地を回っているうちにヨシュアへの想いは弟ではなく、愛だったのだと気付くエステルは、ヨシュアに告白しようと決意を固める。
しかし、ヨシュアは今回のリシャール大佐によるクーデター事件の黒幕が、アルバ教授に扮したワイスマンという人物であることに気付いていた。ワイスマンによって記憶の暗示が解けたヨシュアは、自分が殺人などにも手を染めていた人間兵器だったことを思い出す。そしてエステルに別れの言葉を告げて、その場から去ってしまったのだった。
「英雄伝説 空の軌跡SC(セカンドチャプター)」:2006年3月9日発売
「英雄伝説 空の軌跡SC」の物語は、「空の軌跡FC」からの続きとなる。
クーデターを阻止し、晴れて正遊撃士となったエステルとヨシュアだったが、記憶を取り戻したヨシュアに別れを告げられたエステルは、父カシウスからヨシュアが謎の結社「身喰らう蛇(みくらうへび、ウロボロス)」という組織と関係があるということを聞かされる。
ヨシュアを探す決意を固めるエステルは、七耀教会の神父であるケビンや、「空の軌跡FC」では敵だったジョゼット、王国軍人のユリア、オリビエのお守役のミュラーらを仲間に加え、ヨシュアを探しながら正遊撃士として修業を積むことになった。
だが「身喰らう蛇」の一員である執行者No.X「怪盗紳士」ブルブランや、執行者No.VIII「痩せ狼」ヴァルター、執行者No.XV「殲滅天使」レン、執行者No.II「剣帝」レオンハルト(レーヴェ)など、結社のメンバーがエステルの行方を塞いでくる。
エステルはレーヴェから「ハーメルの悲劇」と呼ばれている事件について聞かされ、ヨシュアが壊れたきっかけを知ったのだった。そしてヨシュアと再会したエステルは「ヨシュアは壊れてなどいない」とヨシュアを説得し、ヨシュアはエステルの下へと戻ることになった。
しかし、結社のメンバーはその裏で結社の使徒・第三柱のワイスマンの下、「福音計画」を実行に移すべく「輝く環」の封印を解き、その影響でリベール中の導力が停止してしまう。しかも「輝く環」をリベール王国の兵器とみなした、エレボニア帝国も動き出してしまう。だが、リベール王国最新鋭の飛空艇「アルセイユ」が完成したことによって、帝国も引き下がる。アルセイユに乗り、エステルたちは「輝く環」で復活した古代都市・リベル=アークへと乗り込んだ。
リベル=アークでワイスマンと対峙する、エステルたち。戦闘後、ワイスマン自身すらも結社の実験台であったことを悟り、盟主の下へと参じるべくリベル=アークから脱出を図るワイスマンだったが、そこに立ちはだかったのがケビンだった。ケビンは元々七耀教会の外法たるワイスマンの始末のために行動しており、ワイスマンはケビンに塩の杭を打ち込まれ、身体が塩柱化して死亡する。
直後に現れた執行者No.0「道化師」カンパネルラに「七の至宝」のひとつである「輝く環」を回収されてしまうものの、エステルとヨシュアはこれからもふたりで共に歩んでいくことを誓うのだった。
「英雄伝説 空の軌跡 the 3rd」:2007年6月28日発売
エステル達が、結社との戦いを終えてから半年。主人公は、ケビンへと移る。
ケビンの正体は、七耀教会の星杯騎士団の守護騎士(ドミニオン)の一人、第5位「外法狩り」で、「空の軌跡 the 3rd」ではケビンの非情な面が映し出される。
ケビンは、部下のリースとともに突如として異空間「影の国」に巻き込まれてしまう。脱出のため、影の国を探索する二人。二人はその道中で、同じように影の国に巻き込まれてしまったエステルら様々な仲間と共に、この世界の謎や「影の主」の存在に迫っていく。そしてそれを探っていくうちに、ケビンの過去が明らかになっていく。ケビンは聖痕を解放することによって己の真の力を引き出すことが出来るが、この力を得た際に暴走して、姉代わりだった星杯騎士のルフィナを殺害してしまったのだ。「影の国」では、母の自殺、ルフィナの死を背負ったケビンの心の葛藤が描かれる。
やがて精神的に追い詰められたケビンは死をも考えるが、リースに支えられて生きる事を決意する。そして当時取り込んだアーティファクトの魔槍ロアの他、聖槍ウルを扱えるようになる。
仲間らと共に、影の王ルフィナを倒したケビンは、影の国から脱出。上司である、守護騎士のアインに「外法狩り」の二つ名を改名する決意を表す。そしてケビンは、リースと共に新たな道を歩き出していくのだった。
エステルの前向きな明るさに始終助けられた、「空の軌跡FC」、「空の軌跡SC」。一方で「空の軌跡 the 3rd」では自分の犯した罪に思い悩むケビンがエステルとは非常に対照的な主人公となり、「軌跡」シリーズの奥深さをより深く知ることとなった。「空の軌跡FC」は、先日フルリメイクも発表されたばかり。「空の軌跡SC」とセットの作品ではあるが、今プレイしても非常に良作な王道RPGなので、そちらにもぜひ期待したい。