【特別企画】

「スト6」対戦会+観戦で白熱の試合を仲間と一緒に盛り上がれ! 「CPT2024 WW」パブリックビューイング観戦レポート

優勝は豪鬼/ベガ使いの翔選手

【「CAPCOM Pro Tour 2024 ワールドウォリアー」日本大会 #1】

7月28日 開催

esports Style UENO

 カプコンは、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/PC(Steam)用対戦型格闘ゲーム「ストリートファイター6」の世界大会「CAPCOM CUP XI」において、本戦への出場権をかけて戦う公式のオンライン大会「CAPCOM Pro Tour 2024 World Warrior JAPAN」の第1回予選を7月28日に開催した。

 また、これまで配信でのみ展開していた本大会の予選をパブリックビューイングで観戦できるオフラインイベントも併せて実施した。実施場所は上野のeスポーツ施設「esports Style UENO」。

 価格はパブリックビューイングのみで1,650円、トレーディングメタルアートバッジ付きで2,750円(バッジはA~Cの3種類を用意)、対戦会とパブリックビューイングの両方に参加する場合は2,200円、さらにトレーディングメタルアートバッジも付ける場合は3,300円となる。

 パブリックビューイングの魅力は何と言っても観戦している人たち同士の感情の共有だ。ギリギリの攻防の中で、予期せぬプレイが飛び出すと、こちらが驚きの声を上げると同時に、周囲からも歓声が響く。また、応援している選手が登場した際には、一部から「頑張れー」などの声が上がるのも面白い。今回も選手が試合を決めた際には大歓声が飛び出し、会場はかなりの盛り上がりを見せていた。ラウンドが終わる毎に拍手が出るのもパブリックビューイングならではのユニークな挙動と言える。

 今回は「CAPCOM Pro Tour 2024 World Warrior JAPAN Official パブリックビューイング」の会場にて行なわれた対戦会とパブリックビューイング観戦の模様をレポートする。

前半は対戦会を開催。多くのプレーヤーがオフライン環境で対戦を行ない切磋琢磨していた
後半から行なわれたパブリックビューイングでは、オンラインで行なわれたTOP16以降の試合をみんなで観戦して盛り上がった。時間的な事情からTOP16の激戦はリプレイを使用、TOP8はリアルタイム視聴での観戦となった
【「CAPCOM Pro Tour 2024 ワールドウォリアー」日本大会 #1 ゲスト:ストーム久保】

コインを賭けてバトルするユニークな対戦会を実施

 会場ではパブリックビューイングの前に「ストリートファイター6」を使用して他のプレーヤーたちとオフラインでゲームが楽しめる対戦会も行なわれた。また、参加希望者がいた場合には、席数限定ながら、会場の環境を使用して「CAPCOM Pro Tour 2024 World Warrior JAPAN」の予選に参加できるチャレンジブースも用意されていた。

 「esports Style UENO」の対戦会は単なるフリー対戦ではなく、ユニークなコイン争奪戦のルールが設定されていた。まず入場時に10枚のコインを受け取る。そして他のプレーヤーと対戦する際には双方合意の元、最大3枚までのコインを賭ける。そして2先で試合を行なって勝利したプレーヤーが賭けたコインを総取りできる。なお、コインがなくなった場合、公式Xをフォローしたり、投稿をポストすることでコインが復活できるチャンスも用意されている。

 こうして時間制限内に色んなプレーヤーと対戦を行ない、終了時刻の段階で最も多くコインを持っていたプレーヤーがその日のMVPとして認定される。また、オンラインのランクマッチでランクが低いプレーヤーについては、ランクが低いプレーヤー向けの対戦台も用意されていた。なお、MVPに認定された場合は、お菓子などの粗品などが貰える場合があるようだ。

 ただ対戦するだけではなく、対戦のきっかけとしてこういうユニークな仕掛けが用意されているのは面白いところ。会場に集まったプレーヤーたちも声を掛け合いながら、コインを賭けて対戦会を満喫している様子が伺えた。

 対戦後は試合の内容について話し合っている人たちもいれば、色々な相手に次々と対戦を仕掛けている人がいるなど、全体的には和気あいあいとした雰囲気が感じ取れた。また、父親と息子の2人で来ているような人たちもおり、子供が臆することなく対戦に挑んでいたのが印象的だった。こうした会場に来る子供に対して、多くの大人は割とフレンドリーな対応をすることが多いので、子連れのご両親なども安心して来られる印象だ。

 会場内のPCの台数もかなりの数が確保されており、かなりゆとりがある状態だった。また、ステージ中央には巨大スクリーンがあり、ステージの袖に設置されたPCの映像が流れるようになっているので、対戦会だけでなく、ちょっとした小規模の大会を開催するような場合にも利用できそうだった。

対戦会のルールは会場内のディスプレイなどで確認できる。コインがなくなった場合も復活できるシステムが用意されているのがありがたい
晴れてMVPを獲得したのはなんと中学生! 14歳の若きプレーヤーだ。父親同伴で一緒に遊びに来たそうで、使用キャラクターはエドモンド本田。操作方法はモダン。ランクはマスターで、マスター帯での強さを示すマスターレート(MR)はなんと1,800!
実際に何試合か、彼のプレイを拝見していたのだが、エドモンド本田の強い部分を活かしたセットプレイが多く見られ、様々なキャラクターがこの本田相手に玉砕していくのが爽快だった。なお、本日ゲストのストーム久保氏は「心の師匠」とのこと。対戦会ではいつも指導してくれている師匠から教わったセットプレイを色々と実戦で試せて楽しかったとコメントしている
正面の大型ディスプレイには袖の対戦台でのプレイ映像が投影され、会場内の各モニターなどでも確認できるようになっていた
奥のスペースにはグッズ販売のスペースや「ストリートファイター6」の壁紙をバックに写真が撮れるフォトブースのような物も設置されていた

「CAPCOM Pro Tour 2024 World Warrior JAPAN」今年は2名の出場枠を用意!

 「CAPCOM Pro Tour 2024 World Warrior JAPAN」はオンラインで開催される公式大会。全5回の予選が全てオンラインで行なわれ、上位入賞者にはポイントが付与される仕組みとなっている。このポイントを稼いでトップになることで、世界大会「CAPCOM CUP XI」の出場権が得られる。2位以下のプレーヤーについては、全5回のトータルではなく、成績上位3大会の累計ポイントで上位8名を選出し、2025年1月19日にオフラインで開催される決勝大会に進出、ここで優勝する事でも出場権が得られる仕組みとなっている。

 獲得ポイントは1位が50、2位が40、3位が35、4位が30、5位が25、7位が20、9位が15、13位が10となっている。今回のルールの場合、少しでも上位を取った選手の方が決勝大会に進出できる可能性が高まる。例えば、5回の予選で1位を1回しか取った事のない選手と5回全て13位だった選手を比較すると、累計では同じ50ポイントだが、成績上位3大会の累計で見ると、1位を1回取った選手の方が上回ることになる。

「CAPCOM Pro Tour 2024 World Warrior JAPAN」のスケジュール。全5回の予選はいずれもオンラインで開催され、決勝大会のみオフライン開催となる
「CAPCOM CUP XI」の出場権について。例年と異なり「Super Region」に該当し、上位者2名が出場権を得られるため、ルールが変更となっている

 対戦会の会場は終了後に1度全員が退出し、対戦台を全て収納し、座席のみのレイアウトに変更が行なわれた。「CAPCOM Pro Tour 2024 World Warrior JAPAN Official パブリックビューイング」は同社としては今回が初の試みだが、言ってしまえば公式の生配信をオフライン会場から行なうようなイメージがわかりやすいだろう。実況はアールさんで、解説はハメコ。さん、スペシャルゲストには、今年4月いっぱいで広島 TEAM iXAを脱退し、現在フリーで活動中のストリーマー/プロゲーマーのストーム久保さんが出演するなど、その布陣も豪華だ。

 特にゲストのストーム久保さんは格闘ゲームのトークが面白い事もあり、会場は終始笑い多めで進行していたのが印象的だ。

パブリックビューイング会場。座席は後ろに空きが見られたものの、ほぼ満席の状態となっていた。試合終了が21時前後ということもあり、時間の都合で早めに切り上げる人も見られた
実況席の様子。ストーム久保さんはこちらに気が付いてピースサインを決めてくれた

 「CAPCOM Pro Tour 2024 World Warrior JAPAN」の予選は13時から開始していたが、TOP8が決まるまでは特に公式での配信などは行なわれず、トーナメントサイトの情報をチェックするか、World Warriorに参加している選手の個別配信を視聴するくらいしか確認の方法がない。公式での配信は例年TOP8のみ行なわれていた。

 今回の配信でもその内容は同様で、16時30分からの配信では、TOP8がスタートする18時までの間、TOP16で行なわれた各試合についてリプレイを使用して視聴し、実況や解説などが行なわれた。この辺りは配信でも同じ物が流れているが、やはり大きな会場でこうしたリプレイの実況や解説が生で楽しめるのは、とても興味深く、観客の人たちもリプレイと分かっていながらも楽しく観戦していた印象だ。

TOP16の試合もリプレイで観戦。こばやん選手のザンギエフはLosersながらTOP16でShuto選手の豪鬼に敗れてしまった

 オンラインで行なわれる大会における醍醐味は一言でいうなら「波乱万丈」だ。World Warriorの予選も正に波乱万丈な展開が各地で起こっており、例えばBurning Core所属の大谷選手は2回戦でいきなりねこぢる選手に敗退(ねこぢる選手は他ゲームなどでも有名な強豪プレーヤー)。他にもCrazy Racoon所属のどぐら選手、VARREL所属のマゴ選手、FAV gaming所属のsako選手、DetonatioN FocusMe所属の竹内ジョン選手など、「ストリートファイターリーグ: Pro-JP(SFL)」に出場するトッププロプレーヤーたちが2回戦で敗退しており、正に波乱万丈。2本先取のBO3のため、このような番狂わせが起こりうるのが、オンライン大会の醍醐味なのだ。

 また、見事にプロ選手たちを倒した選手の多くが、序盤の早い段階で負けてしまっているのだが、中には粘り強く勝ち残り、上位に上がってくる選手もいる。こうした選手の登場を期待するのもオンライン大会の楽しみの1つと言える。

 こうして出揃ったTOP8は、Winners側はCrazy Racoon所属のかずのこ選手、Orarinn(おらりん)選手、そしてBurning Core所属の立川選手、FUKUSHIMA IBUSHIGIN所属の翔選手の4名だ。Losersは忍ism Gaming代表のももち選手、Crazy Racoon所属のShuto選手、えびはら選手、エヴァ:e所属のSyuji(シュウジ)選手の4名となった。

トーナメント表

エド率高めのTOP8がいよいよスタート。立川選手の奇策、クラシックマノンが大爆発!

 こうしていよいよスタートとなったTOP8だが、Winnersの初戦は23歳の若手プレーヤーながら、前作「ストリートファイターV」の頃から強豪として知られる、おらりん選手とかずのこ選手による1戦だ。使用キャラクターはおらりん選手がケンでかずのこ選手はキャミィ。試合は両者譲らぬ大激戦ながら、なんとおらりん選手がギリギリの攻防を3-2で制してWinners Finalに駒を進めた。

 次の試合はモダン操作のエド使い立川選手と豪鬼/ベガ使いの翔選手による1戦。こちらもギリギリの死闘が続いたが、最後は翔選手の豪鬼が3-2で勝利し、Winners Finalに進出した。ここで負けたかずのこ選手と立川選手はLosersで試合が続けられる。

 会場にはかずのこ選手のファンもいたようで、かずのこ選手が惜しくも負けると、落胆の声を上げるような場面も見られた。

おらりん選手のケンとかずのこ選手のキャミィの一戦。フルセットで迎えた終盤、お互いがガンガンと攻め合う状況の中、おらりん選手のケンのOD昇竜拳がスカってしまい、チャンスを逃さずに攻めていたかずのこ選手だったが、キャノンスパイクがスカってしまい、そこを返されてリーサルとなった
立川選手のモダンエドと翔選手の豪鬼による一戦。フルセットまでもつれる接戦となったが、最後は翔選手の豪鬼が画面端で攻め切って勝利

 続いてはLosers。1戦目はエド使いのももち選手と豪鬼使いのShuto選手の1戦。エドに変更してから大会などでも結果を残しているももち選手が、豪鬼に変えてから安定して勝てるようになってきたとするShuto選手を3-2で押し切って勝利。Losers Quarter Finalに進み、立川選手と激突する。そして次はエドを使うえびはら選手とガイル使いのシュウジ選手の1戦だが、ここはえびはら選手がガイル対策をしっかり決めて、3-1で勝利した。

えびはら選手のエドとシュウジ選手のガイルによる一戦はえびはら選手のエドが優位に試合を運び、3-1でえびはら選手が勝利

 今回のTOP8に残った選手のうち、エドを使用するプレーヤーが3人おり、その3人がいずれもTOP6にまで残る状況となった。そのため、同じエドを使うプレーヤー同士の試合においては、キャラクターの色で見極めるしかないのだが、今回の配信ではプレーヤーネームの横に色の情報を補足するようになっており、非常にわかりやすい配信となっていた。

立川選手のモダンエドとももち選手のクラシックエドによるエドのミラーマッチ。プレーヤーネームの部分にはそれぞれのコスチュームの色が漢字1文字で表現されており、かなりわかりやすい

 Losers Quarter Finalの初戦は立川選手のモダンエドとももち選手のクラシックエドのエドミラーマッチとなった。立川選手のエドは黒基調で、ももち選手のエドは緑基調の色がチョイスされていた。最初の1戦はギリギリの接戦をももち選手が先制。ここで立川選手がキャラクターをクラシック操作のマノンに変更。これで試合の流れが変わったか、続く2戦は立川選手が連勝し、2-1と逆転を見せる。ももち選手が反撃で1本取り返すと、2-2のフルカウントで立川選手は再度モダンエドにキャラクターを変更。初戦でやられたエド対決に、再度挑んでここを3-2で制したのはなんと立川選手! モダンエドとクラシックマノンによる2キャラのスイッチを活かして大接戦を制した。

 会場では立川選手の突然のマノンへのスイッチに、実況や解説席の驚きの声に合わせて客席も一緒に驚くといった一体感が面白い。その後、再度エドに戻した際にも同様に動揺したような声が飛び交っており、立川選手にその気がなかったのは100も承知ながらパブリックビューイングの盛り上げには最高の演出となっていた。

2戦目から立川選手がクラシックのマノンにチェンジ! 大会では負けた選手のキャラクター変更が認められているが、このスイッチが功を奏したか、見事に立川選手がももち選手に勝利した

 続いては、先ほどWinnersで敗北したかずのこ選手のキャミィとえびはら選手のエドとの1戦。どちらが勝ってもおかしくない接戦の中で、少しずつかずのこ選手のキャミィへの対策を見せたえびはら選手のエドが3-2で勝利し、Losers Semi-Finalに進出した。

 次はWinners Finalとして、おらりん選手のケンと翔選手の豪鬼による1戦が行なわれた。ここは翔選手の豪鬼がきっちりとおらりん選手のケンを抑え切り、3-1で翔選手がGrand Finalに駒を進めた。初の敗退となったおらりん選手はLosers Finalで再度Grand Final進出をかけて戦う事となる。

かずのこ選手のキャミィとえびはら選手のエドの一戦は、ギリギリの接戦をえびはら選手のエドが勝利!
Winners Finalはおらりん選手のケンと翔選手の豪鬼による一戦となったが、翔選手の豪鬼が3-1で勝利し、Grand Finalに駒を進めた

 次はLosers Semi-Finalとして、立川選手のモダンエドとえびはら選手のクラシックエドによる1戦。エドは使用するプレーヤーによってその動きや技の使い方などが大きく変化するキャラクターだ。立川選手のモダンエドは序盤有利に試合を展開していたが、その後はえびはら選手がうまく立ち回り、2-1で差をつけていく。こうしたえびはら選手の動きを読みで反撃する立川選手だったが、最後はギリギリのところまで追い込まれたえびはら選手が驚異の粘り強さを見せ、逆転勝利! えびはら選手が3-2で勝利し、Losers Finalに進出した。

 Losers Finalはおらりん選手のケンとえびはら選手のエドによる対決。ここはおらりん選手がえびはら選手を圧倒!TOP8ではフルカウントまでもつれる接戦が多かった中、3-0でおらりん選手が勝利し、先ほど挑んで敵わなかった翔選手への再戦に挑むことになる。

立川選手のモダンエドとえびはら選手のクラシックエドによる、本日最強のエドを決めるミラーマッチもフルセットの激闘を冷静に対処したえびはら選手が勝利し、Losers Finalに進出を決めた

 こうして迎えたGrand Final。Winners側は豪鬼とベガでここまで無敗でやってきた翔選手と、ケンを使うおらりん選手の1戦。おらりん選手が優勝するためにはここで翔選手を相手に1度3勝してリセットする必要がある。先ほどのWinners Finalとは異なり、今回のおらりん選手はかなり粘りを見せる展開を見せて、翔選手の豪鬼と接戦、2-2のフルカウントまでもつれ込む展開に。

 しかし、この最終戦で翔選手はこれまでずっと使用していた豪鬼からベガにスイッチ。この翔選手の奇襲におらりん選手のケンも対応できず、そのまま3-2で勝ちきった翔選手が優勝!「CAPCOM Pro Tour 2024 World Warrior JAPAN」第1回予選の優勝を決めた。

Grand Finalは翔選手の豪鬼とおらりん選手のケンによる再戦となった。Winners Finalよりもおらりん選手のケンの動きがよく、フルセットまでもつれこむ展開を見せる
2-2で迎えた最終戦、翔選手はここでまさかのベガにスイッチ!ベガの圧倒的な火力の前におらりん選手は対応できず、そのまま翔選手が勝利して優勝を決めた!

 翔選手の優勝により、ポイント獲得については、TOP8のみチェックすると、1位の翔選手が50ポイント、2位のおらりん選手が40ポイント、3位がえびはら選手で35ポイント、4位が立川選手で30ポイント、5位がももち選手とかずのこ選手で25ポイント、7位がShuto選手とシュウジ選手で20ポイントとなった。

 こうして全ての試合を終えて、改めて振り返ると今大会の最注目選手はやはり今回Winners Finalまで残りながらも翔選手に敗れ、Losers Finalにて、えびはら選手を倒して再度Grand Finalに進出したおらりん選手だろう。格闘ゲームファンやプロなどの間では以前より知られる強豪プレーヤーの1人のおらりん選手が見せた粘り強さは、今後の大会が楽しみな活躍を残したと言える。

多キャラを使いこなす翔選手のコツとは? 実況解説陣が語るさらにイベントを盛り上げるアイディアとは?

 配信内の翔選手のインタビューでは、翔選手が豪鬼とベガ、さらに今回は使用しなかったが以前使っていたJPの3キャラクターを使い分けていることについて、どのように使い分けているかという質問が出た。これに翔選手は、これら3キャラクターは相手のキャラクターに応じて使い分けたり、今回のGrand Finalでも見せた、最終戦でベガを出すなど、試合の状況に応じても使い分けているという。

 翔選手は元々豪鬼やリュウなどのキャラクターを使用していた事もあり、豪鬼の使用は身体に馴染んでおり、加えてJPというユニークなキャラクターを使ってきた経験がベガを使う際にも活きていると語った。また、練習方法についても、普通に対戦相手を想定した練習だけでなく、キャラクターを切り替えて同じ相手との対戦を繰り返すといった使い分けのための練習も行なっていると語っていた。

 また、その後のメディア向けインタビューでは、今回のようにWinners FinalとGrand Finalとで同じ相手との連戦になる事について聞いてみると、翔選手は長期戦の方が得意なので、むしろ連戦の方が楽だったと振り返った。来月からのSFLについて、FUKUSHIMA IBUSHIGINチームのファン向けにメッセージをリクエストすると、シンプルに一言「今年も楽しみましょう」と爽快なメッセージを返してくれた。

オンラインインタビューはDiscordを使用したが、顔の動画は表示されず、静止画のみでの対応となった

 今回は実況のアールさん、解説のハメコ。さん、ゲストのストーム久保さんの3人にもインタビューする機会が得られた。今回のような公式のパブリックビューイングについて聞かれると、こうしたオフラインのイベントが好きだと語るアールさんは、オフラインイベントの中で最も気軽に参加できるのがパブリックビューイングで、元々好きな人がこうしたコミュニティに参加することでもっと好きになるのは間違いないから、こちらとしてはユーザーと運営の架け橋のような存在として、よりよい物をユーザーに提供し、運営には気になるところなどをフィードバックしていきたいと語った。

 ハメコ。さんは自分たちの仕事としての解説などについては毎回120点を目指してやっているが、さらにこうしたイベントの価値をより高めるにはどうしようと考えてしまうのだという。だが、この辺りは自分たちの仕事の枠外の話になってしまうので悩ましいと語った。

 この話題から、アールさんとハメコ。さんはこうしたイベントの価値を高めるアイディアとして、イベント会場でしか買えないグッズの販売や、海外でしか購入できないユニークなグッズをイベント会場でのみ販売するなど、グッズ販売によってイベント会場ならではの価値をさらに高められないかと語っていた。

 今回ゲスト出演のストーム久保さんは、「話を貰った時は久保がゲストで客が来るんか?と不安だったが、終わってみれば自分のファンも来てくれるなど、無事やれてよかった」と語った。また、1ゲームファンとしても、公式がこういうイベントをやってくれると心強いし、嬉しいので、できれば東京だけでなく、全国あちこちでやってもらえたらもっとうれしいとした。

配信終了後は、実況のアールさん、ゲストのストーム久保さん、解説のハメコ。さんの3人にもインタビューする機会を頂けた
ストーム久保さんは配信終了後もファンとの写真撮影に応じるなど、ファンサービスに余念がなかった。実際会場にはストーム久保さんのファンも多く集まっていたようで、ちょっとしたミニファンミーティングとなっていた

会場が一体となって盛り上がれるパブリックビューイング!

 以上、簡単ではあるが、上野のeスポーツ施設「esports Style UENO」にて行なわれた公式では初となる「CAPCOM Pro Tour 2024 World Warrior JAPAN Official パブリックビューイング」と対戦会の模様をお届けした。

 ストーム久保氏のコメントにもあったが、やはり公式でこのようなパブリックビューイングが開催されるのは、参加する側も安心して来られるし、今回のように公式配信の内容を生で見られるのはとても面白い体験だったので、今後も続けてほしいし。いつも配信で見ている人こそ、是非会場にきて一緒に盛り上がってほしいイベントになっていると感じた。

 また、先に対戦会も行なわれることで、対戦が好きな人も楽しめるイベントになっているのは、プレーヤー人口が増えたと言われている本作ならではの取り組みと言える。コインを使用したゲーム性を高めた対戦会というアイディアも、対戦会をさらに楽しんでもらおうとしている運営側の配慮が感じられて満足度の高いイベントだったと思う。

 今後も公式のパブリックビューイングは順次行なっていくようだ。また、今後はSFLなども開催されれば、チーム単位でのパブリックビューイングが行なわれる機会も増えると思われる。オフラインの会場に集まって、同じ趣味の仲間を探したり、一緒に観戦を楽しみたいなら、是非1度パブリックビューイングの会場に足を運んでみてはいかがだろうか?

次回のパブリックビューイングは9月1日で会場は同じく「esports Style UENO」にて行なわれる。次回ゲストはDetonatioN FocusMe所属のストリーマー、なるおさんだ!チケット販売は既に開始済み