【特別企画】

「8番出口VR」プレイレポート! PCやSwitch版をプレイした人でも“新たな視点”で楽しめる

VR版だけの要素や異変も登場

【8番出口VR】

7月12日 発売

価格:690円

 2023年11月、Steamに突如現れたウォーキングシミュレーター「8番出口」。無限に続く地下通路から脱出するために、通路内で起こる“異変”を見つける短編ゲームで、リリースされるとその特徴的な世界観やゲーム性で大きな話題となり、YouTubeやTwitchでの配信との相性もよく、多くのストリーマーやVTuberがプレイした。

 その「8番出口」待望のVR版「8番出口VR」が本日7月12日に発売された。「8番出口」のリリース当時から、一人称視点かつ短時間でサクッとプレイできる「8番出口」はVRとの相性がよさそうなだと思っていた筆者。本稿では早速「8番出口VR」を購入して遊んでみたプレイレポートをお届けしていこう。

【【8番出口VR】リリーストレーラー】

不気味さ倍増! “チラ見”が捗る「8番出口VR」

 まずは改めて「8番出口」について振り返っておこう。「8番出口」はゲーム開発者のコタケノトケケ氏によるウォーキングシミュレーターで、永遠に続く地下通路にて“8番出口”を目指すため、通路内で起こる異変を見つける間違い探しのようなゲームだ。2023年11月にPC版が発売され、今年4月にはNintendo Switch版が発売された。

 通路内で異変がなければそのまま進み、異変が起きればすぐに引き返すというシンプルなルールで、プレーヤーの操作は歩くまたはダッシュの2択。8回連続して異変の有無を見分け続けると、無事に“8番出口”へたどり着きゲームクリアだ。単純明快なルール、シンプルな操作性、サクッとプレイできるゲーム性で、日本の地下通路という身近な場所が舞台ということもあり、リリース直後から話題となった。

 また、視聴者と共に楽しむことができるため、ストリーマーやVTuberの間でも頻繁にプレイされた。さらに「8番出口」にインスパイアを受けた“8番ライク”というゲームジャンルも登場するなど、大きなムーブメントとなった。その後、コタケノトケケ氏は6月に続編「8番のりば」をリリースしたあと、“満足した”として「8番」シリーズの終了を明かしている。

2023年11月に発売された「8番出口」
間違い探しのようなゲームでサクッとプレイできる。配信者の間でも頻繁にプレイされた
6月に続編「8番出口」がリリース。この直後、コタケノトケケ氏は「8番」シリーズの終了を明かしている

 「8番出口VR」はMeta Quest 2/Quest Pro/Quest 3でプレイできる「8番出口」のVRバージョン。Meta Questストアにて690円で販売されており、PC/Switch版と同様にサクッと気軽にプレイできる。

 基本的なゲームプレイは同じで、異変がなければそのまま進み、異変が起きればすぐに引き返す動作を繰り返す。操作方法もシンプルで、ジョイスティックを使って歩き、スティック押し込みでダッシュが可能だ。オプションでは、VR酔いを低減するためにカメラの回転動作を変更でき、15度ずつ回転する“スナップ”、滑らかに回転する“スムーズ”が選べる。

 だがPC版とは違って、VR版ではプレーヤー自身が実際に地下通路入ってしまった感覚。視界全体に無機質なタイルが広がっていて、どこまで歩いても通路が続くので、精神的な恐怖が増している。ホラーが苦手な筆者も「8番出口」はなんとかなったのだが、「8番出口VR」は明らかに心拍数が上がっていて、プレイ中はずっとドキドキしていた。

メニュー画面は特になく、最初から地下通路が広がっている
オプション画面もシンプル。VR酔いを低減させるために、カメラの回転動作を変更できる
「8番出口」の名物キャラであるおじさんも健在
基本的なゲームプレイはPC/Switch版と同じ。地下通路から脱出するため、異変を見つけつつ8番出口を目指そう

 発生する異変もPC版と同様なのだが、VR空間内で起こることで不気味さが倍増している。ポスターが変わるタイプの異変は間違い探し感覚で見つけられるのだが、突如ドアが開いたり、おじさんが全速力でこっちに向かってきたり、赤い水が流れてくる異変はもはや命の危機を感じる。さらにVR版だけの異変も登場するので、既に「8番出口」をプレイした人も楽しめるはずだ。

 VRならではの視点として、角から通路を“チラ見”できるようになった。まるでFPSのクリアリングのように、大きな異変がないことを確認して、通路に進んでからは細かな異変に集中できる。例えば通路にスーツ姿の男性が2人立っている異変は、角からチラ見すれば確認できるので、大きなリスクを冒すことなく引き返せるのだ。

 またVR版ならではの変化点としてプレーヤーの“手”が追加され、この手がおじさんに当たると、おじさんがスマホを落とすようになった。これは異変ではないのだが、おじさんのちょっとした一面を見られるようになっている。なお、火災報知器を押したり、ポスターを破る、止まっているおじさんに触れるといった小ネタ的なインタラクションはできない。

ドキドキしながら歩く地下通路
ポスターが変わるなど、間違い探し感覚で楽しめる異変はいいのだが……
赤い水が流れてくる異変は命の危機を感じる
VR版だけの異変も登場。のっぺらぼうのおじさんが現われた時は鳥肌がたった
順調に出口へ近づいてるぞ……
角から通路をのぞき込む“チラ見”。VR版ならではの視点だ
VR版の追加要素として“手”が登場。歩いているおじさんに手が当たると、スマホを落とすようになった
火災報知器を押してみたが、特に変化は無し
壁の角も触れられないが、それっぽくチラ見することはできる
止まったおじさんに声をかけようとしたが、触れることは叶わなかった

 既にPC/Switch版をプレイした人も新しい視点で楽しめる「8番出口VR」。気軽にスリルを味わいつつ、サクッとプレイできるため、VRホラーゲームの新たなジャンルとして、今後もこういった“8番ライク”なVRゲームの登場に期待したいところだ。Meta Quest 2以降をお持ちの方は、ぜひVRで進化した「8番出口」をプレイしてみてほしい。

無事“8番出口”へ到着。既にPC/Switch版をプレイした人も新鮮な気持ちで楽しめるだろう