【特別企画】

アーケード「サーカスチャーリー」が稼働40周年! 一瞬のミスが命取りに……懐かしのジャンプアクションゲームを振り返る

【サーカスチャーリー】

1984年4月 稼働開始

 コナミが1984年4月に発売したアーケードゲーム「サーカスチャーリー」が、今月でちょうど40周年を迎えた。

 本作は主人公のピエロ、チャーリーを左右2方向のレバーとジャンプボタンで操作して「火の輪くぐり」、「綱渡り」、「トランポリン」、「玉乗り」、「曲乗り」、「空中ブランコ」の全6ステージクリアを目指すアクションゲーム。どのステージもゴール地点に着地するとクリアとなり、途中で障害物などに触れたり、制限時間を超えたりするとミスとなり、チャーリーのストックがゼロになるとゲームオーバーとなる。

 筆者が本作を初めて見たのは、確か1984年の夏休み頃。たまたま家族と一緒に出掛けたデパート内にあったゲームコーナーだった。いかにもサーカスの会場らしいポップなビジュアルは、当時の花形ジャンルだったシューティングゲームとは一線を画し、性別や年齢を問わず、いろいろな人がプレイしていた印象がある。もう随分昔のことなので記憶があいまいになっているが、本稿を執筆するために本作を数十年ぶりにプレイしながら当時を思い出しつつ、その魅力を改めて振り返ってみた。

※写真はPS版「コナミ80'sアーケードギャラリー」で撮影(以下同)

簡単そうに見えて、実はメチャクチャ手強いジャンプアクション

 本作の最大の特徴は、見た目のコミカルさとは裏腹に、極めてシンプルな操作でありながら、たった1回の操作ミスが命取りになるスリル感を体験できるところだ。どの種目でも、チャーリーをパワーアップさせる、あるいはバリアが装着されるといったお助けアイテムは一切出現しないので、頼れるものは唯一プレイヤーのテクニックだけとなる。

 筆者が本作を初めてプレイしたときの第一印象は、ズバリ「難し過ぎる!」であった。一番簡単な「火の輪くぐり」のステージでも、ジャンプのタイミングや軌道をちょっとでも間違えると、すぐにチャーリーが火の輪または壺に触れて黒コゲになり、一瞬にして100円を失ってしまう。馬にまたがる「曲乗り」では、加速時のスピードにまるでついていけず、最も難しい「空中ブランコ」は何度遊んでも途中で地面に落下してしまうので、限られた小遣いの範囲でやり込むのはとにかく厳しかった。

 難しい、すぐにゲームオーバーになってしまうとわかっているのに、それでも「次こそは絶対にクリアしてやる!」と、不思議とまた挑戦したくなる面白さと魅力が本作には確かにあったように思う。

ゲームスタート時に、プレイヤーが自由に種目を選べる(※選べないバージョンも存在する)
「火の輪くぐり」ステージより。高得点のドル袋がある小さな火の輪は無視しても先に進めるが、くぐる際はジャンプの軌道を少しでも間違えると即ミスとなる
「空中ブランコ」ステージは、左右に揺れ動くブランコの軌道と、ジャンプのタイミングを合わせるのが非常に難しい

 成功するとより高得点が稼げる、さまざなまテクニックや裏技が用意されているのも本作の注目ポイントだ。

 例えば「火の輪くぐり」では、前掲の写真で紹介したドル袋をすべて回収してノーミスでクリアすると、上空にコンドルが現れて大量のコインをバラまき、ボーナス得点が入る演出がある。さらに、特定の壺をバックジャンプで飛び越えると壺からコインが出現し、これを取ると3,000点のボーナスが加算される裏技も用意されている。同様に「トランポリン」のステージでも、すべてのドル袋を取ってクリアするとボーナス得点が獲得できる。

 「綱渡り」ステージでは、1回のジャンプで前方から走ってくるサルを2体同時に飛び越えると1,000点のボーナスが入り、「玉乗り」ステージでは別の玉に飛び移る際に、2個並んだ玉を1個飛ばして着地に成功すると500点のボーナスが加算される。また「空中ブランコ」では、次のブランコに飛び移るまでの時間が短いほど飛び移ったときの得点が高くなるなど、実にきめ細かな得点システムが導入されている。

 いずれも失敗するとミスをするリスクが増すとわかっているのに、成功するとすこぶる快感なのでついつい高得点を狙ってしまう。そんなプレイヤーのチャレンジ精神を絶妙に煽る得点システムも、本作ならではの面白さと言えるだろう。なお上記以外にも、クリアしたときの残り時間が多いほど高得点が加算される、全ステージ共通の得点システムも存在する。

隠れキャラのコインを取ると3,000点のボーナスが獲得できる
「トランポリン」ステージでは、すべてのドル袋を取ってゴールするとコインの雨が降り、ボーナス得点が入る嬉しい演出がある
各トランポリンは3回までジャンプできるが、4回着地すると画面外に飛び出してミスになるリスクがある。ジャグラーが投げる剣や火の玉に触れた場合も、もちろん一発でアウトだ
「綱渡り」、「玉乗り」両ステージでも、ボーナス得点の獲得に成功すると実に気持ちいい

ハイクオリティなBGMの数々も特筆に値

 一部の曲は有名クラシック曲をモチーフにした、プレイヤーのテンションを大いに高めるBGMの素晴らしさも本作の見逃せないポイントだ。

 「火の輪くぐり」と「曲乗り」ステージのBGMの元ネタは、フランク・コフィールド作曲の「トロンボナンザ」で、その朗らかな曲調はサーカスを題材にした本作にまさにピッタリ。「空中ブランコ」ステージのBGMの原曲は、ヨハン・シュトラウスの「美しく青きドナウ」で、こちらもロープが左右に揺れ動くビジュアルとメロディが絶妙にシンクロし、一度見たり聴いたりするだけでも容易に忘れられないほどのインパクトがあり、本作の企画あるいはサウンド制作担当スタッフの非凡なセンスがうかがえる。

 今となってはほとんど知られていない感があるが、1986年にアルファレコードが発売したゲームミュージックアルバム「コナミ・ゲーム・ミュージックVOL.2」に収録された、本作のBGMをメドレー形式にしたアレンジ曲もこれまた素晴らしかった。余談になるが、同じく1986年にソフトプロが発売したファミコン版「サーカスチャーリー」のBGMは、理由は定かではないが「トロンボナンザ」のBGMがミーチャム作曲の「アメリカンパトロール」に変更されている。

 本作は、過去に何度も家庭用に移植されており、今でもハムスターの「アーケードアーカイブス」の1タイトルとして、Nintendo SwitchとPS4版が配信されているので手軽に遊ぶことができる。けっして易しいゲームではないが、いかにも昭和時代の作品らしい、ジャンプアクションの妙味と美しいBGMをぜひ体験していただきたい。

「火の輪くぐり」と写真の「曲乗り」ステージで流れる、軽快な「トロンボナンザ」のBGMは秀逸
本作の素晴らしいアレンジ曲が収録された「コナミ・ゲーム・ミュージックVOL.2」(※筆者私物。写真は2001年に発売された再販版)

□PS4版「アーケードアーカイブス サーカスチャーリー」のページ
□Switch版「アーケードアーカイブス サーカスチャーリー」のページ