【特別企画】
気分はまるで“超能力者”!? 「Stranger Things VR」プレイレポート
目標はイレブンへの復讐。“ヴェクナ”となって能力を駆使しよう
2024年2月23日 03:00
- 【Stranger Things VR】
- 2月22日 発売
- 価格:2,990円
映像配信サービス「Netflix」にて配信されているドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」。アメリカの架空の街・ホーキンスを舞台に、突如失踪した少年ウィル・バイヤーズの家族や友人に巻き起こる不可解な現象を追う人気のSFホラーで、つい先日には最終シーズンとなるシーズン5の制作がスタートしたばかりだ。
そんな「ストレンジャー・シングス」の世界を身をもって体験できるVRゲームが「Stranger Things VR」。本作は、ドラマのメインキャラクターであるウィルやイレブンの物語をプレイする……のではなく、シーズン4から登場するヴィラン「ヴェクナ」となり、ホーキンスの住民やイレブンに復讐を企むサイコホラーアクションVRゲームだ。
そこで本稿では「Stranger Things VR」を一足早くプレイできる機会いただいたため、インプレッションをお届け。まるでウィルやマイク、ルーカス、ダスティンといった主要キャラクターの“精神”をのぞき込んだり、まるで自分が超能力者になったかのような気分になる本作の魅力をレポートしていきたい。
“ウェクナ”となって能力を駆使! ドラマを見ていなくても楽しめる「Stranger Things VR」
まずは「Stranger Things VR」の基となったドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」について少し紹介したい。「ストレンジャー・シングス」は、Netflixにて2016年より配信中のSFホラードラマだ。これまでにシーズン4・全34話が公開されており、2022年夏に最終シーズンとなるシーズン5の制作を発表。ストライキの影響もあって遅れていたが、2024年に入って本格的に製作を始動したことが明らかになっている。
舞台はアメリカ・インディアナ州の架空の街であるホーキンス。殺人や誘拐とは程遠い平和な街で、ホーキンス中学に通う少年ウィル・バイヤーズが突如として失踪するところからストーリーが始まる。同級生のマイク、ダスティン、ルーカスの3人は、ウィルの失踪と同時期に現れた謎の少女イレブンとともに、「裏側の世界」からウィルを助け出すまでがシーズン1で描かれる。
「Stranger Things VR」ではドラマシーズン3~4をメインに、ホーキンス研究所で働くブレナー博士の最初の被験者であるヘンリー、別名「ヴェクナ」となってイレブンに復讐を企む。ドラマシーズン4では、イレブンとヘンリーによる直接対決の末、イレブンの力によってヘンリーは「裏側の世界」に閉じ込められてしまい、姿を変え「ウェクナ」となった経緯が語られているが、本作はそのヴェクナのエピソードを体験できるのだ。Meta Questプラットフォーム限定のタイトルで、対応ハードはMeta Quest 2、Meta Quest Pro、Meta Quest 3の3機種。今回は「Meta Quest 3(以下、Quest 3)」にてプレイした。
早速ゲームを開始すると、プレーヤーであるヘンリーは椅子に固定されていて身動きを取ることができない。そこにブレナー博士が現われると実験(チュートリアル)が始まり、各操作方法を学んでいく。テレキネシスによって遠くにあるものを引き寄せて潰したり、「マインドポータル」を開いてホーキンスの住民たちの様子をのぞき込んだりと、まるで自分が凄い力を持ってしまったかのような気分になって、非常に楽しい。
本作は、ヴェクナのエピソードを体験できるというのが目玉だが、基本的にはちょっぴりホラーなVRアクションゲームだ。ヴェクナの能力を使って壁を登っていき「裏側の世界」を堪能したり、襲い掛かってくるデモドッグとのバトル、メインキャラクターたちの精神を覗いて征服するといったヴィラン側の立場でゲームを進めていく。ホラーゲームが苦手な筆者でも適度な緊張感を味わいながらプレイできた。
特に面白いのは戦闘シーン。VRゲームといえば、プレーヤーは剣や銃といった武器を駆使して敵を倒していくが、プレーヤーが操作するヴェクナは武器を一切持たない。岩や頭蓋骨といった様々な小道具をテレキネシスによって相手に向かって飛ばし、ダメージを与えていくのだ。そして最終的には「マインドトラベル」によって精神に入り込み、精神のコアを破壊することで絶命させる。
筆者はドラマ「ストレンジャー・シングス」のシーズン1を鑑賞したのみだが、本作を十分に楽しむことができた。ストーリーはドラマと同じ時系列で進んでいき、少年時代のウィルたちがテーブルゲーム「ダンジョンズ&ドラゴンズ(D&D)」をプレイしているシーンやイレブンの研究所時代の様子など、ドラマを見た方なら「あっ!」と思うシーンが多数あるだろう。また、VRアクションゲームとしても楽しめるので、ドラマを見ていなくても本作を楽しむことができる。
一方でゲーム後半はイレブンが能力を失い、ヴェクナが復讐を果たすといったシーズン3~4のエピソードも含まれている。「ストレンジャー・シングス」シリーズを全て見ていれば、本作をさらに味わうことができるだろう。筆者の場合は、本作をプレイしたことでシーズン2以降の展開が気になり、本稿を執筆している現在もドラマを追っている最中だ。
物語は全9章で構成されていて、1章あたり30分~40分とテンポよく進んでいく。体を動かしたり、VRゲームであることから目が疲れることもあるため、休憩時間を入れると7時間ほどでクリアできるだろう。比較的短編のタイトルであるが、非日常的な体験ができるVRゲームとして満足度は高い内容に仕上がっている。
また、クリア後にはQuest ProとQuest 3限定で“拡張現実”を利用した「MRモード」を2種類プレイ可能。いずれも現実世界と「ストレンジャー・シングス」の世界を融合し、ナラティブモード「マレーの不安」では現実世界にあるポータルをロシアの“怪しいテクノロジー”を使って探し出していく。一方のアーケードモード「ヴェクナのアーケード」では、ヴェクナが現実世界に送り込んだ敵を倒していき、より高いスコアを目指す内容となっている。
残念ながら先行プレイでは「MRモード」を試すことができなかったが、ストーリーを終えても楽しめるコンテンツが用意されているのはありがたい。特に最新の「MR(複合現実)」によって、現実世界でも「ストレンジャー・シングス」のスリルを味わえるのは、ドラマのファンであれば一度は体験してみたい。
ファンなら絶対プレイしたい! 「ストレンジャー・シングス」のスリルを身をもって体感できるVRゲーム
ここまで「Stranger Things VR」のプレイレポートをお届けしてきた。ヴィラン側の「ヴェクナ」となってストーリーが進んでいくが、裏側の世界の恐ろしさやイレブンとの駆け引きなど「ストレンジャー・シングス」の恐ろしさを身をもって体感できるVRゲームに仕上がっている。また、テレキネシスによって敵を倒すシーンは、自分が「強者」になった感覚があり爽快感を味わえるのも魅力だ。
最終シーズンに向かっているため「ストレンジャー・シングス」熱が再び上がってきている方もいるだろう。Meta Questの「Netflix」アプリでドラマを再試聴しつつ、本作をプレイすることで「ストレンジャー・シングス」の世界を追体験してみるのもオススメだ。
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