【特別企画】

新しい体験ができる新感覚マンガ「ダンダダン」コミックス1巻発売から2周年

怪異!バトル!ギャグ!ラブコメ!下ネタ!全部詰まったテンポのいいストーリーに引き込まれる!

【「ダンダダン」コミックス1巻】

2021年8月4日 発売

「ダンダダン」コミックス1巻

 「ダンダダン」は龍幸伸氏によってwebマンガサイト「週刊少年ジャンプ+」で連載されているオカルティック怪異バトルマンガだ。その「ダンダダン」が本日8月4日にコミック1巻発売から2周年を迎えた。現在コミックスは10巻まで発売されており、本日最新刊の11巻が発売される。

 本作品はホラーやミステリーを含むオカルト全般が描かれており、出てくる怪異も心霊、都市伝説、学校の怪談、宇宙人、UMAなどストーリーによって異なるものとなっている。主人公たちは出てくる怪異たちとさまざまなバトルを繰り広げながら、大切な探し物(金玉)を取り戻すために奮闘する。

 本作品の魅力は怪異との遭遇やバトルと高校生たちの日常がそのまま融合しているところだ。普通の高校生が怪異と出会うことで日常が一変するが、あくまでも高校生でありその生活は残ったまま進んでいくのがおもしろい。高校生らしいノリやボケやツッコミなども満載に盛り込まれており、テンポよく進むストーリーが癖になる作品だ。

【【ダンダダンができるまで】龍幸伸先生 インタビュー&作画】

際立っているキャラクターたちが一気にストーリーに引き込む

 本作はのあらすじを紹介する。幽霊を信じ、宇宙人は信じない綾瀬桃(あやせもも)が、宇宙人を信じ、幽霊は信じない高倉健(たかくらけん)がイジメられているところを助ける。助けられた高倉は桃がオカルト好きだと勘違いしてしまう。話せば話すほどお互いのオカルトや心霊に対するスタンスが違い、ついには取っ組み合いの喧嘩になる。そしてお互いの信じるものが存在すると証明できれば相手をパシリにできるという勝負をすることになった2人。お互いが指定したUFOスポットの廃病院と心霊スポットのトンネルにそれぞれ向かい、同タイミングで宇宙人と都市伝説という怪奇に出会ってしまう。この怪異に出会ったことで2人の運命は一転してしまうというものだ。

 本作では2人の主人公とともにさまざまな人間、都市伝説、宇宙人などが登場する。その中でも本作で主要なキャラクターたちを紹介したい。

綾瀬桃(あやせもも)
 主人公の1人。俳優の高倉健が大好きな女子高生。キレイめのギャルの恰好をしている。幽霊は信じるが宇宙人は信じていない。高倉との勝負で訪れた廃病院で宇宙人のセルポ星人に攫われてしまう。セルポ星人に貞操を奪われそうになった際に超能力が開花する。自宅が神社で霊媒師の祖母を持つ。現在は祖母と2人暮らし。

主人公の綾瀬桃(あやせもも)

高倉健(たかくらけん)
 主人公の1人。「自分不器用なんで」が普通に口から飛び出すオカルトオタクの高校生。宇宙人を信じるオカルト好きだが、幽霊の存在は信じていない。俳優の高倉健が好きな桃に呼びにくいとのことでオカルト好きの「オカルン」という愛称をつけられる。桃との勝負で訪れた心霊スポットで出会ったターボババアに呪われてイチモツを奪われてしまう。また、呪われたことでターボババアの力を少し使うことが可能となった。

同じく主人公の高倉健(たかくらけん)

白鳥愛羅(しらとりあいら)
 美少女だが自意識と思い込みが強い。オカルンの金玉を拾ったことで幽霊が見えるようになる。幼少期に都市伝説のアクロバティックさらさらを母親と間違えたことで、彼女に目をつけられる。その後アクロバティックさらさらの力を手に入れる。

白鳥愛羅

円城寺仁(えんじょうじじん)
 桃の幼馴染で、桃の初恋の相手。桃が子供のころに星子に言われてやっていた修行をからかっていた。愛称は「ジジ」。ノリがよくお調子者でつねにおちゃらけている。自宅下にいた「邪視」という怪異に憑りつかれる。

円城寺仁(えんじょうじじん)

坂田金太(さかたきんた)
 桃や愛羅と仲良くしているオカルンにモテる方法を探るために近づくオタク高校生。オカルンとは違うオタクでSFに詳しい。桃がギグワーカーたちにもらった自在に形を変えられるナノマシンで作った巨大ロボットを操縦できる。ちょっと中二病が残っている。

坂田金太(さかたきんた)

綾瀬星子(あやせほしこ)
 桃の祖母。霊媒師で桃と2人で暮らしている。すごい霊能力者の持ち主だが、土地神の力を借りているため住んでいる神越市から出ると能力が弱くなる。見た目がおばあちゃんとは思えないほど若い美魔女。

綾瀬星子

セルポ星人
 セルポ星からやってきた宇宙人。男しかいない種族でクローン技術によって増えている。地球人の生殖機能の研究のために地球を訪れており、地球人の誘拐、解剖を行なっていた。念能力を使うことができる。

ターボババア
 都市伝説のおばあさん。オカルンが訪れた心霊スポットのトンネルにいた。昔は100kmババアとも呼ばれており実際の都市伝説がモチーフのキャラクター。オカルンのイチモツを奪い呪った張本人。桃とオカルンとの勝負に敗れたのち、星子によって招き猫の中に封じ込まれる。桃とオカルンとの勝負の際にオカルンの金玉をどこかに落としてしまった。

ターボババアの力で変身したオカルン

ギグワーカー
 セルポ星人に雇われて地球に来た宇宙人。水の中での戦闘が得意な種族。攻撃のスタイルが魚介類のシャコに似ているため、「シャコ」と呼ばれている。星子や桃たちに助けられたことで恩義を感じており、桃たちにその都度助けを出してくれる。

アクロバティックさらさら
 都市伝説の女性。大柄でロングヘア―、特徴的な赤いワンピースを着ている。また名前の通りアクロバティックで動きも早い。彼女も実際の都市伝説をモチーフにしたキャラクター。

邪視
 ジジの実家の下に眠っていた怪異。ブリーフのみの服装で顔がちょっと怖い。人類全てを恨んでおりジジに憑りついた際も、周りの人間を襲った。現在もジジの中に憑りついている。

ジジが邪視に憑りつかれた姿

バモラ
 オカルンのもう1つの金玉の目撃情報があった場所で出会った宇宙人。怪獣のスーツを着ている。結婚相手を探しに地球に来た。金太と戦って倒されたあと、倒した相手がオカルンだと思い込んで求婚する。姿が人間に似ておりとてもかわいらしい姿をしている。

バモラ

たくさんの要素が入り混じった展開の読めないストーリー

 本作では人間、都市伝説、怪談、宇宙人とさまざまなキャラクターが入り乱れる。それでも各キャラクターが際立っているので、キャラクターたちがごちゃごちゃにならずに読むことができる。

 本作の中では怪異、シリアス、ギャグ、ラブコメ、下ネタがふんだんに盛り込まれているがテンポ感もよく、とても読みやすく物語に入っていきやすい。たくさんの情報が入ってきてもサクサク読み進められる。物語も1話に様々な要素が含まれているが、それがとにかくテンポよく進んでいくのであっという間に読み終わる。このテンポ感がどこか高校生の日常を切り取ったように感じらたりやバトルのハラハラ感をしっかり感じられるのがいい。

 序盤は桃とオカルンの掛け合いがメインとなるが、愛羅やジジ、金太が友人として加わることでよりその高校生らしい掛け合いに拍車がかかる。

 特に筆者は8巻に収録されている第67話の掛け合いが好きだ。巨大化したバモラからの攻撃を這う這うの体で桃の家へと逃げるジジと金太、ジジたちが逃げる間バモラを引き付けて撤退する桃、オカルン、愛羅。命の危機に瀕しているにも拘わらず、金太はジジのお願いに対して「このイケメン最低だ」と卑屈にちょっかいを出してジジに憑りついている邪視を呼び出してしまったり、気を失った愛羅はお姫様抱っこして運んでくれていたオカルンにそのまま気が付いても抱きついて桃の嫉妬心をたきつける。桃が「おいこいつ仮病使ってんぞ!どけコラァ!」と愛羅を引っぺがして桃と愛羅がしょうもない言い合いをはじめたところに、邪視になってしまったジジがやってきて……という、ちょっかい、命の危機、ラブコメそしてまた怪異も登場し、目まぐるしくかわる展開が1話の中に詰まっている。この展開が緩急を生んでより物語がテンポよく進んでいくと感じられる。

筆者が好きな第67話が掲載されている8巻

 ストーリーもシリアスであってもボケやツッコミが入っていたりして、シリアスになりすぎないようになっている。さまざまな怪異たちと戦うので先が読めない展開でハラハラしながらも、ボケやツッコミや日常を感じる要素が盛り込まれているので緩急がついておりとてもおもしろい。シリアスになりすぎないが、怪異と出会うので怖い時はちゃんと怖いのがドキドキ感も生まれて癖になる。

 また主人公たちは成長しながらも、高校生である主人公たちの本質が変わらないのがとても好きだ。時に甘酸っぱい青春を感じる情景や高校生らしいノリも多く描かれ、あくまでも特別な人間ではなく、普通に生きている高校生たちというところが親近感を感じさせる。ほのぼのとした高校生ながら、それぞれ強くなれるよう努力をしており、主人公たちの日常の中で急に起きた出来事に立ち向かっていることを感じさせてくれる。

 本作は怪異との遭遇で日常が一変した高校生たちの物語だが、特殊な力を手に入れながらも普通の高校生であるというところが魅力だと思う。高校生の日常ということで誰もが聞いたことがあるような学校の怪談にまつわる怪異も出てくるので興味がある方はぜひ手に取って読んでみてほしい。

 また、この夏ダンダダンの世界に触れられるイベント「マンガダイブ2023夏SHINJUKU」が新宿にある「LUMINE 0」で開催されるそうなので、ダンダダンの世界をより楽しみたい人はそちらもぜひ体験しに行ってほしい。

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