【特別企画】

「PlayStation VR2」でゲーム体験は変わるのか? 第2弾

「ファンタビジョン 202X」や「Moss: Book II」などローンチタイトルを先行プレイ

【PlayStation VR2】

2月22日 発売予定

価格:74,980円

 いよいよ発売が明日に迫ったPlayStation VR2(以下、PSVR2)。本体が編集部に到着してからこの2週間、開封レポートから実機のレビュー、「Horizon Call of the Mountain」の体験レポートなどをお届けしてきたが、その他のタイトルについても続々と情報が解禁となった。

 そこで、本稿では先行してプレイすることができたタイトルの紹介や体験レポートをお届けしていく。今回プレイできたのは「ファンタビジョン 202X」、「Moss: Book II」といった新作に加え、「Thumper」、「Rez Infinite」、「テトリス エフェクト・コネクテッド」などのPSVR2対応として改めて登場するタイトル。

 PSVR2は単眼2,000×2,040の解像度、視野角110度などのVRゲームハードとして高いうスペックを有しており、既存タイトルであってもより綺麗なビジュアルでプレイできるというメリットがある。複数あるローンチタイトルについて、何からプレイしようか悩んでいる人も多いと思う。ぜひ参考にして明日の発売に備えていただきたい。

【迫力あふれる新世界に飛び込もう | PS VR2】

グラフィックスや迫力が大幅アップデート! 名作アクションパズル「ファンタビジョン」がPSVR2で蘇る

ファンタビジョン 202X

メーカー:コスモマキアー
価格:3,520円
プレイ人数:1人
・ストアページ

【『FANTAVISION 202X』 - ゲームプレイトレーラー】

 「ファンタビジョン」は、次々と打ち上がってくる花火をキャッチ(捕まえる)し、任意のタイミングでフラッシュ(爆発)させることでチェインを発生させ高得点を目指していくというアクションパズル。1作目はプレイステーション 2用タイトルとしてリリースされており、今回はフルHD・4K対応の美麗グラフィックスでプレイステーション 5用として「ファンタビジョン 202X」が登場。PSVR2にも対応する。

 ゲームの基本的なルールとしては、同じ色の花火を3つ以上キャッチすることでフラッシュが可能となり、フラッシュさせている間に次の花火をキャッチしてまたフラッシュさせていくというもの。ゲーム性としては非常にシンプルなものだが、同じ色の花火が上がってくるギリギリまでキャッチを待って大量フラッシュを狙っていくといった駆け引きや、次々とチェインを繋いでいく爽快感など、プレイすればするほど何度も挑戦したくなる中毒性の高い魅力が本作にはある。

四角の枠で囲んでいるのがキャッチ状態。同じ色の花火を3つ以上キャッチすることでフラッシュが可能となる
フラッシュを連続で成功させるとチェインとなり高得点となる

 「ファンタビジョン」の面白さは過去作において既に確立されたものとなっており、ゲーム性自体については特に新しい要素は無いものの、今作で特に注目してほしいのは大幅にアップデートされた美しいグラフィックスと、PSVR2ならではの圧倒的な迫力。PS2版の初代「ファンタビジョン」も、当時のハード性能を活かした美麗グラフィックスとして話題となったタイトルだが、やはり最新ハードであるPS5で再現される美しい花火や背景は別格だ。

 プレーヤーは上空に浮いている状態で、下から花火が上がってくるのを待ち構える位置でゲームを進めていく。PSVR2を装着した状態で下を向くと本当に宙に浮いているような錯覚に陥るほど背景がリアルで、高所が苦手な人は少し怖いと感じてしまうかもしれない。本作には豪華なホテルや観覧車が見えるリゾート地、人工衛星や隕石が飛び交う宇宙といった、花火が映えるステージが多数用意されており、その場で体の向きをくるりと一周させてみると360度に渡って綺麗な景色を堪能することができる。

 実際プレイがスタートすると景色をゆっくりと眺める余裕はないかもしれないが、今作にはPSVR2にも対応する「リプレイモード」が搭載されており、自分のプレイ映像をゲーム中とは違った視点で好きなだけ見ることができる。もちろん景色だけでなく、フラッシュさせた花火を上下左右どの角度からも見ることができるので、気に入ったものをキャプチャーしていくのも面白そうだ。

下を向くとかなりの高さだ。高所が苦手な人は椅子に座って落ち着いてプレイしよう
プレイ中は割と忙しいので周りを見渡す余裕はないが、リプレイで見返してみると壮大な景色を堪能できる
現実ではあり得ないシチュエーションで花火を楽しめるの本作ならではの魅力。とても幻想的

 全身が刺激されるようなド派手なエフェクトや体の芯まで響く効果音など、爆発した花火が目の前に迫ってくるような臨場感を味わえるのもやはりPSVR2ならでは。ぜひ自身の目で、体で体験していただきたい。

自分も物語の登場人物に! ネズミの主人公「クィル」と二人三脚の冒険をどっぷり楽しもう

Moss: Book II

メーカー:Polyarc
価格:4,620円
プレイ人数:1人
・ストアページ

【『Moss:Book II』アナウンストレーラー】

 「Moss: Book II」は、ファンタジー世界を舞台に、主人公のネズミ「クィル」の冒険を描いた3人称視点のアクションアドベンチャー「Moss」の続編となるタイトル。VR専用で、PCゲームプラットフォーム「Steam」にて2022年10月にリリースされており、同年12月9日に開催された「The Game Awards 2022」ではBEST VR/AR賞を受賞し高い評価を得ている。今回PSVR2専用タイトルとして2月22日に新たに発売される。

 プレーヤーは主人公「クィル」を操作し、まるで本の物語の中に入り込んだかのようなファンタジー世界を進んでいく。「クィル」は小さなネズミのため、こちらの視点もネズミサイズに。花や雑草はまるでジャングルの大木のように行く手を阻み、「クィル」はちょっとした段差を上り下りするのにも一苦労だ。

 プレーヤーは「クィル」の操作以外にも、コントローラー(オーブのような青い光で表示される)を動かして、ステージのギミックに触れて操作できる力を持っている。ギミックを動かし、身軽で小回りの効く「クィル」にしか通れない抜け道なども使いながら、「クィル」と二人で“協力”していくことで冒険を進められるのだ。

プロローグでは前作のシーンが描かれたような書物が登場。プレーヤーは本を開くことで「クィル」の世界へ誘われていく
「クィル」のサイズに合わせた3人称視点となるので、見るもの全てが迫力満点だ
ファンタジー感のある様々なマップが登場する

 ときにはパズルを解くようなギミックもある。謎解きはなかなか頭を悩ませるものもあるが、注意深く辺りを見回すとヒントが隠されていたり、正面からだけでなく色々な角度で視点を変えると意外なところに道があったりと、VRならではの仕掛けがたっぷり。ちなみに今回の体験中に少し苦戦した謎解きがあったのだが、今考えるとこのときはキョロキョロと相当動き回っていたように思う。この様子を誰かに見られていたのなら、かなりコミカルな動きをしていたはずなので、きっと怪しまれたに違いない。

 こうやって身振り手振りしながら苦労して謎を解いた際の達成感は大きく、冒険が進むにつれ徐々に「クィル」との絆も芽生え、自分も物語の登場人物の1人だと思えるような感覚になってきた。ゲームの世界観やVRでの没入感もあるだろうが、ここまで引き込まれる要素には主人公「クィル」の存在も大きいだろう。一つ一つの仕草はとても愛らしく、ゲームの主人公なのに決して万能ではないがんばり屋。そんな「クィル」と一緒に困難を乗り越えていきたいという気持ちがだんだんと大きくなっていったのかもしれない。

よく見ると誰かが登った跡があるからここは登れそう、みたいな細かいヒントがたくさんある
「クィル」の一つ一つの動作がとてもキュート

 道中には「クィル」に襲いかかってくる敵が出現し戦闘が発生するのだが、相手の攻撃をかわしつつ間合いを詰め、ダメージを与えていくといった、まるでハックス&スラッシュのようなバトルアクションは爽快感があってかなり楽しい。操作は簡単で、基本的には攻撃、ダッシュ、移動のみだが、場合によっては地形を活かした戦い方をしたり、ボス戦ではギミックを駆使しながら二人で力と知恵を合わせて戦う場面もあり、ここでもやはり「クィル」との絆が試される。

 なお、本作にはHPや体力といったものはなく、何度か敵からの攻撃を受けると戦闘不能になってしまう。ただし、戦闘不能になってもプレーヤーが両手で「クィル」を包み込んであげることですぐに復活し、その場でバトルを再開できるので、ゲームオーバーになったり敵が強すぎて詰む、といったことは無さそうだ。また、今回体験した範囲では時間制限といった急かされる要素もなかった。アクションや謎解きが苦手な人も、自分のペースでじっくりプレイできるのもおすすめポイントだ。

様々な敵が行く手を阻む
かなり巨大なボスも。力と知恵を合わせて戦おう

 「Moss: Book II」の発売に伴い、前作の「Moss」もPSVR2対応として同時発売されるので、前作未プレイでストーリーが気になるという方はぜひそちらも合わせてチェックしてほしい。

・前作「Moss」のストアページ

旧PSVRタイトルも没入感マシマシで続々登場! PSVR2を遊び尽くそう

 PSVR2の発売に合わせ、プレイステーション 4およびPSVRでリリースされていたタイトルもPSVR2対応となって登場。プレイ内容については割愛させていただくが、PS4版からPS5版へのアップグレード価格や、新たに追加される新機能などを紹介していく。

THUMPER リズム・バイオレンスゲーム

メーカー:Drool
価格:1980円
PS4版からPS5版へのアップグレード:550円
プレイ人数:1人
・ストアページ

【Thumper - Release Trailer | PS4, PSVR】

 本作は、タイミングを合わせてボタンをたたくというおなじみのリズムゲームでありながら、超高速で突き進む疾走感を融合させたリズム・バイオレンスゲーム。難しい操作は一切なく、ボタンのアナログスティックを左右に倒すといったシンプルなプレイスタイルで楽しむことができる。

 重厚で体に響くサウンドと独特な世界観のアートは著名なアメリカのノイズ・ロックバンドである「ライトニングボルト」のメンバーのひとり、ブライアン・ギブソン氏が担当。プレーヤーが操作する「スペースビートル」は猛烈なスピード感を伴ってビートに突き進み激突していくが、その衝突による金属的な衝撃音と光彩のように飛び散る火花がPSVR2を通じて視覚と聴覚に強烈な刺激を与えてくれる、新感覚タイトルとなっている。

Rez Infinite

メーカー:エンハンス
価格:3,462円
PS4版からPS5版へのアップグレード:1,100円
プレイ人数:1〜4人(オフライン)、2〜8人(オンライン)
・ストアページ

【『Rez Infinite』 アナウンストレーラー | PS5™ / PS VR2】

 本作は、「ルミネス」や「メテオス」などを手掛けた水口哲也氏がプロデューサーを務め、PS2/ドリームキャスト用に発売されたシューティングアドベンチャー「Rez」のVR向けリメイク作品。2016年にPSVRのローンチタイトルとしてリリースされ、同年の「The Game Awards」でBest VR Gameを受賞、40以上の賞とノミネートを獲得したタイトル。SteamやMeta Questなどでも配信中となっている。

 今回発売されるPS5版では、シャープな4K解像度、滑らかな60fpsのモーション、5.1/7.1chサラウンドサウンドに完全対応。PSVR2では、片目2000×2040の有機ELディスプレイによる次世代解像度に加え、120fpsのスムーズな動作、Area Xではフル3Dオーディオで至高のテクノサウンドと効果音を楽しむことができる。

テトリス エフェクト・コネクテッド

メーカー:エンハンス
価格:4,499円
PS4版からPS5版へのアップグレード:1,100円
プレイ人数:1〜4人(オフライン)、2〜8人(オンライン)
・ストアページ

【『テトリス エフェクト・コネクテッド』2023年2月22日大型アップデート情報】

 本作は、「テトリス」に美しい映像と心地よい音楽を融合させた新感覚のパズルゲーム。美しく幻想的な3Dの世界とともに、魔法のような不思議な没入感が増幅。音楽、背景、サウンド、特殊効果、テトリスブロックの落下まで、すべてがプレーヤーの操作に完璧にシンクロし、脈打ち、踊り、光り輝き、炸裂する。

 本作ではまったく新しい「ZONE」システムが搭載。プレーヤーはZONEに入ることで、時間とテトリミノの落下を止めることができ、ZONEを駆使することでラインクリアでボーナスを獲得したり、ゲームオーバーになりそうな危うい状況を切り抜けることが可能となっている。

 今回新たに発売されるPS5版ではPSVR2専用機能として、視線トラッキングを有効にすることで目を閉じてZONEに突入することができるようになっている。ほかにもDualSenseワイヤレスコントローラー、PSVR2 Senseコントローラーにおいて、画面上のアクションとよりシンクロしたエキサイティングな振動体験できるよう、バイブレーションが強化されるといった追加要素も。

 さらには、2月22日より全プラットフォームを対象に新モード追加アップデートが配信される予定で、新たなEFFECT MODESなどが追加となる。アップデートの詳細についてはエンハンス公式YouTubeチャンネルより公開されている動画にて確認することができる。

 筆者は3D酔いをする方なのだが、今回は色々プレイした結果、全く酔わなかったものを中心に紹介している。酔いが原因でプレイを躊躇している人はここも注目ポイントにして、今回紹介したタイトルでまずは徐々に体をVRに慣らせていってみるのもいいかもしれない。

 ただし、人によって個人差があると思うので、あくまでも参考程度にしていただければ幸いだ。