【特別企画】

「龍が如く 維新! 極」インプレッション。さらにリアルに、戦闘はド派手に!

キャスト変更も見逃せない

【龍が如く 維新! 極】

2月22日 発売予定

価格  スタンダードエディション:7,689円

デジタルデラックスエディション:8,789円

 セガは、プレイステーション 5/プレイステーション 4/Xbox Series X|S/Xbox One/PC用アクションアドベンチャー「龍が如く 維新! 極」を2月22日に発売する。

 本作は2014年にプレイステーション 4/プレイステーション 3で発売されたアクションアドベンチャー「龍が如く 維新!」のリメイク作品。グラフィックス面やシステム面でパワーアップし、伊東甲子太郎役など一部キャストが変更されて帰ってくる。

 「龍が如く 維新!」は、任侠の世界を描くアドベンチャーゲーム「龍が如く」シリーズのスピンオフ作品。本作では日本の幕末が舞台となり、シリーズのメインキャラクター「桐生一馬」が幕末の英雄「坂本龍馬」として登場する。ほかにも、シリーズ作品に登場したキャラクターたちが、新選組や江戸幕府、土佐藩や薩摩藩に長州藩の主要人物として登場している。

 「龍が如く」シリーズの魅力のひとつは、敵味方問わず個性が強いキャラクターたちが織りなす物語。本作では、本シリーズの魅力的なキャラクターたちが、作品やタイミングを越えて会すのが特徴だ。

 今回は発売に先駆けて本作をプレイできたので、そのインプレッションをお届けする。

【『龍が如く 維新! 極』ストーリートレーラー】

Unreal Engineを使った美しいグラフィックスに目を奪われる

 なんといっても、本作の最大の魅力はUnreal Engineを使った美しいグラフィックスだろう。元となった「龍が如く 維新!」はPS3で発売された作品で、今見ても見劣りするようなグラフィックスではないし、むしろ十分にキレイな部類だと思う。

 だが改めてPS5でUnreal Engineを使った表現を見ると目を奪われるほど美麗だなと感じた。

明るいところと影になっている部分の対比が非常に美しく表現されている

 特に皮膚が荒れた部分や、凹凸などの表現は素晴らしい。この表現力によりキャラクターたちがこの世界で生きている感覚を強く感じられた。また野外のライティングの表現もパワーアップしている。特に、明るいところは光の表現は以前使われていたドラゴンエンジンより、リアリスティックに感じられた。

 もちろんこの幕末の世界をリアルに体験したことはないのだが、キャラクターたちの生々しさも相まって、「幕末の世界で過ごしている」という感覚を強く感じられたのが印象的だ。

夜の京の街も美しい。特に橙色の明かりが漏れ光っている部分の表現はさすがという印象だ

幕末の日本をモチーフにしたオリジナルのストーリーに引き込まれた!

 改めて本作のストーリーをお伝えしたい。本作はこれまでシリーズ作品に登場していた桐生一馬が演じる「坂本龍馬」が主人公のストーリーだ。

 舞台は幕末、土佐藩の坂本龍馬という郷士(下級武士)が、剣の修行をしていた江戸から土佐に帰ってくる。土佐に帰ってきた坂本龍馬は、上士(上級武士)とのトラブルを起こし、あわや処刑されるという状況に。しかし、土佐藩の役人である吉田東洋が坂本龍馬を救うのだ。

 吉田東洋は坂本龍馬を育てた親のような存在だ。そんな吉田東洋の元で兄弟分として育てられていたのが武市半平太という人物。彼は土佐勤王党という土佐の改革を起こすための組織を作り、その盟主となっていた。

 吉田東洋、武市半平太、そして坂本龍馬が改革のために打ち合わせをしていたところ、覆面の男が現われ吉田東洋を殺害する。その場にいた武市半平太は怪我を負い、坂本龍馬は吉田東洋を殺した疑いまでかけられてしまった。坂本龍馬は「土佐を頼む」という言葉を武市半平太に残し、覆面の男の追うべくそこから逃走する。

 それから1年後、京で覆面の男を探る坂本龍馬が、覆面の男は「天然理心流」という流派の使い手であることを知る。「新撰組」に天然理心流の使い手がいることを知った坂本龍馬は、斉藤一という偽名で新撰組に入隊し、その謎を突き止めていくというストーリーとなっている。

土佐の未来を武市半平太に託し、坂本龍馬は京へと向かう
「天然理心流」の使い手が物語の鍵を握る

 ストーリーの魅力は、“幕末の京”という実際の日本にあった時代や場所を舞台にしているところだ。

 これまでの「龍が如く」シリーズでも、実在する街をモチーフにした舞台で多数の魅力的なキャラクターが物語を作っていた。そんなキャラクターたちが、時代や場所を越えて幕末の京を舞台に一同に会し、また新たなストーリーを魅せてくれる。それが本作の楽しさである。

4つの型を切り替えながら戦う戦闘は自由度が高く面白い!

 そして、戦闘要素についても語っていきたい。

 本作では4つの“型”というスタイルを切り替えながら戦闘する。「極」になる前の「龍が如く 維新!」が発売されてから、「龍が如く」シリーズにもこのスタイル変更というシステムは搭載されているので、スタイル切り替えには馴染みのあるファンも多いかもしれない。

4つの型を切り替えながら戦闘する

 本作では「格闘の型」、「一刀の型」、「短銃の型」、「乱舞の型」という4つの型(スタイル)が登場。これらの型を戦闘中にシームレスに切り替えながら戦う。

 「格闘の型」は素手で敵を殴りつけたり、敵を投げ飛ばしたりする型だ。これまでの「龍が如く」主人公である桐生一馬の戦い方に最も似ているスタンダードな型となっている。

 「一刀の型」は文字通り刀を一刀持って戦う型だ。我々が想像する武士の戦い方に最も近い型で、剣道のような戦い方をする。一撃一撃のダメージが大きく、特にボスなど1体、もしくは少数の強い敵と戦う時に向いていると感じた。

 続く「短銃の型」は短銃を撃って敵と戦う型だ。リロードなどもなく、もちろん敵と距離を取って戦うことが可能だ。離れたところにいる雑魚敵ならこの型を使えばノーダメージで倒すこともできる。距離を詰められるとかなり不利になるので、その時は素直に別のスタイルに切り替えるのをオススメする。

 最後が「乱舞の型」だ。これは片手に刀、片手に短銃を持つという型。刀を使って攻撃することも短銃を使って攻撃することもできるハイブリッドな戦闘が可能で、名前の通り踊りを舞うように敵と戦える。適当にボタンを押してコンボを繋げているだけで舞うように戦ってくれるので、筆者はこの型を使って戦闘することが多かった。

格闘の型
一刀の型
短銃の型
乱舞の型。状況に応じて使い分けて戦う

 また、敵を倒すと経験値が獲得でき、一定以上の経験値が溜まるとレベルアップする。レベルアップすると「魂球」を獲得でき、これを使って好きな型を強化していく。そのため、4つの型を満遍なく強化することもできるし、1つの型を特化して強化していくこともできる。

 個人的には型によって向き不向きがあるので、4つ満遍なく強化していくのがオススメだ。それでも特化させたい場合は、最低2つくらいは同時に強化した方が最終的に戦闘が楽になると思う。

4つの型それぞれをバラバラに強化できる。個人的には満遍なく強化するのがオススメだ

隊士スキルで戦闘はド派手で爽快感があるものに

 また、キャスト変更以外にも新しい要素がある。それが戦闘中に使用できる「隊士スキル」だ。

 隊士スキルは、事前に隊士を割り当てておくと、戦闘中に各隊士毎に設定されたスキルを使用できるというもの。隊士スキルには、回転しながら広範囲の敵にダメージを与えるという「派手だがまだ現実世界でもギリギリありえるかな?」というスキルから、強力な波動のようなものを敵に打ち込むぶっ飛んだものまである。

 これらのスキルは与えるダメージもかなり大きく、戦闘の感覚などは「龍が如く 維新!」とは全く異なる印象だ。

戦闘中に使用できる隊士スキルは本作ならではの追加要素だ。戦闘の感覚が全く異なるのが面白い

 戦闘終了後には隊士にも経験値が入り、隊士のレベル上げまで入れるとかなりのやりこみ要素になりそうだ。

もちろん町歩きやミニゲームも健在。幕末の京を自由に楽しめる

 そして「龍が如く」シリーズの魅力の1つである、町歩きについても触れておきたい。

 前述した通り、今作は幕末の京が舞台である。ストーリーの進行状態にもよるが、基本的に桐生一馬はこの街を自由にぶらぶらと探索できる。

 京の街には、買い物できるお店や、ミニゲームが遊べるお店、サブクエストが発生するNPCなどが多数配置されており、ストーリーを進めるだけでなく、ぶらぶらと探索するのも楽しい。

街にはミニクエストがあったり、アイテムが落ちていたり……。ぶらぶらして遊ぶだけでも楽しめる
日本舞踊やお座敷遊び、競鶏など、京の街ならではのミニゲームが楽しめる。画像は公式サイトより。

あの強面キャラ濃い三人衆が主要キャストとして帰ってくる

 そして「龍が如く」シリーズのファンとして、印象に残ったキャストの変更について取り上げたい。

 「龍が如く 維新!」には、「龍が如く」シリーズに登場するキャラクターが、新選組をはじめとする主要人物を演じている。

 シリーズファンとしては「あの作品に出ていたあの敵キャラクターが味方として出るのか!」とか「同じ時系列には登場しないあのキャラクターとあのキャラクターが同時に出てる!」など、嬉しいネタが詰め込まれていた。

「龍が如く2」で初登場した郷田龍司が「西郷吉之助」役で登場!
「龍が如く4 伝説を継ぐもの」で初登場し、その後もシリーズ作品に何度も登場する秋山駿は長州藩士の「新堀松輔」役として登場
あの桐生一馬は本作でももちろん主人公。「坂本龍馬」、そして「斎藤一」として本作に登場する

 なお、今作では一部のキャストが変更されている。具体的には下記ががオリジナルの「龍が如く 維新!」から変更されたキャストだ。

武市半平太:高橋克典さん → 中野英雄さん
近藤勇:船越英一郎さん → 大塚明夫さん
伊東甲子太郎:高橋ジョージさん → 小沢仁志さん
武田観柳斎:菅田俊さん → 竹内力さん
谷三十郎:浜田賢二さん → 竹田雅則さん
藤堂平助:大東駿介さん → 岡本信彦さん
鈴木三樹三郎:竹内良太さん → 谷田歩さん
山崎烝:神奈延年さん → 中村悠一さん
おりょう:桜庭ななみさん → 杉平真奈美さん
勝麟太郎:堀内賢雄さん → 鳥海浩輪さん

 この変更により、「龍が如く 維新!」以降に発売されたキャラクターも本作に登場しているのだ。

 個人的には「龍が如く0 誓いの場所」に登場した堂島組若頭補佐三人衆の「久瀬大作」、「阿波野大樹」、「渋澤啓司」がそれぞれ登場しているのが嬉しい。

 この3キャラクターはゲーム内でキャラが濃いのはもちろんだが、それぞれ強面の芸能人である小沢仁志さん、竹内力さん、中野英雄さんが演じているということもあり、個人的にはシリーズ屈指の印象的なキャラクターだった。

竹内力さん演じる「武田観柳斎」
小沢仁志さん演じる「伊東甲子太郎」
中野英雄さん演じる「武市半平太」

 そんな三人衆が改めてひとつの作品で一堂に会する、それはファンとして非常に嬉しかった。特に、彼らはストーリー上でも重要なキャラクターでもある。改めてこういった形で三人衆に再会できるのは「龍が如く」シリーズのファンとしては非常に嬉しいのだ。

過去の人気キャラクターが一堂に会するのは本作の大きな魅力だ

 「龍が如く」ファンにとっては開発陣からの素敵なサプライズ作品だった「龍が如く 維新!」が、改めて進化して帰ってきた印象だった。シリーズファンなら確実に楽しめる作品になっているので、ぜひプレイしてほしい。

幕末の英雄「坂本龍馬」になって幕末の時代を楽しむのだ