【特別企画】

ソリティア+競馬!? あの「ソリティ馬」が「ソリティ馬 Ride On!」となってApple Arcadeで復活!

「ポケモン」で知られるゲームフリークが贈る8年ぶりの最新作

【ソリティ馬 Ride On!】

1月20日 Apple Arcadeで配信開始

利用価格:月額600円(税込、1カ月間の無料トライアル付き)

 ゲームフリークが贈る、トランプゲームの「ソリティア」と競馬を融合させたカードゲーム「ソリティ馬」が、「ソリティ馬 Ride On!」とタイトルを改め、AppleのiOS端末向けゲームサブスクリプションサービス「Apple Arcade」にて1月20日に配信されることが決定した(Apple Arcadeの利用価格は月額600円で、初回登録時1カ月間の無料トライアルが付与される)。

 「ソリティ馬」は、2013年にニンテンドー3DSでリリース。競馬のジョッキーとなってレースに挑む内容にソリティアのルールを融合した新しいスタイルのゲームとして登場し、その中毒性の高さから高い評価を得たタイトルで、2014年には基本無料のスマートフォン向けタイトルとしても配信された。このスマホ版は残念ながら翌年にサービス終了となってしまったが、今回8年ぶりにApple ArcadeタイトルとしてiOS端末にて復活を遂げることとなったのだ。

「ソリティ馬 Ride On!」のゲーム画面。ソリティアのプレイが競馬のレースに反映されるゲームだ

 今回は、本作の配信前に先行体験の機会をいただけた。3DS版のリリースから10年の時を経て、ゲームの面白さはそのままに、グラフィックスやインターフェイスを強化した本作のレビューとともに、本作のディレクター田谷正夫氏のメディア合同インタビューの模様をお届けしていこう。

「ソリティア+競馬」の面白さはそのままに、レースシーンが3Dとなった

 「ソリティア+競馬」という異色のゲームシステムを備えたこの「ソリティ馬」。ベースとなるソリティアのゲームは比較的簡単な「ゴルフ」というルールに則ったものだ。並べられた場札とめくった手札のカードを前後隣り合わせの数字の順番で取っていき、場のカードを全て取り終えればパーフェクトとなる。ルール自体は簡単なのですぐに覚えられるだろう。

「ゴルフ」というルールに則ったソリティア。画面下に並べられていくカードの前後の数字のカードを場から取っていく。場のカードが取れないときは画面右下の手札をめくって続ける

 プレーヤーはジョッキーであり、個性的な馬主からこれまた個性的な競走馬(ゲーム中では「ウマ」や「おウマさん」などと呼称)の騎乗を任され、レースで勝利するのが目的となっている。ゲームのテーマは競馬だが、経営や調教などの専門的な要素はなく、セリフなどに出てくる専門用語にはTIPSも表示されるので、競馬に関する深い知識は必要なく、誰にでもプレイできるのが本作のいいところだ。

 筆者は3DS版「ソリティ馬」をそれなりに遊んでいたので、ゲーム自体にはすんなり入り込むことができたが、今回初めて遊ぶ人のために、レースを走りながらルールを覚えられる、しっかりとしたチュートリアルも用意されているのでご安心を。なお操作は主にタップなので、難しいところはない。

ゲームは簡単なストーリーに則って展開。勝って馬主の信頼を得られれば新しいウマに乗れ、新たな馬主も登場する。負け続けると騎乗を断られることも
専門用語はTIPSが用意され、タップすることで読める
チュートリアルはガイド役の「ソリティバくん」の解説のもと、3レース分をしっかり学べる。いつでも再プレイが可能だ

 3DS版から大きく変わったのが、レース中の演出だ。3DS版は全編2Dで立体視にも対応していなかったのだが、本作ではウマ達の愛らしさはそのままにグラフィックスが3Dとなって、レースのシーンがよりドラマチックに、なおかつ見やすく演出されている。また、このレースシーンもプレーヤーが干渉しなくていい部分は倍速で進められたり、何らかの理由でレースが中断されてしまった場合でも直前の場所からやり直せたりと、システムもスマートフォン向けに最適化され、遊びやすく改良されているのもポイントだ。

【3DS版ソリティ馬】
【ソリティ馬 Ride On!】
レース中のシーンが3Dとなって、位置もわかりやすくなった
ゲームの性質上、レース中は一時停止ができないが、画面を閉じればゲームは止まる。またアプリが落ちてしまった場合も、直前から再会が可能だ

2つのフェーズを交互にプレイして、ウマの性質にあったレースを組み立てていく

 レースではソリティアを含む2つのフェーズを交互にプレイしてウマのコンディションを整え、最後の直線に挑むという流れで進行していく。

 ソリティアをプレイする「ソリティアフェーズ」では、カードを取ることでウマの「おりあいパワー」が上昇していく。画面下に出ているゲージが制限時間で、その間に場札を全て取ってパーフェクトを出せば、ウマのスタミナが減りにくくなるなどの大きなメリットが発生する。

 逆に時間内に取れなかった場札が多く残ってしまうとウマのゴキゲン(ご機嫌)が悪くなり、制限時間が短くなったりウマが暴走してしまったりと、レースが不利になる要素が発生してしまうので、できるだけ場札を残さないように取っていくのがレースを有利に運ぶコツだ。

スタート時のソリティアは、素早く取るほどいいスタートができる。カードのレベルは最初のソリティアの難易度を表すものだ
画面左下の丸いアイコンが、おりあいパワー(数字)とゴキゲン(色)を表す「プルプルくん」。ソリティアでカードを取るとおりあいパワーが上がっていく
ソリティアでカードが残ってしまうと、ウマのゴキゲンが悪くなる。赤は最悪の状態なのでこうならないよう、カードはできるだけ取りたい

 ソリティアフェーズが終わると、「コントロールフェーズ」へと移行する。ここでは、ウマをベストな状態に保つために、ウマを操作して走るを場所を決めるのだ。走行時はウマ同士のポジションやスタミナを大きく消費するコーナーでの位置取り、そしてウマの最高速に関連する「気合」が増える「気合ゾーン」への移動など、その後のレース展開を左右する要素が多数存在している。画面をタップするとウマから矢印が伸びて、フェーズの最後にウマがその場所へと移動し、ソリティアフェーズで増やしたおりあいパワーが消費されるという具合だ。

コントロールフェーズでは、通常気合いゾーンを狙って気合を溜めるのが基本となる。移動したい場所をタップするとおりあいパワーを消費して矢印が引かれる
おりあいパワーは上限が決まっているので、残ってしまったときはそれを気合に還元できる
コーナーはアウト側を走ると「コーナーロス」となってスタミナを大きく消費するので、通常はインを走るのが基本となるが、密になったウマ同士がぶつかってロスになることも。パーフェクトを出したときのスタミナが減りにくいときは、あえてアウト側を走るのもいい
コース上には特殊なカード(画像右端に見えるカード)が落ちていて、これを取るとレースやウマの成長に有利になる

 レースではソリティアフェーズとコントロールフェーズを交互にプレイして、溜まった気合と残ったスタミナにより、最後の直線での駆け引きが展開。これまでの結果の全てが反映されるレースの最も熱いシーンであり、騎乗しているウマへの感情移入も高まる瞬間である。

溜めた気合いから算出されるウマの最高速度を表す「本気度」とスタミナ(左上のゲージ)が最後の駆け引きに大きく影響する
ウマの位置取りを決めつつ、場合によってはムチを入れて最後の直線に挑むのだ
競馬は優勝以外は全て負けとなる厳しい世界。ただし規定順位に入賞すれば賞金はもらえる
【「ソリティ馬 Ride On!」先行プレイ動画】

 レースで上位に入れば賞金がもらえ、それは次のレースに役立てられるアイテムを購入する資金となる。レースを終えたウマは、成績や馬齢に合わせて次に出場できるレースが決まり引退まで騎乗できるが、騎乗依頼があれば他のウマに乗り換えることも可能だ。

レースに有利になれるアイテムを売ってくれる「みこま商店」の行商人つばめちゃん。レース前に必ず来るわけではないのがもどかしくも可愛い
みこま商店で買うアイテムは直後のレースでの使い切りだが、ログインボーナスでもらえるアイテムはいつでも使える
騎乗依頼のあるウマに乗り換えも可能。もちろん前に乗っていた馬が現役なら乗ることも可能だ

 ソリティアと競馬の面白いポイントを上手く抽出して融合したゲームデザインは3DS版の頃から完成していて、競馬にあまり詳しくなくてもソリティアを通して競馬に興味を持てる作りになっているのが本作の大きな特徴だ。しっかりとしたチュートリアルの追加や中断時の再会など、過去に指摘された欠点もカバーされ、完成度はより高まった印象を受ける。スマホアプリということで今後のアップデートなどにも期待がかかるところだ。

 また、サウンドは以前より引き続き、「ポケットモンスター」シリーズなどの楽曲も担当している一之瀬剛氏が手がけている。タイトルのジングルやレース中のBGMなど、クオリティの高いサウンドは本作でも健在だ。

騎乗しているウマが出られるレースのスケジュールは、マップのようにわかりやすく表示される
GIII以上の重賞レースのトロフィーは「メモリアルシーン」に記録される。トロフィーを取ったときに表示されるメッセージも嬉しい!?
ゲームを進めれば、新しい馬主やライバルキャラクターなども登場する

 キャラクターデザインもコミカルで可愛く、見た目も性格も個性的なウマがたくさん用意されているので、ハマればずっと遊んでいられる中毒性の高さも健在だ。Apple Arcadeに加入している人に体験してほしいのはもちろん、本作のために加入する価値もあると個人的には思っている。ぜひこの機会にプレイしてみることをオススメしたい。