【特別企画】
電子の世界でも許されぬ存在“ハリファイバー”……! 9月末の「遊戯王マスターデュエル」レギュレーション改定で影響を受けるデッキとは?
2022年9月30日 00:00
盤面ロック系永続罠への規制が止まらない!?「御前試合」+「群雄割拠」が準制限に!
規制を受けたタイプのレギュレーション改定はこの2枚がラストとなるが、まさか「御前試合」と「群雄割拠」までもが準制限入りする事になるとは正直筆者は思っていなかった。
双方ともに1種類の種族or属性しか場にモンスターを出力できなくなるロック効果を持ったカードとなっており、シングル戦という「マスターデュエル」の性質上1枚で簡単に対戦相手を詰ませる事ができつつ、メインデッキから対策となる魔法・罠除去を投入しづらいという本作ならではのバックボーンも相まって多くのプレーヤーにストレスと勝利を与えた非常に強力なカードとなっている。
とは言え「マスターデュエル」では史上最強の対話拒否永続罠カードである「王宮の勅命」と「虚無空間」が禁止に、「スキルドレイン」が準制限になったばかりなので連続してこんなに早く規制を受けるのは意外……というのが本音だったりする。シングル戦環境において決して健全なカードでは無かったためあまり同情はできないが、この改定を見るに「マスターデュエル」の方針としては“シングル戦に適さないカード”は今後も強く規制する可能性があるのではないかと筆者は考えている。そうなるとほぼ同じ役割を持っている「センサー万別」や高いロック性能を持つ「サモンリミッター」も危ないため、永続罠使いの決闘者は油断できない状態が続くかもしれない。
影響を受けた環境デッキで考えるとキングオブ罠デッキの「エルドリッチ」が筆頭となるのだが、もう毎回「エルドリッチ」は何かしらの永続罠が規制を受けて少し弱体化されるを繰り返しているため、恐らく使用しているプレーヤーの大半がこのサイクルに慣れ始めてる事だろう。着実にデッキパワーは少しずつ下がってはいるものの、メインとなるギミックに直接的な影響が出たのは以前の「黄金郷のコンキスタドール」制限入りくらいなので、その時の衝撃に比べれば今回の規制は全然余裕な部類と言える。空いた2つのスロットには複数枚投入をしていなかった永続罠の枚数を増やしたり、新しく強力な罠を採用してみたりといった具合にリペアも簡単なので、この制限改定の影響で使用者がゴッソリ減るみたいな事は無いと考えられる。
むしろ環境的に向かい風となっていた「勇者出張」と「ハリアウロお手軽暴れ展開」の存在が多くの環境デッキで被害を受けた事を考えると使用率が増える可能性も十分ありえる。それを見越しての「御前試合」+「群雄割拠」の準制限入りと考えれば牽制としては意義のある改定だと言えるだろう。
4種類の汎用カードが準制限に! 全体の特徴としては”後攻”から捲り返すカードと言ったところか?
ここからは禁止制限が緩和されたカードを見ていくが、大きく分けて「単体パワーと汎用性の高さで規制を受けていたカード」と「テーマの強さを支えていたタイプのカード」の2つのタイプが存在するためそれぞれ分けて取り上げていこう。
まずは前者となる「単体パワーと汎用性の高さで規制を受けていたカード」として「サンダー・ボルト」、「レッド・リブート」、「ダイナレスラー・パンクラトプス」、「氷結界の龍 トリシューラ」の4枚が該当すると筆者は考えている。トリシューラはもう全盛期ほどの暴れパワーが無いという悲しい理由での緩和だと思うが、他3枚に関しては後手からの捲り札として優秀なカードがチョイスされている事から、現在の先行制圧環境に対する調整的な意味合いでの緩和のようにも受け取れる。
環境次第では複数枚採用する事で大きな意味を持つカードばかりだが、シングル戦だと特に流行のデッキを予測した上でデッキのスロットを使い過ぎないように対策カードや捲り札を組み込む必要がある。そのため、制限が解除されたからといって闇雲に突っ込めば良いという訳では無いのが「遊戯王」の面白い所。この緩和で後手を選択するデッキが少し強くなった事を踏まえ、環境と自分のデッキ的にマッチするカードが何なのかを考えながらメタカードはチョイスする必要があるだろう。
数多のテーマ系カードの制限が解除! 環境に躍り出るテーマはどれだ!?
続いては解除組の中でも「テーマの強さを支えていたタイプのカード」について取り上げよう。というかハチャメチャに緩和されたテーマが多くて筆者はビビっている。一気に列挙すると「ABC」、「魔術師」、「ゼンマイ」、「トリックスター」、「SPYRAL」、「オルフェゴール」、「未界域(テーマカードでは無いが)」の錚々たる顔ぶれが失っていた力を少し取り戻した形となる。
この中で動きが明確に変化しつつ筆者が注目しているテーマをあえて3つ取り上げるとすれば、「虹彩の魔術師」の増加で展開が強固になりつつ「調弦の魔術師」の緩和で安定感も上がった「魔術師」。「ABC-ドラゴン・バスター」が2枚使える事で2回目のABCループが簡単にできる、かつOCGとは違い「ユニオン・キャリアー」も合わせて使用できる「ABC」。あらゆる効果にターン1を書き忘れた「SPYRAL-ジーニアス」を2枚使える事で爆アドを稼げるループ展開が可能となった「SPYRAL」が筆頭だと考えている。とは言え、他のテーマも一時代を築き上げた最強テーマばかりなので是非緩和されたこれらのデッキをランクマッチに持ち込んでみて欲しい。筆者もとりあえずこれら3つのテーマは早速使ってみようと思う!
OCGともリンクしてそうな今回の制限改定! 根幹が揺るいだデッキも多いが蘇ったデッキも多い印象……!
今回の改定は予測できない時期に情報が公開されたこともあり、多くの決闘者が驚き慌てふためいたのではないだろうか。やはり衝撃的だったのはレアリティがURかつ、多くのデッキに採用されているインフラモンスターでもあった「水晶機巧-ハリファイバー」の禁止化だろう。前回「真竜皇V.F.D.」が禁止にぶち込まれた時から制限改定に比較的寛容な「マスターデュエル」といえどパワーラインが高すぎるカードは禁止規制を受けていく事を理解してはいたが、ここまで素早く手を打ってくるとは正直思っていなかった。
逆に言えば偏った環境を随時色眼鏡無く規制してくれているという事でもあるのでプレーヤーとしては安心できる面も大きいと言える。加えて同じぐらい緩和されたカードも多く、どこか現行のOCGの制限改定に近いニュアンスの内容だったりするので紙と電子両方で新しく使えるようになったカードや展開を今後も楽しむ事はできそうだ。今回の改定で先行圧倒的有利な現環境を少しでも変えたいという願いが随所に出ているため、今回の尊い犠牲によって変化の兆しが次環境で現われてくれることを祈ろう。
加えて現在の「マスターデュエル」ではデュエルルーム対戦限定ではあるがあらゆる禁止・制限・準制限カードを多数使用できる「アンリミテッド」ルールも追加されているため、改めて数多のイカれたムーブを味わいたくなった時はそこで遊ぶことも可能だ。今まで使用してきたデッキや今後追加されるカードで「もしハリファイバーがいればなぁ……」なんて感じる事があったら「アンリミテッド」でそのif展開を楽しむのも悪くないだろう。無限に遊び方が増えてきている史上最高のゲーム「遊戯王マスターデュエル」の今後の進化にも期待だ。それではグッッッッッッ爆アドォ!!!!
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