【特別企画】

今度の遊戯王は4人同時バトル! 今までと全く違うデュエル体験とアニメファン歓喜の要素が大量に詰め込まれた「遊戯王クロスデュエル」を先行体験

【遊戯王クロスデュエル】

9月6日 配信予定

基本プレイ:無料(アイテム課金制)

 爆アドォォォ!アドえもんです! 今回は今までの「遊戯王」作品には無い革新的なゲーム内容で世間を騒がせているAndroid/iOS用カードゲーム「遊戯王クロスデュエル」のメディア向け先行体験会に参加できたのでその実態をレポートしていこうと思う。システムに「遊戯王OCG」の風味を残しつつも4人同時デュエルというゲーム体験として未開の地を開拓した事に加えて、各シリーズから人気キャラクターが参戦したり、フルCGで再現された数多のモンスターを拝めたりなどゲーマーに留まらず原作・アニメファンも大歓喜な内容となっていた。

 「遊戯王」らしさを残しつつ4人対戦を主軸としたゲーム本編の完成度もさることながら、その他の要素もかなり充実。3Dで描写される「ブラック・マジシャン・ガール」を心ゆくまで観察したり、この世で1番愛しているキャラクター「不動遊星」との会話など、多彩な要素が詰め込まれており原作およびアニメファンも大満足の設計だ。そんな本作を先行プレイし、バッチリ魅力を押さえてきたので早速その内容をレポートしていこう!

「遊戯王クロスデュエル」の事前登録キャンペーンのページ

会場では巨大モニターにゲーム画面が映し出されて対戦が行なわれたり、個々人でゲームを自由に遊べる時間が設けられた
3DのCGで描かれる「ブラック・マジシャン・ガール」
「ブラック・マジシャン・ガール」や「遊星」を見て“オタク”活動をする時はちゃんと近くのプロデューサーに了承を得てからやっていたので迷惑はかかって無かったと思いたい
【【公式】遊戯王クロスデュエル トレーラー映像】

4人同時に“俺のターン”! モンスターが一斉にフィールドを駆け巡る全く新しいデュエル体験がヤバすぎるぅぅぅ!!!

 本作1番の見所と言えば今までの遊戯王の常識に囚われないその独自のルール性にある。まず「1vs1」ではなく4人同時対戦になった事でフィールドの見た目からして違い、モンスターがフィールドを駆け巡りぶつかり合う様はド迫力かつ今までにない光景が広がっているのだ。

 「クロスデュエル」のルールでは全てのプレーヤーが同時にターンを進行するシステムとなっており、各フェイズごとに4人の準備が完了すると次のフェイズへ進行しデュエルが進む。メインフェイズでは全プレーヤーがモンスターを他プレーヤーに繋がる3つのライン上に設置する事ができる。バトルフェイズに入ると設置したモンスター達がラインに沿って相手プレーヤーに突撃していく。同じラインに相手プレーヤーがモンスターを召喚していた場合は、その道中でモンスター同士のバトルが発生しお互いの攻撃力・または守備力の数値を“削り合う形”でバトルが行なわれる。

 簡単な例を出すと攻撃力2500の「ブラック・マジシャン」と攻撃力3000の「青眼の白龍」がライン上でぶつかった場合は「ブラック・マジシャン」が破壊されて「青眼の白龍」の攻撃力が“500”になってライン上に残る事になるのだ。そして相手プレーヤーの目の前まで到達すると「ダイレクトアタック」という形で残る攻撃力となる500のダメージを相手に与えることができる。

 これを繰り返していき8ターン数が経過した段階でライフポイントが1番多いプレーヤーが勝利、またはその前にライフが0になったプレーヤーが出た段階で1番ライフが多い者が勝利となるというのが本作の勝利条件と大まかな流れだ。

モンスターゾーン3枚と魔法&罠ゾーン3枚というラッシュデュエルのようなフィールドに各プレーヤーに伸びるように繋がるレーンが今作のフィールドの特徴!
攻撃表示モンスターが対応するレーンを進んでいき、モンスター同士のバトルではお互いの数値を削り合う形でバトル処理が行なわれる

 このシステムを採用する上で通常の遊戯王には無い変更点が幾つもある。まずはモンスター同士の戦闘で発生する戦闘ダメージは攻撃表示だろうが守備表示だろうが全て発生せず、モンスターのダイレクトアタックと何かしらの効果でのみ相手にダメージを与えられるという点。さらに相手にダメージを与えた際にその数値だけ“自分のライフを回復する”というルールとなっているのだ。

通常の遊戯王であればモンスター同士の戦闘では上回った攻撃力分のダメージが相手に与えられる。先ほどの例を使って説明すると、攻撃力2500の「ブラック・マジシャン」と攻撃力3000の「青眼の白龍」との戦闘では「青眼の白龍」が「ブラック・マジシャン」を破壊し、攻撃力で上回った500がダメージとして相手のライフから引かれる。「青眼の白龍」は攻撃力が下がらずフィールドにそのまま残る

 これによって自分のモンスターを消費して攻めるという行為がプラスに働くように調整されており、ひたすらモンスター守備表示で出し続けて4000のライフを守るといった防御に寄せたプレイングだけでは他プレーヤーがライフを増やしていく都合上、最終的には勝利する事ができない設計になっている。

 他にもデュエル開始時に全員のモンスターが激突する可能性がある中央のレーンに最初に辿り着いたプレーヤーに強力なカードが与えられる「プライズカード」の存在や、「青眼の白龍」や「ブラック・マジシャン」といったデッキに1枚だけ投入でき初手に来る強力な「エースモンスター」の存在など、本作独自のデュエルルールの中で深い読み合いや戦略を立てられるシステムが数多く用意されている。

中央に光り輝くのがプライズカード! 中には「破壊輪」等の汎用的かつ強力なカードが多く入っており、何をゲットするにせよ入手したプレーヤーが大きくアドバンテージを得る!
デッキに1枚だけ設定できる「エースモンスター」はどこで使用するかが勝敗を大きく分かつことになる。基本は他のモンスターの生け贄が必要となるため上手い具合に消耗したモンスターなどをコストにできるとベストだ!

 そして今回この「遊戯王クロスデュエル」に登場するカードはこのオリジナルのルールに合わせて全て本作独自の効果を持ったカードへと変化している。

 原作では効果を持っていなかった「青眼の白龍」が召喚した場合に相手モンスターを破壊する能力を秘めていたり、「E・HERO ネオス」がレーンを移動する際のスピードを上昇させる能力を持っていたりなどその能力は様々だ。他にも元々効果を持っていたモンスターも能力が変化している例もあり、例えば「スターダスト・ドラゴン」であれば本来持っていた「破壊効果を無効化する」という能力では無く「破壊された味方モンスターを手札に回収する」といった具合に本作のシステムにマッチした能力に変化しているのだ。

 さらに、遊戯王の醍醐味である融合・シンクロ・エクシーズ・ペンデュラム・リンクといった様々な召喚方法に関しても本作独自のルールに則ってその召喚が再現されているのも特徴的。全体的にOCGほど複雑な処理にならないように簡単かつ“その召喚方法っぽい”ニュアンスを絡めた方法へと変化しているため、歴戦のデュエリストから初心者プレーヤーまでどんな人でも楽しめる仕様になっている。

今回は個人的に余りにも思い出深い「スターダスト・ドラゴン」を使ったが召喚方法はレベルが8になるようにモンスターをリリースというものへ変更されていた。本来であればシンクロモンスターであるためチューナーモンスターが必要となるが、疑似シンクロ的な内容へと変化。能力もリソースの回収と補助的な能力を持つスターダストとマッチした効果へと変化している
そして召喚演出が本当にカッコいい、もうヤバイ、美しすぎる!

 また、遊戯王と言えばお馴染みの魔法・罠カードの使用も本作独自のシステムとなり面白い仕様に変化している。

 まず魔法カードに関してはバトルフェイズ開始後のモンスターが突撃する“前の”タイミングでしか発動する事ができなくなっている。つまり通常の遊戯王とは違い、メインフェイズ中に発動させたり罠カードのように場にセットして使う事はできないのだ。

 その他にも手札から直接発動するためフィールドの魔法・罠ゾーンが埋まっていても使用できたり等の違いもあるため、感覚的には特定のタイミングでしか使用できない速攻魔法や手札誘発カードに近い。本作の魔法カードの役割はバトルフェイズに入り相手のモンスターが出現して、それとなく相手がそのターンに何をしてくるのかがわかった上でその計算を狂わせる奇襲用のカードと言えるだろう。

相手のモンスターが出てきてバトルで負けそうなら魔法カードを発動するといった具合にコンバットトリックのような使い方をしたり、「攻撃封じ」のようなサポートを行なうカード等もあるためタイミングや仕様が違えど使う感覚は元の魔法カードにかなり近い。ただし当然相手も魔法カードを使用してくる可能性もあるためどのモンスターにどの効果を付与するかは読み合いになる……!

 罠カードはメインフェイズ中に各ラインに1枚セットして使う事ができ、そのカードの発動条件が満たされた瞬間“強制的に”発動するカードへと変化している。条件としては「モンスターが戦闘を行なうとき」や「ある特定のラインまでモンスターが進んだ時」など様々だが、相手をトラップに嵌めて倒す感覚は従来の罠カードに近いニュアンスなのでスッと頭に入ってくる仕様だ。相手のセットカードを読んで特定のラインには攻め込まない、攻撃表示での戦闘は避ける、他プレーヤーの動向を見てから動いてみるなど、正に原作遊戯王ばりの罠カードでの読み合いを楽しむことができ、ボードゲームのような仕様へと変化した本作にもマッチしている要素となっている。

魔法との違いとしてバトルが発生したタイミングでコンバットトリックができたり、特定の箇所に罠を仕掛けて通過したモンスターを破壊するなどの本作ならではの能力を持った罠も多数存在している。この点は原作遊戯王の「迷宮兄妹戦」を思い出す楽しさだ!

 そしてこのゲーム結論から言ってしまうのだが、もうハチャメチャクチャに面白い事は間違い無いのだが、極めようとするととんでもなく奥が深い戦略性の塊のような作品となっている。

協力・裏切り・ヘイトコントロール……4人対戦ならではの戦略性が超深い!

 まず本作が「4人対戦ゲーム」ならではの面白さが多分に秘められているという点を挙げたい。このゲームの勝利条件は前述した通り「他プレーヤーのライフが0になるか、8ターン目を向かえた段階でライフが1番多いこと」になるのだが、このルールの中で自分がトップを狙う場合に時には他プレーヤーとの協力や連携が必要になったり、攻めの手や攻撃の矛先を臨機応変に変更していく必要があるのだ。

 例えばぶっちぎりでトップを走っているプレーヤーが残りライフの少ないプレーヤーを攻撃していた場合はゲーム終了を阻止すべく、例え敵であっても魔法・罠カード等で狙われているプレーヤーを他プレーヤーが援護したり、トップのプレーヤーに攻めのチャンスを与えない為に他2人が協力してトッププレーヤーのみを集中砲火するといった状況が発生する。その上でさらには一時協力する素振りを見せておいて裏では強力なモンスターを場に展開し裏切って一気にライフをもぎ取り勝利する……などのプレイも十分可能となっているのも恐ろしい所。協力・裏切り・ヘイトコントロールといった対人ボードゲーム的な面白さを体験できるのだ。

実際の試合の中で発生したのがこの場面だが、このままだと手前のプレーヤー2が全員にボコボコにされて試合が終わりプレーヤー4が圧勝してしまうため他2人が協力してプレーヤー2を助けるという展開になることも。本作のプロデューサーも語っていたが4人対戦ゲームとしての面白さは「麻雀」が1番近い感覚で、自分が勝つために必要な戦略が刻一刻と変化するため状況を読み取る力と他プレーヤー全員を自分が有利な状況にコントロールする力も本作では試される事となる

 そんなゲームとしての奥深さにプラスして本作はちゃんと「遊戯王」になっているためカード効果による応酬やデッキ構築による戦略戦もバッチリ楽しめてしまう。

 本作におけるデッキでは同じカードを1枚ずつしか採用できず20枚のハイランダー構築となり、その中で初手に確定で手札に来る「エースモンスター」の枠を1枚だけセットできるルールとなっている。そしてこれが今回1番驚いたと言っても過言では無い仕様なのだが、今作ではモンスターそれぞれの効果を“プレーヤー自身がカスタマイズできる”のだ。つまり同じモンスターでもプレーヤーによって秘めている能力が全く違う事がある。

 これによってデッキ構築や戦略の幅が尋常じゃないほど広がる事は勿論ながら、少しモンスターが出てきた程度では相手のデッキタイプや戦略を読むことも難しいため、前述したゲーム性と相まってゲーム全体を通しての読み合いがバケモノレベルで難しく面白い仕上がりとなっている。しかもこれが「1vs1」ではなく相手プレーヤーが3人もいる状態で行なわれるんだからもう……とんでもねぇよ!

モンスターの効果はスキルとして自分でエディットしていくのが本作の特徴! 攻撃力を上げる、移動速度を上げるといったような汎用的なスキルも絡めながらスキルをセットできるのだがSR以上のモンスターにはそれぞれ強力な固有スキルが与えられ、それらを自由に組み替える事で同じモンスターでも全く違うポテンシャルを秘めたカードにする事ができる。自分のデッキ構築や戦術に合わせて全モンスターカードを設定できると考えると構築の選択肢の多さが尋常ではない事が良くわかる

 さらに、実際にプレイして思ったのがリソース管理のバランスが絶妙な点だ。本作では「遊戯王OCG」と違いメインフェイズにモンスターを1度に3体まで全力展開できるのだが、展開したモンスターが全て返り討ちにあった場合は当然3枚のカードを全て失う事になる。OCGのように宇宙展開をして手札を大量に増やすという行為は現状できず、カードの枚数が少なくなればその分純粋な物量勝負で相手の進行をどんどん許してしまう事になるため、カード1枚1枚の価値が非常に高いのだ。その為どのレーンからもプレーヤーにモンスターが到達するには通常2ターン必要な事を踏まえると相手の展開したモンスターを見てから確実に倒せるモンスターを配置する、対処できない強力なモンスターが置かれているラインはあえて無視したり、戦闘するなら魔法・罠で上手くカード枚数を押さえながら処理するなど、ただ単純に全てのカードを攻めさせても勝ち抜く事ができないバランスになっている。

 しかし、逆にこのリソース勝負を降りて速効を仕掛けて早々に相手のライフを0にするデッキにボコボコにされてしまう事があったり、相手の様子を見る消極的なプレイだけしていても他プレーヤーの最強エースモンスターによる蹂躙が行なわれてしまったり、他プレーヤー全てのヘイトを買って集中攻撃などを喰らう事も視野に入れる必要があるため、リソースを管理する為の攻めと守りのバランスや攻め時の駆け引きなどが非常に重要なゲームとなっているのだ。

これは筆者の体験談で、手札のモンスターが比較的強そうだと思い、1ターン目からモンスターを一気に召喚したらほか3人に集中砲火されてしまった。加えて序盤派手に動いたせいで全プレーヤーにヘイト向けられエースのスターダストをブルーアイズに一瞬で倒されたりたりなどしてリソースが無くなった後全員にボコボコにやられてしまった。パーティーゲーム的な側面で考えても最初に派手なアクションを取る人間は狙われやすいというのもあるため本当に今までの遊戯王とは違う側面の戦略も考える必要があると強く感じた

 とは言えゲーム全体で行なう行動やプレイ自体は非常にシンプルかつ派手でわかりやすく、さらに読み合いの結果、全プレーヤーが読み違いを起こしたりして自分が思うシンプルな最強プレイをしていれば勝てるといったパターンもあるのが4人対戦ゲームの面白い所。

 深い読み合いも楽しめればシンプルなパワープレーも楽しむ事ができ、状況や戦況に合わせた臨機応変なカードチョイスと戦略で今までにないアプローチで「遊戯王」らしいカードの応酬が体験できるのが本作の魅力と言える。

 他にも味方と協力してデュエルできるチーム戦や、プレーヤー全員と協力して強大なボスを攻略する「レイド戦」など本作のゲームシステムならではのモードが多数用意されており、様々な遊び方でプレイする事ができるだろう。