【特別企画】

ヒリつくシナリオ&ギャグを組み合わせた「AI: ソムニウム ファイル」の見どころを総復習!

シリーズ続編の発売までもうすぐ! 第1作をネタバレ無しで紹介

【AI: ソムニウム ファイル】

2019年9月19日 発売

価格:4,400円

【AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ】

6月23日 発売予定(Steam版は6月25日予定)

価格:7,480円

 スパイク・チュンソフトのプレイステーション4/Xbox One/Nintendo Switch/PC用アドベンチャー「AI: ソムニウム ファイル」は、残虐な殺人鬼を追うストーリーをベースにしたサスペンスが展開される。主人公とAIのバディによるシリアスなストーリーかと思いきや、植木鉢を鼻で吸い込んだり、楽曲「Choo Choo TRAIN(ZOO)」でおなじみの回転ダンスを唐突に披露したりと、ユニークな要素も多彩に取り入れた作品になっている。

 そんな本作の発売から約3年。シリーズ第2作となる「AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ」が6月23日に発売となる。本記事では最新作の発売に先駆け、第1作目となる「AI: ソムニウム ファイル」についてネタバレを極力控え総復習していく。序盤のストーリーから事件解決に迫る「ソムニウムパート」、Twitterを使ったプロモーションなどなど、様々な視点から見どころを紹介する。

【PS4/Switch/PC『AI: ソムニウム ファイル』イントロダクショントレーラー】

シリアスさと思わず笑えるギャグを組み合わせた目が離せないストーリー

 「AI: ソムニウム ファイル」の主人公は警視庁に務める捜査官・伊達鍵(だて かなめ)。ある日、雨が降りしきる遊園地で殺人事件が発生し現場へ訪れるが、そこで伊達にとって親友の元妻である灘海硝子が殺害されたことを知る。その後、次々に殺人事件が発生し、そこでの取り調べや聞き込み、重要参考人の夢の中に入るなどして、事件の手がかりを探ることになる。

 伊達は左目に高度な人工知能を搭載した義眼「AI-Ball」を嵌めており、殺害された灘海硝子も左目をえぐられているといった共通点が存在するなど、何らかの関係があるようにも感じる。

主人公の伊達鍵。イケメンだがアイボゥのノリに振り回されることも
アイボゥには様々な姿がある。真面目なキャラクターに見えるが本作で1番のコメディアンと言っても過言ではない

 AIと聞くとシンプルな受け答えだけが可能な人工無能のような存在をイメージするかもしれないが、義眼に搭載されたAIはアイボゥという名前で、人間のようにテンポよく会話までこなす。もちろんAIとして検索や素早い計算を得意とするが、小ボケを挟むなどかなりユニークなキャラクターだ。そんな伊達とアイボゥのバディが難事件に挑む。

初登場シーンは「Choo Choo TRAIN(ZOO)」でおなじみの回転ダンスを披露するという謎っぷり
頭からバケツを被り仁王立ちというシュールな姿になることも

 そのほか、殺害された灘海硝子の娘・沖浦みずきや、ネットアイドルの左岸イリス、彼女の熱狂的なファン・真津下応太など個性豊かなキャラクターが登場する。キャラクター同士が思わぬ関係性を持っていることもあり、事件の謎が深まっていく。

 本作におけるストーリーの魅力はひしひしと伝わってくる不気味さにある。物語の中心となる「サイクロプス事件」は、だんだんと自分の身近な人物にも被害が及んでいく。プレーヤーは伊達の視点から真相に迫っていくが、ミスリードとも取れる演出も存在し、まんまと手のひらの上で踊らされることになるだろう。かくいう筆者も登場人物たちの思惑によって意外な方向へと進むシナリオにハマり夢中になってプレイした。

左岸イリスや沖浦みずきといった人物たちも物語に大きく関わる

現代風の「捜査パート」と近未来風の「ソムニウムパート」で犯人を暴け

 さて、本作では現場に足を運んで手がかりを探る「捜査パート」と、本作ならではの「ソムニウムパート」が存在する。ゲームの流れとしては主にこれら2つのパートで手がかりを集めつつ、事件の真相に迫っていく。

 「捜査パート」ではその名の通り殺人事件が発生した現場を自ら調査したり、被害者の身内などに話を聞くため奔走する。アイボゥが持つ能力のお陰で手がかりが入手できることもあり、サーモグラフィによって熱を探知したり、X線で通常であれば見えないものを見たりと、彼女なしでは入手できない手がかりが集まる。完全犯罪のようなトリックも伊達とアイボゥの手にかかれば犯行が見えてくる。

手がかりを探る「捜査パート」と「ソムニウムパート」
熱源を探知したり、物の中身を透視したりと現場に足を運んで手がかりを集める

 一方の「ソムニウムパート」は事件解決のために重要となる人物の夢の世界に入り込む。こちらは対象者の頭の中の非現実的な世界が広がっており、事件解決のために深層に眠る記憶を探ることになる。

 ここではインタラクト可能なアイテムが多数配置されている。限られた6分間という時間の中で、手がかりを見つけるべく目的達成を目指す。ゲーム冒頭では事件のショックで失声症を患ってしまった少女・沖浦みずきの夢へと入ることになるが、ここは不気味な色使いの遊園地になっている。中央に位置するメリーゴーランドは最初は檻に囲われているなど彼女の精神状態を表現しているかのような作りで、ビジュアルとしてもやや不気味な雰囲気が感じられる。

心の中を象徴するアイテムなどが配置されており、仕掛けを解いていく
手がかりをつかむため与えられたミッションをこなす
限られた時間の中で手がかりを探る

 人物によってモチーフとなる場所や置かれているものが異なり、その場にそぐわないアイテムが配置されていることもある。1つ1つの選択で仕掛けが解除されたり、手がかりが入手できたりと様々。「これは怪しいな~」と思い、様々なアクションをしても結果的にオトリになっているということもしばしば。できるだけ素早く手がかりを見つけていくことが重要になる。

 それぞれの行動によって制限時間が減ってしまうが、同時に「マイナス20秒」や「時間1/2」といった行動の時間を短縮できる要素も存在する。多くの時間がかかる行動には時間の短縮を積極的に活用するなど、これらを駆使することがソムニウムパートクリアの秘訣になっている。

ここでは奇妙な選択が次なる道を切り開くことがある
選択によっては行動に必要な時間を短縮できる。ここでは「アイスピックを引き抜け」を選択すると、以降の選択で1度だけ時間が1/2に
対象者の記憶をもとに形成されている世界であるため、登場人物の姿がわからない場合も
ちなみに「ソムニウムパート」で仕掛けを解いた際の演出や効果音は“爽快感”を感じられるこだわりの作り。筆者のおすすめポイントだ
また、ソムニウムパートでは2人の掛け合いが満載。ある場面では鉢植えを調べることができ、ここで伊達が「もっと吸い込んでくれ!」と豪語
画面が揺れ始め……
全力で吸い込んだため土が鼻に詰まるというシュールすぎるギャグが展開される。ここではアイボゥが体を張っただけで特に進展はない。思わず笑える要素が満載で様々な選択肢を試してみたくなる

作中のキャラクターが現実で宣伝! 特異なプロモーションにフォーカス

 そんな本作は、TwitterやYouTubeを使ったプロモーションも特徴的だ。作中ではネコミミ姿が印象的なキャラクター「左岸イリス」が登場する。ストーリー上で彼女は女子高生ネットアイドルという肩書きを持っているが、それを活用し現実のYouTubeではVtuberのように企画動画やゲーム実況動画を投稿している。

【はじめまして、アイドルあせとんことA-setです!#00】

 さらに、Twitterでは彼女の愛称「A-set(あせとん)」として様々なツイートを投稿。こちらではゲームにまつわる投稿や日常的な内容をはじめ、ファンアートのリツイートや、最新作の発売に先駆けたツイートを行なうなど、SNSを活用した様々な取り組みを行なっていた。

 また、2022年5月にはカウントダウンを表示する謎の特設ページがオープン。カウントダウン終了後には不気味な映像が公開され、同時にTwitterではメッセージの解読を促すなど、現実と仮想世界を関連させるARG(代替現実ゲーム)が展開されており、新作「AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ」との関連が示唆されている。さらに、上記で紹介した左岸イリスも失踪事件に巻き込まれており、これらは後からチェックしても楽しめるが、リアルタイムな取り組みになっているため、Twitterの投稿などを細かくチェックすることで見えてくる答えがあるかもしれない。

Xbox Gmae Passにも対応し気軽にプレイできる「AI: ソムニウム ファイル」

 伊達とアイボゥが難事件に挑むストーリーは、真犯人が身近に潜んでいるかもしれないという不気味さ、終盤にかけての伏線回収、全力で笑わせてくる展開などかなり盛りだくさんな内容になっている。「ソムニウムパート」など本作ならではの要素を始め、中にはQTEも登場するなど手に汗握る展開が満載だ。

 各プラットフォーム向けにも配信されているが、Xbox Gmae Passにも対応しているためXbox Series X|S/Xbox OneやPCではより気軽にプレイすることも可能だ。各種プラットフォームでは本作のダウンロード版を特別価格で販売するセールを実施していることもあるため、こちらも忘れずにチェックしたい。

 なお、最新作では伊達に代わり、物語の中心人物となっていた沖浦みずきが主人公を務める。AIのアイボゥは彼女のバディとして続投するほか、もう1人の主人公「龍木」や、そのバディとしてドSキャラの側面を持つ新たなAI「タマ」の存在も明かされており、クセが強そうなキャラクターが追加となるようだ。本作をクリアした勢いそのままに「AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ」もチェックしてほしい。

【『AI: ソムニウムファイル ニルヴァーナ イニシアチブ』ストーリートレーラー】