【特別企画】
「プロジェクトセカイ・ピアノ」が、初音ミクと星乃一歌の映像をプラスしパワーアップ!
AIにより2人がプレーヤーの演奏テンポに合わせて歌う! その凄さを体験!!
2021年9月13日 10:32
- 期間:
- 9月25日~9月26日(プロジェクトセカイアニバーサリーフェスタ)
- 10月1日~10月10日(ヤマハ銀座店)
ヤマハミュージックジャパンが、人々の生活に再び音楽を取り戻したいとの想いから2020年10月より始めた企画「おかえり、おんがく。」。
その一環としてヤマハの楽器店7会場に設置した、ヤマハの人工知能(AI)合奏技術で初音ミクとセガ・Colorful Paletteが共同開発したAndroid/iOS用ゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(プロジェクトセカイ)に登場するキャラクター・星乃一歌との演奏を楽しめる「プロジェクトセカイ・ピアノ」では、期間中に多くのユーザーが演奏体験を楽しんだ。
GAME Watchでも4月にレポート記事「『プロジェクトセカイ・ピアノ』ヤマハのAI合奏技術と『プロジェクトセカイ』がコラボ!」をお届けしたが、その第2弾となる今回は、新たに初音ミクと星乃一歌が歌う姿の映像を追加し、演奏と連動して2人のキャラと共演する感覚を楽しめる内容にパワーアップした。
前回に引き続き今回は、映像付きでの演奏を体験させてもらえることとなったので、その模様をレポートしよう。
ミクさんと一歌がまさにそこにいて、一緒に演奏を楽しめる!!
今回の会場となったのは、山手線高輪ゲートウェイ駅近くにあるヤマハ高輪事業所。案内役を務めてくれたのは、前回に引き続きヤマハミュージックジャパンの野藤義一氏だ。
広いホールの奥まった場所に配置されていたのは、「プロジェクトセカイ」のラッピングが施された、ヤマハ クラビノーバCSPシリーズをベースモデルとした「プロジェクトセカイ・ピアノ」。さらにその奥には約60インチクラスのモニターが置かれ、画面にはミクさんと一歌が映っていた。2人の身長と同じくらいになるようテレビの高さが調整されていたこともあってか、確かにその場にミクさんと一歌が佇んでいるように思えて、なんとも不思議な感覚を感じた。ちなみに歌っていない時の2人は、ただこちらを向いているだけではなく画面内で向き合って笑うなど、ちょっとした仕草を見せてくれる。そのため、券売機などにありがちなロボットのような感じはまったくなく、非常に自然な印象だった。
演奏前に野藤氏に軽く話を伺うと、以前よりもAIの精度がアップしたことで、演者のテンポの変化により自然についていくことができるようになっているそうだ。はやる気持ちから、説明もそこそこに早速弾いてみることに。ちなみに、ヤマハ クラビノーバCSPシリーズに搭載されている「ストリームライツ」機能により、次に打鍵すべき鍵盤とタイミングがわかるため、リズムゲームをプレイし慣れている人ならば譜面を見るよりも確実に演奏できるのだ。
今回用意されたのは2曲で、1曲目は前回から引き続きの採用となった「千本桜」(作詞・作曲:黒うさ)。譜面は超入門/入門/中級/上級の4種類。もう1曲は、今年5月に追加された「青く駆けろ!」(作詞・作曲:まらしぃ)となり、譜面のバリエーションは中級/上級となる。筆者のようなピアノ素人には「青く駆けろ!」は難しいということなので、素直に前回の体験会と同じく「千本桜」の超入門をお願いした。
演奏がスタートし、ストリームライツが降りてくるタイミングに合わせて鍵盤を叩いていたのだが、野藤氏の話通りに多少テンポがおかしくなろうが多少違った音階を鳴らそうが、ミクさんと一歌の歌声は、下手くそな筆者のリズムに合わせて聞こえてくる。「相変わらず凄い技術だ!」と心の中で思うものの、ストリームライツを追いながら打鍵するのに必死だったため、2人が歌っている姿をまったく見ることができないまま終了してしまう事態に。
このままでは、今回のアップデートの凄さがまったく感じ取れないままに終わってしまう……ということで、代わりに弾いてくれるプロの方にお願いし、こちらは離れた場所から演奏と共に映像をチェックすることにした。
途中でテンポを変えてくれたりもしてくれるとのことだったので、そのタイミングでテレビをしっかりと確認。すると、映像もテンポに合わせて早くなったり遅くなり、楽曲と完全に同期が取れているのがわかった。AIではなく、実は見えない場所で演者の演奏に合わせて歌っている人間がいるんですよ、と言われても疑問を抱かないほど。素人目にも、その凄さには唸るしかなかった。
スペース的な問題が解決できる会場が確保できれば、再び全国展開の可能性も
この後は野藤氏に、前回の体験会の反響や今回の映像追加に関しての話などを伺った。いくつかの条件をクリアしさえすれば、前回のように体験会の全国展開もありうるそうなので、公式側からの発表を待つのが良いだろう。
--3月26日から6月27日まで開催された前回の体験会での反響を教えてください。
野藤氏: 楽器店という、音楽と接点のない方には身近ではないところでの開催でしたが、合計で約1,000人ほどのお客様に来店して体験していただきました。半数近くが楽器未経験または楽器が久々ですという方で、もう半分が楽器も弾いてピアニストの動画も見てますということでした。前者の方々に楽器店にお越しいただけたことはとてもありがたいです。
お客様の声ですが、演奏できる方は自分が弾いた演奏に歌声が付いてくる機能に感動されていました。自分のピアノに合わせて2人が歌ってくれるので、上級者の方は「凄いですね」と、何度も弾いて楽しまれていました。
初心者の方は、“リズムゲームのように光るところを押していると演奏できる”というのが新鮮な体験だったようで、反応が大きかったです。アンケートでも、ほぼすべての参加者からこの演奏体験に満足したとの声をいただきました。
--体験された方々の年齢層や性別などは、どんな感じでした?
野藤氏: 当初の想定では、「プロジェクトセカイ」のファンには若い方が多いので、体験者も同様に、そうした方が中心になると考えていました。しかし実際には、体験者の半数は10歳代から20歳代でしたが、残る半数は30歳代から60歳代の方々で、幅広い年齢層の方に体験していただいていました。上の年代の方にも初音ミクさんに触れてもらえる、良い機会だったと思っています。性別では、やはり女性の方が多かったですね。
--「プロジェクトセカイ」を遊んでいる人が多かったんですね。
野藤氏: そうですね。ほかにも、ヤマハの音楽教室に通っている方がフラッと来て、「これがAIなんですね」といってピアノに触れていかれたり、初音ミクさんのことを知らないお子様が「デザインが可愛い」ということで弾いてみた、ということもありました。
--好評だったことを受けての、今回の体験会第2弾ですが、その特徴を教えてください。
野藤氏: 特徴は“映像がついた”ということですね。以前は、「プロジェクトセカイ・ピアノ」の両隣に初音ミクと星乃一歌の等身大パネルを2つ立てていましたが、それが今回は映像として実際に動くようになったということで、これがある種の価値になったのではないかと思います。
--映像を採用した理由は何だったんでしょうか?
野藤氏: 今年5月に、体験できる楽曲に「青く駆けろ!」を追加しました。これは演奏体験後のアンケートで、作曲者の“まらしぃ”さんのファンの方から、「青く駆けろ!」を弾いてみたいとの声を受けて対応したものです。
映像の追加についても、同じくアンケートなどで「音声だけではなく2人が動いたり、実際にその場にいるような感じが出たら良いですよね」や「VRと組み合わせて、2人と弾いている感じが出たらいいですね」という意見をいただいたことが、最も大きな原動力となりました。
--プレーヤーの腕に合わせてAIが歌ってくれる、というのが前回のウリでしたが、今回はそれに加えて映像も出ます。映像を演者の弾き方に合わせるのは苦労したのでしょうか?
野藤氏: AIの音声と映像を同期させることに関しては、2017年に行なわれた「未来のアンサンブル」という企画内で映像の同期ができており、今回もそれを応用しています。演奏者によって2人の動きが破綻しないように十分、注意しました。
--楽曲が1曲追加となりましたが、「青く駆けろ!」を選んだ理由を教えてください。
野藤氏: 1つは、先ほどもお話ししたアンケートでいただいた声からです。もう1つは、「青く駆けろ!」の作曲者が“まらしぃ”さんであることですね。“まらしぃ”さんは「プロジェクトセカイ」が大好きなピアニストで、前回の体験会で、動画で「プロジェクトセカイ」を紹介いただき、ヤマハの名古屋店で夜、ゲリラ的に「プロジェクトセカイ・ピアノ」による生配信をしていただくなど、このピアノの楽しさを広く発信していただいています。そうしたことから、「青く駆けろ!」を選びました。
--体験会第2弾は名古屋では開催済みですが、体験した人たちの反応を教えてください。
野藤氏: 開催期間が8月21日から29日で、体験者数は前回より少なめでしたが、体験して良かったという声を多くいただくことができましたので、今後も体験会を企画したいと考えています。先ほどの演奏でもおっしゃっていました、演奏時に手元を見ると映像が見えにくい点については課題ととらえて改善していければ考えています。
--次の体験会は、9月25日、26日の「プロジェクトセカイ アニバーサリーフェスタ」、10月1日より10日までヤマハ銀座店での開催ですね。
野藤氏: 時勢柄、まだ不確定な部分もありますが、お客様がためらいなく来られるタイミングで展開していきたいと思っています。
--好評であれば、前回のように全国展開も考えていますか?
野藤氏: 今回はピアノだけでなくモニターも必要となるのですが、スペース的な制約をクリアできる場所であれば、ぜひ展開していきたい考えています。これまでは“会場に来ていただいた”のですが、今後は“こちらからファンの方々に会いに行く”ようなこともできればと思っていますので、ご期待下さい。
--ありがとうございました。
映像付き「プロジェクトセカイ・ピアノ」体験会は、9月25日と26日に幕張メッセで開催される「プロジェクトセカイ アニバーサリーフェスタ」、10月1日より10日までヤマハ銀座店にて開催されることがアナウンスされている。興味を持った方はぜひとも体験してほしい(予定は変更となる場合あり)。体験には、事前の予約が必要となるので、注意いただきたい。
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