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解説者も驚くほどの高レベルな戦いが展開された「Project SEKAI CHAMPIONSHIP 2021 AUTUMN」

“ALL PERFECT!!”連発! 優勝を決めたのは「たくあん」選手!!

9月26日 開催

会場:幕張メッセ 国際展示場 9~11ホール

 セガとColorful Paletteは、9月25日と26日の両日、幕張メッセ国際展示場にてAndroid/iOS用ゲーム「プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク」(プロジェクトセカイ)の初の大規模イベントとなる「プロジェクトセカイ アニバーサリーフェスタ2021」を開催した。さまざまなイベントが行なわれたが、ここでは中でも注目を集めた「Project SEKAI CHAMPIONSHIP 2021 AUTUMN」の模様をお届けする。

【プロジェクトセカイアニバーサリーフェスタ 2021 stage DAY2】

 本大会の実況とMCを務めたのは、アナウンサーの柴田将平氏。アシスタントMCとして、Leo/needのベース担当・日野森志歩役の中島由貴さん、さらに解説として、バーチャルライバーの社築氏が先日に引き続きの参加となった。なお、本大会への参加資格は「プロジェクトセカイ」のプレーヤーであり、プレーヤーランク15以上を満たしていて、オンライン予選・本戦でプレイする課題曲のMASTERを解放している人であれば誰でもOKだ。

 まずは、本戦に先駆けてオンライン一次予選と二次予選が行われ、ここでの上位23名と、昨年冬に行われた「RAGE プロジェクトセカイ 2020 Winter powered by AQUOS」の上位2名、合わせて25名が本戦へと駒を進めた。幕張メッセのイベント会場では、準々決勝からのスタートとなった。

 試合形式だが、参加者25名を5つのグループに分け、各グループ1位はUpperブラケットに、2位はLowerブラケットへとそれぞれ進出する。その後、Upperブラケット、Lowerブラケットの各5名で準決勝を行ない、Lowerブラケット1位の選手とUpperブラケット2位以下の選手は代表決定戦でバトルの後、1位となった選手が決勝へ進出となる。また、Upperブラケット1位の選手はそのまま決勝へと勝ち進むため、1戦少なく決勝戦へと辿り着くことができるのだ。

 用意された課題曲は18あり、1試合ごとに2曲を演奏したスコアの合計で競うこととなる。楽曲は、中島さんが抽選ボックスからランダムに取り出す仕組みとなっているため、どの課題曲が選ばれるのかは試合開始直前まではわからない。さらに、決勝での2曲のうち1曲目は「六兆年と一夜物語」が決まっていて、もう1曲は当日その場で発表される新曲となっている。

実況とMCを担当した、柴田将兵氏
Leo/needの日野森志歩役を演じる中島由貴さんも、アシスタントMCとして登壇した

 前述のようなルールの下、早速準々決勝第1試合となるグループAの「いぬまた」選手、「たくあん」選手、「しらす」選手、「中途半端」選手、「アーリング鮫島」選手5人が登壇した。使用する端末は各個人のもののため、使い慣れた環境でのプレイが可能となっている。

 全員が揃ったところで、いよいよ中島さんが抽選ボックスから楽曲シートを1枚引いてきた。そこに書かれていたのは、「天使のクローバー」。レベル31の曲で、テンポが早く認識しづらい配置のノーツがあると、すかさず社氏の解説が入った。なお、1度引かれた楽曲は抽選ボックスから取り除かれ、以降ボックス内が空になるまで元に戻ることはない。

 最初の試合ということで、登壇者もやや緊張した面持ちのなかでゲームがスタートするが、さすがは予選を突破してきた猛者だけあり、全員がミス無くタップしていく。こうなると、1回のグレート判定でも後に響いてくるため、一瞬たりとも気を抜けないのだ。

 そんな1曲目では、「たくあん」選手がフルコンボを達成し、一歩抜きんでた形に。続けての2曲目、中島さんの手に握られていたのは「マジックナンバー」。こちらはレベル29の楽曲で「非常にオシャンティーな曲」との解説が入った。プレイしたところ、3人がフルコンボを達成。なんと、「たくあん」選手は2曲連続でフルコンボを決め、合計6,666ポイントを叩き出してUpperブラケットへの道を確保。合計ポイントが6,662の「アーリング鮫島」選手がLowerブラケットへ進出となった。

 続いてのグループBからは、「ふたばさき」選手、「wak」選手、「みどつき」選手、「く。」選手、「MiRaRii*」選手が登壇。中島さんがボックスから引いたのは、レベル31の楽曲「ポジティブ☆ダンスタイム」だ。こちらは、「ふたばさき」選手と「みどつき」選手が確実にフルコンボを決め、一歩リードを果たす。

 続いての2曲目、中島さんはレベル30の「霽れを待つ」を掴む。社氏の解説では、クセがなくスコアが取りやすいものの、グレート判定も出やすい楽曲だ。途中、「みどつき」選手のみコンボが途切れてしまうものの、他の4人はフルコンボで演奏を終了。

 合計スコアは、「みどつき」選手が6,776ポイントでUpperブラケットを、「ふたばさき」選手が6,775ポイントでLowerブラケットをそれぞれ獲得した。2人の得点差は僅か1ポイントだったということで、1つの判定がどれほど重くのしかかってくるかを、改めて知った形となったといえる。

 グループCで登壇したのは、「はちまるご」選手、「HAKU」選手、「ruin」選手、「やとがみ」選手、そして「さかもちゃもちゃ!」選手だ。ここでの課題曲は、高難易度曲として有名な「初音ミクの激唱」。レベル33の中では1番簡単だが、そもそもが難しいのだ。案の定、フルコンボを獲得した選手は現われず、この状況に対して楽曲を抽選ボックスから引いた中島さんが「悪いのは私だー!」と叫ぶシーンもあり、会場の空気が一気に和んだ。

 2曲目となったのは、「チルドレンレコード」。レベル31ではあるが、社氏が「32でもよくない?」と提案するほど高速高密度でノーツが展開されていく。8月23日に登場したばかりの楽曲ということもあり、練習量の差が出そうだが……最終的には、「ruin」選手だけがフルコンボを達成し、トータルスコア9,719ポイントでUpperブラケットの座を確保。Lowerブラケット進出を果たしたのは、2曲ともコンスタントに高スコアをゲットした「さかもちゃもちゃ!」選手だ。

スコアが表示されると、一瞬静まりかえった会場が沸き返り、歓声に包まれる

  準々決勝後半となるグループDには「γ」選手、「うらべ」選手、「poko_218」選手、「θ燐酸*。」選手、そして前回大会の優勝者である「瑠璃」選手が揃った。1曲目として中島さんの手に取られたのは、レベル30の「限りなく灰色へ」。大小のノーツが多く、「中盤のフリックをはねるところなどもあって終始難しい」と社氏。そんな難易度にも関わらず、「γ」選手と「うらべ」選手、そして「瑠璃」選手がフルコンボを決めただけでなく、なんと「θ燐酸*。」選手は大会を通じて本日初の“ALL PERFECT!!”を達成! 会場からも、大きな拍手が巻き起こった。

 次曲は「チュルリラ・チュルリラ・ダッダッダ!」で、1曲目と同じくレベルは30。社氏の解説によると、ノーツが小さくてフリック操作が多く、フリックが反応しなくて切れることもあるようだ。そんな楽曲でも、前回大会優勝者の「瑠璃」選手がフルコンボを決め、トータルスコアで6,748ポイントを獲得してUpperブラケットの座を射止めた。その僅か1ポイント差となる、トータルスコア6,747ポイントをゲットした「θ燐酸*。」選手が、Lowerブラケット進出決定に。

 準々決勝最後となるグループEの参戦者は、「ろら」選手、「ひか」選手、「F.紫菜」選手、「三田皓介」選手、さらに前回大会で準優勝を果たした「HPS」選手の5人。抽選ボックスから中島さんにより選ばれた1曲目は、レベル31の「モア!ジャンプ!モア!」。指を温めるにはちょうど良い曲と解説した社氏の読み通り、「ろら」選手と「ひか」選手がフルコンボを達成し、1歩リードする。

 2曲目となったのは「Brand New Day」。社氏によれば、ノーツ数が多くて認識するのが難しいため、ミスをして集中力が切れると一気に崩れる危険が高いという。そんな高難易度楽曲ではあるが、ただ1人「三田皓介」選手が“ALL PERFECT!!(AP)”を叩き出し、ステージ上でガッツポーズ。会場からも歓声が上がり、事の凄さを表していた。合計スコアでは、その「三田皓介」選手が7,714ポイントとなりUpperブラケットへ進出、Lowerブラケットは2曲とも確実に高ポイントをゲットした「HPS」選手が獲得した。

準決勝は、これまで以上にハイレベルな戦いが繰り広げられることに!

 インターバルを挟んで行なわれた準決勝だが、最初はLowerブラケット進出者5人による戦いが行なわれた。メンバーは、グループAより「アーリング鮫島」選手、グループBより「ふたばさき」選手、グループCから「さかもちゃもちゃ!」選手、グループDから「θ燐酸*。」選手、そしてグループEより「HPS」選手。

 選ばれた曲は「地球最後の告白を」で、比較的スコアを取りやすい楽曲ではあるものの、指の動きを考えないとダメなので油断はできない。各準々決勝で2位でとはいえ勝ち残った選手たちだけあり、高レベルなバトルが繰り広げられていく。1曲目から「アーリング鮫島」選手と「ふたばさき」選手の2人がフルコンボだけでなく、ここへきて「HPS」選手が“ALL PERFECT!!”を成し遂げ、会場も今まで以上に興奮状態に。

 ここで、中島さんが2曲目として引いたのが、「トンデモワンダーズ」だった。レベル32の楽曲で、とにかく難しい譜面なのだが……フタを開けてみれば、「アーリング鮫島」選手、「ふたばさき」選手、そして「HPS」選手がフルコンボを決めるという驚きの結果に。最終的なスコアは、「HPS」選手が7,163ポイントを獲得し、代表決定戦進出を果たした。

見事、代表決定戦進出を決めた「HPS」選手

 続けて、Upperブラケット5人の試合へと移った。こちらは、グループAより「たくあん」選手、グループBから「みどつき」選手、グループCからは「ruin」選手、グループDより「瑠璃」選手、グループEから「三田皓介」選手が進出を果たしている。

 中島さんが抽選ボックスから引くと、そこに書かれていた楽曲名は「ブリキのダンス」。レベル29ということで課題曲の中では簡単だし、「ノーツ数も少な目で“ALL PERFECT!!”もありうるかも」と予想をたてた社氏。「カラオケでもよく歌う楽しい楽曲なので、どんな戦いになるのかが楽しみ」と中島さんも興味津々だ。

 その予想通り、「たくあん」選手と「みどつき」選手、「瑠璃」選手がフルコンボを決めただけでなく、さらには「三田皓介」選手がなんと“ALL PERFECT!!”を出すハイレベルな戦いに。スコアも、この時点では6ポイント差に5人が収まる大混戦となった。

 そんななかで行なわれた2曲目の抽選で選ばれたのは、「ビターチョコデコレーション」。正統派レベル31の楽曲で、高速階段(階段状にノーツが高速で降ってくる)シーンでのグレートの数でスコアに差が出そうと、社氏がこれまた的確な予想を行なう。しかしプレイを開始してみれば、驚くべき事に「みどつき」選手と「ruin」選手が共にフルコンボ、そして「瑠璃」選手と「三田皓介」選手がここへきて“ALL PERFECT!!”を出すという、とんでもない展開に。1曲目の時点で「瑠璃」選手が2,900ポイント、「三田皓介」選手が2,901ポイントだったため、2人とも同ポイントを加算され、最終的に1ポイントの差で「三田皓介」選手が決勝進出を決めた。

わずか1ポイント差で勝利を収めた「三田皓介」選手

 決勝戦前の最後の戦いとなる代表決定戦は、Upperブラケットの4人と、Lowerブラケットを勝ち上がった「HPS」選手を含めた5人で行なわれる。抽選ボックスには4曲しか残っていないが、そこから中島さんが引いたのは「グリーンライツ・セレナーデ」。終盤が難しく、代表決定戦には相応しい曲だが、なんと5人のうち「ruin」選手を除いた4人がフルコンボを決めるという結果に。しかも、5人のスコアも3,515ポイントから3,520ポイントの間に入っているため、何が起きてもおかしくない状態だ。

 そんな状況の中で選ばれた2曲目は「ワールズエンド・ダンスホール」。レベル30だがそれほど難しくないため、もしかすると“ALL PERFECT!!”を取れないと負けてしまうかもしれないというのが社氏の見立てだ。果たしてその言葉通り、「たくあん」選手と「ruin」選手が“ALL PERFECT!!”、「みどつき」選手と「HPS」選手がフルコンボを決めるも、合計スコアは「たくあん」選手6,652ポイントで「みどつき」選手が6,651ポイントと、1ポイント差で逃げ切っての決勝進出を果たした。

フルコンボとAPを決めて、決勝進出を決めた「たくあん」選手

決勝戦に合わせて登場した新規楽曲は、あの「ロストワンの号哭」!

 「三田皓介」選手と「たくあん」選手の2人が、ついに辿り着いた決勝戦。

 心境を聞かれた「三田皓介」選手は「ここまで来られるとは思っていなかった。昨日今日と調子が良くなくて無理だと思ったが、いい流れが来ているのでこのままいきたい」と答え、「たくあん」選手は「前回大会で予選敗退という悔しい思いをしたので、それをバネに勝ち上がってきました。実力を出し切るしかない」とコメントした。

 なお2人が戦う決勝戦では、これまでとは異なる楽曲選択方法が採用されている。1曲目は決定済みで、「六兆年と一夜物語」と公開されていたのだが、2曲目は試合開始直前まで明かされない新曲。そのため、2曲目へのリスクを減らすためにも、1曲目でどれだけスコアを稼ぐかが重要になってくるのだ。

 そんな1曲目が始まると、中盤までは確実にコンボを繋げていく2人だったが、終盤にさしかかったところで「三田皓介」選手がコンボを途切れさせてしまう痛恨のミスを犯してしまう。それでも、それ以外では動揺をすることもなく冷静に処理し、最終スコアは「三田皓介」選手3,848ポイント対「たくあん」選手3,853ポイントと、わずか5ポイント差で2曲目に突入となった。

 そして、ここで満を持して発表された新曲は、YouTubeでの再生回数が半端ないという「ロストワンの号哭」でレベルは32。当然ながら2人とも初見プレイなので、ここから先は体に溜まった経験値がものをいうだろうと社氏。いざ曲がスタートすると、面白いことに2人ともほぼ同じタイミングでコンボを途切れさせてしまう。ノーツ制作側にとっては、してやったりなのかもしれない。

【Neru - ロストワンの号哭(Lost One's Weeping) feat. Kagamine Rin】
VOCALOID「鏡音リン」を用いてNeru氏が手掛けた楽曲「ロストワンの号哭」は本稿執筆時点でYouTubeの再生回数2,600万回を超える

 楽曲終了後、始めて譜面を見た社氏は細かい縦連が多いこと、終盤にノーツの大きさが変わってきて、プレーヤーを倒しにきているなと思ったことを挙げつつも、初見プレイで2人があそこまで対応できていたのが凄いと大絶賛だった。

 すべてが終わり最終スコア発表の瞬間、ステージ中央のモニタに映し出された数字は「三田皓介」選手7,298ポイント対「たくあん」選手7,311ポイントで、結果13ポイント差で今大会優勝者は「たくあん」選手となり、優勝賞金100万円とゲーム内称号をゲットしたのだった。

激戦を制し、見事優勝した「たくあん」選手には、中島さんより賞金100万円のプレートが手渡された

 イベント終了後には、優勝者の「たくあん」選手と準優勝の「三田皓介」選手のインタビューが行なわれた。

 「たくあん」選手は1日2時間以上はプレイしていたほか、課題曲はまんべんなく練習し、その中で結果がイマイチだったものに関しては繰り返し挑戦したとのこと。「プロジェクトセカイ」に関しては、リズムゲーム初心者から上級者まで誰もが楽しめるだけでなく、キャラクターやストーリーにも魅力があるので、ぜひ推しを作ってほしいとコメントしてくれた。

 「三田皓介」選手は今日を振り返ってみて、見せ場を作り盛りあげられたものの、やはり悔しいので再びこの場に戻ってきて、次こそは優勝を狙うと宣言。そして、「プロジェクトセカイ」には音楽ゲームとしての部分だけでなく、今回のイベントのように人が集まれる場があったりとさまざまな魅力が入っているので、そういった部分を含めてユーザーさんには全部を堪能して欲しいと述べた。

決勝戦で激しい戦いを繰り広げた「たくあん」選手(右)と「三田皓介」選手(左)