【特別企画】

高リフレッシュレートが3D酔いに効くのは本当なのか?360Hzのゲーミングモニター「Predator X25」でFPSやっても頭痛に悩まされない世界を体験した

2月25日 発売予定

価格:オープン

想定価格:100,000円(税込)前後

 日本エイサーは2月18日、リフレッシュレート360Hz対応ゲーミングモニター「Predator X25」(型番:X25bmiiprzx)を発表した。リフレッシュレート360Hzとは秒間360回の画面更新を意味し、2021年2月現在トップタイの描画速度となる。国内展開が2月25日よりスタートする予定の本商品を試す機会を頂戴したので、本稿を360Hzのゲーミング体験レポートとしてお届けしたい。

 今回検証には、Valve開発の競技系FPSとして名高い「Counter-Strike: Global Offensive」(以下、CS:GO)を用いた。なぜ「CS:GO」をチョイスしたかというと、筆者は3D酔いに弱い部類の人間で、同作を初プレイした際には30分程度で頭痛を催してしまった経験がある。3D酔いの一因として画面のちらつきや残像感というものも関連しており、高リフレッシュレートの恩恵はこうした肉体的負荷の低減につながる説もある。というわけで、テキストではその効果を適切に伝えることが難しいお題に自身の3D酔い具合を指標として用いる。

【PREDATOR X25 360hz ゲーミングモニター X25bmiiprzx】

機能面の充実が嬉しい高性能ゲーミングモニター

 まずは「Predator X25」について簡単に紹介しておこう。画面サイズは24.5型で、対応解像度は最大1,920x1,080のフルHDとなる。パネルはIPS方式を採用し、オーバードライブ時の応答速度は最小0.3ミリ秒(GTG)。リフレッシュレートは前述の通り最大360Hzに対応する。

【「Predator X25」製品仕様】
型番X25bmiiprzx
パネルサイズ24.5型 ワイド
液晶パネル方式IPSパネル搭載、非光沢
表示領域543×302mm
最大解像度フルHD(1920×1080)、16:9
画素ピッチ0.28mm
表示色約1670万色
色再現性sRGB 99%、Delta E<1
High Dynamic RangeVESA DisplayHDR 400
可視角度水平178° / 垂直178°
輝度400cd/㎡、HDR400モード時:400cd/㎡(白色LED)
コントラスト比最大:-、通常:1,000:1
応答速度1ms(GTG)/0.3ms(GTG,Min.)※Over Drive時
G-Sync、FreeSyncG-Sync対応
入力周波数水平:30-466kHz(DisplayPort)、30-291kHz(HDMI)
垂直:24-360Hz(DisplayPort)、24-240Hz(HDMI)
入力信号デジタル
入力端子DisplayPort v1.4×1、HDMI 2.0×2
音声入力端子非搭載
ヘッドホン端子搭載
その他の接続端子USB 3.2 ポート(Type-A、Gen1、最大5Gbps)×3、USB 2.0 ポート×1(1up 4down)
スピーカー2W+2Wステレオスピーカー
角度・高さ調整チルト角:上25° / 下5°
スイーベル機能:右20° / 左20°
高さ調整機能:最大115mm
ピボット機能:時計回り90°/ 反時計回り90°
VESAマウント100×100mm対応
寸法(WxHxD)約557 x 411-507 x 236 mm
重量スタンドあり: 約5.88kg、スタンドなし: 約3.83kg
主な付属品HDMIケーブル(1.5m)、DisplayPortケーブル(1.5m)、USBケーブル(1.5m)、ACケーブル(1.5m)、ACアダプター、クイックガイド、台座、支柱、保証書、修理依頼書、色差成績書
保証3年(パネル・バックライトユニットは1年)
「Predator X25」正面
ベゼルは左右上部が約1mmの狭額タイプ
専用スタンドは根元部分にスイーベル(水平回転)軸を搭載。左右45度程度が可動範囲となる
専用スタンドの昇降機能は最大115mmまで対応
専用スタンドのモニター接続部にチルト(上下角度調節)軸を搭載。上25度、下5度までスイングできる。同じくピボット(垂直回転)も備えており時計/反時計回りで各90度回転できる

 高リフレッシュレートこそ本機最大の魅力であるものの、HDR規格は「Display HDR 400」に対応しており、高リフレッシュレートを重視しないゲームでの映像表現においても納得の性能を持つ。

 さらに、NVIDIAの新技術「NVIDIA Reflex Latency Analyzer」への対応も目玉の一つだ。本機能は、「Predator X25」のような一部のハイエンドモニターとNVIDIA GeForce RTXシリーズを搭載したPC、対応マウスを組み合わせることで、マウス操作のレイテンシ(マウス操作から画面に反映されるまでの遅延時間)を計測できるというものだ。更に対応タイトルであれば「NVIDIA Reflex」の機能でレイテンシを低減することもできる。対応タイトルや対応デバイスは順次拡大中で、NVIDIAのホームページで公開されている。

 機能面では、Acer独自のセンサー系機能が充実している。モニター周辺の光量をセンサーで検知しディスプレイの輝度を自動調整するLightSense、室内とディスプレイの色温度と明るさのギャップを自動調整するColorSenseを備える。これらによって、使用環境を問わず一定の映像表現ができる点はゲーマーにとって心強く、特に競技シーンでの活用においては力を発揮するだろう。競技シーンへの展開としては、日本エイサーが協賛する「PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS」(PUBG)の国内トーナメント「PUBG JAPAN CHALLENGE」の推奨ゲーミングモニターになるという。

 そのほか、人感センサーで検知した利用時間からユーザーに休憩を促すメッセージを表示するProxiSenseも搭載。席を立つと自動的に省電力モードに移行することもできる。また本体背面を囲むようにはゲーミングモデルならではの大型LEDを備えているが、単純なドレスアップだけでなくAdaptiveLightと呼ばれる機能で活用される。周囲の明るさをセンサーが検知して、部屋が暗くなると本体背面ライトが自動的に点灯し、明るくなると消灯。これにより環境光との明るさのギャップを抑え、まぶしさや目の疲れを防ぐことができる。

「Predator X25」背面。背面を四角形に囲う白帯部分がLEDでスタンド上部のPredatorロゴは発光しない
背面LEDの発光色や発光パターンは細かく設定でき、単色で発光させたりイルミネーションさせることもできる
スタンド下部にはケーブルホールが開口。上部には折りたたみ式のヘッドフォンホルダーを備え、ワンタッチで展開できる。スタンドとモニターの接続はドライバーレスのスライドスイッチ方式を採用しており開梱後すぐに設置できる
入力はモニター本体裏面下部に備える。左からHDMI 1(2.0)、HDMI 2(2.0)、DisPlayPort(1.4)、電源ジャック、USB出力、USB 3.0入力(青)、「NVIDIA Reflex Latency Analyzer」用USB 2.0入力(赤)
本体左側にもUSB 3.0ポートを2基備える
電源スイッチとOSD操作用スイッチは本体右側裏面に備える。最上部のスイッチが電源。最下部のスティックと3つのスイッチで入力切り替えやプリセットの変更、OSD操作ができる。
画面の調整はOSDから行なう。部屋の明るさによって画面輝度を変える機能は「自動輝度」で切り替えられた
部屋の照明具合によって画面の色合いを調節する機能もオン/オフを切り替えられる
「NVIDIA G-Sync」と「NVIDIA Reflex Latency Analyzer」用の専用メニュー
画面端にリフレッシュレートをリアルタイム表示する機能や画面中央に照準点(レティクル)を表示する補助機能も搭載

 総じて「Predator X25」のスペックは、最速のリフレッシュレートを軸として一点突破ではなく最新のゲーミングモニターとして必要な要素を兼ね備えたものとなる。特に機能面での充実が競合製品に対するアピールポイントと言える部分だ。