【特別企画】

かわいい衣装と多彩な能力!不思議な心象世界を駆け巡る「バランワンダーワールド」体験版先行プレイレポート

3月26日 発売予定

価格:7,678円(税込)

 スクウェア・エニックスが3月26日に発売予定のプレイステーション 5/プレイステーション 4/Nintendo Switch/Xbox Series X|S/Xbox One/PC(Steam)用ワンダーアクション「バランワンダーワールド」。

 本作は舞台ミュージカルをモチーフとした3Dアクションゲームで、舞台は人々の心の中にあるポジティブやネガティブが入り混じった不思議な心象世界「ワンダーワールド」。主人公となる2人レオ・クレイグ(男の子)あるいはエマ・コール(女の子)は2人とも心に傷を受けており、どこか寂しげな面持ちをしている。そんな2人が謎のマエストロ「バラン」と出会い、「こころのかけら」を探しに不思議な心象世界を冒険していくことになる。バランはかなりテンションも高く、人との距離も近いキャラクターだ。

 本作において特徴的なのは、本作の冒頭にある主人公の悩みは、各章では明かされることがないと言うところ。言葉もあまりない世界だが、プレイを進めることで不思議といろいろなものが”見えて”くる。こころという複雑な言葉では言い表すことのできないものを、ミュージカルという力を借りて、巧妙かつポップに描いている。また、作中に登場する様々な「衣装」に着替えることでアクションの幅が広がり、どんどんデキることが増えていくというアクションとしての面白さもある。

 今回は1月28日0時より配信予定の体験版を先行してプレイすることができた。体験版ではゲーム序章の第1章「嵐と戦う男」第1ステージ&第2ステージと、第4章「風になりたい少年」、第6章「仔猫と少女」の第1ステージが開放されており、「バランワンダーワールド」の世界の一端を味わうことができる。本稿ではその体験と魅力について紹介する。

【4月16日追記】 体験版の配信は4月14日23時59分(Steam版のみ4月16日2時)に終了となった。

謎のマエストロ「バラン」
本作主人公の「レオ・クレイグ」
本作主人公の「エマ・コール」
【バランワンダーワールド スペクタクルトレーラー】

様々な能力を使って不思議なステージを駆け巡る

 本作で、主人公たちはバランに不思議な場所に連れていかれる。青空の下にぽっかりと浮かんだ「ティムズエリア」と呼ばれる小さな島だ。ティムズエリアの外周にはステージ内のアイテム「バランスタチュー」を集めると小さな島が浮かんでくる。この小さな島々が、各ダンジョンへの入り口となる。プレーヤーは「ティムズエリア」と各章の物語を行ったり来たりしながら、困っている住人を助けて「こころのかけら」を集め、そして、ダンジョンの各ステージから持ち帰ったドロップで「ティムズエリア」を発展させていくこととなる。

 本作では各章に物語の「タイトル」が付けられており、「タイトル」になぞらえたステージが再現されている。例えば今回体験した第1章「嵐と戦う男」はとうもろこし農園をモチーフとしたステージとなっているが、遠くに空に浮ぶ島が見えたり、ステージ自体がすり鉢のように湾曲していたりと、とても普通の農園とは思えない場所だ。各ステージではミュージカルで流れているような音楽が流れ、住人達もその音楽に合わせて踊っている。しかし近づくと住人は消えてしまい触ったり会話をすることはできない。そんな不思議な世界に急に放り込まれるので、最初は少し戸惑う。

ステージの入り口は重厚感のある劇場の入り口
初めてのステージは右も左もよくわからない

 基本的にプレーヤーは素のままだとジャンプすることしかできない。しかし、「ワンダーワールド」の住人の「衣装」を身に纏うことで、その不思議な「能力」を借りることができる。この衣装の能力がステージ攻略に欠かせないものになっているほか、様々な衣装の能力を駆使することで、できることが増えていく。

 主人公が辿り着いた「ワンダーワールド」にはたくさんの特性を持った住人たちがいる。竜巻を身にまとって攻撃する「トルネードウルフ」、より遠くへ飛んでいける「ジャンピングジャック」、丸まって空中に浮くことができる「ソアリンシープ」など80種類にも及ぶ能力をもった住人がいる。そんな様々な能力が使える衣装をたくさん集めることによってプレーヤーの行動範囲も広がっていく。というのも、各ステージには隠されたドロップや、特定の衣装を使わないと進めない場所がいくつもあるのだ。また、現在のステージにある衣装では進むことが不可能な場所も存在している。物語を進めてたくさんの衣装を見つければ見つけるほど、同じステージでも見られる景色がどんどん増えていくことになる。

 また、能力を使う際にはそれぞれの住人のチカラが込められた衣装を纏うのだが、この衣装が大変かわいらしい。舞台ミュージカルをモチーフにしているということもあり、非常にポップでキュートだ。

「衣装」を着た姿はとてもかわいい
竜巻をまとう「トルネードウルフ」
遠くに飛んでいける「ジャンピングジャック」
空中に浮く「ソリアンシープ」
ほかにも衣装がたくさん

 衣装を手に入れるには、まず「コスチュームボックス」を見つけて開ける必要がある。そのためには鍵が必要となるが、鍵はステージ上のどこかにあり、一定の期間を開けると同じ場所にまた鍵が出現する。

 そうしてコスチュームボックスから入手した衣装は最大3つまで持つことができ、それを超過した場合は衣装の右端から順番に仕舞われていく。仕舞われた衣装は各ステージのチェックポイントにあるクローゼットで持ち変えることが可能だ。また、各ステージで集めた衣装は別のステージでも使うことができる。持っている3つの衣装はステージ上で自由に着替えることができるので、目的やステージに合わせて衣装を組み合わせるもの楽しい。

コスチュームボックスには鍵がかかっている
同時に持てる衣装は3つまで
チェックポイントにあるクローゼットで衣装を持ち替えることも可能
衣装を纏った姿はとても愛らしい

 本作では同じステージであっても、着ている衣装の能力によって高い場所に登れる、遠くへ飛んで行く、歯車を回して仕掛けを解く、などして進める場所やその方法が異なる。何度そのステージに挑戦しても目新しさがあり、見える景色も違う。また、今の段階ではいけないルートを見つけたときに、この先に行くための衣装を探したい!という思いも出てきて、他のステージでのモチベーションアップにも繋がってどんどん楽しみが増えていく。むしろ2周目3周目と周回するごとに新しい発見もあり、衣装を変えるだけで、同じステージでも何度でも楽しむことができる。1つのステージの中にたくさんの可能性があるのでいろいろ見つけて、考えて楽しむことができるのだ。

 なお、敵の攻撃を受けたり、落下してしまうとその時に着ていた衣装を失ってしまうが、前回手に入れた衣装の場所に戻ったり、ステージを先に進んでも要所要所に衣装が置いてあるので、「鍵」さえ忘れずに持っていれば手に入れることができる。

奥に見える足場は手持ちの衣装では進めないが、きっと解決するためのものがあるはずだ

 ステージ上には衣装のほかにもアイテムが存在しており、なかでも「バランスタチュー」という「バラン」の形をした金の像がいくつも隠されている。この「バランスタチュー」を集めることにより新しい物語のステージが解放されていくので、これらを探す楽しみもある。とにかく3Dフィールドを探索するのが楽しいタイトルだと言える。

ステージの至る所にある「バランスタチュー」
「バランスタチュー」を集めると新しい物語が解放される

 ほかにも金色のシルクハットのモニュメントもあり、こちらを見つけると「バランチャレンジ」というミニゲームをプレイすることができる。ミニゲームの内容はシルエットに合わせてバランの動きをタイミングよく合わせるというもので、そのタイミングによって「Miss」や「Good」などの判定がなされ、総合でランクづけされる。総合ランクによって現在所持しているドロップの数が倍になったり、「バランスタチュー」をもらうことができる。

 バランチャレンジのほかにもミニゲームが存在しており、なかにはサッカー版ストラックアウトにチャレンジして、射貫いたスコアに合わせてドロップがもらえるミニゲームなどもあるので、ぜひ探してみてほしい。

ミニゲーム「バランチャレンジ」は金のシルクハットが目印
シルエットと動きをタイミングよく合わせよう
総合ランクでドロップやバランスタチューがもらえる
ほかにもミニゲームがある

 さらに第1章の各ステージをクリアすると、最後にダンジョンのボスと戦うことになる。ボスはネガティブな気持ちに飲み込まれてしまった各章の住人であり、物語の主人公だ。ボス戦では今までに手に入れた衣装を駆使して、ボスの攻撃を避けたり、ボスにダメージを与えることができる。ボスの倒し方も衣装によって異なるのでいろいろと試してみてほしい。

第1章のボス戦、今までに手に入れた衣装を駆使して戦おう

 ボス戦を終えると、正気を取り戻した物語の登場人物とともに主人公やステージの住人たちが歌い踊る、お祝いのミュージカルが繰り広げられる。今回は第1章のミュージカルしか見ることができなかったが、農園が舞台の物語なので、太陽の下で踊っている姿はポップなダンスでありながらも、どこか力強い。各章ごとに物語の題材が異なるので他の章のミュージカルも気になるところだ。

ボス戦をクリアするとみんなで踊って歌ってお祝いしてくれる

ステージにあるアイテムを持ち帰ってティムズエリアを成長させよう

 プレーヤーが各章へ向かうための拠点となる「ティムズエリア」ははじめこそ何もない草原が広がっている。しかし、プレーヤーが各ステージで集めたアイテムでどんどん成長して変化していく。

最初のティムズエリアはなにもないただの草原

 成長に必要なアイテムは2つあり、まず1つはドロップだ。各章のステージには黄色や赤などの色がついたドロップが至る所に置かれている。ドロップは集めてティムズエリアに持ち帰ると、各色の花畑に置くことができる。ドロップを置くと「ティム」たちがそのドロップを食べて成長していく。

 「ティム」はストーリーの最初にバランが主人公たちに手渡した、謎のひよこのような、うさぎのような不思議な生き物だ。生態は良くわからないが、各ステージにプレーヤーの後ろからついてくる。色によって性格が異なるようで赤はステージにいる敵を攻撃してくれる「攻撃型」、ピンクはステージに隠れているアイテムを見つけてプレーヤーのところまで運んでくれる「探索型」などいろいろとプレーヤーをサポートしてくれる、いわば相棒のような存在だ。

ステージにたくさんあるドロップ
花畑にあつめたドロップを置いて「ティム」にあげる
後ろをついてくる「ティム」がかわいい

 また、「ティム」にドロップを与えるとティムズエリアも成長していく。ティムズエリアの中心部にはカウンターがあり一定数ごとにティムズエリアに「ティム」の遊具が作られていく。最初はだだっ広かったティムズエリアもだんだんと建造物が増えてにぎやかになってきて、見てわかる変化を遂げていくので楽しい。

何もなかったティムズエリアもどんどん変わっていく

 もう1つのアイテムがたまごだ。「ティム」を増やすにはステージ上にあるたまごを持ち帰る必要がある。このたまごをティムズエリアに持ち帰るとたまごから「ティム」が生まれてくる。ステージで見つけたらぜひ持ち帰って「ティム」をどんどん増やしてほしい。卵を拾って「ティム」を育てて、そしてティムズエリアも発展するという循環になっているので、ドロップとたまごどちらも欠かせないアイテムだ。ティムズエリアが発展して、沢山のティムたちが遊具で遊んでいる姿を見るのは非常にかわいくて癒された。

ステージのどこかに落ちているたまご

本作でしか絶対にできない体験と感覚

 今回体験して感じたのは、必要以上に言葉がないからこそ、プレーヤーにいろんな可能性を示してくれているゲームだと感じた。世界観もさることながら、ステージをよく見て回ると他のステージで見たことのあるものがあったり、発想力を求められることも多いので考えながらプレイすると達成感も大きいゲームだ。

 なお、今回はNintendo Switchでのプレイだったが、PS5版ではより高精細な4K解像度に対応するほか、アダプティブトリガーにも対応。衣装の能力を切り替えるたびそれぞれボタンの感覚が変化する、といったPS5の機能を活用した”感触”でもプレイを楽しめるという。

【PS5版のスクリーンショット】

 今回体験できたのはほんの序盤ではあるが、これだけでもほかにもどんな能力の衣装があるのかとても楽しみになった。ステージももっと他に行けそうなところがたくさんあるので、体験版だけでもじっくりと遊べそうな気がする。ちなみに今回は1人でのプレイだったが、体験版ではそれぞれレオ、エマを操作する2人プレイにも対応している。

 「ミュージカル」と「3Dアクション」という組み合わせによる体験したことのない世界感。そして衣装によるプレイの幅の広がりは、ほかの衣装も試してみたくてとにかく製品版の発売が待ち遠しい。この不思議な世界は独特の体験をさせてくれるので、まずは是非とも体験版をプレイして感じてみてほしい。