【特別企画】
シリーズ完全新作「GUILTY GEAR -STRIVE-」プレイレポート!
新たな次元へと進化した、新生「GUILTY GEAR」を最速体験!!
2019年11月18日 18:00
- 2020年秋以降発売
世界中の格闘ゲームファンが待望しているシリーズ完全新作の「GUILTY GEAR -STRIVE-」が、アークシステムワークスより、2020年にプレイステーション 4で発売予定となっている。
先日放送された「あーくなまSP」では新プレイアブルキャラクターの「チップ・ザナフ」と「ポチョムキン」の発表、そして全く新しく生まれ変わったバトルシステムが初お披露目となり、大きな話題となった。
11月16日と17日に開催された海外大会「ARCREVO America 2019」では本作の最速試遊が行なわれた。シリーズのファンとしては最新作をいち早く触れる海外のユーザーが羨ましい限りだったが、なんとこの度アークシステムワークス本社にて、ARCREVO America 2019と同じ仕様の体験版をプレイする機会に恵まれた。
「GUILTY GEAR -STRIVE-」を実際にプレイしてみてどのようなゲーム性に変わったのか、その手触りをお届けしたいと思う。
限界知らずのハイクオリティな映像力、削ぎ落とすことで洗練された新たなバトルを体感
前作「GUILTY GEAR Xrd(以下Xrd)」シリーズより、キャラクターが2Dからアニメ調の3Dモデリングになり、グラフィックスの面で大きな進化を見せた。その映像を見たとき、アニメ寄りの映像としては最高峰レベル――もはやこれ以上は頭打ちだろうと正直思っていた。しかし「GUILTY GEAR -STRIVE-」は、そんな予想を遥かに越えるクオリティで、限界の壁をぶっ壊していた。
実機での映像を見るのは当然ながら初だが、試合前のキャラクター登場演出からその凄さは伝わってきた。わずか2秒の演出の中に、髪の毛や表情の動きから、瞳の動きに至るまで細部にわたるアニメーションが詰め込まれている。
アニメーションもさることながら、映像の見せ方もかなりのこだわりを感じた。ステージの明るさによってキャラクターへの光の当たり方や、影のでき方まで調整されているのだ。演出中だけではなく、縦横無尽に動き回るゲーム中でも例外ではないのが驚きだ。
映像力に圧倒されっぱなしであったが、ここからは肝心なゲーム部分に触れていこう。まずは全体的なゲームスピードだが、「Xrd」のときよりも大分緩やかになっていると感じた。前作までのスピーディーで目まぐるしかった試合展開が、今作では幾分追いやすくなっている。
そして、ゲームスピードよりもさらに大きな変化を感じたのが「GG」の代名詞でもある「ガトリングコンビネーション」だ。「あーくなま」でも公表されていたので情報としてはわかっていたのだが、いざ触ってみると攻撃後の硬直などがあり、かなり繋がりにくくなっている様子。
以前までなら通常攻撃始動で長いコンボまで運ぶことができたのだが、今作では「スラッシュ」→「スラッシュ」→「必殺技」や、「スラッシュ」→「ハイスラッシュ」→「必殺技」程度しか基本は繋がらないようになっている。熱心なファンが多い「GG」で、これまでのシリーズで培ってきたものをリセットするという作りは、かなり挑戦的だ。
これだけ聞くとコンボ重視のゲーム性ではなくなったように思えるかもしれないが、実のところそんなことはない。今作では画面端の攻防がかなり重要で、中央では繋がらない攻撃も画面端ではガンガン叩き込むことができるのだ。基本コンボは短くしてゲームの敷居を低くしながらも、プレーヤーの腕や試合の運び方次第では長いコンボもできるという奥深さがある。
発表されてから注目を集めている、戦闘中にエリアが変わるシステムも体感できた。画面端で攻撃を連続的にヒットさせると相手を壁張り付け状態にすることができる。壁に張り付いている状態は無防備となり、そこでさらなる追撃を決めると壁が壊れ、隣のエリアに吹っ飛ばすことができる。ただエリアが変わるだけではなく、テンションゲージの上昇や攻撃力の上昇など、吹っ飛ばした側のメリットも大きく、戦況を大きく左右しそうだ。
定番システムである「ロマンキャンセル」も少し変更が加えられた。技の硬直をキャンセルさせるのは従来通りだが、今作からはロマンキャンセル発動時にキャラの周りに円が出現する。円に相手が触れたら動きをスローにして追撃を決めることができる。さらに、ガード中にロマンキャンセルを発動することも可能になり、相手に攻め込まれているときに使えば猛攻から脱出することができる。攻めと守り、どちらの面でも重要なシステムとなっている。
【攻防を熱くさせるロマンキャンセル】
これまで、通常の空中ガードでは地上技をガードすることができなかったが、今作では「フォルトレスディフェンス」を使わなくても普通にガードができるようになった。しかし、防御面がただ楽になっただけではない。相手の攻撃をガードすると溜まっていく、新要素の「リスクレベル」というゲージが空中ガードをすることで大幅に上昇する。リスクレベルが最大まで溜まってしまうと、受けるダメージが増加するという危険な状態になってしまう。
このリスクレベルが思いの外溜まりやすく、パワータイプのハイスラッシュなどをガードすると一撃でゴッソリと溜まってしまう。全体的に火力の高いゲームバランスなので、リスクゲージがMAXになってしまうとまさに絶望的だ。対処法としてはフォルトレスディフェンスを使えばリスクレベルの上昇を抑えることができる。リスクレベルの管理が本作の試合展開のカギを握りそうだ。
個性豊かな6キャラクターに迫る
キャラクターの手触りについても紹介していこう。今回使用可能だったキャラクターは「ソル」、「カイ」、「アクセル」、「メイ」、「チップ」、「ポチョムキン」の6キャラクター。キャラクターセレクト画面では、「バランス」、「スピード」、「パワー」、「トリッキー」などのキャラクタータイプと、扱いやすさの目安が表示されており、パッと見でキャラクターの特徴が把握できるようになっている。
はじめに、主人公のソルは過去作同様、初心者でも使いやすい近距離戦向きのキャラクターとなっている。発生の早い牽制技の「ガンフレイム」や対空技の「ヴォルカニックヴァイパー」、そして突進技の「バンディットリヴォルバー」など、主人公らしい使いやすい必殺技が揃っている。
これまでもガン攻めが強く、相手を押し込んでいけばいくほど強いキャラクターだったが、本作は特に画面端が強いゲームバランスなので、これまで以上に大暴れができそうだ。
次に紹介するカイは、ソル同様のバランスタイプのキャラクター。ソルよりも全体的にマイルドな性能となっているので、もっとも初心者向けのキャラクターといえるだろう。飛び道具、対空技、突進技と、過去作同様に手堅い必殺技が備わっている。
カイの特徴は一部の攻撃をヒットさせると、相手を帯電状態にさせることができる。帯電中は削りのダメージが増加するので、相手を固めるとかなり有効である。
先日発表されたチップはスピードタイプということで、動かしていてとても疾走感のあるキャラクターだ。手数やスピードで相手を翻弄する戦い方が軸となる。今作からは忍者らしさに磨きがかかり、壁走りの追加や、突進技の「αブレード」は追加入力で縦横無尽に飛び回りながらの追撃を決めることができる。
他と比べてやや体力が少なく、操作も少しクセの強いが、使いこなしたらかなり強力なキャラクターだろう。
今作からビジュアルが大きく変わったことで話題となったメイは、初心者向けのパワーファイター。開発者によると今作のメイは、これまでのシリーズの中でもっとも簡単で使いやすいバランスになっているという。海の仲間を呼んで繰り出す多彩な必殺技や、強力なハイスラッシュなどが強味。画面端ではワンコンボでなんと4割以上の体力を奪えるという、見た目に反して驚異の火力を持っているのだ。
超重量級のポチョムキンは、メイと同様のパワータイプのキャラクターだが戦い方は大きく異なり、如何に相手に近づいて強力な投げ技を決めるかがカギになる。ダッシュができないという弱点はあるが、底なしの体力と相手の攻撃を食らっても怯まないアーマー性能を駆使して、ジリジリと距離を詰めていく立ち回りになる。
ポチョムキンの攻撃は相手のリスクレベルを大幅に上昇させることができるので、リスクゲージをMAXにして一撃必殺級のダメージで相手をねじ伏せることができる。
最後はトリッキータイプのアクセル。パワータイプのキャラクターとは対極の性能。リーチの長い攻撃を活かして、相手を近づけずに戦術がセオリーとなる。鎖鎌を伸ばす通常攻撃が発生の早さとリーチの長さでかなりの牽制力がある。そして、鎖鎌を地に這わせて後ろから奇襲する必殺技も強力だ。画面端から鎖鎌が襲ってくるので、相手が画面端にいるほど不意を突くことができる。
相手に押し込まれると切り返すのがなかなかに難しいキャラクターだが、ターンを握ってしまえば一方的に攻め続けることができる面白いキャラクターだ。
今回は1時間ほどプレイしたが、時間は本当にあっという間に過ぎていった。これまでの「GG」とは全く違う手触りなうえ、かなり奥深いゲームバランスになっていたこともあり、1時間程度では本作の表面部分にしか触れることができなかった。正直、まだまだ試したいことが山ほどあるので、2020年に行なわれる予定のクローズドβテストに参加できたらじっくりプレイしたいと思う。
今作からの1ボタンダッシュの追加や、短くお手軽になったコンボで体力をゴリゴリ削れる痛快さ、そしてド派手な必殺技演出など、格闘ゲーム初心者でも楽しめるようかなり研究されているのが随所に感じられた。
初心者向けにとことんシンプルなゲーム内容にするのは簡単だが、そうではないのが本作の凄いところ。初心者が入りやすい敷居に下げつつも、これまでのファンが納得できるような格闘ゲームとしての奥深さを残した絶妙なゲームバランスになっている。格闘ゲームを長年開発し続けてきたアークシステムワークスだからこそなせる業だろう。
筆者としては、この体験版の時点ですでに完成された面白さがあったが、開発者に完成度を伺ったところ「本来ならば現状の段階ではまだお見せすべきクオリティには到達していない」という驚きの返答が返ってきた。完成品は体験版とは全く別物レベルの高いクオリティに仕上げるとのこと。まさに狂気的なまでの熱意と技術で開発されている「GUILTY GEAR -STRIVE-」。果たして、ユーザーの元に届く頃にはどんな仕上がりになっているのか楽しみで仕方がない。