C&Cメディア、「タルタロス」開発&運営スタッフインタビュー
1周年を迎えて、今後の実装やシーズン2の予定を先出し!


1月13日 収録

シーアンドシーメディア本社


12月に実装されたばかりの「アルニカ修道院」

 株式会社シーアンドシーメディアがサービスしているWindows用MORPG「TARTAROS -タルタロス-」は、2011年1月27日にサービス開始から1周年を迎える。「タルタロス」はキャラクター性を前面に押し出したアクション性の高いMORPG。完結するストーリーを持っているのが特徴で、家庭用ゲームのように1人でストーリーを楽しむこともできるし、チームで遊ぶハイエンドコンテンツ「エターナルダンジョン」や「コロシアム」というGvGコンテンツで対人戦や集団戦を楽しむこともできる。

 現在、公式ページでは1周年記念を祝う様々なキャンペーンが開催されている。そんな中、1周年に合わせて開発元である韓国INTIV SOFTの代表取締役社長イ・ジュウォン氏とプロジェクトマネージャーのイ・ジェグォン氏が来日し、「タルタロス」の今後について話を聞くことができた。同時に、シーアンドシーメディアの「タルタロス」運営プロデューサー曽根光太郎氏からも、日本でのキャンペーン展開予定などを聞いてきた。

 現在「シーズン1」のストーリーがクライマックスに向けて進行中だが、その後に続く「シーズン2」の予定や、近々実装予定の新成長システム「フェーズ・システム」など「タルタロス」の未来像を紹介したい。




■ 「シーズン2」のストーリーは2012年後半からスタートの予定

INTIV SOFTの代表取締役社長イ・ジュウォン氏
シーアンドシーメディア「タルタロス」運営プロデューサー曽根光太郎氏

編: まずは1周年ということで、この1年を振り返っての感想を聞かせてください。

イ・ジュウォン氏: この1年間は開発に集中していたので、1年経ったことにまったく気づいていませんでした。もう1年? と驚きつつ、感謝の気持ちでいっぱいです。いろいろ問題もあったと思いますが、いままでプレイしていただいたプレーヤーさんに感謝しています。「タルタロス」のサービスを始める時にもお祝いのメッセージをたくさんいただいたのですが、1周年にも祝っていただきありがたいと思います。

編: この1年活発なアップデートが続きましたが、当初予定していた通りに進みましたか?

イ氏: 本当に、振り返る暇もなくたくさんのアップデート作業を行なってきました。完璧に計画通りに何もかもできたとは言えませんが、ほとんど計画通りにサービスを始めることができたのは、開発のみんなが頑張れたからだと思います。実はそれほどたくさんアップデートしたとは感じてなかったのですが、1周年の特設ページを見てこんなにアップデートしていたのかと驚きました。

曽根光太郎氏: スタート時に年間のアップデートプランのスケジュールをいただいていました。MOというジャンルの特性上、コンテンツの消化が予想以上に速く、レベルキャップに到達してしまうプレーヤーさんが多く、その部分について予想を上回るスピードで対応していただいたり、エターナルダンジョンのようなエンドコンテンツを追加のアップデートとして実装していただいたりと、当初のプラン以上のものができたのではないかと思います。

編: 夏以降に、エンドコンテンツが色々と実装されましたが、当初の計画ではなかったものなのですか?

イ氏: エターナルダンジョンのようなエンドコンテンツは、サービスを始める段階でシーアンドシーメディアさんから要望があったのです。それに合わせて日程を追加しました。

編: あれは日本からの要望で開発したものなのですか?

曽根氏: INTIV Softさんとお話しをさせていただく中で、必要だと両社が合致したうえで、弊社側から提案と言う形で持っていきました。

編: 現在は「アルニカ修道院」まで入っていますが、今後のストーリーはどうなるのですか?

まだあどけなさの残る、若かりし時代のシュバルマンも登場する

イ氏: シーズン1のエンディングを年内に公開する予定です。これからのストーリー展開としては、主人公キャラクター1人1人の過去に合わせて、ビハインドストーリーを展開していく予定です。

編: どのキャラクターに焦点を当てるのですか?

イ氏: 「アルニカ修道院」まではシュバルマンを中心に展開していましたが、それ以降はアエルロトとイリシアを中心に進めようと思っています。その次はソーマですね。ピンコに関しては最初に出ていますので、プレーヤーさんもわかっていると思います。

編:これまでのストーリーで描き切れなかったので、ぜひこのキャラクターを描きたいという希望はありますか?

イ氏: 特にはありませんが、後で公開するために隠しておいたビハインドストーリーは今までのストーリーの半分くらいの量があります。1人のキャラクターの話を最初から最後まで展開させるとシーズン1のシナリオがが長くなりすぎるというデメリットがあるので、まずはポイントとなるストーリーだけを展開させて、そのキャラクターのストーリー展開で核心となる部分は隠しておいて後でネタとして使おうと思っています。そのためストーリー上で説明が足りない部分があると感じる部分があると思います。そういった部分は、まずはプレーヤーさんに想像してもらうために設定したところでもあります。

編: シーズン2はシーズン1の続きになるのですか?

イ氏: 「オボロス」を集める話は終わって、今度は「エリアデン王国」を中心にストーリーが展開します。

編: シーズン1のように大きな1つのストーリーの中にキャラクターのビハインドストーリーがエピソードとして入っていくのですか?

イ氏: そこに関してはまだ企画と協議の段階で決まってはいないのです。シーズン2はまだ先なので話が細かく決まっているわけではありません。ただシーズン1のように順序だってストーリーが発生するわけではなく、2つ、3つの話が同時に起こったりするような形で今は考えています。


「アルニカ修道院」の登場人物たち

編: 新しいストーリーに合わせて新マップも追加されるのですか?

イ氏: はい。新マップとそれにあわせたレベルキャップの解放もあります。

編: 新マップはどのようなところが見どころになるのでしょうか?

イ氏: やはりストーリーの中心となる「エリアデン王国」のマップが1番の見どころです。

編: これまでのマップや、登場人物が再登場する予定はありますか?

イ氏: シーズン1のストーリーの中で主人公のようなキャラクターなのにもかかわらず、少ししか出番がなかったり、ストーリー中に名前は良く出てくるのに登場しないというキャラクターの中には、シーズン2で中心人物として活躍するものがいます。

プロジェクトマネージャー、イ・ジェグォン氏

編: 今後の実装スケジュールの予定を教えてください。

イ・ジェグォン氏: 今は「アルニカ修道院」の第1部がアップデートされていて、2月に第2部がアップデートされる予定です。その後のシナリオに関しては4月に新しい村のアップデートを予定しています。村のシナリオは4月に入るかどううかはまだ決まっていませんが6月には確実に次のシナリオが入ることになるのではないかと思います。

イ氏: 今年の年内にシーズン1のエンディングがある予定です。エンディングまでにはまだ何度かシナリオのアップデートがある予定です。「フェイズ・システム」もなるべく早く実装する予定です。

編: 今年1年はまだシーズン1が続くのですね。シーズン2はいつから始まるのですか?

イ氏: そうですね。シーズン1もまだストーリーが結構残っていますから。エンディングは1つだけではなく、4つくらいのストーリーがあります。今年の末に1つめのエンディングを公開してそこから順次公開していく予定です。シーズン2に関しては、2012年の末くらいからを考えています。

編: まだずいぶん先なのですね。

イ氏: シーズン2はまだまだ先の話なのですが、こんなに早く話すには理由があります。シーズン1のエンディングが終わると「タルタロス」が終わってしまうのではないかと心配するプレーヤーさんが多かったので、エンディングが終わっても「タルタロス」はまだ続きますよということを認識していただきたかったのです。




■ 今年はプレーヤーの要望の実現やサーバーの安定化、不具合修正に注力

「フェーズ・システム」導入で、キャラクターをより個性的に成長できるようになる

編: 新しいキャラクターの育成システムについて教えてください。

イ氏: よく転職システムと言われますが、「タルタロス」では転職ではなく「フェーズ・システム」と言います。転職とは少し形が違っていて、例えばキャラクターがAタイプの状態でボスと戦っていて、このボスはBタイプのほうが自分にとって有利になると思ったら、戦闘中にでも気軽にBタイプに変えることができるというシステムです。プレーヤーさんがどのようにスキルを構成するかで戦略が変わるシステムなので、プレーヤーさんが戦闘をするために考える要素が増える良いシステムになるのではないかと考えています。このシステムを入れることで、エターナルダンジョンやGvGモードをまた違った方向で楽しめるようになるのではないかと思っています。

編: そのタイプはどういった種類があるのですか?

イ氏: タイプはキャラクターごとに決まっています。それぞれに固有の特性があります。例えばシュバルマンですとAタイプは攻撃力が上昇して、Bタイプは戦えば戦うほど自身の受けるダメージが減っていくという形です。最初は1つのタイプしか使えませんが、レベル61から2つめのタイプが使えるようになり、交換しながら戦うようになります。現在は2段階まで変更可能で、今後どんどん拡張していけるようにシステムを開発しています。

編: タイプを変更するために必要なものはありますか?

イ氏: バランス調整の問題がありますので、特定の条件を満たさなければ選択できないようになっています。条件に関しては、現在チューニング中で、申し訳ないですがまだ具体的にはお話しできません。

編: 「フェイズ・システム」以外に入る予定があるシステムやコンテンツはありますか?

イ氏: 新しいシステムに関しての予定はあります。でも今1番に考えているのはプレーヤーさんの要望をなるべく早くゲーム内に反映させなければならないということです。特にプレーヤーさんからの要望が多い項目、シナリオの再生機能だったり、インベントリの拡張だったり、製作がややこしいのでもっと簡単にして欲しいというものを、先に処理してゲーム内に反映していきたいと思っています。

編: 地盤固めをしていくということですか?

イ氏: 1年を振り返ってみると、システムやストーリーのアップデートに集中していたために、システムに不安定なところがあったり、新システムを入れたことで不具合が起こったりといった部分を素早く修正することができませんでした。そのためプレーヤーさんの不満が高くなったということがあります。今年もできるだけ去年と同じくらいのペースでアップデートしていきたいと思いますが、その内容としてはサーバーの安定化やゲームの安定化に力を入れていく予定です。

編: 日本のプレーヤーからの要望には目を通しているのですか?

イ氏: シーアンドシーメディアさんに、毎月の月例報告やアップデートの後のプレーヤーさんの意見をまとめていただき共有しているので、プレーヤーさんの意見や不満については開発でも認識しています。開発のほうで処理が遅くなってしまったところがあるのですが、プレーヤーさんのクレームを運営で引き受ける形になってしまい、いつも申し訳なく思っています。


2月には「アルニカ修道院」の第2部としてストーリー部分が実装される予定だ




■ ファンとのコミュニケーションのための企画も予定中

日本のファンの意見は、開発側としても注目しているそうだ
現在進行中の1周年キャンペーン。キャラクターの人気投票や、ファンの思い出投稿が行なわれている。なにかビッグなサプライズもあるらしい

編: 韓国や台湾で行なわれているアバターコンテストのようなものを日本でも行なう予定はありますか?

曽根氏: 実は予定をしておりますが、まだいつ行なうかということは決まっていません。今回1周年の特設ページでは、キャンペーンの一環としてプレーヤーさんが考えるサブストーリーを投稿していただいて、みんなで「タルタロス」を盛り上げて行こうという企画を行なっています。デザインコンテストもプレーヤーさんから多数の要望を頂いている状況ですので、ぜひ実施したいと考えています。

編: 「タルタロス」はキャラクターを前面に押し出しているので、ファンアートなどの活動が盛んですが、運営側としてそういった部分をサポートしていく考えはあるのですか?

曽根氏: 11月末から1つの取り組みとして「アテレコしてみたコンテスト」というものを行ないました。ニコニコ動画さんをお借りして、15秒くらいの動画に声をあててもらうものです。総数で4,000くらいの投稿をいただいて非常に盛り上がりました。プレーヤーさんにはキャラクターに愛着をもっていただいていますので、ストーリーの二次創作やイラスト展開なども今後は強化していきたいと考えています。

編: 開発側はそういったプレーヤーのアイデアに興味がありますか?

イ氏: 開発としてもプレーヤーさんのアイデアは非常に興味深いです。実際に台湾で行なったアバターコンテストに優勝したデザインは、ゲーム内に入っています。そう言った部分は最大限反映しようと思っています。

曽根氏: INTIV SOFTさんには日本のプレーヤーさんの意見を最大限取り入れていただけるような環境で取り組んでいただいています。いただいた要望はすべてお伝えしています。もちろんアップデートスケジュールとの兼ね合いはありますが、こういうアバターが欲しいですといったものに関してはあらかじめスケジュールに落とし込んでいただいたりとか、日本のプレーヤーさんのことを優先的に考えていただいたアップデートプランを用意していただいている感じです。

編: 最後にファンへのメッセージをお願いします

イ氏: 2010年という年は開発元としても非常に意味深い年でした。色々なトラブルへの対応や要望にスピーディーに対応できなかったにも関わらず、日本のプレーヤーさんが開発と運営を信じて待っていただき、「タルタロス」を愛していただいていることにとても勇気づけられています。開発は大変ですが、プレーヤーさんのおかげでサービスを続けることができたと思います。本当にありがたいです。

曽根氏: プレーヤーさんからの温かい支援があっての1年だったと思います。アップデートであったり、イベントやキャンペーンであったり、色々な企画も進行して、正直非常にあわただしい1年でした。反面、不具合や、エラーが起きてしまった部分への素早い対応が遅れて、快適な環境を用意することができなかったことについては反省しています。プレーヤーさんから頂いたたくさんのご意見と、運営、開発が三位一体になることで「タルタロス」が成り立つと思っています。2年目を迎えるにあたって、今後も応援をお願いしたいと思っています。

編: ありがとうございました。


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(2011年 1月 21日)

[Reported by 石井聡]