ガマニア、新作MMORPG「DIVINA」運営チームインタビュー
「ダブルキャスト」、「ソウルメイト」など新システム満載のMMORPG


7月21日実施

ガマニアエンターテインメント本社


「DIVINA」のタイトルロゴ

 株式会社ガマニアデジタルエンターテインメントは、7月29日より公開しているティザーサイトの新作タイトルが、Windows用MMORPG「DIVINA」であることを明らかにした。8月10日よりクローズドβテストの募集を予定しており、8月中にもβテストを開始する見込みだ。

 「DIVINA」は同社の人気ゲーム「ルーセントハート」を開発した台湾PlayCooのMMORPG第2弾。最大の特徴である、1人のキャラクターで2つのクラスを同時に覚える「ダブルキャスト」システムをはじめ、可愛らしい相棒「ソウルメイト」や、モンスターに変身できるシステムなど豊富な遊び要素が盛り込まれている。

 本作は、ステージの中に日本神話をモチーフにしたものがあったり、「クラリス」という重要なNPCの立ち絵を日本のイラストレーターが手掛けていたりと、開発段階から日本市場を強く意識しているのが特徴だ。

 今回、マーケティング部セクションマネージャー代理の島嵜直樹氏と、「DIVINA」ディレクターの稲川義章氏に話を聞くことができた。「DIVINA」の特徴的なシステムや、本作の魅力について細かい所まで語ってもらった。




■ 開発段階から日本市場を重視した台湾産オンラインゲーム

オンライン事業部セクションマネージャー代理の島嵜直樹氏
「DIVINA」ディレクターの稲川義章氏

編集部: 「DIVINA」の概要について説明してもらえますか?

島嵜直樹氏: 「DIVINA」は弊社のフラッグシップタイトルの「ルーセントハート」を開発したPlayCooの第2弾タイトルです。「ルーセントハート」は2年前にリリースしました。非常にかわいいゲームで、ある程度そういったジャンルを確立したと思います。そして今回の第2弾では、良い部分は踏襲しつつ、更に「ルーセントハート」で修正が必要だった部分はしっかり修正されています。

編: 神話がモチーフになっているということですが?

島嵜氏: 世界観については「神族」、「人類」、「魔族」を巡る争いというものです。特徴的なのは日本神話や北欧神話などがストーリーに反映されている所です。聞いたことがある神話が入っていることで、プレーヤーが入り込みやすいというものになっています。

編: どのようなストーリーなのですか?

島嵜氏: 「DIVINA」の世界は崩壊しつつあるのですが、その原因を探っていくというのが大きなストーリーの流れになります。この「DIVINA」というタイトルはイタリア語の「divine(神学者)」からきています。神話がストーリーに関わってくることから、そういったタイトルになっています。


ヒロイン「クラリス」こちらは謎のキャラクター

 こちらがメインイラストです。実際のゲーム画面でもこの2人が出てきます。この2人の女神がストーリーの根幹に深く関わってきます。プレーヤーは「クラリス」というヒロインとともに、世界の崩壊を修正するたびに出ることになります。もちろんMMORPGですから、コミュニティや育成要素も楽しんでいただけるものになっています。

編: 素敵なイラストですが、台湾で描かれたものなのですか?

島嵜氏: こちらはイラストレーターの千葉サドルさんという、その世界では結構有名な方に描いていただいています。キャラクターのデザインは台湾のデザイナーが行なって、それをイラストに起こしています。こちらのイラストについては日本だけではなく、グローバルで使う予定です。

編: とてもほのぼのとした可愛い雰囲気のゲームですが、ターゲットとしているユーザー層はどの辺りなのですか?

島嵜氏: 弊社がターゲットとして見ているのは20代の男性です。グラフィックスは非常に可愛くて、若年層の方でも受け入れていただけるとは思いますが、ダブルキャストであったり、ソウルメイトの育成であったりというシステムはある程度年齢のいっているユーザーさんの方がより細かく遊んでいただけると思っています。

「台湾の開発現場には、日本のフィギュアもたくさん置いてあるんですよ」と島嵜氏

編: 台湾でのサービスは始まっているのですか?

島嵜氏: いえ、台湾ではまだです。既にサービスが始まっているのは香港で、日本が2番目となります。

編: どうしてその順番になったのですか?

島嵜氏: 日本で先に展開したかったという思いがあるのですが、台湾の開発を始めグループでも日本に出すにはそれなりのクオリティが必要だということで、そのために香港でテストを開始してある程度バグ周りを洗い出してから日本に持って行くのがいいのではないかということです。まずは香港でユーザーさんの反応を見つつ、ゲーム内の問題を洗い出してから日本でサービスしましょうという考えです。

稲川義章氏: このタイトルは、かなり日本向けに作ってあります。マップにも日本のマップがあるなどかなり日本市場を意識しています。日本市場に向けての意気込みがあるので、敢えて台湾より先に日本に持って来たのです。

編 「ルーセントハート」と同じジャンルのゲームということで、ユーザーを取り合う形になってしまう心配はありませんか?

稲川氏: ゲームのシステムに関して、「ルーセントハート」は今、横の広がりを伸ばしていて、コミュニティに特化したゲームになっています。「DIVINA」は戦闘系のシステムを強化しているので、そういったことから若干ユーザー層が異なるのかなと思っています。それぞれが共存してくれればいいなと考えています。




■ 最大の特徴は2つのクラスを同時に使える「ダブルキャスト」

1人のキャラクターで、2つのクラスを使い分けることができる

編: 「DIVINA」のシステムについて教えてください

稲川氏: 「DIVINA」には5つの大きなシステムがあり、CBTではそのうち4つのシステムが入ります。

 「DIVINA」には今のところ5つの職業あります。「ファイター」、「ウィザード」、「レンジャー」、「クレリック」そして「忍者」です。ずっとカタカナで来ていて、忍者だけが漢字なのですが、先行してサービスを開始している香港では、忍者という職業が珍しかったこともあってほとんどのユーザーさんが忍者を選択していました。日本の市場でも忍者ならユーザーさんの受けがいいかなと考えています。

 話を戻すと、この5つの職業を同時に2つまで使用できるのが「ダブルキャスト」というシステムです。戦闘のシーンやボス戦などで、例えば最初はファイターで戦っていたけれども回復役に変わってパーティーメンバーをサポートしたりとか、臨機応変に職業の内容を変えてその場に合った戦略を立てることができます。

編: どういった条件で習得できるのですか?

稲川氏: キャラクターのレベルが30になり、一部クエストを完了すると習得することができるようになります。ダブルキャストに選んだ職業はレベル25から始まります。それぞれの職業でステータスも異なっていて、完全に別の2つのキャラクターを持っているようなイメージになると思います。

編: どのように成長させていくのですか?

稲川氏: レベルの概念も完全に別個のものになっています。経験値はその時に使っている職業に入ります。だから片方はレベル50で、もう片方はレベル30ということもあり得る訳です。

編: 職業の入れ替えはどのように行なうのですか?

稲川氏: 入れ替えは「Z」キーを押すだけです。街の中ではいつでも自由に入れ替え可能です。戦闘マップでは、敵を倒すとゲージが貯まっていって、画面左上にハートが貯まっていきます。ハートは最大3つ貯まって、その数だけ変身する事ができます。だいたい雑魚を40匹くらい倒すとハートが1つ貯まるくらいの感じです。ですから、全部使ってしまうとすぐには変身できなくなり、不利な展開を招いてしまうこともあるかなと思います。

編: 転職はできるのですか?

稲川氏: 今はできません。その代わり、今後のアップデートで新しい職業を追加していこうと考えています。ですから、新しい職業が入ったら、転職なり新しく作っていただく形で体験できるようになります。

編: レベル30というのは、結構やりこまなければ到達できない印象がありますが、実際はどの程度なのでしょうか?

稲川氏: プレイ時間が1日4時間くらいのユーザーさんでしたら、だいたい1週間ちょっとでレベル30までは行きます。そこから先はちょっと大変かもしれませんが、そこまでは割とサクサク進みます。ユーザーさんに楽しんでシステムに触って欲しいと考えています。

 このゲームには便利なオートランがあります。マップの中からNPCや行きたい場所を選択すると、自動で移動してくれます。こういったシステムは「ルーセントハート」になかった部分で、入れて欲しいという要望もありましたので、今回は最初から入れることになりました。マップ以外にも、クエストブックの中から、クエストのヒントにあるNPCの名前や、モンスターの名前をクリックするとそこへ移動してくれます。

 クエストが終われば報告NPCのところまで行けるので、初心者の方でも何の障害もなく遊ぶことができると思います。ユーザーさんに楽しんでシステムに触って欲しいと考えています。




■ そのうち心強くなる? ひと癖あるパートナー「ソウルメイト」

最初はイラっとするようなネガティブな発言の多いウサギ
最初のうちは生命が低いので、モンスターに負けてしまうこともたびたび

編: それ以外にはどんなシステムがあるのですか?

稲川氏: もう1つも、このゲームのメインとなるシステムの「ソウルメイト」です。ペットは別に騎乗ペットと、プレーヤーのステータスを向上してくれるフェアリーペットというものがいますが、それとは別にプレーヤーのパートナーとして一緒に戦ったり、プレーヤーの手助けをしてくれるキャラクターです。

 ソウルメイトはプレーヤーと同じように成長していきます。レベルを上げるとプレーヤーの命令に忠実に戦ってくれたり、生産に必要なアイテムや、レアなアイテムを拾ってきてくれるようになります。そのためには好感度が重要になっていまして、好感度が低いとプレーヤーがボコボコにされていても助けてくれなかったり、宝探しにいってもロクなものを拾ってきません。

編: モンスターがいると勝手に攻撃するのですか?

稲川氏: オートにしておくと、勝手に敵を見つけて戦いに行ってしまうことがあります。オートか手動かは選択できます。止まって動かないようにさせることもできます。

編: 好感度はどうやって上げるのですか?

稲川氏: 「会話」というシステムを使います。選択肢の中からカテゴリを選んでボタンを押して、ハートが出るといい選択をしたということで好感度が上がります。ソウルメイトのレベルは教育で成長させます。教育は6つのステータスの中から1つを選んで育てます。ウサギのソウルメイトは、最初はネガティブなことばかり言うのですが、レベルが上がってくると少しずつポジティブになっていって「マスターのために頑張らなきゃ」と言ってくれたりします。また成長させるステータスによって、ソウルメイトが持っている武器の種類が変化します。

編: ソウルメイトはウサギのほかにも種類があるのですか?

稲川氏: ほかにも何種類か存在していまして、初期段階では2種類のどちらからか選んで手に入れることができます。ウサギとネズミです。ネズミはウサギよりも元気っ子で喋り口調が違います。それぞれのソウルメイトの性格も違っていて、喋る内容も違うので、違った楽しみを味わえるのではないかと思います。

編: ソウル名とはどうやって入手するのですか?

稲川氏: 最初の1体目はLv10程度の序盤のクエストの中で手に入れることができます。それ以降は、プレゼントにするか、販売にするか、課金アイテムにするか現在検討中です。それと今後人型のソウルメイトも追加することになっています。プレーヤーキャラクターを小さくしたようなお人形さんのようなソウルメイトが入る予定です。




■ コレクター魂をくすぐる変身カード「モンスターキャスト」

モンスターを倒すだけではなく、特定の条件をクリアしないと入手できないカードもあるらしい

編: 3つ目のシステムはどのようなものですか?

稲川氏: 「モンスターキャスト」という、ゲーム内のモンスターに変身できるシステムです。図鑑内の変身アイコンをクリックするとその絵のモンスターに変身します。変身後もプレーヤーの能力はそのまま使うことができ、さらにモンスターの特別な能力が使えるようになります。1回の変身時間が30分で、次の変身までには30分のクールタイムが必要になります。

編: 変身するためのパネルはどのように入手するのですか?

稲川氏: 図鑑内のパネルは最初「?」になっているのですが、図鑑に当てはまるモンスターを倒すと「?」が開きます。更にそこからモンスターを倒してゲージを貯めて行きます。

 ゲージがMAXになれば変身できるようになります。たまにモンスターを倒しても真ん中のパネルが開かないことがあります。そういう時にはなにか特殊な条件をクリアしなければ開かないようになっています。そのヒントはゲーム内には一切書かれていません。ユーザーさんが自分たちで探して攻略していただければと思っています。

編: 図鑑内の枠は各エリア9種類ずつなのですか?

稲川氏: 基本的には9種類ずつですが、一部8種類になるエリアもあります。図鑑の中で9種類の枠がビンゴした場合には、ビンゴした数に応じてそれぞれ特別なアイテムをもらえます。マップが全部で10数種類ありますから、コンプリートするには相当な時間と労力が必要になるかなと思います。1度ゲージを貯め終えた枠は、その後何度でも使えます。




■ MMORPGのなかで本格ブラウザゲームを楽しめる「テリトリーシステム」

クランの仲間と一緒にブラウザゲーム風の領地開発ができる

編: 最後のシステムはどういったものですか?

島嵜氏: 「テリトリーシステム」というこのゲームならではのシステムです。テリトリーシステムはクランに属していることが前提になっています。インターフェイスはブラウザゲームのような感じです。ここに個人の領地と、クランが所持できる領地があります。

編: その領地をブラウザゲームのように育てていくのですか?

稲川氏: そうです。個人で育てる領地では資源を作る事ができます。資源には「木材」、「鉱物」、「石材」があるのですが、個人の領地で作った資源をクランに献上するようなシステムになっています。徴収する税率のパーセンテージはクランマスターが変える事ができます。資源以外にも、ポイントや建設にかかる時間をクランメンバーから徴収することができます。

編: 聴衆はどのように行なうのですか?

稲川氏: 個人領地で、資源などが消費されるとクラン領地で設定されている税率に応じて差し引かれていく感じです。ほかにも個人領地の中では回復アイテムやバフ系のアイテム作成ができます。このシステムがあるために、クランの結束力は非常に高くなるかなと考えています。さらに、クランに入っていると、「特殊拠点」のボーナスを得ることができます。

編: それはどういったものですか?

稲川氏: 「拠点」マップを見ると、「DIVINA」の全体マップの中に「拠点」があるのがわかります。この中にある「特殊拠点」という場所では、新たにクランのための拠点を開発できます。必要な素材を開発して条件を満たすと、このマップに入ったクランメンバーが特別なバフを獲得できるようになっています。例えば攻撃力が20ポイントアップするというマップでは、そこに入ったメンバー全員の攻撃力が上昇します。さらに特別な拠点を所有しているクランでしか入場することができない特別なインスタンスダンジョンがあります。

編: 「特殊拠点」のほかに地図にある「一般拠点」はどういった場所なのですか?

稲川氏: こちらは特殊拠点に行くための通り道です。将来的には特殊拠点を取り合って、CvCができるようになります。ブラウザゲームだと兵を出兵して戦争しますが、それをMMORPGの形で導入しようというものです。現在開発中で、実装は少し後になってしまいますが。




■ アバターとして楽しめる装備。なんと下着まで!?

装備の外見とステータスは完全に切り離されている

編: 「DIVINA」のキャラクター装備画面は少し変わっていますね

稲川氏: このゲームでは、ゲーム内の装備は完璧にアバターになっています。その代わりに魔法陣のようなものがあって、こちらに「コア」と4つの「マテリア」というものをセットすることで防御力やステータスを上昇させることができます。魔法陣が空の状態では、装備を着ていてもステータスは0です。

編: ステータスと装備が切り離されているのですか?

稲川氏: 完璧に切り離されています。逆に言うと、アバターを着ていない状態でも魔方陣を埋めていれば防御力がありますから、武器さえ持っていれば充分戦うことができます。装備には基本的になんのステータスもついていませんが、レアなアイテムの中には属性や防御力がついているものもあります。それに、実はこのゲームでは下着もアバターアイテムとして存在していまして、変更することができるのです。

編: 魔法陣にはめるアイテムはどうやって入手するのですか?

稲川氏: 4つの「マテリア」に関してはフィールドで敵を倒すとドロップする「?」というアイテムを鑑定することで手に入ります。真ん中の「コア」は生産になっています。強いキャラクターを育てるためにはドロップと生産を上手く組み合わせていく必要があります。

編: 生産要素はどういった形になるのですか?

稲川氏: フィールドマップに生産アイテムを集める場所があります。そこでアイテムを集めることで装備や武器を作ることができます。集めるのは自分でも行けますが、ソウルメイトに代理で行ってもらうこともできます。

編: お話を聞く限り、Mobの狩りが中心となるようなゲームなのでしょうか?

稲川氏: レベル35のマップからはPvPができるようになります。CBTではPvPサーバーしかありませんが、OBTからはノンPvPサーバーとPvPサーバーをそれぞれ用意しようと考えています。

編: PvPサーバーではPKが可能になるということですか?

稲川氏: そうです。いきなり襲うこともできますが、襲うからにはペナルティがつきます。例えば先に攻撃を仕掛けるとレッドネームになってドロップや取得経験値が制限されたりと、それなりにリスクを伴って攻撃することになります。

「対人が苦手な人のために、サーバーは分ける予定です」と島嵜氏

編: 35以上になると、街中でもPvPができるようになるのですか?

稲川氏: PvPはフィールドだけになります。レベル35という基準については、ダブルキャストを習得していて、ゲーム内のシステムも大体把握しているころだと考えています。だから初心者がいきなり襲われることはあまりないかなと思います。

編: 初心者がレベル35のマップに来ることはないのですか?

稲川氏: 絶対に来ないですね。もし来たとしてもすぐにモンスターに倒されてしまいますし(笑)。

編: 最後に、読者に向けてメッセージを願いします

島嵜氏: 「DIVINA」は見た目も可愛くて入りやすいゲームだと思いますが、実は重厚なストーリー背景が設定されているので、そう言う面でもかなり楽しめるタイトルだと思います。ぜひ1度試してみて下さい!

稲川氏: このように、DIVINAには魅力的なシステムが盛りだくさんとなっており、これ以外にも便利なシステムも多数ございます。もちろん今後日本のユーザーさんの意見を取り込んだ開発も展開していくことも視野に入っておりますので「DIVINA」にご期待ください。


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(2010年 8月 5日)

[Reported by 石井聡]