Gamania Digital Entertainment CEO Albert Liu氏特別インタビュー
2010年はグローバル展開、各リージョンに最適化した新規タイトルを投入

2月5日収録

会場:晶華酒店


 台湾Gamania Digital Entertainmentは、Softworldと並んで台湾を代表するゲームメーカーであり、台湾取材において欠かせない取材先のひとつとなっている。ただ、Gamaniaは近年、Taipei Game Showへの出展を見送っているため、毎年本社訪問を行なっている。実はTaipei Game Show 2010でも、しっかり本社取材とインタビューを行なってきた。

 掲載が3月までずれ込んでしまったのは、今年はたまたま翌月に新作発表が予定されていたためだ。台湾本社の新規タイトル発表に合わせる形で、満を持して本社訪問レポートと同社CEO Albert Liu氏へのインタビューをお届けしたい。

 Albert氏には、台湾ゲーム市場のご意見番として、その年々のトレンドや今後の展望を伺っているが、今年も自社の新規タイトルに対する抱負のほかにも、昨年TVCMが急増した背景や、台湾で圧倒的なブームになっているFacebookに対する取り組みなど、幅広い分野について話を伺った。



■ 好調を維持する台湾オンラインゲーム市場。ただし、アジアで人気の「アラド戦記」は不発

Gamania Digital Entertainment CEO Albert Liu氏
台湾Gamaniaの2009年のヒット作のひとつ「ELSWORD」。日本では今年NHN Japanがサービスを予定している
韓国、日本、中国で大ヒットした「アラド戦記」が、台湾では失敗。理由はグラフィックスのチープさだという

編: 相変わらず台湾のゲーム市場は好調ですね。

アルバート氏: 好調なのは事実です。ただ、それほど成長はしていないと思います。海外へのタイトルを輸出するケースが増えて、海外のブランチの売り上げのライセンス料が本社の売り上げに貢献する形がありました。台湾のガマニアは新規タイトルの伸びは並といったところで、既存タイトルも安定して推移しました。特に日本や香港は大きな成長がありました。

編: 2009年末の時点で台湾のガマニアの売り上げの規模と市場シェアを教えてください。

アルバート氏: グループの連結の売り上げが51.7億台湾ドル(約155億円)です。ソフトワールドさんが65.7億台湾ドル(約197億円)です。台湾ではこの2強という構図になります。

編: 2009年の台湾ゲーム市場は、どういった動きがありましたか。

アルバート氏: 1つ面白いのは台湾国産タイトルのライセンスアウトです。台湾から海外に行くタイトルが増えたことです。もう1つは去年の新規タイトルの発表数が非常に多く、宣伝方法としてTVを用いたことです。しかし、TVコマーシャルはコストは高いうえに、昨年の新規タイトルはコンテンツ力が弱かったこともあって、軒並みうまくいきませんでした。ただ、台湾の開発能力は確実に上がっていて、実績も積んでいて、国外に輸出されるケースが増えてきました。2010年はさらに海外に行くタイトルが増えると思います。

編: 確かに台湾産のタイトルが日本で遊べる機会は増えていますが、台湾のメーカーが自社パブリッシングではなく、ライセンスアウトを選択するのはどういった理由があるのでしょうか?

アルバート氏: ライセンスアウトに動く理由として契約金等で開発資金を早く回収できるからです。ただ、ガマニアの方針としてライセンスアウトはしない方針です。

編: なるほど、確かにガマニアのタイトルはすべて現地法人を通じてサービスされていますが、ガマニアがライセンスアウトをしない理由は何ですか?

アルバート氏: まずガマニアの最大の目標としてはグローバルパブリッシャーになりたいことが挙げられます。自社ブランドがあればどこでも現地法人を設立できます。ライセンスアウトするといくつかデメリットがあります。ライセンスアウトは不安定です。良い相手がいればいいですが、そうでないこともあります。海外のパブリッシャーの運営もコントロールできないです。

 また、ガマニアのブランド意識にこだわりがありまして、こういう形で運営したいという確固とした運営モデルを持っています。それを他の会社に任せるとブランドイメージが崩れてしまうという懸念があります。海外に自社のオフィスを作るのは時間とお金がかかりますが、成果は最終的には自社パブリッシングのほうが出るだろうと考えています。例えばガマニアジャパンです。時間とお金をかけて今は良い結果になっています。日本のようなモデルを他の地域でも展開したいです。

編: ということは今後も現地法人をどんどん増やしていきたいと?

アルバート氏: そうですね。全世界で展開したいです。

編: 各ブランチの状況を教えてください。

アルバート氏: 香港は変わらず好調で、海外ブランチにおけるマーケットリーダー的な存在は変わりません。売り上げも高いです。日本は円高の影響もあって2008年に比べて67%以上の成長がありました。韓国も大きな成長がありました。昨年の規模はそれほど大きくありませんでしたが、飛躍に向けた土台作りはできたと思います。中国は最初の自社運営で、成績は普通でした。今後、運営のノウハウを蓄えつつ順次新規タイトルを投入していきます。アメリカでは「HERO 108」のサービスの準備を進めていますが、アニメーションとのスケジュール調整で、サービスが延期になっています。アニメーションと同時に展開される「HERO 108」の準備も終わりました。3月からアニメと同時に公開されます。

編: 一方、台湾はいかがでしたか?

アルバート氏: ガマニア台湾で新規で10タイトルをリリースしましたが、結局3タイトルしか目標に達しませんでした。「Lunes of Magic」(Runewaker Entertainment)と「Elsword」(KOG)、「SP1」(Nexon)の3タイトルで予定していた売り上げを達成しました。それ以外はすべて目標に達しませんでした。既存タイトルは順調に推移していまして会社の数字としてはガマニア台湾で26%の成長がありました。

編: 新規10タイトルの中で2タイトルしか成功していないということは8タイトルは失敗していることになります。日本でも昨年は「仙魔道」がうまくいきませんでしたが、失敗の原因はどこにあると考えていますか?

アルバート氏: 失敗の理由はたくさんあります。オンラインゲーム市場はダイナミックで変動が激しい。良い例が「アラド戦記」です。韓国、日本、中国でもすごく実績のあるタイトルで、台湾でも同様の成功を見込んでいました。マーケティングリソースを投入したにも関わらず、結果として台湾のユーザーさんはあまり入ってきませんでした。理由はグラフィックスです。台湾のユーザーはゲームの見た目を重視していることを発見しました。

編: なるほど、「仙魔道」の失敗の原因もグラフィックスですか?

アルバート氏: 詳しいことは浅井に聞いてもらうとして(笑)、「仙魔道」はガマニアジャパンもマーケティングをがんばったことは認めます。ただし、ガマニアグループの方針としてタイトルの内容は各地域のユーザーのニーズに対応できないのであれば課金を待たずしてサービス中止もやむをえないと考えています。ガマニアのブランドの考え方です。

編: それは素晴らしい判断ですね。

アルバート氏: 素晴らしいことではないと思います。ブランドイメージは長期的に醸成するものです。1つのタイトルだけでも回収してやろうと考えてはいけない。長期的にユーザーがガマニアのタイトルはどれも面白いと考えてくれることが大事で、ガマニアのタイトルにお金を払えばいつでも満足できるというイメージを作っていきたいのでそういった決断をしました。

編: それにしても「アラド戦記」が台湾でガマニアが運営してうまくいかなかったというのはにわかには信じられない話ですね。日本ではあの絵は古臭いというよりも懐かしいが先に来る感じで、台湾でも似たような感覚で受け止められるはずだと思ったのですが。

アルバート氏: やはりグラフィックスですね。日本のようにユーザーの要求が高い国で受け入れられたタイトルなので当然台湾でもいけると思っていました。ユーザーのフィードバックや掲示板の反応を見ると、グラフィックスがだめでとても遊べないというのが受け入れられない最大の要因のようです。

編: 台湾のユーザーは常に新しくて綺麗なものが良いということですか。

アルバート氏: やはりビジュアル系ですね。

編: Taipei Game Show 2010では「ファイナルファンタジー XIII」が人気でしたが、ああいった綺麗な絵が台湾のユーザーの好みなのでしょうか。

アルバート氏: そうだと思います。


■ 台湾のFacebookブームに対する取り組みと雑誌メディアの休止について

「知らないうちにFacebookブームがやってきていた(笑)」というAlbert氏。この正直さが大好きである
先ほど紹介した「ELSWORD」の公式サイト。右側面に注目して貰いたいが、Facebookに最適化されているだけでなく、ファンページも用意されている
Gamaniaが準備を進めているFacebookアプリ第1弾「便利商店」。コンビニ経営シミュレーションゲームで、もともとはGamaniaがPCパッケージとして発売したものの移植版となる

編: 次に今回の台湾取材で気付いたことについていくつか質問させてください。台湾ではFacebookが非常に流行っていますね。

アルバート氏: ブームが来たのは突然です。知らないうちにFacebookブームがやってきました(笑)。ガマニアにとっては良いことです。これまで開拓できなかったゲームのユーザーが出てきました。女性比率が非常に高いです。年齢も高めで、ゲーマーではない人がゲームをやり始めてくれる傾向が高いです。

 具体的なタイトルの売り上げを申しますと、他社に「開心農場(Happy Farm)」というタイトルがあるのですが、月間の売り上げが7,000万元(約2億1,000万円)以上の売り上げがあると言われています。それは新しい分野としてビジネスになりうると考えています。ガマニアもFacebook向けのソーシャルゲームアプリをリリースしていこうと考えています。

編: ガマニアが手がけるFacebookアプリはどういったものになるのでしょうか。

アルバート氏: 具体的に発表できるのは3月以降です。「便利商店」というガマニアが最初にリリースしたパッケージゲームで非常に古いタイトルなのですが、それをFacebookアプリとしてリリースする予定です。あとはまだ企画段階になりますが、この作品を通じてノウハウを蓄積したいです。

編: ビジネスモデルは?

アルバート氏: アイテム課金です。

編: 2010年以内に何タイトルのFacebookアプリをリリースする予定ですか。

アルバート氏: Facebookアプリの企画はいくつもあるのですが、アプリの運営ノウハウが浅いです。最初のタイトルの反応を見ながら開発と運営ノウハウをすり合わせていく必要があると思います。基本的には3カ月以内に1本のタイトルが作ることができますので、何タイトルリリースするかはわかりませんがマーケットニーズを見ながら考えていきたいです。

編: 日本では、iPhoneやiPod touch向けのゲームアプリの開発が積極的に行なわれています。

アルバート氏: iPhoneも画面が小さいだけで開発はそれほど難しくない。Facebookアプリ版の様子を見て、iPhoneにも移植したいと思います。

編: 台湾でオンラインゲームのTVCMが非常に増えています。その理由を教えてください。

アルバート氏: 今はまだ少ない方です。2009年はもっと多かった。TVCMを選ぶ理由はプレイスタイルです。台湾はTVの普及率が高いことが挙げられます。TVCMのパワーがある。台湾ではオンラインゲームはゲームユーザーではなく一般のユーザーにも受け入れられていますので、マスメディアのTVで広告を出すのは効果があります。去年はタイトルが多く競争が激しかったので、1番パワーがある媒体を使用してマーケティングを行ないました。

編: ガマニアさんがずっと出していたゲーム専門誌「MANIA」を休刊したと伺いました。

アルバート氏: 台湾を含めて全世界がそうですが、紙媒体がライフサイクルの最後の段階に来ているのではないかと考えています。今後はデジタルメディアが中心になると考えています。E-bookやインターネットメディアが主流になる。ガマニアには出版の子会社がありますが、ガマニア自身がデジタルエンターテインメントにいながら紙媒体の事業にこだわり続けるのは古臭いので両方やるよりデジタルメディアに集中したほうが効率的だと考えました。

編: 売り上げが落ちていて今後の成長が見込めないから休刊にするという話ではないのですね。

アルバート氏: まずは売り上げが休刊の原因ではありません。確かにここ数年の売り上げは減少傾向でしたが、急に下がったのでやめようという判断ではありません。デジタルメディアに転換するというところが大きいです。雑誌の売り上げが出版会社の売り上げの80%、まだあります。これから方針を切り替えるのはプリントメディアを切った方がリフォームができるという決心がありました。

編: その場合のビジネスモデルはどうなるのでしょうか。

アルバート氏: 具体的にWeb2.0の意識があります。雑誌は編集者が紙面を作っていますが、今後はユーザーさんが裏技や攻略などをアップしてもらって、使える情報は新しいメディアにあって、それをユーザーさんが見に来て、バナーを見ていただけるのではないかと思います。


■ 一挙に5タイトルを発表! その真相と展望を聞く

「HERO108」と「Project SR」はメディアミックスについて語るAlbert氏。台湾ではまだまだ珍しいグローバルビジネスを展開しようとしているようだ
「ルーセントハート」を開発したPlayCooの最新作「Divina(コードネーム:Project God)」。今回もよりかわいらしく、より楽しい日本人好みのMMORPGに仕上がりつつある
こちらは北米の子供層をターゲットにアニメとセットで開発されているカジュアルアクションゲーム「HERO 108」

編: それではメインとなる3月に発表する新規タイトルについてお伺いします。今回5タイトルを見せていただきましたが、なぜこれほどの新規タイトルを3月に一気に発表するのですか?

アルバート氏: わざとではないです(笑)。元々作っているプロジェクトが延期されて、タイミングが重なってしまいました。実際のやり方としてたくさんのタイトルはありますが、同じ時期にいくつもリリースすることはしないです。去年は自社開発タイトルは1つもありませんでしたから。今年にずれ込んだというわけです。

編: アルバートさんが気に入っているタイトルとその理由を教えてください。

アルバート氏: 全部好きです(笑)。それぞれのタイトルについてそれぞれの思いを持っています。例えば「HERO108」ではヨーロッパとアメリカのマーケットパイオニアとして欧米市場のベースを作りたいです。「HERO108」はアメリカでテストを色々やっていまして、ユーザーの反応はすごく良かったです。

 「Project SR」は中華圏向けのタイトルです。「Project Core」は、ガマニアにもこういうタイトルを作れるよという、世界一流のMMORPGの開発力があることを宣言するタイトルです。「ラングリッサーオンライン」と「Divina(コードネームProject GOD)」は日本向けのオンラインゲームです。メジャータイトルを続々投入することでガマニアジャパンのサービスが強化されるでしょう。

編: 日本市場を意識したタイトル数が目立ちますが、日本市場を手厚くする理由は何でしょうか。

アルバート氏: 日本という国がガマニアから見て大変重要な地域です。最初の投資先でもありますし、台湾のオンラインゲームユーザーの好むテイストと日本のユーザーのテイストは近い物がありますので、日本市場で成功できるタイトルであれば台湾でも成功できると考えています。

編: 「HERO108」と「Project SR」はメディアミックス展開が1つのポイントですが、メディアミックス展開に力を入れる理由を教えてください。

アルバート氏: ガマニアの方針として、ゲームの運営の実績がある地域ではオンラインゲーム単体でプロモーションを行なう自信はあります。しかし欧米市場や中国市場のような我々にとって新しい市場では、ゲームだけではなくて他のメディアと一緒に組んだ方がプロモーション効果が高いと考えました。アニメを欧米で先行上映して、映画を中国や香港で上映して、メディアのプロモーションをまずは行なった方が続くゲームの成功の可能性が高まると考えています。もちろん絶対売れる保証はありません。これまでにメディアミックスを試みられた例はあります。

 通常、映画のゲームをやるためには映画会社からのライセンスを獲得することが必要ですし、タイミングも開発スケジュールを映画に合わせる必要が出てくる。そうなると必然的に開発コストとスケジュールが足りなくなるのでなかなか良いゲームが生まれません。しかし、ガマニアのやり方は違います。アニメーションの方はすべてガマニアのオリジナルです。映画についてもスポンサーはガマニアですので、ライセンス料は必要ありません。メディアミックスに対してデメリットはありません。ゲームと映画はすべてコンテンツです。デジタルエンターテインメントにおけるIPをさらに強化していきたいです。

編: 「Project SR」のベースとなっているジョン・ウー監督の映画「剣雨江湖」はガマニアがスポンサードしているのですか。

アルバート氏: はい。

編: それはオンラインゲームの開発を見越したパートナーシップということですか。

アルバート氏: そうです。

編: 「Project Core」を見て感じたのはガマニアはコンシューマーゲームを展開できるくらいの技術力を持っていると思いました。コンシューマ展開についてはいかがですか。

アルバート氏: コンソールゲームをやらないかと業界の友達からも昨年何度も言われました。しかしコンシューマは日本や北米の会社の方が強い。まだまだガマニアはコンシューマタイトルに対する知識が足りない。ガマニアがやりたいと思ったときには海外の大手の会社と手を組んで取り組んでいきたいです。今年の目標はオンラインゲームのグローバル展開です。いずれにしてもコンシューマ展開には大きな投資が必要ですので、今はオンラインゲームに注力したいです。

編: ガマニアの課題はどういったところだと思いますか?

アルバート氏: グローバル展開に対する運営ノウハウは身につきました。これまでたくさんの期間と授業料を支払って開発力と運営能力が成熟してきました。100%成功できる保証はもちろんありませんが、現在のガマニアはこれまでにない水準に達してきていると思います。グローバル展開にも十分いけるという自信を持っています。これからも色々な問題が起きうると思いますが、準備は万全だと思います。


■ 2010年の事業戦略。ガマニアジャパン独自のブラウザゲームを世界に発信

グローバル展開は毎年出てくるキーワードだが、今年は具体的なコンテンツとアプローチが存在する点で大きな前身がある。中国、欧米の2両面作戦は果たして成功するだろうか
ガマニアが3月5日に正式発表したブラウザゲーム「キングダムサーガ」。これ以外にも複数のブラウザゲームの開発が進められている
2010年、Gamaniaグループは東京ゲームショウに出展する。写真は東京ゲームショウ2006のもの

編: 2010年の事業戦略について聞かせてください。

アルバート氏: グローバル展開が今年の方針です。自社開発のタイトルは良いものばかりで、そうしたタイトルは海外の主要マーケットに進出すべきです。今年は自信は持っています。重要な位置づけの年になると思います。

編: 逆に言うと、台湾国内に頼った成長戦略はもうそろそろ難しいのかなという判断もあるのでしょうか。

アルバート氏: 台湾はガマニアのホームベースですが、台湾のマーケットは世界に比べると小さいです。台湾の会社がさらに爆発的な成長を狙うには海外を狙うしかないだろうと考えています。

編: 本社も含めて各ブランチの売り上げの割合はどのような状況ですか。

アルバート氏: 台湾が71%、日本は12%、残りの17%で他の地域です。

編: グローバル展開が成功した暁には、この3つの数字がどういった割合になっていくのが理想でしょうか。

アルバート氏: ガマニアとして大幅な成長を狙いたいです。アメリカ、ヨーロッパ、アジアで3割ずつで、台湾は残りの10%ほどを占めるレベルになれば良いと思います。台湾が成長しないのではなくて、台湾国内でも成長を達成しつつ、将来のグローバルグループとして数十倍の成長が必要なのではないかと考えています。

編: 日本ブランチのストラテジーは何でしょうか。

アルバート氏: ガマニアジャパンは、既存タイトルの他に新たなMMORPGを投入します。先ほどの3タイトルは自信を持って提供するタイトルばかりです。また、ガマニアジャパン自身の重要なプロジェクトはブラウザゲームです。ガマニアグループ内のブラウザゲームはすべてガマニアジャパンの企画開発です。ガマニアジャパンの今後の重要項目になってくると思います。

編: ブラウザゲームは数年前にヨーロッパに始まり、昨年アジアでブレイクしましたが、ガマニアのブラウザゲームは、なぜ台湾や中国ではなく、日本に開発を任せているのですか?

アルバート氏: 戦略は浅井からアドバイスを受けました。これまでブラウザゲームは色々出ていますが、日本開発のブラウザゲームは少ないです。ガマニアグループとしても日本企画開発のタイトルの方が品質も当然高くなるだろうと考えています。ガマニアがグループとして発信できるようなブラウザゲームを開発するのは日本が原点になるのが良いだろうと考えています。

編: 昨年、アルバートさんはブラウザゲームのことを「期待していない」と発言されていましたが、考え方が変わったみたいですね(笑)。

アルバート氏: 1年前に浅井から提案があったこともありますが、当時は確かにブラウザゲームは儲からないというイメージがありました。夏以降にソーシャルゲームの隆盛から考えを変えて、オンラインゲームの激しい変動の中でブラウザゲームは可能性があるという風に変化しました。

編: ブラウザゲームはガマニアグループの中での重要なゲーム事業の1つと考えていいのですか?

アルバート氏: ガマニアジャパンが発信するブラウザゲームが成功すれば、どんと力を入れていきたいです。

編: 現状ではあくまで日本のブランチの一事業に過ぎず全社的なものではないということですか。

アルバート氏: そうではないです。確かに開発中のプロジェクトは日本にしかありませんが、各地域も企画段階に入っています。各ブランチとも2~3カ月以内に展望が見えてくるでしょう。

編: 今年は東京ゲームショウに出展するとのことですが。

アルバート氏: 今年の東京ゲームショウは、2002年と同様の大規模な出展でやっていきたいと思っています。東京から世界にガマニアにはこんな良いタイトルがあるよということを宣伝したいです。

編: 日本のユーザーに向けてメッセージをお願いします。

アルバート氏: ガマニアグループとして日本のユーザーさんを大事にしております。今年の新規タイトルの半分は日本向けのタイトルになります。日本のユーザー様のニーズに応えられる展開をしていきたいです。今年のタイトルは是非楽しみにしてください。

編: ありがとうございました。


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