インタビュー
【悪魔城ドラキュラ】「Castlevania: Belmont’s Curse」開発者インタビュー
シリーズのあるあるネタも出し合った!? 「Castlevania」らしさを追求
2026年7月17日 16:00
- 【Castlevania: Belmont’s Curse】
- 10月15日 発売予定
- 価格:
- 3,850円(Standard Edition)
- 4,950円(Midnight Edition)
コナミデジタルエンタテインメントは、プレイステーション 5/Xbox Series X|S/PC/Nintendo Switch用アクション「Castlevania: Belmont’s Curse(キャッスルヴァニア ベルモンドカース)」の発売を10月15日に予定している。
「キャッスルヴァニア ベルモンドカース」は「Castlevania(悪魔城ドラキュラ)」シリーズ40周年記念作品として発売されるタイトル。別稿の先行体験会の後に、本作のプロデューサーを務めるKONAMIの谷口 勲氏、ディレクターの外尾 有樹子氏、そして共同で開発を手掛けるEvil EmpireのクリエイティブディレクターのEmmanuel Nouaille氏に囲みインタビューを行った。
本作の世界観についてや「悪魔城ドラキュラ」への深いリスペクトが感じられるお話も伺えたので、ぜひ最後まで読んでいただきたい。
――今回の開発にEvil EmpireとMotion Twinが参加することになったきっかけは「Dead Cells」のDLCと伺いましたが、谷口さんはどういった仕事ぶりに感銘を受けて共同開発に至ったのかを聞かせてください。
谷口氏:「Dead Cells」のDLCを制作した際、第一に“シリーズに対しての理解力と愛情”を彼らのお仕事から感じました。あとはゲームを作るというこだわりを徹底している点にも感銘を受けました。
このDLCって企画初期から発売に至るまでに結構ボリュームが増えてるんですよ。当初は想定していなかったほど大きくなっていました。制作の中で「Dead Cells」のファンや、「Castlevania」のファンの皆さんに対し、こういうところまでお届けした方が絶対喜んでもらえると最終的にどんどんどんどん膨らんだという経緯があります。
開発中に僕が1番驚かされたことは、企画の初期に“リヒターモード”を作れたらいいねみたいな話をしていました。ただ無理だと諦めていた部分があったのですが、発売の少し前ぐらいの時期に「サプライズがあります」と言われ、その時にリヒターモードが結構な完成度でできていました。そういった経緯もあり、多くのユーザーを喜ばせたいという気持ちでどんどん物を作っていく姿勢は本当に素晴らしいと思いますし、感銘を受ける部分でした。
――「悪魔城伝説」の23年後という舞台設定になっていますが、この時代が選ばれたのはどういったきっかけだったんでしょうか?
谷口氏:元々このプロジェクトを進める時に大元の考え方として、久しぶりの新作なので「2Dの探索型のアクションゲームを作りたい」という点と、シリーズの象徴でもある「ベルモンド家の主人公を登場させる」という考えがありました。
自然にベルモンド家の新しい主人公を登場させて、かつ鞭をゲームのコアに据えられる探索型のアクションゲームが作れるところをEvil EmpireさんとMotion Twinさんと協議しながら作った結果、この時代(「悪魔城伝説」の23年後)がいいだろうとなりました。これは決して僕自身が「悪魔城伝説」が1番好きだからという理由だけではないです(笑)。
――シリーズの中ではベルモンド家の女性主人公は珍しいパターンだと思いますが、女性主人公に決定した経緯などを伺えますか?
外尾氏:最初から女性にすると決めていた訳ではなく、どちらかというと世界観や物語を組み立てる中で決まりました。トレバーとサイファの娘というところを考えた時に、お母さんがすでに亡くなっているという中で「その子供というものはどういう存在でどういう物語を作っていくんだろう?」と話していた結果、自然と女性の主人公になっていったという形になります。
谷口氏:今、説明した通りで、例えば男性だった世界ってどうなんだろうって開発を進めていく中でも考えることはあったのですが、それはそれでかっこよかったと思います。ただ、今回の物語に最適な人物を考えると自然と女性になっていったという経緯です。
Emmanuel氏:谷口さんや外尾さんが言ったように、女性がしっくり来るとなったんですよね。特にサイファの呪いが娘に受け継がれると考えた時に親子の絆が繋がるということで、母親の仇を討つという目標を作り上げたものが主人公のローズになります。なので本当に家族の絆、レガシー、そして犠牲などの要素に適しているのは女性の主人公だなと思いました。
――本作の難易度調整などに気をつけた点や工夫された点を教えてください。
谷口氏:今回の開発において、IPオーナーという立場からゲームプロジェクト全体に対して、IPとしてこうありたい。“らしさ”をしっかり残したいといった大枠をしっかり作り、その枠組みの中で最高のゲームを一緒に作っていきましょうと今回の体制で制作がスタートしました。
難易度に関しては、まずプレイフィールの良い、操作していて気持ちいいアクションを作りたいと思っていました。実際にこのように感じていただけていたら嬉しいです。加えて、ある程度戦略的かつ攻撃的なバトルができるゲームにしたいと考えました。ただ、シリーズらしさであったり、初めてプレイする方やあまりアクションゲームが得意ではないという方がプレイした時にも、しっかりプレイできるようにレベルアップシステムを用意していたりします。
それでも厳しいという方に関しては、セッティングに難易度調整を用意しているので、そういう意味ではアクションゲームが得意な方、そこまで得意ではないという方もそうですし、最近のアクションゲームを結構ゴリゴリやってますという方も満足できるような内容になっているかなと思います。
外尾氏:単に優しいゲームにはやっぱりしたくないというのがあって、「悪魔城伝説」とかもそうですけど、初期の「悪魔城ドラキュラ」と言えば苦しむ中、先へ進めた時の喜びがあると思うんですね。手触りがいいアクションの中でもボタン連打ゲーというよりは、しっかり遊ばせたいという意思で作り込んでいきました。なので単に優しくできない部分はあったんですけど、レベル制の導入がこの歴史あるシリーズが続く上で導入されたものとしていいところだと思っています。
レベル制であることで物語や世界観を楽しみながら、なんとか先に進むこともできますし、シングルプレイゲームですのでオプションから、自分が1番ちょうどよく楽しめる難易度を見定めて最後まで楽しんで欲しいというところで今回のような調整になっています。
Emmanuel氏:フェアにするという考えは念頭に置いておりました。本作はある程度手応えのある難易度に設定しつつも、歴代のファンや新規プレーヤーにもあまり壁がなく入りやすいようにしています。特にプレーヤーが仕組みを段階的に理解して1つずつ習得していき、挑戦して乗り越えるために必要な知識と自信を自然につけていけるような仕組みにしています。こうすることで硬い敵に遭遇した場合でも、自分なりのプレイやスキルを理解した上で敵を倒せるような作りにしています。
――1499年のパリが舞台ですが、完全新作で新たな世界観を構築していくにあたって、グラフィックス表現でこだわりや特に注目してほしいという部分はありますか?
谷口氏:まず、舞台がパリになった経緯についてお話をさせていただきます。制作にあたって物語の設定であったり、どの時代にするかを先に決めていきました。久しぶりの新作なのでヨーロッパのどこかにしたいというのは漠然としてありました。先に時代設定が決定しどこを舞台にするかを考えた時に、その当時のその時代背景を調べつつ、当時の大都市であるパリが適しているとなりました。パリ自体にゴシックな建築が当時からたくさんあるので、「Castlevania」のトーンやテーマ性がすごくマッチして良いということで決まったのが経緯です。
あとグラフィックス表現はとにかく美しくありたいという思いがあって、シリーズの魅力としてゴシックの要素を継承しつつも、今回のゲーム性はプレーヤーが操作していて非常に気持ちいいものにしたいと考えました。アルカナウィップはアクションがダイナミックで機動性が高いため、アクションゲームとして視認性を担保する必要があります。このため、コントラストを強めにしてプレーヤーがキャラクターを見やすくし、ゲームをしっかり推進しつつも、ゴシックな要素も備えた美しいという点を模索していった結果、今回のグラフィックス表現になっています。
Emmanuel氏:1499年のパリを舞台に選ぶことで、物語に現実味と説得力を持たせたいと考えました。歴史的な背景を取り入れることで没入感を高めつつ「Castlevania」らしい豊かな物語やキャラクター、ファンタジーや伝承などを描きたかったんです。ゲーム内では実際にパリに存在するカタコンベやノートルダムのような場所もあり、試遊でも登場したジャンヌ・ダルクのような歴史上の人物や伝説を多く盛り込んでいます。グラフィックスや背景に関しては谷口さんがおっしゃったように、敵やアクションとのコントラストを特に意識しました。
――本作で存在感のあるタロットカードをモチーフにしようと思った経緯を聞かせてください。
Emmanuel氏:本作の時代を考えた時にマルセイユ版のタロットカードというものがありまして、そのオマージュで独自のオリジナルタロットを取り入れたいと考えました。タロットカードは古くから神秘的、魔術的、オカルト的という結びつきがありまして、「Castlevania」のゴシックらしい要素なんじゃないかなと思いました。
またタロットカードというのがサイファの力に強く紐づくものなので、彼女との絆というものもありますし、神秘的な相性は彼女のレガシーとして、そしてローズの物語に続くものなのではないかなと思い取り入れています。タロットカードとアルカナシステムが本作の物語や世界観を形作る重要な要素になるので、楽しんでいただければと思います。
谷口氏:結果的にゲーム全体を通して、タロットカードやアルカナの結びつきで、ローズの隣にタロットカードがいつも存在しているのは個人的にも気に入っていますし、すごくいい設定だったなと思っています。
――本作のタイトルが「悪魔城ドラキュラ」ではなく「Castlevania(キャッスルヴァニア)」とした理由は?
谷口氏:率直に申し上げると本当に悩みに悩んで、僕だけでなくチームの中でも悩みました。我々としてはこれまでのファンの方々にも今回のタイトルは是非楽しんでいただきたいという思いはありますし、それと同じぐらいこれから初めて「Castlevania」シリーズをプレイするという方にも楽しんでいただきたいと思っています。世の中的にも情報が簡単にネットを経由して伝わる中で、今回のタイトルの結びつき、伝わりやすさというものを考えた時に「Castlevania」にしようという決断をしました。僕自身も小さい頃から「悪魔城ドラキュラ」に馴染んでいる人間なのですごく悩みました。
――ローズの父親のトレバー・ベルモンドですが、「悪魔城伝説」ではラルフという名前でしたが、今回トレバーになった経緯を伺えますか?
谷口氏:これも先ほどの回答と同じで、悩み、相談して出した決断です。今回の作品に関してはできるだけ多くの皆さんに改めて「悪魔城ドラキュラ」や「Castlevania」ってこういうものなんだと楽しんで欲しいという考えがあり、情報の伝わり方であったりとか、調べた時の理解のしやすさといった点で、今回はこちらの名前でいこうという決断をしたということです。
――新しいゲームではあるけれど随所にシリーズの懐かしさがありまして、シリーズの継承している要素として気に入っているものや、自分が希望してこれを入れたいと思ったところがあれば教えてください。
谷口氏:いっぱいあるんですけど、代表的なところでいうとレベルアップシステムであったり、RPGシステムは絶対入れたいと話していました。従来通りのレベルアップシステムである必要はないけれども、ゲームの中で頑張って何度もチャレンジすればいつかはゲームを進めることができる。これは本当にこのシリーズの良さでもあると思いますし、僕自身も歳を取ってアクション要素が少し辛い時があったりもします。そういう人でも楽しめるようにしたいという気持ちがあって初期からRPGシステムは入れたいという話をしていました。
外尾氏:本当にいっぱいあるんですけど、制作の過程で追加したものも多くて、燭台を壊してドロップするものとか、“壁を壊したら肉が当然出てこないといけない”といったところですね。これらは最初の頃からあったわけではなく、「今私たちが作っているものは“悪魔城”らしいのか?」みたいな話をEvil Empireのチームとディスカッションを重ねて、みんなが「これあるあるだよね」というネタ出しなどをして、シャンデリアが落ちる要素などを散りばめた部分は結構あるかと思います。
Emmanuel氏:強いて言うなら全てです。でもやっぱり“鞭”ですね。鞭は「Castlevania」を象徴するものだと思います。あとは谷口さんが最初におっしゃったように2D探索型であること。そして欠かせないのが懐かしい要素を入れること。壁を壊したり、そういう昔ながらのファンが楽しんでいただける要素を入れました。なのでノスタルジーファンと新規ファンにも楽しんでいただけると嬉しいです。
――「悪魔城ドラキュラ」、「Castlevania」シリーズの今後の展望を聞かせてください。
谷口氏:気になりますよね(笑)。正直なところ具体的なことで今ご説明できることがあまり多くないんですけど、元々このプロジェクトに至るまでの話で言うと、僕自身も小さい頃から「悪魔城伝説」や初代「悪魔城ドラキュラ」から遊んでいた人間です。この会社に入社してある時からSNSで“探索型のアクションゲームは好きだけど「悪魔城ドラキュラ」と「Castlevania」をやったことがない”というのを見かけるようになりました。そこで社内の1ファンとしてもなんとかしたいと考えまして、できる事からやろうとスタートしたのがコレクション作品(「悪魔城ドラキュラ アニバーサリーコレクション」)で、まずは過去作をまず遊べる環境を作ってみようと。
新しいお客様にも知ってもらえる機会があるならコラボレーションのDLCも取り組んでみようという形で一つひとつ積み上げてきた結果、最終的にやはり「新作が欲しいよね」と、僕もやりたいですし。そこから新作を作ろうと思い、どうやったら作れるだろうかと考えながら取り組んできた結果が今回の「Castlevania: Belmont’s Curse」になります。新作をお届けできるところまで来れたのがすごく個人的には嬉しいことですし、この先がどんどん続いていってほしいと思っています。
――ありがとうございました。
(C)Konami Digital Entertainment
※画面は開発中のものです。








































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