インタビュー

【リネ2M】「継承者の数だけ物語がある」。「リネージュ2M」5周年、運営プロデューサー柴田優輝氏が語る5年間の歩みとこれから

攻城戦の進化、14種の武器、エデン サーバーの思想……これまでの5年間を振り返る

 NC Corporationが運営するAndroid/iOS/PC向け次世代オープンワールドRPG「リネージュ2M」が、2026年3月にサービス開始5周年を迎えた。

 攻城戦やボス モンスターの奪い合い、連合同士の大規模PvPなど、プレーヤーが織りなすダイナミックな物語を軸に、多くのプレーヤーたちに愛されている作品だ。先日は大型アップデートが実施され、復帰・新規プレーヤー向けのサポート強化など、精力的な展開が続いている。

 今回は「リネージュ2M」日本プロデューサーの柴田優輝氏にお話をうかがい、5年間の対人コンテンツの進化、武器種の広がり、エデン サーバーの思想、そして三国志コラボの舞台裏から今後の展開まで、たっぷりと語っていただいた。

5年で「戦略ゲーム」へと変貌した対人コンテンツ

「リネージュ2M」日本プロデューサーの柴田優輝氏

――5周年おめでとうございます。まずは率直に、「リネージュ2M」の近況をお聞かせください。

柴田氏:ありがとうございます。ここまでサービスを続けてこられたのは、長く遊んでくださっている皆さま、新しく始めてくださった方、そして5周年というタイミングで復帰してくださった方のおかげです。当社のMMORPGは、一度やめてもまた戻ってきたくなるようなタイトルだと思っていまして、実際に周年のタイミングで帰ってきてくださった方が多くいらっしゃいました。

 特に、復帰される方へのケアにはかなり力を入れています。今回のアップデートでレベル80以上の経験値効率がかなり上がりましたし、昔プレイされていた方が大変だったコレクションについても、新規・復帰ショップでアデナと交換しながら埋めていける仕組みが用意されています。成長部分が一番大変だと思うので、そうしたサポートを充実させて遊びやすい状態にしています。

 また、これから開催される「ダブル バック アタック」では豪華な報酬がもらえるタイミングになりますので、復帰を考えている方はぜひ注目していただければと思います。

――この5年間を振り返ると、攻城戦やボス モンスターの争奪といった対人コンテンツは非常に印象的でした。どう進化してきたのでしょうか。

柴田氏:遊び方はかなり変わってきましたね。攻城戦が始まった当初は、いかに多くの人同士でぶつかるか、いかにヒーラー系の武器種「オーブ」のスキルである「アルケインシールド」をかけるかといった部分が主だったんですが、時間が進むにつれて規模が血盟単位から連合になり、戦う場所もさまざまなコンテンツに広がってきました。

 ボス モンスターの争奪もそうですが、奪い合う対象が増えたんです。かつて英雄級のアイテムを目標にしていたのが伝説級になり、今では神話級が出る可能性もある。報酬のレベルが上がるにつれて、PvPのモチベーションも高まっています。

 今は、自分がどの連合に所属するかが非常に重要です。ある程度の規模の連合に入っていれば、普段は一人では行けないようなコンテンツにも連れて行ってもらえたり、連合内でサポートしてもらえたりする。そういう意味で、対人コンテンツへの参加の仕方自体が変化してきていますね。

 連合の規模で言うと、連合単位で数百人、同盟連合まで含めると最大で千人規模になることもあります。オリジン ワールドだと26個ものサーバーがある中で、どこのサーバーに誰を配置するか、どのサーバーで敵と当たるか、ボス モンスターの利権をどう確保するか。サーバー移動まで含めた大規模な戦略ゲームのような様相を呈しています。リリース当初と比べると全然違うゲームになっているという感覚ですね。

昨今は大規模な戦略ゲームの様相を見せているという

――生放送で表彰された「バーコードさん」のエピソードも話題になりました。

柴田氏:あのエピソードは面白いんですよ。キャラクター名をLの小文字「l」と「I(アイ)」の組み合わせで、バーコード状の文字列にしている方がいまして、しかも血盟単位で全員がそれをやっているんです。

 PvPで戦うとき、全員が同じような名前なのでどの人が強いのかわからない。ターゲットの優先順位が付けられないんですね。ゲーム画面上で判別するのはプレーヤーには困難で、これが戦術として成立しているのがすごいところです。

 日本初のレベル93達成者もまさにその方で、生放送で表彰したときにも「llllさん、おめでとうございます」とお祝いするという(笑)。

 ちなみに、その方は「リネージュ2M」でレジェンド級の強さの持ち主で、最上級のレアリティである神話級の装備を、惜しげもなくオーバーエンチャントして破壊するレベルの方です。韓国や台湾でも「日本にそんな方がいらっしゃるんですね」と言われたのを覚えています。


生放送での表彰時の様子

――GAME Watchでは過去にユーザーへの取材記事も掲載しました。ユーザー自身が盛り上げてくれている実感はありますか?

柴田氏:物語が本当に多いんですよ。当時最強だった連合が今は活動していなかったり、3つの大勢力が2つに集約されたり。また、パプリオン サーバーやリンドビオル サーバーがサービス開始時から運営されているオリジン ワールドに合流したことで、どの既存勢力に加わるかという新たな物語も生まれました。

 勢力関係も混沌としているんです。勢力図を作ってくださる方もいるんですが、それに対して「ここ違うよ」という反応があるほど、全体像を把握している人が少ないくらい複雑になっています。システム的に友好設定にしていても、実際には協力関係にないケースもありますし、"同盟とは呼べないけど中立よりは仲がいい"みたいな微妙な関係性もあります。本当に連合同士の集まりに入っていないとわからない世界が広がっていますね。

 時代の変化とともに最強の座が入れ替わる。それもまた物語の1つですし、プレーヤーさんが生み出すドラマこそが「リネージュ2M」の魅力だと思っています。

14種の武器と3つのサーバー群、広がり続ける遊び方

――当初6種類から始まった武器種も、5年間で大幅に増えました。人気武器種などは存在するのでしょうか。

柴田氏:現在は14種類にまで増えました。意外と人気はばらけるんですよ。もちろん人気不人気はありますし、人気武器種は取引所で高くなったりもしますが、ずっと同じ武器種を使い続ける愛着のある方も多いんです。「自分はオーブで生きていくんだ」とか「レイピア一筋です」という方もいらっしゃって、クラスチェンジの時も別の武器種に変えるのではなく、自分のメイン武器種を強くするために活用している方もいらっしゃいます。

 武器種によってプレイスタイルがかなり変わるのも特徴です。チェーンソードはスタン防御能力でワンランク上の狩場も狙えますし、レイピアは優れた突進攻撃能力でスタイリッシュなプレイが可能です。クロスボウは耐久性能が下がる代わりに複数攻撃に特化していて、狩り場のレベルをちょっと下げてより多くの敵を相手にすることで経験値効率を上げる、といった戦い方ができます。

 何を重視するか、自分が何を信念にするかで選べる多様性がある。5年の積み重ねでプレイの幅が段違いに広がりましたね。

この5年間で多くの武器種が追加され、遊びの幅は大きく広がった

――2024年8月にオープンしたエデン サーバーは、古き良きMMORPGの楽しさが詰まった印象でしたが、どのような思いで作られたのでしょうか。

柴田氏:エデン サーバーは「クロニクルY2K」というアップデートで実装しました。Y2Kは当時流行していた「古き良きものを見直そう」という文化的な潮流に合わせたもので、初期武器種が6種、パーティーダンジョンやワールドコンテンツなどを制限したシンプルな状態からスタートしたんです。

 MMORPGってコンテンツ量が多くて圧倒されやすいじゃないですか。エデン サーバーはゼロから順次アップデートしていく形なので、プレイしながら少しずつ世界が広がっていく楽しさがあります。

 「リネージュ」シリーズのなかでも特に“Play to Win”を強化したサーバーでして、コレクション課金のような要素を販売せず、課金単価も抑えています。ボス モンスターを狩って、ドロップを獲得するなど、プレイそのものが強さにつながるサーバーですね。

 また、現在はかなりアップデートが進んでいて、領地もオリジン サーバーの1つ前にあたるインナドリル領地まで解放されています。遊んでいるプレーヤー数もオリジンに引けを取らないくらい多くいらっしゃいます。

 ライフスタイルが昔とは変わっているので、狩り自体はオート前提ですが、プレイ時間がしっかり成長につながるエデンの設計思想は、今の時代にフィットしているのかもしれません。

――新しいサーバーの追加は、既存プレーヤーや新規・復帰プレーヤーにとってどんな役割を果たしてきたのでしょうか。

柴田氏:ゲーム全体の活性化にとって非常に大きな役割がありました。長期運営のMMORPGだとどうしてもゲーム内の蓄積や成長差が大きくなるので、新しく始める方にとって心理的なハードルが生まれやすいのです。ですが、新サーバーは全員が一斉にスタートラインに立てるので、初期ならではの緊張感やコミュニティの一体感が生まれます。

 ただ、あえて既存のオリジン ワールドから始める方ももちろんいらっしゃいます。既存のオリジン サーバーはインフレが進んでいる分、ゼロから始めてもアイテムを獲得しやすく、PvEの時に1人でも行ける場所の範囲が広がりやすい。ソロでも楽しく成長できるという魅力があります。

 一方、リザーブ ワールド(エデン・サイハ サーバー)は自分のプレイが戦力に直結しやすいので、参加率を上げてしっかり戦っていくことに達成感がある。何を楽しみに始めるかでワールドを選んでいただければと思います。

“Play to Win”をコンセプトにしたエデン サーバーも登場した

5周年アップデートと三国志コラボの舞台裏

――今回の5周年大型アップデートの概要と、注目ポイントを教えてください。

柴田氏:周年ならではの挑戦と、成長の楽しさを実感できるアップデートになっています。大きく2つあります。

 1つ目は戦闘体験の深化です。槍のクラスリブートを皮切りに、さまざまな武器種の体験を強化していく予定です。また三国志の世界観が入ったのも初めての試みで、ゲームに新たな刺激や驚きを届けたいという開発チームの挑戦の表れです。

 2つ目は復帰・新規プレーヤーへのサポート強化です。コレクションのサポートに加え、レベル81以上から提供されるEXPボーナスバフが追加されました。新規・復帰の方にはさらにボーナスが乗る仕様になっているので、レベル80くらいでやめてしまった方でもレベル上げがしやすくなっています。

 「ダブル バック アタック」イベントでは、「ザリチェ」と、普段はなかなか戦えないボス モンスター「バイウム」などが出現し、全員で戦って討伐すると全員に報酬がもらえます。討伐後にはNPCが出現して、チケットを入手して強化の成功段階に応じた報酬がもらえるお祭り的なコンテンツです。

 バック アタックは開催するたびに報酬が異なるのですが、過去には伝説級クラスや覚醒ポーションなど確定で入手できるようになっていましたし、以前実施した「キャッスル ストライク」ではワイバーンに先着で乗れるイベントもあって、連合トップしか乗れなかったワイバーンを初めて体験した方がたくさんいらっしゃいました。

――今回実施された「三国志コラボ」についてもう少し詳しく教えてください。アデン大陸の世界観に三国志は意外な組み合わせに思えましたが。

柴田氏:これは国ごとの文化の違いが大きくて、韓国のプレーヤーにとって三国志コラボは「世界観コラボ」としても自然に受け入れられるんです。日本だと「三国志コラボ」と聞くと他作品とコラボするようなイメージを持たれるかもしれませんが、韓国では特定のIPではなく、三国志という世界観そのものとのコラボとしても、認識したりするんですね。

 日本・韓国・台湾の3カ国で馴染みがあり、かつ「なんだこれ」という良い意味での衝撃を与えられるIP。開発チームがそういう視点で選んだものです。違和感はあるかもしれないですが、挑戦としては面白いものだったと思います。乗り物やクラスも好評でしたね。

 三国志キャラクターのクラスが確定で手に入るパッケージが1,000ダイヤで確定入手できるという設計が好評でした。ガチャで最上位を引かないと手に入らないようなソーシャルゲーム的なスタイルではなく、好きな武将を確実に手に入れられるようにしたのが受け入れられたポイントだと思います。特に貂蝉の人気が高かったですね。

「三国志コラボ」で実装された赤兎馬や貂蝉は人気だったという

「今からでも遅くない」。新規・復帰プレーヤーも楽しめる

――新規プレーヤーや復帰プレーヤーに向けて、今の「リネージュ2M」の魅力をアピールしてください。

柴田氏:まず「今からでも遅くない」ということを伝えたいですね。成長部分のケアはもう恒久的に入っている施策なので、いつ始めてもサポートがあります。5年続いているタイトルと聞くとハードルが高く感じるかもしれませんが、成長がジャンプするのではなく、段階的に成長していけるように狩り場やダンジョンが設計されています。

 ダンジョンで手に入れたアイテムをコレクションに入れて、強化して、PvEの楽しさを味わえます。血盟コンテンツでもオリンピアード「異教徒のカタコム」などでは参加率が重視されるので、トップクラスの強さがなくても、毎回ちゃんと参加する人は血盟から重宝されるんです。ローカルサーバーのボス モンスターの管理を担当するといった貢献の仕方もありますし、強さだけが価値ではありません。自分にできることで仲間に貢献するという遊び方があるのは伝えたいですね。

――今後の「リネージュ2M」の展開について、教えていただける範囲でお願いします。

柴田氏:1年間のアップデート計画はすでにあります。詳細はお伝えできないのですが、クラスリブートについては今回の槍を皮切りに、今後さまざまな武器種で展開していく予定です。

 大事な方針として、新しい目標や刺激を提供し続けることを重視しています。三国志がその第一歩で、ただコンテンツを追加するだけでなく、コミュニティも含めたゲーム全体の熱量を維持し、発展していけるように努力していきます。今後もよろしくお願いいたします。

今回は「槍」のクラスリブートが実施されたが、各武器種も今後実施されていく予定とのこと

――最後に、柴田さんが個人的に感じているリネージュ2Mの魅力をお聞かせください。

柴田氏:一言で言えば「継承者の数だけ物語がある」ことです。同じ世界、同じコンテンツで遊んでいても、所属する血盟や連合、選ぶ武器種や狩り場、その日の判断によって体験がまったく違うものになる。それがMMORPGとしての面白さであり、それを非常に濃く味わえると思います。

 日々の積み重ねがしっかり意味を持つのも大きな魅力ですね。毎日ちゃんと育成して、装備を強化して、仲間と連携する。そういった地道な積み重ねが、攻城戦やボス モンスター争奪、連合同士の大きな戦いの舞台で一気に花開く。5周年を迎えた今だからこそ、これまで続けてくださった方にも、これから触れる方にも、「リネージュ2M」にしかない熱量とドラマを感じていただきたいですね。

 そして、MMORPGをプレイしたことがない方には、ぜひ一度どっぷり浸かってみてほしいですね。政治や外交、千人規模の連合をどうまとめるか……。シングルプレイのRPGではなかなか味わうことができない、人と人とが生む物語がここにあります。こんな世界があるんだと、新しい体感を得られると思います。

――本日はありがとうございました!

改めて今の「リネージュ2M」の魅力をたっぷりと語ってもらった