インタビュー

“クリーンなApex”が自分たちの強さ。札幌開催の「ALGS Year 5」優勝チーム「Oblivion」インタビュー

【ALGS Year 5 Championship】
開催期間:1月15日〜1月18日
開催場所:大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)

 北海道札幌市にて開催されたバトルロイヤルゲーム「Apex Legends」の公式世界大会「Apex Legends Global Series(ALGS) Year 5 Championship」において、米国のプロeスポーツチーム「Oblivion」が初優勝を飾った。

 「ALGS Year 5 Championship」は、2025〜2026年シーズンの年間王者を決める世界大会。2回目の札幌開催となった今回は、昨年以上の盛り上がりを見せ、決勝では9チームがマッチポイントとなり、どこが優勝してもおかしくない展開となった。本稿では見事優勝に輝いた「Oblivion」のBlinkzr選手、FunFPS選手、Monsoon選手、RubyCasterコーチのインタビューをお届けしたい。

左からRubyCasterコーチ、Blinkzr選手、FunFPS選手、Monsoon選手

Oblivionの強さは「クリーンなApex」

――ここ札幌で、初めて世界一に輝きました。今の心境を教えてください。

Blinkzr選手:競技人生において、これ以上の経験はないと思います。この経験を札幌で成し遂げられたことは本当に特別です。これまで選手として様々な大会に出てきましたが、今回勝てたことは信じられない体験になりました。かなりの時間と努力をかけて準備してきたので、本当に特別な瞬間です。

Monsoon選手:もう一つ、日本のファンは本当に情熱的で「Apex」や出場している選手たちを愛していることを肌で感じました。私たち選手と同じくらいの情熱を注いでくれていると思います。会場全体が一つになったような瞬間を一緒に作れたことに感謝していますし、ベスト・オブ・ベストだと思います。

――今回から「レジェンドBAN」という新ルールが導入されましたが、その中で意識した作戦などはありますか?

Blinkzr選手:プレイスタイルは自分たちが何をしたいのか、自分たちの強みが何かによって変わってきます。確かに新ルールへの対応を迫られた部分はありましたが、私たちは自分たちの強みは何か、それをチームとしてどう活かすのかを中心に考えました。そうするとチームの構成は自然と決まったので、しっかりと研究すれば、大体の流れはこれまでと同じだったように感じています。

優勝が決まった瞬間

――優勝が決まった9試合目以外で、印象に残った試合がありますか?

Monsoon選手:4試合目の「E-District」での試合ですね。敵をうまく倒せたり、立ち回りがかなりうまくいって、フロアをコントロールしながら状況に適応することができました。チャンスができた時にしっかり掴むことができるという自信になりましたし、残りの試合展開もうまくいったのでとても印象に残っています。

――4試合目の時点で49ポイントを獲得しましたが、続く5試合目ではポイントを獲得できませんでした。その時はどのような気持ちでしたか?

Blinkzr選手:それは私がミスってしまって、その時はどうなるかと思ったのですが、チームメイトが「まだ終わっていない」と励ましてくれました。その後マッチポイントになって、そこから3試合かかって優勝できましたが、大事なことは気持ちを維持すること、心が折れないようにすること、そしてやるべきことをやり続けることでした。本当に仲間には助けられました。

Monsoon選手:“Blinkzrの野郎”が倒された時は少し迷惑でしたが(笑)、まだチャンスは残されていたので「このまま続けていこう」と鼓舞しました。

――9試合目で優勝できた決め手は何でしたか?

Monsoon選手:敵のエコー(ヴァンテージのスキル)が引いていったので、それを追いかけたら最後まで役立ってくれた建物が見えてきました。私たちはその建物が安置の動き的にも有利なポジションだと判断して、最終安置が出た瞬間に「かなりのプレッシャーを与えられる」と確信しました。簡単に言えば、良いローテーションと良いポジショニングが勝利に導いてくれたと思います。

RubyCasterコーチ:あの時はBlinkzrもリスポーンできて、自信に溢れていました。選手みんなのエネルギーレベルが高くて、お互いを信頼していたことが結果に繋がったのだと思います。

5試合目では試合序盤にチームが全滅。だが、6試合目以降から立て直した

――LCQ(ラストチャンス予選)からの戦いを振り返って、この優勝を予想していましたか?

Monsoon選手:決勝の時点で「絶対にいける」と自信を持てました。ブラケットステージは予測できない部分があって難しいのですが、トップ20が集まる決勝は予想しやすくなります。私たちがやるべきことに取り組み、自信を持てば、絶対に勝機はあると思っていました。

――今のメタの中で、自分たちのチームが優れている点はどこにあると考えていますか?

Blinkzr選手:私たちの強さを一言で表すなら「スローにプレイすること」です。多くのチームはとにかく素早くプレイして、展開を早めたいと考えています。しかし私たちは、意識的にスローにプレイすることで勝利の確率が高まると考えています。相手が「皆殺しにするぞ!」と攻撃的に来るのに対して、私たちはゆっくりとゾーンを守るという気持ちを持っています。私たちはこれを「クリーンなApex」と呼んでいますね。

撮影中もいろいろなポーズをしてくれた「Oblivion」のメンバー

札幌は“美味しい経験”ができる

――Blinkzr選手、RubyCasterコーチは初めて札幌に訪れたと思いますが、いかがでしたか?美味しいものは食べましたか?

Blinkzr選手:これまでいろいろな都市を訪れてきましたが、ベストな都市だと思います。ラーメン、寿司、ジンギスカン、どれも本当に美味しかったです!

RubyCasterコーチ:最高の場所です!実は前回は観客として来ていて、コーチとしては初めて参加しました。本当に最高のチームに恵まれて、ここまで一緒に戦うことができました。優勝したので、コーチとしての役目は果たせたかなと思います。

RubyCasterコーチ(左)とBlinkzr選手(右)

――Monsoon選手は前回も札幌に来ていて、その時に彼女にプロポーズしたと伺いました。札幌は特別な場所になっていると思いますが、今回一番楽しみにしていたことは何ですか?

Monsoon選手:食べ物がとても美味しいことです。正直、ゲームをプレイするよりも食べることの方が好きかもしれません(笑)。

 実は若い頃、最初に働いた場所が寿司レストランで、魚の捌き方、調理の仕方とかいろいろと教わっていて、料理には馴染みがあるんです。世界の色々な場所を旅して、その土地の料理を食べることが好きなのですが、その中でも日本食はトップに入ります。札幌に来て、ゲームをプレイして、ファンと交流するだけじゃなくて、日本食を食べるのは文字通り“美味しい経験”になっています。

FunFPS選手(左)とMonsoon選手(右)

メイド服は“約束”があったから。来年への意気込みも

――大会期間中のルーティンやお守りなどはありましたか?

Blinkzr選手:特にこれといったものはありませんが、とにかくここに来て、自分の椅子に座って、リラックスして、いつも通りに取り組むことに専念しました。

Monsoon選手:ずっとグミを食べていました(笑)。

FunFPS選手:私は4日連続で同じラーメンを食べました(笑)。

――Monsoon選手がメイド姿で会場に入った時、ものすごい歓声が上がりました。この時の気持ちはいかがでしたか?

Monsoon選手:ありがとうございます(笑)。実は3週間前に配信した時、まだ札幌に来ることは決まっていなかったのですが、もしこの大会に出場できたら「メイドのコスプレをする」と言ってしまったんです(笑)。その約束がありましたし、私自身も面白いんじゃないかと思っていました。楽しんでくれましたか?

メイド服姿で入場したMonsoon選手(左)

――今回優勝できましたが、他チームからのオファーについてはどう考えていますか?

Monsoon選手:まずは今回の優勝を楽しみたいと思います。その後、お金の話も含めて色々と考えることになると思います。過去には“あほみたいに低いオファー”が来たこともありますから(笑)。今後が楽しみですね。

――優勝トロフィーは誰が持って帰りますか?

Monsoon選手:Blinkzrですね(笑)。IGL(インゲームリーダー)ですし、今大会のMVPですから。

「ALGS Championship」の優勝トロフィー

――気が早いですが、来年も札幌で「ALGS Championship」の開催が決まっています。来シーズンに向けての意気込みをお願いします。

FunFPS選手:札幌での体験は全てが最高なので、楽しみにしています。

Monsoon選手:今は少し休みたいですが……(笑)。競技が好きなので、また来年もこの場所を目指して頑張りたいと思います。

――優勝おめでとうございます。ありがとうございました。