【特別企画】
王者誕生の瞬間に札幌が沸き立つ! 「ALGS Year 4 Championship」参戦レポート
2025年2月3日 08:56
- 【ALGS Year 4 Championship】
- 開催期間:1月29日〜2月2日
- 開催場所:大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)
Electronic ArtsとRespawn Entertainmentは1月29日より2月2日にかけて、バトルロイヤルゲーム「Apex Legends」の公式世界大会「Apex Legends Global Series(ALGS) Year 4 Championship」を北海道札幌市にて開催した。
「ALGS」において、シーズンの締めくくりとなるチャンピオンシップ大会。今回は初めてアジア地域でのオフライン大会となり、「ALGS」史上最大規模の会場となる北海道札幌市の大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)での開催となった。
大会には日本や韓国を含む北アジア太平洋地域(APAC North)や南アジア太平洋地域(APAC South)、北米、南米、EMEA(ヨーロッパ・中東・アフリカ)、中国の6地域から全40チームが出場。それぞれの地域大会の上位チームが出場しており、世界王者の座を賭けて死闘を繰り広げた。
本稿では大盛況のうちに幕を閉じた「ALGS Year 4 Championship」の参戦レポートをお届け。札幌が沸いた「Apex」世界大会の現地の様子を振り返っていこう。
会場は札幌ドームの“新モード”を活用! 試合会場とファンゾーンで分離
大会が行われたのは、大小様々な会場がある首都圏ではなく、日本最北端の地である北海道の札幌市。会場はプロサッカチーム「北海道コンサドーレ札幌」の本拠地であり、かつてプロ野球チーム「北海道日本ハムファイターズ」が本拠地をおいていた「大和ハウス プレミストドーム(札幌ドーム)」だ。
「ALGS」チャンピオンシップ大会初のアジア開催ということもあり、札幌の街全体で「ALGS」を応援。ファイナルには札幌市の秋元克広市長が応援に駆けつけたほか、札幌ドームの最寄駅である札幌市地下鉄「福住駅」は駅全体が「ALGS」仕様となっていた。
札幌ドームは野球やサッカーを開催できる広大なアリーナを備えるが、それほど大きなステージを必要としないeスポーツにおいては会場が大きすぎる。そのため通常だと観客席からステージまでが遠くなってしまうが、今回は2023年より運用されている札幌ドームの“新モード”で運用。アリーナを暗幕で仕切り、試合会場とファンゾーンにわけ、広大な札幌ドームを有効活用している。
会場には世界各地から「Apex」ファンが駆けつけており、日本語や英語のみならず、中国語や韓国語など様々な言語が聞こえてくる。また、普段から「Apex」をプレイしているであろう10代〜30代の男性のみならず、多くの女性やご年配の方も来場しており、老若男女様々な方が来場しているのが印象的だった。
ファンゾーンでは「ALGS」札幌限定グッズを販売するグッズコーナーのほか、ファンアートなどの展示コーナー、出場チームやスポンサーによるブース出展、「Apex Legends」プレイコーナーが設けられた。特にプレーヤーのランク帯に応じたステッカーを貼ることができるボードは、日に日にステッカーが増え、最終日には貼る場所がなくなるほどステッカーが増えていた。
またドーム内のフードショップも営業され、ハンバーガーやカレー、アルコール類などを販売。会場内にも持ち込み可能で、来場者一人ひとりがそれぞれの楽しみ方で試合を観戦しており、さながらスポーツ観戦のような雰囲気だった。
決勝日のチケットは完売! ヨーロッパ勢初となる「GoNext」が優勝
筆者はグループステージ2日目となる1月30日(木)に会場入り。平日の昼間だったが熱心なファンが駆けつけており、既に盛り上がりを見せていた。そして土日になると来場者は一気に増え、ブラケットステージが行われた土曜日も前方側の客席はほぼ満席だったほか、ファンゾーンも大盛況だった。
そして決勝が行なわれる2月2日(日)のチケットは前売券で完売。雪が降り頻る真冬の北海道で行なわれるため、筆者は会場が埋まるのか疑問だったが、そこはFPS屈指の人気を誇る「Apex Legends」の世界大会ということもあり、世界各地からファンが駆けつけたようだ。
大会には全40チームが出場するが、ファイナルに進むことができるのは20チームのみ。日本や韓国を含むAPAC Northからは全6チームが出場したが、「Meteor」と「REIGNITE」がグループステージで敗退、「GHS Professional」と「Crazy Raccoon」がルーザーズブラケット2で敗退し、ファイナルに残ったのは「Fnatic」と「ENTER FORCE.36」の2チームとなった。
大会はキルポイントとプレースポイントによるマッチポイント制で、50ポイント以上獲得したチームが次の試合でチャンピオンを取ると優勝となる。逆に50ポイント獲得したチームがチャンピオンを取るまでは大会が続くのだ。今回は最終的に全9試合が行われ、8試合目終了時点でおよそ半数の9チームがマッチポイント状態となる大接戦。文字通り“どこが優勝してもおかしくない状態”で、会場は熱気と興奮の渦となった。
- Complexity(North America・★)
- Envy(North America)
- Furia(North America・★)
- LG(North America・★)
- Liquid Alienware(North America)
- Shopify Rebellion(North America・★)
- Team Falcons(North America・★)
- TSM(North America)
- Virtus.Pro(North America)
- Alliance(EMEA・★)
- Aurora(EMEA)
- EXO CLAN(EMEA)
- Gaimin Gladiators(EMEA)
- GoNext(EMEA・★)
- Noctem(EMEA)
- ENTER FORCE.36(APAC North)
- Fnatic(APAC North・★)
- Guild(APAC South)
- Team Burger(APAC South)
- VK Gaming(APAC South・★)
「ALGS Year 4 Championship」ファイナル進出チーム(出場地域・★は8試合目終了時点でマッチポイントだったチーム)
試合中は会場に銃声が響き、まるで映画館で「Apex」をプレイしているような迫力を感じられる。またリング縮小やチームが全滅した時など、大型モニターに映し出される演出が非常にカッコいい。観客の歓声も圧倒的で、キルした瞬間やチャンピオンが決まった瞬間など「ウォーー!!」という地鳴りのような音がドームを包み込む。
特に日本から出場している「Fnatic」が活躍すると会場のボルテージは最高潮に達する。「Fnatic」はファイナルでチャンピオンを取ることはできなかったが、マッチポイントが点灯した瞬間は筆者も思わず声を挙げてしまった。
5試合目以降はマッチポイントとなったチームが奮闘するもなかなかチャンピオンを獲得できず。先にマッチポイントを迎えていたEMEAの「Alliance」や北米の「Team Falcons」といった強豪に追いつくため、各チーム同士がハイレベルな戦いを見せてくれた。
最終的に優勝を飾ったのはギリシャのプロeスポーツチーム「GoNext」。最終試合でチャンピオンを獲得すると「GoNext」のHiarka選手が喜びを爆発させ、会場も王者誕生の瞬間に大きな歓声と拍手が上がった。
ALGSはこれまで北米チームが年間王者を獲得してきたため、北米地域以外からの年間王者はこれが初となった。最後の方は「あともう一試合楽しめる!」という状況が何度も続いたため、いざ王者が決まると「終わってしまった……」と少し寂しい気持ちになった。
忘れられない思い出になる! eスポーツの魅力を最大限に感じられた「ALGS」札幌大会
ここまで「ALGS Year 4 Championship」の参戦レポートをお届けしてきた。筆者はこれまでオンラインで「ALGS」などのeスポーツ大会を見てきたが、オフラインでの参加は今回が初めて。結果としてスポーツ観戦と同じくらい楽しく、熱くなれるイベントだったと感じた。
会場で選手たちを応援する一体感や「Apex」をプレイしている仲間たちとの交流はオフラインでしか味わうことができない。またプロプレーヤーのプレイを間近で見られるので、忘れられない思い出になること間違いなしだ。今回は「Apex Legends」の年間王者決定戦という大きな大会だったが、今後もこういった世界大会が日本で開催されていってほしい。
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