インタビュー

「グランツーリスモ ワールドシリーズ2026」ラウンド1-アブダビ詳報

アル・ファザリ氏「GTファンとして夢が叶った!」。予選は1月14日よりスタート

【グランツーリスモ ワールドシリーズ 2025 ワールドファイナル -福岡】
開催期間:12月20日〜12月21日
会場:福岡国際会議場 メインホール+多目的ホール

  「グランツーリスモ」シリーズの世界大会「グランツーリスモ ワールドシリーズ(GTWS)」は、12月20日、2026年シーズンのオープニングイベント(ROUND1)にアブダビを選択したことを明らかにした。開催時期は通例より3カ月近く早い3月28日を予定。GTWS2025福岡最終日となる12月21日、メディア向けのラウンドテーブルが開催されたのでその模様をお届けする。出席者は、「グランツーリスモ」シリーズクリエイターの山内一典氏と、アブダビ文化観光局のサイード・アル・ファザリ氏。

【ラウンドテーブル】

 今回の発表に合わせてチケットの販売も開始。出場選手はおろか、GTWS2026の具体的なレギュレーションすら明らかになっていない段階での展開となる。アブダビ大会の出場者を決める予選はマニュファクチャラーズカップが1月14日、ネイションズカップは2月11日スタートと、こちらもかなり前倒しでの開催となる。

 アブダビ大会は、例年通り、1日でマニュファクチャラーズカップとネイションズカップのROUND1を実施する形で、サブイベントも実施される予定。チケット価格は130AED(約5,580円)からで、前方席が確約されるプレミアムチケットは150AED(約6,443円)。すでに日本語による販売サイトもオープンしており、日本から購入することもできる。

【GTWS2026サイト】

 今回、ラウンドテーブルへの参加を通じて感じたのは、日本を含む海外からアラブ首長国連邦(UAE)へ世界中の人びとを呼び込もうという強い熱意だ。その有力なコンテンツとしてGTWSが選ばれ、中東を代表するコース「ヤス・マリーナ・サーキット」の実装に合わせて正式発表された。山内氏は、UAE大使館から連絡を受け、アブダビに何度か足を運び開催を決めたという。アブダビ開催については、山内氏の意思、長年の希望の実現ではなく、UAE側の意思が強く感じられ、UAEは政府幹部にGTファンが多いことから、山内氏もその熱意にほだされたといった印象がある。

 開催地のアブダビの印象として山内氏は、「「本当にカーエンスージアストの多い国。しかも男性だけじゃ無くて女性のクルマ好きも多い」とコメント。続けて「日本や欧米だとクルマって男の趣味みたいなところがあるが、UAEに関してはまったくそうではないというところが最初の印象です」とクルマ視点で印象を語った。

【山内一典氏】

 また、ついに「GT7」に実装され、GTWSにも採用された、ヤス・マリーナ・サーキットを実際に走ってみた印象として「ヤス・マリーナって普段はF1でしか見られないサーキットですが、それをGT3カーで走らせると、もの凄くテクニカルで、イメージよりも1つか2つ下のギアを使わなければいけない。コーナーが結構たくさんあって、凄くおもしろいコースだと思った」と語った。実際に、昨日のマニュファクチャラーズカップ予選でもヤス・マリーナ・サーキットが採用されていたが、クルマによって使っているギアが違っていたという。総じて「走るクルマによって走らせ方が大きく変わるトラック」と評価した。

 アル・ファザリ氏はGTWSのアブダビ開催について「長年のGTシリーズのファンとして夢が叶って嬉しい。関係者やオーディエンスだけでなく、メディアも盛り上がってくれている。このパートナーシップを大きくしていきたい」と興奮気味に語った。そしてぜひ参加してほしいと、海外の観戦者も広く求めていく考えを示した。

【サイード・アル・ファザリ氏】

 アル・ファザリ氏がメディアに力説していたのは、eスポーツのホスト国としてのアブダビのポテンシャルの高さだ。「アブダビは世界の人口80%が8時間以内に到達できる場所に位置しており、すべての夢見る人にパーフェクトなホームになる」と語り、GTWSの開催を通じてeスポーツ大会のホスト国としてのステータスを高めていきたい考えだ。

 日本は残念ながら8時間で到達できるエリアに含まれないが、3月のアブダビ開催を機に、中東でのGTシリーズの盛り上がりや、新たな大会やコミュニティが創出される可能性もある。GTWSアブダビラウンドは、色んな意味で注目したい大会となりそうだ。

【GTWS2026スケジュール】
予選は1月14日よりスタートとなる
GTWSのイベント回数は4回のままとなる