インタビュー

“純国産ストラテジー”の真骨頂! 「クリスタル オブ リユニオン」インタビュー【前編】

開発10カ月目のアートワーク一新事件

開発10カ月目のアートワーク一新事件

濃厚なストラテジーゲームであると共に、アートワークにもこだわって制作されている。アートワーク周りは結城氏の強い意向によって刷新されたという

――それではまず、「クリユニ」を作ったきっかけなどお願いします。

瀧澤氏: 私は、ストラテジーゲームをプレイするのも制作するのも好きなのですが、とにかく重厚なゲームだという認識があります。とくに制作が大変なので、作ってからしばらく充電期間が必要です。なので、しばらく他のジャンルのゲームを作っていました。

 それからしばらくして、海外産のヒット作が出たと。日本でもヒットしているのを見て、いろいろと思うところがありまして。それで自分も、もう1回ちゃんとストラテジーゲームを作ってみようかな、となったのが最初のきっかけですね。

 プレイしてみて、その面白さは理解できたのですが、やはり海外製のゲームなので、自分にとって不満点もいろいろあったと。その上で、つぎにストラテジーゲームを作るなら自分なりに入れてみたいコアなアイディアがあったので、制作を始めたという経緯です。

――海外のストラテジーゲームがきっかけで「クリユニ」制作につながったと。

瀧澤氏: そもそも国内でスマホ向けのストラテジーって、自分以外はあまり制作しているところがないんです。

 最初は、自分が作らなくても誰かがそういうゲームを作るだろうなとずっと思っていました、のんびりと。でも結局、誰も作る人がいなくて、それであれば「国内でもう1度、ちゃんとしたストラテジーゲームを作るしかないか!」というような気持ちがありましたね。

――それで、その企画に結城基さんが関わっていくと。

結城氏: そうですね。

瀧澤氏: いろいろあって、合流したのは開発がスタートして10カ月後くらいなんですが。

――どのような経緯があったのでしょうか。

瀧澤氏: ストラテジーゲームを作ろうかなと周りに話していたときに声をかけていただけて。いくつかお話はあったのですが、gumiさんが1番熱い感じで「うちなら世界展開できる!」と(笑)。

 「クリユニ」は、世界展開を最初から視野に入れて作りたいと思っていたというのがありました。

 それと、最初に仕事をご一緒したとき、自分にとってgumiさんはデザインに強い会社というイメージもありました。弊社はその辺りが弱いところなので、上手く弱点を補って面白いゲームを作れるかな、と思って一緒に作り始めたのが経緯ですね。

――なるほど。

瀧澤氏: 開発からしばらく経って、gumiさん側のご担当が変わるタイミングがあって、結城さんが登場しました。当時、開発が難航しているというか、どういう方向性で進めようかと話をしているタイミングで。

 そうしたら、結城さんから「ガッツリやりたいけれど、僕がやるならデザインも一新したい」っていう話が出て。「おいおいおい、3カ月目に言うならわかるけど、もう10カ月目でデザインだいぶできてるんだけど……正気かお前!?」みたいな感じになって(笑)。最初は会議室で話していたんですけど、いきなり「喫茶店に行こう」と言われ、「コイツ何言ってんだ」と。

 そこで「どういうことだ」っていう話を2人でしたんですが、自分はそのときに結城さんを初めて知ったので、まずこれまでどんなことをやってきたか、みたいな話を聞きました。アウトプットも見せてもらったんですが、そこで「あ、これはすごい実力の高い人だな」と思って。「普通ならやらないけど、コイツがいうならやってみようかな」という気になって、奇跡的に意気投合して。そこで熱いタッグが始まり、ここまできているという感じですね(笑)。

――いい話です(笑)。結城さんは、そこで一新したいと提案したのにはなにか理由があったのですか?

結城氏: 自分はアートやデザインなどに特化したプロデューサーだったので、そこが得意分野ということもあり、せっかく自分が関わるんだったら、やっぱり変えたいと。とにかく全部変えさせてくれという感じで(笑)。

(安田俊亮/泊 裕一郎)