インタビュー
「オーバーウォッチ 2」×「ワンパンマン」コラボ開催決定! あの最強ヒーローサイタマが殴り込み!?
開発チームに「ワンパンマン」コラボの狙いをインタビュー
2023年2月7日 03:00
- 【「ワンパンマン」コラボ】
- 3月頃 実装予定
Blizzard Entertainment(以下、ブリザード)が手掛ける基本プレイ無料のチーム対戦型アクションシューティングゲーム「オーバーウォッチ 2」は、日本の漫画及びアニメ作品「ワンパンマン」とのコラボイベントを開催することを発表し、それに先立ってドゥームフィスト用の「サイタマ」スキンを公開した。「オーバーウォッチ」シリーズとしては、このように漫画やアニメ作品とコラボをすることは初めての試みとなる。
コラボの正式発表に先立ち、ブリザードはメディア向けにオンラインインタビューを開催。イベントに向けての狙いを語った。インタビューに登壇したのは、「オーバーウォッチ 2」のコマーシャルリーダーであるジョン・スペクター氏と、アートディレクターのディオン・ロジャーズ氏だ。
制作陣にもファンが多かった「ワンパンマン」とのコラボ
――なぜ「オーバーウォッチ 2」は「ワンパンマン」とコラボをするに至ったのでしょうか?
スペクター氏:「ワンパンマン」は日本だけでなく世界中で人気があるアニメです。「オーバーウォッチ 2」のプレーヤーベースと「ワンパンマン」のファンベースは重なるところが多くあると思ったので、今回コラボするに至りました。
ロジャーズ氏:それから、これはコラボが決まってからわかったことですが、我々の開発チームには沢山の「ワンパンマン」ファンがいたんです。チームでコラボスキンのデザイン案を考えているときも、デザイナーたちから多くのアイデアが挙がっていたので、両作品の親和性はとても高いと思います。
――お二人が「ワンパンマン」を鑑賞した感想はいかがでしたか?
スペクター氏:筋書きが他のバトルアニメと全く異なっていたのが新鮮でとても面白かったです。普通バトルアニメでは主人公は初め弱い存在として描かれ、そこから徐々に成長していくのが見どころになっていますが、「ワンパンマン」はその方程式を完全に無視していて、主人公が強すぎるが故の面白さというものに気づかせてくれました。特にサイタマが最強になった理由が腕立てやランニングというのが、個人的に好きなポイントです。
加えて、主人公が強すぎるという設定があった上で、サイタマの他にも魅力的なキャラクターが沢山いるのもこの作品のすごさだと思います。はじめのインパクトが強いのに尻すぼみにならないでストーリーが展開されていくので、飽きずに見ることができましたね。
ロジャーズ氏:自分も最初「ワンパンマン」の噂を聞いた時、どんな敵も一撃で倒してしまうアニメがどうやったら面白くなるんだ? と思ったのですが、実際に見てみるとストーリーがとてもつくり込まれていて驚きました。個性豊かなヒーローが多数登場し、様々なグループを組んで活動しているというのは、「オーバーウォッチ」との共通点ともいえますね。
――お二人は日頃からアニメを見るのですか?
ロジャーズ氏:自分は初代「ドラゴンボール」が子どものころから大好きです。もしいつか「ドラゴンボール」と「オーバーウォッチ」がコラボできたら素晴らしいでしょうね。そうなればサイタマと悟空が戦うことになりますから。
スペクター氏:好きなアニメをひとつに絞るのは難しいですが、「NARUTO」は自分にとって特別な存在ですね。米国で放映開始された当時からリアルタイムで見ていたので、とても思い出深い作品です。最近では「SPY×FAMILY」も見ていて、こちらも非常に素晴らしい作品だと感じています。
――今回発表されたサイタマのスキンは、買い物袋を手に持っているなど、非常に原作へのリスペクトを感じられるデザインになっていますね
ロジャーズ氏:よく気づいてくださいましたね! 先ほどもいったように、我々のチームにはもとから「ワンパンマン」が好きだったというデザイナーが沢山いて、サイタマらしさを追求していくうちに、「買い物袋を持たせよう!」ということになったんですよ。
――コラボスキンを制作するうえでこだわった点はありますか?
ロジャーズ氏:「オーバーウォッチ」の世界観を崩したくなかったので、「ワンパンマン」のキャラクターをそのままゲームに輸入するというよりは、「オーバーウォッチ」のキャラクターが「ワンパンマン」のコスプレをしているというようなイメージで作っています。その上で、アニメ「ワンパンマン」の制作スタジオともリモートで会議を重ねながら、両作品のセレブレーションになるようなデザインを凝らしました。
気を付けなければいけなかったのは、趣向を凝らしたデザインにしながらも、競技としての公平性を保つということです。プレーヤーは敵キャラクターのシルエットを視認することで戦術を組み立てていますので、スキンによってキャラクターの大まかな体格が変わらないように配慮しています。競技シーンでも十分使えるものでありながら、かつ「ワンパンマン」のデザインも尊重したスキンになっていると思います。
――その他にもコラボスキンをデザインするうえで難しかった点はありますか?
ロジャーズ氏:一番はアイデアをひとつに絞るということですかね。我々は「ワンパンマン」から沢山のインスピレーションをもらい、有り余るほどのデザイン案ができていたので、その中から両作品にとって一番良い最終案を決定するのが非常に大変なプロセスでした。
――日本のアニメ制作会社と協力するのはどのような経験でしたか?
ロジャーズ氏:アニメスタジオの方もこのコラボレーションを非常に楽しみにしていてくれたので、とても良い協力体制を築くことができました。双方のクリエイターたちがお互いに良い影響を与えたコラボになったと思います。
――サイタマ以外のキャラクターもコラボスキンとして登場しますか?
スペクター氏:まだ詳しくはお話しできませんが、サイタマ以外にもコラボスキンを沢山用意しています。ひとまずは、ドゥームフィストとサイタマという素晴らしい取り合わせを皆さんに見ていただきたいところですね。
ロジャーズ氏:「ワンパンマン」には魅力的なキャラクターが沢山いるので、サイタマ以外のコラボスキンに関してもアイデアに困ることはありませんでしたね。
――今回のコラボでは特別なゲームルールも追加されますか?
スペクター氏:「ワンパンマン」にちなんでどんな敵でも一撃で倒せてしまう新ルールも考えたことには考えたのですが、それだとやはりゲームとして成り立たないので不採用になりました(笑)。まだ詳しくは話せないのですが、イベント期間中はクリアすることで特別なレジェンドスキンが入手できるチャレンジを用意する予定ですので、続報をお待ちください。
――コラボスキンはショップで購入するかたちになりますか?
スペクター氏:いくつか用意しているスキンのうち、ひとつはチャレンジを完了することで入手できるようになっており、その他はショップから購入していただくようになる予定です。
――コラボはいつごろ実装される予定でしょうか?
スペクター氏:3月ごろに実装する予定です。
――今後「ワンパンマン」以外の作品とのコラボも期待できますか?
ロジャーズ氏:これからもこういったコラボイベントは継続していきたいと考えています。まだ決まった計画はありませんが、今回のコラボイベントをプレーヤーの皆さんがどう感じたか、そこのフィードバックをしっかりと受け取った上で、次回のコラボについても考えていきたいです。
――日本のコミュニティにメッセージがあればお願いします
スペクター氏:我々は日本で沢山のプレーヤーが「オーバーウォッチ 2」を楽しんでくれていることを知っていますし、日本のコミュニティは非常に大切な存在です。ちょうど数カ月前に日本を訪れ、ブリザードの日本支社を尋ねたのですが、どれだけ多くのプレーヤーが「オーバーウォッチ 2」を支持してくれているかを肌で感じ、感無量になりました。
ロジャーズ氏:「オーバーウォッチ 2」のアートスタイルを見てもらえればわかると思いますが、我々は日本の文化から多くのインスピレーションを得ています。デザイナーの多くは幼いころから日本のゲームを遊んで育っていますし、そういう意味でも、日本とその文化は我々にとって非常に大切な存在です。今後も「オーバーウォッチ 2」が日本で愛されるゲームであり続けられるようにしたいですね。
©2023 Blizzard Entertainment, Inc.
©ONE・村田雄介/集英社・ヒーロー協会本部
©バードスタジオ/集英社・東映アニメーション
©岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ
©遠藤達哉/集英社・SPY×FAMILY製作委員会