インタビュー

注目の最新モバイルMMORPG「リネージュ2M」開発室長ベク・ソンウク氏インタビュー

韓国での反響や既存シリーズとの関係は?気になるポイントを聞いてみた

国内配信日:未定

 9月5日、韓国にて新作モバイルゲーム「Lineage2M」の発表会が実施された。発表会においては多くの情報が開示されたが、なかでもモバイルとは思えないほどの美麗なグラフィックスによる世界の表現や、PCとの完全なクロスプレイが実現されている、といったトピックはとくに印象的でもあった。

 日本でも人気の高いPC用MMORPG「Lineage2」の流れを汲む作品ということもあって国内のファンからも注目される本作だが、現時点において日本での配信については明らかにされておらず、逸る気持ちを抑えきれない方も多いことだろう。詳細な情報は順次公式より発表があることとは思うが、現時点で気になっている点について、「Lineage2M」開発室長であるベク・ソンウク氏にメールインタビューを行なった。その内容をお届けしよう。

「Lineage2M」開発室長のベク・ソンウク氏

――「Lineage2M」(以下、L2M)の開発経緯を教えてください。

ベク氏:かつて原作となるPC版「Lineage2」において、フル3Dグラフィックスのシームレスワールドを実現しようと挑戦したときのように、「L2M」ではこれまでのモバイルゲームにおける最高の技術を集約し、モバイルゲームの限界を超える作品を作りたいと思いました。原作「Lineage2」を経験したことのないお客様にも、モバイルで最高のグラフィックスを楽しめるMMORPGになるように開発をはじめました。

実機によるプレイの様子

――企画の開始時期、開発期間などを教えてください。

ベク氏:昨年の初めくらいから本格的にプロジェクトが始動しはじめました。もっとも「Lineage」IPに精通しているNCSOFTの開発のキーマンや、モバイルゲーム開発の経験者など大人数が合流して非常に速いスピードで開発が進んでいます。

――韓国での発表以来、どのような反響が寄せられていますか。

ベク氏:9月5日の正午より事前登録を開始しましたが、開始から18時間で200万人の登録者を突破しました。過去最高記録だった「LineageM」の3日目で事前登録者200万突破という記録をさらに更新し、韓国国内のゲームにおける史上最短記録になりました。

事前登録者数は当記事掲載時ですでに300万人を突破しているとのこと

――「L2M」の世界観は原作「Lineage2」とどのような関係になりますか?

ベク氏:「L2M」も原作「Lineage2」と同様の世界観をベースとしています。ただし、「L2M」には原作「Lineage2」では体験することができなかったオリジナルのコンテンツも実装される予定ですので、新しい世界がゲーム内で広がっていくことになると思います。

――発表会では公開していないゲームシステムに関して、リリース前に情報を公開する予定がありますか?

ベク氏:最新情報は公式ページを確認していただくのが一番早いかと思います。今後もさまざまなコンテンツを随時公開していく予定ですので、ぜひチェックしてみてください。

――原作「Lineage2」の世界をモバイル化するにあたり、「Lineage2M」ならではの新要素はありますか?

ベク氏:モバイル版でも原作の世界をそのまま再現するため、UI&UX面で色々な工夫をしました。その中でも戦闘時に使う「スキャン」システムは周りのモンスターや敵対血盟員などを瞬時に把握し、モバイルでも簡単にターゲティングすることができる機能で、これにより3Dモバイル環境でも原作と同様、各職業にあるさまざまなスキルを使い、ターゲットに合わせた戦闘ができるようになっています。また、攻撃やバフ、味方への支援が同時に行なわれる原作のパーティ戦闘は「スキルターゲット」システムとして実現し、攻撃と同時に味方&敵へのスキル発動がより簡単にできます。

――原作「Lineage2」をモバイル化するにあたり、もっとも気を使った点はなんですか?

ベク氏:シームレスの世界においてローディングという概念があることがゲームとしては未完成だと考え、ローディングがなくリアルタイムで進行できる環境の実現を目指しました。ユーザーのコントローラーの座標だけを利用するのではなくて、それ以上にユーザーの行動や動きに応じて、最小単位で分割したランドスケープとアセットをまとめて自動的に処理することにより、モバイルでもローディングのないプレイができることを確認しました。

実機上でギラン城周辺を飛んでいるシーン。この美麗な世界がシームレスで展開していくというのだから驚きだ

――既存の原作「Lineage2」ファンにはどのように遊んで欲しいですか?

ベク氏:原作の「Lineage2」にはキャラクターやサーバーごとに数々のストーリーや文化が生まれてきたと思います。「Lineage2M」みなさまが作り上げたさまざまな物語により新たな歴史が作られていくと思いますので、多くのプレーヤーと出会っていただきたいです。日本の皆様がどういうエピソードを作っていってくれるのか、今から早くも気になります。

プレーヤー同士の交流こそがMMORPGの真髄。「Lineage2M」から始まる新たな出会いにワクワクしているプレーヤーも多いはず

――原作「Lineage2」未体験のプレーヤーにはどう訴求していきますか?

ベク氏:「Lineage2M」は、これまでのモバイル環境では体験できなかったフル3Dグラフィックス、シームレスロード、衝突処理、ワンチャンネルオープンワールドなど、最高かつ最新の技術が凝縮されたMMORPGとなっていますので、その部分をぜひお楽しみいただきたいと思います。

――PC版「Lineage」や「Lineage2」、および「LineageM」との連携要素はありますか?

ベク氏:それぞれ別のゲームなので、現状は連携などの要素は考えていません。

――同じIPである「リネージュ2 レボリューション」(ネットマーブル)とはどのような差別化をしていく予定ですか?

ベク氏:「Lineage2」は2003年にNCSOFTが作ったIPですので、「Lineage2」を誰よりも深く理解している会社だと自信をもって言えます。オリジナリティーをうまく活かしたゲームとなっておりますので、どうぞご期待ください。

――対応スマートフォンのスペックはどの程度でしょうか? また、ロースペックなスマートフォンでもプレイできるような仕組みはありますか?

ベク氏:古い端末をお持ちの方は気にかけられていると思いますが、つねに最適化作業を行なっており、端末のスペックに応じて自動的に調整されますので、心配なさらなくても大丈夫です。

――最後に、日本のファンにコメントをお願いします。

ベク氏:原作の「Lineage2」を楽しんでいただきありがとうございます。また「Lineage2M」を心待ちにしていただいている日本の皆様には、ご期待に沿えるクオリティーのゲームが提供できるように引き続き尽力致します。日本の皆様にお目にかかれる日まで、今しばらく楽しみにしながらお待ち下さい。