インタビュー
「D×2 真・女神転生リベレーション」、山田理一郎氏・岩元辰郎氏インタビュー
新情報についてのお話を、さらに詳しく伺ってみた!
2018年9月23日 11:58
東京ゲームショウ2018の初日となった9月20日の「D×2 真・女神転生リベレーション」の特別ステージイベントでは様々な新情報が発表され、大いに盛り上がった。そんなイベントの直後、新発表の内容について詳しくうかがいたく、チーフプロデューサーの山田理一郎氏とキャラクターデザインの岩元辰郎氏のお2人にインタビューを行なった。
発表された新要素の気になるアレやコレを直撃
――今回発表された「デビルスキャナ」ですが、本実装ではイベント形式で悪魔と交渉して仲魔にできるようになるとのことですが。
山田氏: はい。そういった形のものを考えています。高レアリティの悪魔が仲魔になるのも考えていますが、もちろん簡単に手に入る訳ではないと思うので、どういうバランスやタイミングでユーザーさんが手に入れる形にするか、そこが現在の考えポイントだなと思っています。
また、AR機能が非対応のユーザーにもギルド等で入手できるよう考えてはいます。ゲームのほうで悪魔を仲魔にするのが本道ですが、ARでの交渉を楽しみながら、いっぱい悪魔を集めると良い事があったり、位置情報を絡めたイベントなどもできたら面白いなと思っています。
イベントステージでやりましたけど、「花をスキャン」とストレートに教えてくれてたんですけど、本実装ではあまり明確にはせず、探してもらうという形にしたいですね。それでユーザーさん同士のコミュニティとかで、○○を読み込んだらこんな悪魔が出てきた! みたいな感じで盛り上がれるようなものにしたいですね。
岩元氏: 花とかリンゴとかはわかりやすいけど、例えば消火器とかは身近にどこかにはあるハズなんだけど、でもハッキリとした場所はわからない。みたいなものを探したりするのも、それだけで面白い気がしますけどね。
――今回の発表で、年内に今のストーリーが完結するのを知って正直驚きました。
山田氏: はい。今回のお話し自体は7章で完結するのは最初から決まっていまして。1部ではここまでで、それ以降もっといろんな話を作っていくといった感じでした。まぁ……本当は最初から7章まで遊べる予定だったんですけど、スケジュールの都合で(笑)。
岩元氏: (笑)。
――第2部のストーリーでは、物語のスケールは今より大規模になるのですか?
山田氏: このゲームの世界観となるバックボーンは変わらないつもりですけど、お話のスケールというか、要素自体は大きくなると思います。
――7章でアコライツとの戦いに決着とありましたが、第2部からは全く新しい敵になるんですか?
山田氏: そうですねー、そこはご期待して頂けたらと(笑)。
岩元氏: まだそこはね(笑)。
――第2部からは、ファン待望のプレーヤー属性による分岐が実装されるとの発表がありました。
山田氏: はい。初期の段階から“ロウ”、“ニュートラル”、“カオス”でシナリオが分岐するというのは検討はしていたのですが、元々が小さな話なので、それだと単なるストーリー分岐になってしまうと思ったんですね。やはり「真・女神転生」って自分の選択によって世界が変わっていくというものなので、もう少し大きな話の方が相応しいのかなって思ったんですね。なので、第1部の段階での実装は考えてなかったんですよ。
――これまでの「真・女神転生」のように、第2部では主人公の選択肢によって立ち位置の変化や、戦う相手が変化するといったことがあったりするのでしょうか?
山田氏: その辺はまだちょっと言えないところで(笑)。ただ、単純にエンディングが変わるだけではないような作りを考えています。
――それは楽しみですね。本編のストーリーだけではなく、アウラゲートも新たに追加されるということで。これは今のアウラゲートをクリアした人向けのものになるんですか?
山田氏: いえ、並行して遊べるような作りになっていますね。難易度的にも高いものではなく、ダンジョンコンテンツがもう1つ追加されるといった形になります。ダンジョンをクリアしていくといったところは同じですけど、今のアウラゲートとは違うものは考えています。今は入る度にダンジョンの形が変化するというものなんですけど、今度のはマップを全部埋めながら進めるような、前回との差別化を図れるダンジョンにしたいと思ってます。
――前のアップデートで、アウラゲート用のスタミナの追加と、いつでもアウラゲートに入れるっていうのは大きく遊びやすくなりましたね。
山田氏: そうですね。時間制限があるというのは当初から懸念材料ではあったんですよ。プレイの阻害要因になるんじゃないかって。マグネタイトの面でもアウラゲートに入れない人はなかなか貯まらないというのもありまして、これは良くないなということで今の調整になりました。
――これまで様々な点で、ユーザーの声を反映されてきましたよね。
山田氏: プレイしていただいて、ユーザーの方からいろいろご意見を沢山頂くんですけど、それになるべく早く応えていきたいとは常に思ってますね。遊びやすいとか、続けやすいというのは非常に大事だと思いますので。
――今回発表された「ギルド」ですが、どういった形になる予定なのでしょうか?
山田氏: 方向としてはいろいろあるんですけど、今回発表した「ファクション」という機能では、ユーザー同士でグループが組めて、チャットなどで盛り上がれたらって思っています。その後どうするかっていうのが課題ですね。ユーザーさんの反応とか状況とかを見て、様々なコンテンツを実装していきたいですね。ギルドを使ったイベントなども定期的にやっていきたいなというのはありますね。
イベントでお披露目されたデフォルメキャラクター、そして気になるコラボの話について
――意外だったのが、今回デフォルメキャラクターも発表されましたね。これはどういった経緯で?
山田氏: ユーザーさんからグッズの要望も前から結構ありまして、それでユーザーさんが手を出しやすい物やデザインなどを考えまして、ミニキャラを作りました。
――このデフォルメキャラクターは岩元さんのデザインなんですか?
山田氏: 社内のデザイナーがデザインしましたね。デフォルメキャラクターを描いてもらうくらいなら新キャラクターを描いてほしいですからね(笑)。岩元さんの絵はオフィシャルでドンと見せたいので。
――なるほど。新キャラクターに期待ですね。今後も味方の「D×2」の追加の予定などはあるんですか?
山田氏: もちろんありますが、やたらめったら増やしていく方向ではないですね。今までのキャラクターの魅力も高めていきたいですので、もっと既存のキャラクターを掘り下げていきたいですね。
――本編ではあまりキャラクターのエピソードは語られないですもんね。今後もキャラクタークエストの追加などはあるんですか?
山田氏: それはしっかりやっていきたいですね。どういった信念を持ってリベレーターズとして戦っているのかとかは、ひとりひとり掘り下げていきたいなと。
――キャラクターといえば、全員が全員個性的ですけど、デザインする際にこういった雰囲気でなどのオーダーは結構あったんですか?
岩元氏: 結構ありましたね。
山田氏: シナリオの深見真さんの方からプロットの段階でこういったキャラクターというのは言われていて、その中で岩元さんに肉付けをしてもらったって感じですね。
岩元氏: そうですね。そこで戦ったりもしましたね。設定上のものから、もっとこうした方がいいんじゃないですか? とかですね。
山田氏: メガキンは最初はもっとラッパーな設定でしたよね?
岩元氏: 設定には完全にラッパーと書いてありました。
山田氏: 今でも売れないラッパーっていう設定はあるんですけどね(笑)。
岩元氏: ファッションももっとBボーイ的なイメージで書かれていましたね。サングラスを掛けてキャップを被ってみたいな。
――それは随分変わりましたね。
岩元氏: シナリオとかも読んで、このキャラクターはちょっと正体不明なキャラクターにしたいなっていうのが当時あったんですね。怪しい雰囲気だけど魅力がある感じを出したかったんですね。あとは、僕なりに人気が出そうなメガチューバーというイメージでデザインしましたね。なんかラッパーの設定の文句ばっかみたいになっちゃってますけど、そんなつもりはないんですよ(笑)。
山田氏: (笑)。
――デザインする際に大変だったキャラクターとかはいたりしますか?
岩元氏: ミートバルーンですね。納期すらも守れないほどに苦戦しました。
――ミートバルーンのオーダーはどんな感じだったんですか?
岩元氏: “軍人”で“アイドルオタ”で“デブ”で“カッコいい”というのでしたね。
――その要素でカッコいいはなかなか難しいですね。
岩元氏: 僕は、カッコいいをやめて“可愛い”にしたらどうですかとか提案したのですが、カッコいいの部分は譲ってもらえませんでしたね(笑)。
――苦労の末、今のカッコいいデザインが生まれたんですね。
山田氏: 女性からの反応も非常に良いですからね。女性人気があるんですよミートバルーンは。
岩元氏: これは全部のキャラクターなんですけど、絶対条件としてカッコいいというのはありましたね。チームでカッコいいではなく、1人で立っていてもカッコいいキャラクターを描きましたね。
――予想外の発表であった大型コラボの件ですが、何かうかがえることがあれば。
山田氏: まだ言えない部分が多いですね(笑)。コラボに関してはなかなか難しいですね。他のソーシャルゲームですとコラボキャラクターをガチャで引いてとかになると思うんですけど、「真・女神転生」だと悪魔ですからね。そこに出していいのかっていうのもあって、安易なコラボはできないんですよね。スタイリッシュなゲームなので、そのラインを踏み越えないものですね。そういったものがハイクオリティな悪魔として登場するっていうのが、本作の魅力だと思います。
――確かに3Dモデルのクオリティはすごいですもんね。最初に見たときの衝撃はすごかったですね。
山田氏: このくらいのクオリティのコンテンツもまだあまりないと思いますし、「真・女神転生」シリーズでも本作で初めて3D化した悪魔も多いですし。今後追加される「カシマレイコ」なんかも、どう動くのかとか気になる悪魔だと思うんですよね。
――これからもそういった悪魔も続々登場するのが楽しみですね。最後にゲームを楽しんでいるファンに向けて、お2人からメッセージをいただけますでしょうか?
山田氏: はい。これからもユーザーの皆様に楽しんでいただけるよう、アップデートを繰り返していきます。ご不満な点などもあるかとは思いますが、随時対応しながら長く遊んでもらえるものにしていきますので、ご期待していただけたらと思います。
岩元氏: やはり「真・女神転生」といえば悪魔だと思うんですが、そんな中、悪魔と付き合っている彼らのことも愛していただければなと思っております。これからもどんどん新キャラクターも作っていきますので愛してやってください。
――お忙しい中、本日はありがとうございました。
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