インタビュー

【特別企画】「FFXV WINDOWS EDITION」推奨PCのこだわりをメーカーに聞いてみた!

第6回:「FFXV」PC版をハイスペックPCであますところなく楽しんで欲しい ユニットコム「LEVEL-R037-i7K-XNA-XV」

1月16日 発売

価格:209,980円(税別)

 プレイステーション 4で「ファイナルファンタジーXV」(FFXV)が2016年に発売され、発売後も単なるダウンロードコンテンツの配信だけではなく、システム面でも進化を続けている「FFXV」。そして3月6日には待望の「FFXV WINDOWS EDITION」が発売となった。

 「FFXV WINDOWS EDITION」は単なるPS4版「FFXV」を単純に移植しただけでなく、グラフィックス面ではNVIDIAと共同でゲーム用ライブラリ「GameWorks」を導入しゲームエンジンを強化。Native 4Kはもちろん最大8Kまで視野に入れた構成となっており、HDR10、DOLBY ATMOS(別途ソフトウェアが必要)にまで対応している。まさに究極の「FFXV」が楽しめるのだ。

 グラフィックスやサウンドのみならず、「Ansel」を使ったこれまでに無いスクリーンショットの撮影が可能になったり、MODへの対応が予定されているなど、よりユーザー参加型のコンテンツも可能となる。

 そんな「FFXV WINDOWS EDITION」の発売にあわせ、各社から一斉に推奨PCが発売された。基本的に推奨PCは、スクウェア・エニックス検証のもと、該当するゲームを楽しめるスペックを有しているPCとして発売される。だが、各メーカーの推奨PCで価格が違うのはもちろん、CPU、GPUをはじめ、採用パーツが全く違っていて、千差万別。そこにはゲームへの思いと共に、こだわりが詰まっている。ということで、今回は「FFXV WINDOWS EDITION」を発売する各メーカーにインタビューを行なった。

 第6回目は、ゲーミングPCブランド「LEVEL∞」で有名なユニットコムにお話を伺った。今回はユニットコムのEコマース統括部 WEB PCプロダクトGの大日方心哉氏に今回のパーツ類の採用経過やゲーミングPCに関する思いを伺った。

LEVEL-R037-i7K-XNA-XV [Windows 10 Home]

LEVEL-R037-i7K-XNA-XV [Windows 10 Home]

【スペック】
・CPU:Core i7-8700K
・GPU:NVIDIA GeForce GTX 1080 Ti 11GB
・チップセット:インテル Z370
・メインメモリ:DDR4-2400 DIMM 8GB
・ストレージ:480GB SSD/2TB HDD
・光学ドライブ:DVD スーパーマルチドライブ
・電源:700W 80PLUS BRONZE 認証 ATX 電源
・OS:Windows 10 Home 64ビット
・価格:209,980円(税別)~
https://www.pc-koubou.jp/products/detail.php?product_id=611219&utm_source=pr&utm_medium=p180116_2&utm_campaign=i02

ハイスペックなパソコンで究極の「FFXV」を楽しめる事にワクワクした

今回はユニットコムのEコマース統括部 WEB PCプロダクトG、大日方心哉氏にお話を伺った

――1番最初に2017年の8月にドイツで開催されましたGamescomの時にいろいろと出てきたと思うのですが、実質8Kにも対応して、日本発のゲームタイトルで今後のマイルストーンとなるタイトルかなと思いました。その時に発表されたスペックや情報を聞かれたとき、どのように感じられました?

大日方氏: すごく「スクウェア・エニックスさんらしいな」というところがあり、ビジュアルや、そういったところにこだわりがあるメーカーさんらしい展開だなと思いました。「FINAL FANTASY XIV」の頃から4Kへの対応については取りざたされていましたが、それが「FFXV WINDOWS EDITION」ではついに8Kかという点については、驚きを受けました。

――その後「東京ゲームショウ2017」などで、実際にグラフィックスや、ゲームが動作しているバージョンをご覧になられたと思いますが、どのように感じられましたか?

大日方氏: すごく頑張って作られておられるなと思いました。グラフィックスなどを実際に拝見して、PCメーカーとしては素直にどのくらいのスペックを要求されるんだろうかとか、そういったところは純粋に心配になるところもありました。

 ……心配になるというか、ワクワクするという感じでしょうか。当然パソコンのスペックだけではなく、モニターなども含めてですね。今となってはそれなりに発売されていますが、発表当時は4K HDR対応のモニターもそれほどありませんでしたし。そういった周辺機器の部分も含め、どういった物が使えるのか? ケーブルがどういう物が必要なのか? それも色々かなり調べて準備したというのはあります。

――今回、推奨ゲーミングPCの発売にあたり、スペックについていろいろ考えられたと思いますが、1番重要なのはやはりCPUとGPUかなと思います。今回採用されているのはCPUにCore i7-8700K、GPUにNVIDIA GeForce GTX 1080 Ti 11GBとなっていますが、やはり1番最高のものを揃えるということでしょうか?

大日方氏: そうですね。キーワードはずばり、「PS4とパソコンで何が違うのか?」といったときに、4K HDRですとか、8Kという話が出ていたので、では完全にそちらに注力しましょうということで、最初に発売するモデルに関しては、最高設定のところを目指しました。

NVIDIAと協力し、最新技術の取り込みに積極的に取り組んで完成した「FFXV WINDOWS EDITION」

――3月の発売に合わせて推奨ゲーミングPCのラインナップをもう少し増やされましたが、そこではもう少し価格帯などについて幅広いラインナップを考えられましたか?

大日方氏: 1番最初のモデルでは、とりあえず「『FFXV WINDOWS EDITION』において世界観を楽しめるように」というところで推奨ゲーミングPCを用意しました。採用パーツにつきましては、NVIDIAさんと一緒に開発されたということで、ユニットコムでは当然Radeonも取り扱ってはおりますが、どっちを選ぶかというところで、今回はNVIDIAのGPUを採用しました。

 その中でグレードもいくつか設定で分けられるので、推奨PCの最低ラインがGeForce GTX 1060(6GB)まで動作環境として大丈夫となりましたので、そのゾーンまで下げたモデルも、「FFXV WINDOWS EDITION」の発売後は用意しています。

――例えばビデオカードをSLI構成にするといった選択肢もあるかなと思うんですが、なぜしなかったのですか?

大日方氏: これはもう、速攻でスクウェア・エニックスさんに聞きました。「SLI大丈夫なんですか?」と。結果は残念ながら「現状対応していません」という話でしたので、ではビデオカードは1枚でいきましょうとなりました。コストパフォーマンス的にGeForce GTX 1070のSLIあたりからいけるかなと思っていたのですが、SLIがだめならGeForce GTX 1080 Tiかなと。

――CPUやGPU以外にも様々なパーツが使用されています。今回のパーツ選択の基準で、ここにこだわったとかいうものがあったら教えていただけますか?

大日方氏: もうそのものズバリ、SSDの搭載ですね。今回「FFXV WINDOWS EDITION」のインストール容量だけでも100GB近く使うというお話をお伺っていましたので、早めの段階で480GB、あるいは500GBという大容量のSSDを用意したことがこだわりになります。

 やはりロードなどが発生すると思いますので、ロードによる待ち時間をなるべく少なくしよう、ここはストレスはためたくないよねということで、SSDを採用させていただき、こだわっています。

――さらにはHDDもというところですね。

大日方氏: そこは一緒に合わせてという構成でやっています。

――ただ単にSSDを大きくするだけではないということですね。

大日方氏: そうですね。HDDは例えばですが、ゲームの録画先などに使用していただければと思います。

――ちなみに電源はいかがですか?

大日方氏: 電源は容量的に必要十分なものを用意し、コストパフォーマンスを考えて、ある程度のレベルに落としています。容量的には700Wが標準で搭載しています。

――700Wあれば電源容量でいえば十分でしょうか?

大日方氏: オプションとして80Plus Goldの電源も用意しておりますので、こだわりに合わせて選んでいただければと思います。

――その構成でだいたい20万円強ということですが、価格設定としては、やはり20万円を1つの設定値と考えて構成を決められたのでしょうか?

大日方氏: いや、今回の1番最初に発売するモデルはスペックを優先したので、価格については一切考慮していませんでした。それでも、20万円代というスポットには上手く合わせるように、中の部品は調整しています。

――ちなみにゲーマーといってもいろいろなプレーヤーさんがいらっしゃいます。海外の最先端のゲームを中心にプレイされる方、ある程度はグラフィックスは落ちてもいいと考えている方、ネットゲームなどを中心にプレイされる方と、色々プレイスタイルの違う方がいらっしゃって、一言では言えないと思うのですが、そういった多様な中でゲーミングPCの価格設定を、だいたいどのように考えてらっしゃるのでしょうか?

大日方氏: そこに関してはだいたい2つ山があるかなと考えています。1つ目が10万円を切ったところですね。だいたい9万円前後くらいのところが最終的な着地点になる価格帯というところです。ですので、10万円以下で考えれば、だいたい7万円から8万円前後の機種を厚めに用意しています。

 もう1つが15万円代から16万円くらいの価格帯が着地点になりますね。だいたい12万円から13万円くらいから、もう少し上に寄っていますが、そういったところの2つの価格帯があるかなと思っています。

――そのあたりが売れ筋なんですね?

大日方氏: そうですね。その2つの価格帯の商品が売れ筋です。

――では今回はもう少し高めで、という感じですね。

大日方氏: そうですね。今回は「FFXV WINDOWS EDITION」ではハイスペックなグラフィックスを楽しめるというテーマに沿って、その部分を実現できる製品を最初に用意しました。

――2月にベンチマークソフトがリリースされましたが、実際に回されていかがでしたか?

大日方氏: 正直、重かったなと。

 スクウェア・エニックスさんとも、事前にかなりお話しはさせていただいていて、どういったところは対応できるのかとか。だいたいどのくらいが目安で、何フレームくらい……という情報は事前に少し聞いていたので、相当重いなというのは覚悟はしていたのですが、まあ実際フタを開けてみたら相当すごかったですね。

――GeForce GTX 1080 Tiでもなかなか重いなという感じですか?

大日方氏: フルHDという話であれば、十分なスペックというのは感じるのですが、それだとプレイステーション 4と変わらないので、それでしたら4K HDRで見てみようといったら、実際にベンチマークソフトを回して、裏でモニタリングツールを動かすと、パワーを使い切っていて、「ああこれはすごいや!」と、正直思いました。

――ベンチマークでもAnselで写真の撮影などすることが可能ですが、そういった部分も動かすとかなり厳しい感じでしたか?

大日方氏: でも、Anselなどそういった機能をしっかり盛り込んできたというのは、本当に良かったなと思います。GeForce GTX 1080 Tiのビデオメモリは11GBも乗っているのですが、普通はそこまで使い切ることはないのですが、今回はあっさり使い切っていました。我々PCメーカーとしては、「こういったソフトを求めていました」ということです。

――そうですよね。重いというと悪いようなイメージを持たれる方もいるかもしれないですが、そうではなくて、だったら動かすのにどれくらいパワーが必要で、どうすればいいのかというワクワク感がありますよね。

大日方氏: そうです。そちらの方の思いのほうが強かったですね。

ベンチマークソフトも公開され、最新の機能を確かめることができる

――今回は「FFXV WINDOWS EDITION」のスペックを見て色々とお伺いしましたが、特に大切にされた点などはいかがでしょうか?

大日方氏: ここはちょっと個人的なところになるかもしれないのですが、やはり自分が遊びたいから、「いまならどのスペックを選ぼうか」という視点で構成を選んでおります。ですから、「『FFXV WINDOWS EDITION』を遊ぶならこれ!」というところで選んでいます。

 ベンチマークの方も個人的に、自宅でもオーバークロックをしたりとか、コア数変えたり、クロック変えたり、色々細かくチャレンジはしてみています。

――「FFXV WINDOWS EDITION」はまだ進化の余地が考えられます。機能の追加も予定されていますし、ゲーミングPC側、ゲームファンとして、今後期待したいところはありますか?

大日方氏: マニアックなところですが、MODに対応というのが1番面白いかなと思っています。どこまでできるのかが、まだわからないのですが。自分もちょっと作ってみようと思って、いろいろ仕様をみているのですが、どうなのかなというところはあります。VRのHMDを付けて釣りをするといったPlayStation VR用「MONSTER OF THE DEEP: FINAL FANTASY XV」が発売されていますが、PC版では全部VRでできるのであれば、そういうのもちょっと期待したいと思います。

――MODでVRってできるようになるとすごいですね。

大日方氏: すごいかなと。そのための「ファーストパーソンモード」などの簡単な実証とかされているのではないかなと思っていますので、たぶんそういうのを狙っているのかなとちょっと考えたりします。

――そうなるとさらにPCのスペックを要求してきますね。

大日方氏: もちろんそうですね。そうなってくると、もう今の現行製品では全く無理になってくると思うので、次の世代ですかね。次世代か……もしかしたらその先かもしれないですが。

――ちなみに、色々とテストされたとおっしゃってましたが、たとえば8Kで現在のPCで「とても快適」にプレイできそうでしょうか? 8Kディスプレイ自体がほとんどない状況かと思いますが。

大日方氏: 現行のPCでは無理だと思いますね。相当設定下げてようやくというところだと思います。正直、ビデオメモリが足らないですね。30GBとか40GBとかいう世界だと思いますので。

――そうですよね。グラフィックスのデータを展開しないといけないですものね。では最後にユーザーの方に対して製品のアピールをお願いできればと思います。

大日方氏: せっかく「FFXV」のPC版が出たので、その美しいグラフィックスや世界観というものを、あますところなく主人公たちと一緒に旅をしてみて欲しいなと思いますので、そういったところもちゃんと楽しめるように、我々の方も……僕の個人的な希望も含みますけれど(笑)……よく考えてモデルを構成しましたので、このPCで遊んでいただきたいないと思います。

――ありがとうございました。