インタビュー
【特別企画】「FFXV WINDOWS EDITION」推奨PCのこだわりをメーカーに聞いてみた!
第5回:20万円を切るハイスペックゲーミングPCを! G-Tune「NEXTGEAR i670PA1-15」
2018年4月6日 12:00
プレイステーション 4で「ファイナルファンタジーXV」(FFXV)が発売されたのが2016年11月のこと。発売後もシステム面などで進化を続けている「FFXV」。そして遂に3月7日には待望の「FFXV WINDOWS EDITION」が発売となった。
「FFXV WINDOWS EDITION」は、グラフィックス面ではNVIDIAと共同でゲーム用ライブラリ「GameWorks」を導入しゲームエンジンを強化。Native 4Kでのゲームプレイはもちろん、HDR10、DOLBY ATMOSにまで対応している。また、Windows版ならではの機能として、MODへの対応も予定されている。
ソフトの発売に合わせて「FFXV WINDOWS EDITION」の推奨PCが各社から一斉に発売された。基本的に推奨PCはメーカー検証のもと、該当するゲームを楽しめるスペックを実現したPCとして発売される。だが、もちろん各メーカーとも、価格が違うのはもちろん、CPU、GPUをはじめ、採用パーツが全く違っていて千差万別。そこにはゲームへの思いと共に、こだわりが詰まっているはずだ。ということで、今回は「FFXV WINDOWS EDITION」を発売する各メーカーにインタビューを行なった。
第5回目は、ゲーミングPCの豊富なラインナップを誇る、マウスコンピューターの「G-Tune」にお話を伺った。G-TuneはCPUにCore i7-8700K、ビデオカードにGeForce GTX 1080を採用したハイパワーモデルが発売されている。G-Tuneについては、同社のマーケティングを担当されている安田祐三郎氏にお話を伺った。
NEXTGEAR i670PA1-15
【スペック】
・CPU:Core i7-8700K
・GPU:GeForce GTX 1080 8GB
・チップセット:Z370 チップセット
・メインメモリ:16GB PC4-19200 DDR4-DIMM
・ストレージ:2TB HDD(M.2 SSDをBTOにて追加可能)
・光学ドライブ:BTO にて追加可能
・電源:700W電源(80PLUS BRONZE)
・OS:Windows 10 Home 64ビット
・価格:189,800円(税別)
8Kという切り口で「FFXV WINDOWS EDITION」を出していただくというのは、ゲーミングPCメーカーとしても大変ありがたい
―― 2017年8月に開催された欧州最大規模のゲームショウ「Gamescom」で、「FFXV WINDOWS EDITION」のスペックが発表されました。そのときに実質8Kにまで対応できるですとか、NVIDIAとも共同で開発が行なわれているといったアナウンスがあったのですが、そういった発表を聞かれてどのような印象を持たれましたか?
安田氏: まず第一印象としては、本当にワクワクしたというのが正直な感想です。4Kグラフィックスへの対応はそれなりに増えてきていて、スペックもそれに追いついていて、快適なプレイができるようになってきましたが、8KというとどれだけのCPU/GPUが必要なんだろうなという気持ちがまずは先行で立ち上がってきて、では、それをプレイするためにパソコンメーカーとしてどんな環境を用意しなくてはならないのかと、考えを深めていきました。
―― 4Kもだいぶ出てきてはいるといっても、かなり重いアプリケーションではあると思います。8Kともなると、次のマイルストーンになるかと思いますので、そういった意味でも息の長いゲームになって欲しいですね。
安田氏: ゲーミングPCがどれだけ動くのかわかる指標に「FFXV WINDOWS EDITION」がなっていくと思いますので、8Kという切り口が追加されるというのは、ゲーミングPCメーカーとしてもいかに快適に動作するパソコンを用意できるか、挑戦していきたいと思っています。
―― 特にゲーミングPCは最先端というところがあると思います。今の技術もそうだし、その先も見据えてというところでは楽しみですね。そして2018年に入り実際に「FFXV WINDOWS EDITION」推奨PCを発売されますが、CPUやGPUの選定基準はどういったものですか?
安田氏: そうですね、まずはCPUに関しては、できるだけ1番いいものを採用しておこうという考えがありました。そのためにCore i7-8700K搭載をはじめに決定しました。最上位CPUで、ユーザーさんに安心感を持っていただきたいというのが1つですね。
グラフィックスに関しては、GeForce GTX 1080 TiではなくGeForce GTX 1080を選択させていただきました。その理由は、Core i7-8700KとGeForce GTX 1080 Tiですと、「ゲーム推奨PCではなく、通常のラインナップの1番高いものを買えばいいのではないか」とお客さまが感じてしまい、推奨PCの魅力が半減してしまうので、そうではなく、「FFXV WINDOWS EDITION」を遊ぶために、価格とスペックのバランスを重視し、Core i7-8700KとGeForce GTX 1080であれば、税別・送料別で20万円以下でありながら、高いグラフィックス処理も可能となる、バランスのとれた製品になるということで、設定させていただきました。
―― GeForce GTX 1080 Tiですと、価格的に上がってしまいますか?
安田氏: そうですね。税別20万円以下という価格設定に引っかかってしまうというところです。そのため、「FFXV WINDOWS EDITION」推奨モデルは、SSDは標準搭載しておりません。G-Tuneでは、HDD標準搭載モデルの方が意外と売れるという傾向があります。皆さんSSDを持っていて換装されているのか、それともまだHDD派が多いのか、ここは気になるところではありますが、今回の推奨PCではHDDを採用しております。
そういった意味で、お客様の用途に合わせてご選択いただけるよう、HDDをメインに据えて、SSDはBTOで選べる状態で作らせていただいています。
―― SSDを搭載した動作の速いゲーミングPCが欲しいけれども、ゲームをインストールしていくとすぐに容量がアップしてしまうので、悩ましいですよね。そういった意味でもHDDは欲しいなというところではありますね。そういう人が多い可能性があるということですね。
安田氏: そうですね。
―― マザーボードや電源などのそのほかのパーツの選定基準はどう考えてらっしゃいますか。
安田氏: マザーボードに関しては、最新世代のCPUに対応するものを出さないとなというところで、Z370を用意させていただいています。あとはゲームをプレイするにあたり、ビデオカードだけではなく、拡張性であるとか、最新M.2対応SSDなどを選択できるとか、最新の要素を搭載しカスタマイズ可能になっているというのが、最低限の基準だとは思っております。そういった意味でもZ370のマザーボードを選択させていただいただきました。
さらに最新CPUとグラフィックスもGeForce GTX 1080を選択したということもあり、700W 80PLUS BLONZEの電源を搭載しています。余裕を持った電源となっておりますので、保証対象外にはなりますが、お客様で追加で拡張して頂いても基本的には安心できる電源を確保してあります。
それと、ゲーミングPCには、大型のビデオカードであったり、色々と高性能なものが求められますので、ケースごとにきっちりとエアフローの管理や、メンテナンス性が必要と考えています。
エアフローを重要視すればどうしてもホコリが貯まりやすくなるので、フィルターを簡単に取り外せるパネルであったり、メンテナンス性を重視しており、ハイスペックであり、同時に使いやすいパソコンというところですね。
また、マウスコンピューターの会社としての取り組みとして、国内生産にこだわり高いクオリティを保証しているほか、365日の電話サポートを行なっており、購入後のサポート体制も安心していただけるというところも、G-Tune、マウスコンピューターとしての大きなメリットかなと思っています。
―― この構成で、価格の設定は20万円を切るんですね。これは割と頑張った感じですか?
安田氏: 正直、頑張っている状態ですね。
―― そうですよね。やはり20万円切るというのは、結構たいへんですよね。
安田氏: そうですね。価格が20万を切るという点につきましては、だいぶ意識したところではありますね。せっかく最新ゲームの推奨PCとして出す場合、1つの価格の基準というのが20万円を越えるか越えないかというところがあると思いますので、そこは検討を重ね、スペックと価格の調整を行ないました。
―― 海外の最先端のゲームは、割とコアなユーザーさんが多いかと思いますが、「ファイナルファンタジー」シリーズともなると認知度も高いと思いますし、コンシューマーから入ってくるユーザーさんもいらっしゃるというところもあって、そういった点も意識して価格設定を考えていらっしゃるのですか?
安田氏: やはり認知度の高いタイトルだからこそ、PCゲームに入門されるユーザーさん目線に立って20万円を切った価格にこだわっています。
―― 2月には、ベンチマークがリリースされましたが実際に回してみてどのように感じられましたか?
安田氏: 予想以上に重たかったですね(笑)。
もちろんフルHD環境では快適に動くとわかっていたのですが、4K環境で試した時にGeForce GTX 1080でもここまでかという。正直なところ、(高設定だと)ここまでPCのスペックが求められるんだなということがわかって、驚愕したのがまず第一にありました。第二に「ではどうすれば、『快適』になるんだろう」という事を考えました。「どこのスペックを伸ばせばいいんだろう?」とだいぶ悩みましたし、検証も行ないました。
ですので、逆に言うと今後もラインナップを増やすことができるだけの要素があるのかなと思っていますので、ミドル、ハイなど推奨PCのラインナップは増やしていきたいなと思っています。
あとは、Anselを起動させると高負荷が掛かっている印象でした。ファンの音が激しくなったので、グラフィックス的に負荷が高いのかなと?
これまで正直なところ、Anselを使う機会がなかなかなかったということがありますので、そういった意味で、「FFXV WINDOWS EDITION」においてこういった機能が盛込まれたことは、いい機会だったなと思いますね。
―― 「FFXV WINDOWS EDITION」では、写真を撮るという要素がありますので、Anselはより重要で楽しめますよね。
安田氏: そういうことですね。
―― スクウェア・エニックスさんと推奨PCを出すことになり開発を始めた時に、何か大切にしたポイントはありますか?
安田氏: そうですね、開発の初期段階においていただいたスペックの最低基準で発売するには不安があるかなと思っていた部分があったので、そういった意味で余裕を持ったスペックで、同時にできるだけ価格を押さえたいというところが、1番こだわったところですね。
―― そういった点にこだわればこだわるほど、ポイントが狭くなってくると思います。そこは苦労されたんですね。
安田氏: CPUとグラフィックスだけはどうしても譲れないという部分で、逆にそれ以外のところはお客様の選択肢に委ねスペックに幅を持たせて、価格的にもできるだけ安くというところですね。
―― 「FFXV WINDOWS EDITION」推奨PCでは、ビデオカードを選択することはできるのでしょうか?
安田氏: G-Tuneに関しては、グラフィックスでモデルを組み分けておりますので、基本的にビデオカードは固定となっております。ですので、基本的にBTOはSSD、HDD、メモリ、電源など、拡張カード系のみとなります。
―― 今後、「FFXV WINDOWS EDITION」はまだ進化/拡張を続けていくと思います。「FFXV」に期待していることはありますか?
安田氏: SLIに対応して欲しいです。
8Kであったり、これだけ高解像度で動作する処理が重たいタイトルですので、やはりPCメーカーとしてはそれに合わせるハイスペックなものを出したい。となるとSLIはどうしても選択肢からは外せないかなと思っていますので、そこはどうにか対応していただきたいなと思っています。
―― では最後に、ユーザーさんに一言おねがいします。
安田氏: 「FFXV WINDOWS EDITION」を快適に遊べる税別(送料別)20万円以下のPCというのがG-Tuneのポイントとなっておりますので、ぜひともチェックいただければと思います。
―― ありがとうございました。
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